「ウェブサイトを作りたいけど、サブディレクトリとサブドメイン、どっちを使うべき?」
「SEOを意識してサイトを運営したいけど、サブディレクトリとサブドメインの違いがよくわからない……」
「サブディレクトリとサブドメインって、それぞれどんな場面で使い分けるのがベスト?」
ウェブサイトの運営において、サブディレクトリとサブドメインの選択は、SEOやサイトの管理方法に大きな影響を与えます。
しかし、これらの用語が何を意味するのか、またどちらを選べばいいのかは、初心者にとっては少し難しい問題かもしれません。
本記事では、サブディレクトリとサブドメインの違いをわかりやすく説明し、それぞれの特徴やSEOに与える影響について、初心者の方でも理解できるように解説します。
これを読めば、どちらを選ぶべきかが明確になり、より効果的なウェブサイト運営ができるようになります。
なお、以下の記事では、ドメインについて初心者向けに詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

サブディレクトリとは
ディレクトリとは
ディレクトリとは、サーバーやコンピューター内でファイルやフォルダを分類・整理するための仕組みです。
ディレクトリは「フォルダ」とも呼ばれ、ファイルの保存場所や階層を視覚的かつ論理的に分かりやすくします。
例として、コンピューターの中にある「ドキュメント」や「画像」などのフォルダもディレクトリに相当します。
サブディレクトリの意味
サブディレクトリとは、メインディレクトリ(ルートディレクトリ)の下層に位置するディレクトリのことです。
簡単に言えば、親フォルダ(ディレクトリ)に対して、その中に作成される子フォルダがサブディレクトリに該当します。
例:
- ルートディレクトリ:
example.com/ - サブディレクトリ:
example.com/blog
この構造により、コンテンツやデータを階層的に整理し、管理しやすくする役割を果たします。
サブディレクトリの基本概念とは
サブディレクトリは、URLにおいてもその階層を示す部分として表れます。
これにより、サイトの訪問者や検索エンジンが内容の関連性や構造を理解しやすくなります。
URL構造の例:
- ルートディレクトリ:
https://example.com/ - サブディレクトリ:
https://example.com/products/
主な特徴:
- 階層性: サブディレクトリを利用すると、階層的にコンテンツを整理できます。
- SEO効果: サブディレクトリを使用することで、トップドメインの評価を引き継ぎやすくなり、SEOに有利な場合が多いです。
- 管理の容易さ: サーバー内でディレクトリ構造を統一することで、ファイル管理や運営効率が向上します。
サブディレクトリのメリット
1. トップドメインのSEO評価を受け継げる
サブディレクトリは、トップドメイン(ルートドメイン)のSEO評価をそのまま引き継ぐ特性があります。
これにより、新しく追加したサブディレクトリ内のコンテンツが、すでに評価の高いルートドメインの影響を受けて、検索エンジンで有利なポジションを獲得しやすくなります。
例:
example.comのドメイン評価が高ければ、example.com/blogも検索順位で有利になります。
2. 専門性を深められる(ブランディング)
サブディレクトリを活用することで、トップドメインと関連性のあるテーマのコンテンツを拡張し、専門性を高めることができます。
この手法は、特定の分野でのブランド力を強化し、ユーザーや検索エンジンからの信頼を獲得する助けとなります。
例:
- 企業サイトで製品の詳細情報ページをサブディレクトリとして追加(
example.com/products/)することで、統一感のあるブランドイメージを構築可能。
3. 管理コストが低い
サブディレクトリは同じサーバー環境内で運用されるため、サブドメインを別サーバーで運用する場合に比べて管理が容易です。
また、新たにドメインを購入する必要がないため、運営コストを削減できます。
ポイント:
- サーバー管理者や開発者にとって、複雑な設定が不要。
- SSL証明書もトップドメインと共有可能。
4. 上位表示しやすい
検索エンジンは、サブディレクトリをルートドメインと一体で評価する傾向があります。
このため、トップドメインが高評価であれば、サブディレクトリのコンテンツも相乗効果で上位表示されやすくなります。
例:
- すでにSEOが強いトップドメイン(
example.com)の下層ページとして、新たにコンテンツを追加すると、そのページのインデックス速度や検索順位が向上することがあります。
サブディレクトリのデメリット
1. トップドメインの低評価の影響を受けやすい
サブディレクトリはトップドメインと評価が一体化しているため、ルートドメインがペナルティを受けたり、評価が低下した場合、その影響を受けやすいというリスクがあります。
例:
- トップドメインがスパム行為として認識されると、サブディレクトリのページも順位を大きく下げる可能性があります。
2. コンテンツの重複リスク
サブディレクトリに新しいコンテンツを追加する際に、既存のトップドメインや他のサブディレクトリと内容が重複する場合、検索エンジンから「重複コンテンツ」と見なされ、評価が分散されることがあります。
対策:
- 独自性のあるコンテンツを作成する。
- カノニカルタグを使用して重複ページを正規化する。
3. テーマの一貫性が崩れる可能性
サブディレクトリに追加するコンテンツがトップドメインのテーマや目的から外れている場合、サイト全体の評価が下がる可能性があります。
特に、異なるターゲット向けのコンテンツを混在させると、専門性や関連性が損なわれます。
例:
- 企業サイトで、全く関係のない趣味ブログをサブディレクトリに追加する。
4. 階層構造が複雑化しやすい
サブディレクトリを無計画に増やすと、サイトの階層構造が複雑になり、検索エンジンのクローラーが全ページを適切にクロールできなくなる可能性があります。
また、ユーザーもナビゲーションが分かりづらくなる恐れがあります。
対策:
- サイトマップを用意し、クローラーに正確な構造を伝える。
- 階層は3層以内に収めることを意識する。
サブディレクトリとサブドメインの違い
サブドメインとは
サブドメインは、ルートドメイン(トップドメイン)の前に接頭辞を追加することで作成されるドメイン形式です。
これにより、ルートドメインとは異なる独立性を持つウェブサイトを構築することが可能です。
例:
- ルートドメイン:
example.com - サブドメイン:
blog.example.com
サブドメインは、ルートドメインとは別のウェブサイトとして扱われる場合が多く、テーマや目的が異なるコンテンツを提供する際に適しています。
以下の記事では、サブドメインについて初心者向けに詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

違い一覧
1. URL構造が異なる
サブディレクトリとサブドメインの主な違いは、URLの構造にあります。
| 項目 | サブディレクトリ | サブドメイン |
|---|---|---|
| 例 | example.com/sub | sub.example.com |
| 位置 | ルートドメインの下層 | ルートドメインの前 |
| 表示形式 | フォルダのように見える | 独立したサイトのように見える |
サブディレクトリは、ルートドメインの一部として見なされるため、同一サイト内のページの延長線上にあることを示します。
一方、サブドメインはルートドメインとは別のウェブサイトのように扱われることが多く、独立性を持たせたい場合に使用されます。
2. ルートドメインとの関係
| 項目 | サブディレクトリ | サブドメイン |
|---|---|---|
| SEO評価の継承 | ルートドメインと共有する | 別個に評価される場合が多い |
| 一体性 | ルートドメインと密接に関連 | ルートドメインとは独立性がある |
サブディレクトリ
ルートドメインとSEO評価を共有するため、既存のトップドメインの評価が高ければ、その恩恵を受けて検索順位が上がりやすくなります。
また、クローラーがルートドメイン全体を1つのサイトとして認識するため、専門性が高まります。
サブドメイン
サブドメインは、ルートドメインとは独立した評価を受けることが多く、新しいサイトをゼロから育てる必要があります。
ただし、ルートドメインに依存せず自由に運用できるため、大規模なプロジェクトや別の目的のコンテンツを展開する際に有効です。
3. おすすめの利用シーン
| 利用シーン | サブディレクトリ | サブドメイン |
|---|---|---|
| テーマが類似している場合 | サブディレクトリが推奨 | サブディレクトリではなく別サイト運用が推奨 |
| テーマが異なる場合 | 専門性が失われる可能性があるため不向き | サブドメインで独立性を確保するのが理想 |
| SEO評価を活用したい場合 | 既存のルートドメイン評価を引き継ぐ | 新しい評価が必要 |
| 運用コストを抑えたい場合 | 既存サーバーで管理可能 | 新たな設定が必要 |
サブディレクトリ:
- テーマがルートドメインと関連しており、SEO評価を活用したい場合に最適。
- 例: 企業サイト(
example.com)の下に「採用情報」ページ(example.com/careers)を追加。
サブドメイン:
- ルートドメインと異なるテーマや目的のコンテンツを提供する際に有効。
- 例: 大学のメインサイト(
university.com)とオンライン授業プラットフォーム(courses.university.com)。
サブディレクトリとサブドメインの使い分け
サブディレクトリとサブドメインのどちらを使用するかは、運営するサイトの目的やテーマ、SEO戦略、コストなどの要因に大きく依存します。
それぞれの特性を理解し、適切に使い分けることで、サイト運営の効果を最大化できます。
サブディレクトリが適したケース
1. メインテーマと関連性が強い場合
サブディレクトリは、ルートドメインの一部として扱われるため、メインテーマと密接に関連したコンテンツを拡張したい場合に適しています。
例:
- 企業サイト (
example.com) の中に「採用情報ページ」 (example.com/careers) を作成。 - 商品情報ページにレビューセクション (
example.com/reviews) を追加。
2. メインサイトのSEOが好調な場合
既存のサイトが高いSEO評価を持っている場合、その評価を引き継ぐためにサブディレクトリを利用すると、新しいコンテンツも上位表示されやすくなります。
例:
- 人気ブログサイトがカテゴリページを追加する場合 (
example.com/travelやexample.com/tech)。
3. コストを抑えたい場合
サブディレクトリは、既存のサイト構造やサーバーを活用できるため、新たなドメイン取得費用やサーバー管理コストを抑えることができます。
例:
- 中小企業が同じサーバー内で新サービスのページを作成する場合 (
example.com/service)。
サブドメインが適したケース
1. 本体ドメインとテーマが異なる場合
サブドメインはルートドメインと独立性があるため、異なるターゲット層や内容のコンテンツを運用したい場合に適しています。
例:
- 大学サイト (
university.com) がオンライン講義用のサイトを設置する場合 (courses.university.com)。 - 大手ニュースサイトが特定地域向けのサイトを立ち上げる場合 (
tokyo.news.com)。
2. 別サーバーや別システムで運用したい場合
サブドメインは、ルートドメインとは異なるサーバーやシステムで運用することが可能です。
これにより、運用の柔軟性が向上します。
例:
- ECサイトが異なるプラットフォームでマーケットプレイスを構築する場合 (
market.example.com)。 - 技術的な要件が異なる新しいサービスを展開する場合 (
api.example.com)。
具体的な判断基準
| ケース | サブディレクトリ | サブドメイン |
|---|---|---|
| SEO評価を最大限活用したい | 推奨 | 不向き |
| 異なるテーマを扱うサイトを作る | 不向き | 推奨 |
| 運営コストを抑えたい | 推奨 | やや高コスト |
| 独立性が求められるプロジェクト | 不向き | 推奨 |
| 異なるシステムやサーバーで運用 | 不向き | 推奨 |
サブディレクトリとサブドメインの選択は、短期的な利便性だけでなく、長期的な運営計画やSEO戦略も考慮して決定することが重要です。
それぞれの特性を理解し、サイトの成長に最適な選択をしましょう。
サブディレクトリを使用する際の注意点
サブディレクトリは適切に使用すればSEOやサイト運営に有利に働きますが、誤った運用を行うと逆に評価を下げたり、サイトの管理が難しくなったりする可能性があります。
以下に、サブディレクトリを使用する際に注意すべきポイントを詳しく解説します。
1. コンテンツの重複に注意する
サブディレクトリ内でメインサイトや他のサブディレクトリと内容が重複していると、検索エンジンからペナルティを受ける可能性があります。
これを防ぐためには、各ページの内容を独自性のあるものにし、ユーザーに価値を提供することが重要です。
- リスク:
重複したコンテンツは検索順位の低下や、検索エンジンによるインデックス対象からの除外を招く可能性があります。 - 対策:
- オリジナル性の高いコンテンツを作成する。
- メタタグやcanonicalタグを適切に使用して、重複を回避する。
2. テーマが統一されるようにする
サブディレクトリの内容がメインサイトのテーマから逸脱すると、検索エンジンがサイト全体の専門性を低く評価する可能性があります。
これは、SEOの評価やユーザーの信頼に影響を及ぼします。
- リスク:
サイトの一貫性が失われ、検索エンジンやユーザーからの評価が低下する可能性がある。 - 対策:
- サイト全体のテーマに沿ったコンテンツを設計する。
- サブディレクトリごとにターゲットとするユーザー層や目的を明確にする。
3. ディレクトリ構造をシンプルにする
階層が深すぎると、検索エンジンのクローラーが全てのページをインデックスできない可能性があります。
また、ユーザーにとってもナビゲーションが煩雑になることがあります。
- リスク:
- 深い階層はクロールバジェット(検索エンジンがサイトを巡回するリソース)の浪費につながる。
- ユーザーが目的のページに到達するまでのステップが増え、離脱率が上がる可能性がある。
- 対策:
- ディレクトリは可能な限り浅い階層に設計する(例:
example.com/category/page)。 - サイトマップを作成し、クローラーとユーザー双方に適切な案内を提供する。
- ディレクトリは可能な限り浅い階層に設計する(例:
4. サブディレクトリ貸しは厳禁
「サブディレクトリ貸し」とは、他者にサブディレクトリを提供して運用させる行為を指します。
これにより、自社サイトと無関係なコンテンツが作成されると、SEOやサイト全体の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。
- リスク:
- 他者のコンテンツが原因でSEOペナルティを受ける可能性がある。
- ブランドイメージが損なわれるリスク。
- 運営管理の複雑化。
- 対策:
- サブディレクトリの運営は自社で一括管理する。
- 他者と協力する場合は、別ドメインやサブドメインを活用する。
よくある質問
Q1.サブディレクトリとサブドメイン、どちらがSEOに有利?
サブディレクトリのほうがSEOに有利とされています。
これは、サブディレクトリがトップドメイン(ルートドメイン)のSEO評価を継承しやすいからです。
- 例:
example.com/blogはexample.comの評価を引き継ぎやすい。 - 例外的なケース
サブドメインを利用することで、異なるテーマや目的に合わせた独自のSEO戦略を展開したい場合には、サブドメインも適した選択肢となります。
Q2. サブディレクトリとサブドメイン、どちらがブログ運営に向いていますか?
- サブディレクトリ
- トップドメインと関連するテーマであれば、サブディレクトリの方がSEO効果が高い。
- 例:企業サイトの中でブログを運営する場合、
example.com/blogが望ましい。
- サブドメイン
- ブログのテーマがトップドメインと完全に異なる場合や、別のマーケティング戦略を取りたい場合に適している。
- 例:企業サイトと独立したメディアサイトを運営する場合、
blog.example.comが有効。
Q3. サブディレクトリのSEOを最大化する方法は?
- 高品質なコンテンツを提供する
ユーザーに価値を提供するコンテンツを継続的に作成します。 - キーワード最適化
サブディレクトリのテーマに関連するキーワードを効果的に配置し、検索エンジンにアピールします。 - 内部リンクを強化する
サブディレクトリ内外でリンクを構築し、クローラーが効率的に巡回できるようにします。 - 統一感を保つ
トップドメインとのテーマやデザインの一貫性を維持します。 - サイトマップの作成
サブディレクトリを含む全体的なサイトマップを作成し、クローラーの巡回を助けます。
Q4. サブディレクトリとサブドメインは併用できますか?
- 可能です。 ただし、SEOや運営上の混乱を避けるため、以下を考慮する必要があります:
- サブディレクトリとサブドメインの役割を明確化する。
- 両方の構造が競合しないよう、テーマや目的を分ける。
例:example.com/blogで企業ブログを運営しつつ、shop.example.comでEコマースサイトを展開する。
Q5. サブディレクトリ構造は何階層までが理想ですか?
- 推奨:2~3階層以内
- 階層が浅いほど、検索エンジンのクローラーが効率的に巡回できます。
- ユーザーにとっても分かりやすいナビゲーションが可能になります。
- 例
- 良い構造:
example.com/blog/articles - 避けたい構造:
example.com/blog/2024/japan/marketing/digital-strategy
- 良い構造:
ポイント:階層を増やす際は、URLが長くなりすぎないよう注意しましょう。
まとめ
サブディレクトリとサブドメインの選択は、あなたのウェブサイトの目的や運営方法によって変わります。
- サブディレクトリは、既存のサイトに新しいコンテンツを追加する場合や、SEO効果を強化したい時に有効です。メインサイトとの一体感があり、SEO的にも有利に働きやすいです。
- サブドメインは、異なるテーマやターゲットを持つコンテンツを別のウェブサイトとして運営したい時に適しています。別ドメインとして評価されるため、独立性を保ちやすいという特徴があります。
どちらを選ぶかは、あなたのサイト運営の方針や目標に応じて決めるべきですが、SEOの観点から見ると、サブディレクトリのほうがトップドメインの評価を引き継ぎやすく、効率的に評価を高めることができます。
自分のウェブサイトの方向性をしっかりと考え、最適な構造を選んで、より効果的なサイト運営を目指しましょう。

