「せっかくアクセスが増えたのに、すぐにユーザーが離れてしまう……」
「どのページでユーザーが去っているのか、どうやって把握すればいいの?」
「直帰率と離脱率の違いがわからず、改善策が立てられない……」
「改善ステップが多すぎて、何から手を付ければいいのか見当がつかない!」
こんな疑問や悩みを抱えていませんか?
Webサイト運営において 直帰率 や 離脱率 は、ユーザーの行動を可視化し、サイト改善のヒントを得るための重要な指標です。
しかし、定義や計算方法が曖昧だったり、数値の見方がわかりにくかったりすると、せっかくのデータをうまく活用できません。
本記事では、初心者の方でも理解しやすいように
- 直帰率 と 離脱率 の基本
- 計算方法と目安
- 高くなる原因と具体的な改善ステップ
を、豊富な事例とともに丁寧に解説します。
これを読めば、ユーザー行動のボトルネックを的確に見つけ出し、効果的な改善策をすぐに実践できるようになります🎉
指標の基本概念
直帰率の定義
ウェブサイトに訪れたユーザーが、最初に閲覧したページだけを見て離脱した割合を指します。
- 計算式:
直帰率 = (直帰セッション数)÷(全セッション数)×100%
- ポイント
- 📌 直帰は「1ページだけ見て帰る」行動
- 📌 高すぎると「入口ページで興味を失っている」可能性あり
離脱率の定義
任意のページからサイトを離れた回数の割合を示す指標です。
- 計算式:
離脱率 = (特定ページの離脱回数)÷(同ページの閲覧回数)×100%
- ポイント
- 📊 離脱は「どのページから帰ったか」を示す
- 📊 ページ単位で改善ポイントを探るのに有効
直帰率と離脱率の違い
| 比較項目 | 直帰率 | 離脱率 |
|---|---|---|
| 対象 | セッション全体 | ページ単位 |
| 意味 | 最初のページでそのまま離脱 | 任意のページで離脱した割合 |
| 計算のベース | 全セッション数 | ページビュー数 |
| 活用シーン | ランディングページの魅力度チェック | サイト内の回遊導線や離脱ポイント特定 |
- 🚀 直帰率:入口ページの訴求力を測定
- 🎯 離脱率:各ページの課題把握や導線設計に活用
このように、直帰率は「ユーザーが最初のページで帰るかどうか」を、離脱率は「どのページで途中離脱しているか」をそれぞれ示します。
計算方法と具体例
直帰率の算出式
直帰率は、ユーザーが最初に訪れたページだけを見て離脱した割合です。
直帰率 = (直帰セッション数) ÷ (全セッション数) × 100%
具体例
- 全セッション数:1,000 セッション
- 直帰セッション数:300 セッション
直帰率 = 300 ÷ 1,000 × 100% = 30%
💡解説
- 直帰率が 30% とは、来訪したユーザーのうち30%が最初のページだけ見てサイトを離れたことを意味します。
- 目安として、業種やサイト構造にもよりますが、25~50% 程度が一般的と言われています。
離脱率の算出式
離脱率は、各ページで何回離脱が発生したかをページビュー数で割ったものです。
離脱率 = (特定ページの離脱回数) ÷ (そのページのページビュー数) × 100%
具体例
- トップページのページビュー数:2,000 PV
- トップページの離脱回数:400 回
離脱率 = 400 ÷ 2,000 × 100% = 20%
💡解説
- トップページでの離脱率が 20% なら、訪問者のうち20%がトップページを最後にサイトを離れています。
- 複数ページの離脱率を比較すると、改善すべきページを効率的に特定できます。
算出式まとめ
| 指標 | 式 | イメージ |
|---|---|---|
| 直帰率 | (直帰セッション数)÷(全セッション数)×100% | 最初のページだけで帰った割合 |
| 離脱率 | (ページの離脱回数)÷(そのページのPV数)×100% | そのページで去った割合 |
目安となる数値
全体・業界別の平均値
Web全体で見た直帰率と離脱率の一般的な目安は次のとおりです。
業種やページ目的によって大きく変動するため、あくまで参考値としてご活用ください。
| 指標 | 優良ゾーン | 平均的な範囲 | 注意が必要な水準 |
|---|---|---|---|
| 直帰率 | 26~40% | 41~55% | 56%以上 |
| 離脱率 | 10~30% | 31~50% | 51%以上 |
🔍 業界別の傾向例
| 業界/ページ種別 | 直帰率の目安 | 離脱率の目安 |
|---|---|---|
| Eコマース | 20~45% | 20~35% |
| ブログ/メディア | 60~90% | 30~60% |
| ランディングページ | 70~90% | 40~70% |
| 企業サイト(トップ) | 40~60% | 25~45% |
| サービス紹介ページ | 50~70% | 30~50% |
📌 ポイント
- ブログ系 は情報消費型のコンテンツのため、直帰率が高く出やすい
- Eコマース は複数ページを回遊してもらう設計が求められるため、直帰率低めが理想
- ランディングページ は1ページ完結型の訴求が多く、直帰率・離脱率ともに高くなる傾向
目標設定のポイント
効果的な数値目標を立てるには、サイトの目的や流入経路を考慮したうえで設定しましょう。
- ページの役割を明確化
- LP(ランディングページ):✅ 直帰率70~80%でもOK
- ブログ記事:📈 回遊促進を重視し、直帰率50%以下を目標
- チャネル別に目標を分ける
- オーガニック検索:ニーズが明確なユーザー流入 → 直帰率低めを狙う
- SNS広告:興味喚起重視 → 離脱率を下げ、他ページへの誘導を強化
- SMARTに設定する
- Specific(具体的):トップページの直帰率を「55% ↓ 45%」に
- Measurable(計測可能):GA4で月別数値をトラッキング
- Achievable(達成可能):過去3ヵ月の平均から無理のない改善幅
- Relevant(関連性):売上貢献ページを優先
- Time-bound(期限設定):3ヵ月以内に目標達成
- 改善効果を検証する
- A/Bテストで見出し・ファーストビューを比較
- ヒートマップでユーザー行動を可視化
- 定期レポートで数値推移を確認し、都度目標をブラッシュアップ
🎯 まとめ:業界平均を把握したうえで、サイト・ページの目的に合わせた具体的かつ期限付きの目標を立て、定期的に効果を測定しましょう。
指標が高く現れる代表的な原因
ページ読み込みの遅延
ページが重くて表示に時間がかかると、ユーザーは待たずに離脱しがちです。
- 影響:
- ⏳ 初動が遅いと直帰率が急上昇
- 🏃♂️ 離脱率も併せて高くなる
- チェックポイント:
- ページ読み込み時間(LCP)が3秒以上
- 画像やスクリプトの未圧縮・未最適化
- 対策例:
- 画像の遅延読み込み(Lazy Load)導入
- 不要なプラグインや外部スクリプトの削減
- CDN(コンテンツ配信ネットワーク)の活用
モバイル最適化不足
スマホやタブレットで閲覧した際に表示崩れや読みにくさがあると、ユーザーはすぐに離れてしまいます。
- 影響:
- 📱 モバイルからの直帰率が高まる
- 🚪 離脱率も特定デバイスで顕著に上昇
- チェックポイント:
- ビューポート設定が未実装
- タップ領域が狭く誤操作が起こる
- フォントサイズや行間が読みづらい
- 対策例:
- レスポンシブデザインの徹底
- タッチ要素の最小サイズを確保(48×48px推奨)
- メディアクエリでデバイス別に最適化
ユーザー期待とのズレ
広告や検索結果で訴求した内容と、実際のページ内容が異なると、ユーザーは「思っていたのと違う」と感じて離脱します。
- 影響:
- 🌐 直帰率・離脱率ともに急増
- 🔄 回遊が進まずCV機会を逸失
- チェックポイント:
- タイトルと見出しの整合性
- メタディスクリプションと本文の一致度
- 対策例:
- タイトル・リード文で提供価値を明確化
- 広告文やSNS投稿とコンテンツ内容の一致
- 期待値を正しくコントロールする訴求設計
回遊導線やナビゲーションの不備
ユーザーが次にどこへ進めばよいかわからないと、自然にページを離れてしまいます。
- 影響:
- 🔗 内部リンクが少ない → 回遊率低下
- 🚫 離脱率が特定のページで極端に高くなる
- チェックポイント:
- 関連コンテンツへのリンク設置状況
- グローバルナビやパンくずリストの分かりやすさ
- 対策例:
- 記事の最後やサイドバーに関連リンクを配置
- CTAボタンを目立たせて誘導性を高める
- ユーザージャーニーに沿ったナビゲーション設計
📌 まとめ:
これら4つの原因は互いに影響し合い、直帰率・離脱率を押し上げます。ページ速度改善やモバイル対応だけでなく、コンテンツの整合性や回遊導線の最適化まで、包括的に見直すことが大切です。
数値を把握する手順
GA4での確認方法

標準レポートによる見方
- レポート → ライフサイクル → 集客 → トラフィック獲得 を開く
- 表示される「セッション獲得チャネル」表で 直帰率・離脱率 を確認
- 指標列のプルダウンから必要な指標を追加できる
💡 ポイント:集客経路ごとの傾向が一目で分かるので、チャネル別の課題を素早く把握可能😊
探索レポートによる分析
- 探索 → 新しい探索 → 空白 でレポートを作成
- ディメンションに「ページタイトル」「デバイスカテゴリ」などを設定
- 指標に「直帰率」「離脱率」「平均セッション継続時間」をドラッグ
- 表示されたクロス集計表で セグメント分析 を実施
🎯 ポイント:特定ページ×デバイス×流入経路…と複合的に絞り込んで、改善対象を精査できます
UAでのチェック手順
- 行動 → サイトコンテンツ → ランディングページ に移動
- 「ランディングページ」一覧で 直帰率 を確認
- 行動 → サイトコンテンツ → すべてのページ で各ページの 離脱率 をチェック
- セカンダリディメンションを「参照元/メディア」に設定すると、流入元別の数値も見られる
🔍 ポイント:UAでは指標が固定されているため、GA4ほど自由度は高くありませんが、導線改善の基本は同じです
その他の解析ツール活用法
- ヒートマップツール:クリック・スクロールの可視化で「離脱ポイント」や「未注目エリア」を発見
- セッションリプレイ:実際のユーザー操作を動画で見返し、ページ体験のボトルネックを把握
- サーチコンソール:検索キーワードと直帰率の関係を調査し、意図とズレた流入を特定
| ツール種別 | 活用例 |
|---|---|
| ヒートマップ | 重要CTAボタンの見落とし箇所を検証 |
| セッションリプレイ | フォーム入力中の離脱原因を特定 |
| サーチコンソール | 検索キーワードと離脱率の相関分析 |
🚀 まとめ:GA4・UAの公式レポートをベースに、ヒートマップやリプレイと組み合わせると、定量と定性の両面から改善施策を立案できます。
改善施策の具体例
コンテンツとユーザー期待の整合性向上
- キーワード調査をもとに、検索意図とコンテンツ内容をマッチさせる
- リード文で「この記事で得られること」を明確に提示する
- 見出し構成をFAQ形式やステップ形式にし、読みやすさとわかりやすさを両立する
- ✨ ポイント:ユーザーの疑問に即答する構成で、ページ離脱を防ぐ
ファーストビューのブラッシュアップ
- ページ最上部にキャッチコピー+要約を配置し、一目で価値が伝わるようにする
- ビジュアル要素(アイキャッチ画像やイラスト)で興味を引く
- CTAボタンをファーストビュー内に設置し、次のアクションを明示する
- 🎯 ポイント:ファーストビューが魅力的だと直帰率を大幅に低減
ページ表示速度の最適化
| 対策項目 | 実施内容 |
|---|---|
| 画像最適化 | WebP化+遅延読み込み(Lazy Load) |
| コード圧縮 | CSS・JavaScriptのミニファイ |
| サーバー設定 | HTTP/2・CDN導入 |
| キャッシュ活用 | ブラウザキャッシュTTLの延長 |
- 🚀 ポイント:LCP(Largest Contentful Paint)を3秒以内に抑えると、直帰率が低下しやすい
レスポンシブデザインの強化
- メディアクエリで画面幅ごとにレイアウトを最適化
- タップしやすいボタンサイズ(最低48×48px)を確保
- フォントサイズ・行間をデバイス別に調整し可読性を向上
- 📱 ポイント:モバイルユーザーの離脱を防ぎ、直帰率と離脱率を同時に改善
内部リンク・CTAの設置
- 関連記事や導線強化用の内部リンクを本文中・末尾に設置
- CTA(Call To Action)を行動ベースで文末に配置(例:「詳細はこちら」)
- パンくずリストを導入し、ユーザーがサイト内で迷わない設計に
- 🔗 ポイント:内部リンクがあると回遊が促進され、離脱率が低下


ユーザビリティ/EFO改善
- フォーム最適化:入力項目を絞り、エラー表示を分かりやすくする
- ヒートマップでユーザーの視線・クリックを分析し、動線を改善
- アクセスビリティ:コントラストやキーボード操作に配慮
- 👍 ポイント:使いやすいサイトは滞在時間が伸び、直帰率・離脱率ともに改善
✨ 総括:上記の施策を組み合わせることで、入口ページでも回遊中のページでもユーザー体験を向上させ、直帰率・離脱率を効果的に下げることができます。
どのページから手を付けるべきか
コンバージョン率(CVR)を起点に選定
- CVR高×直帰率高 のページを優先
- 💡 成果に繋がる可能性があるので、回遊導線やCTAを強化
- CVR低×離脱率高 のページも要チェック
- 🚩 問い合わせフォームや購入ボタン直前で離脱していないか確認
平均滞在時間で絞り込む方法
- 滞在時間短×PV多 のページをリストアップ
- ⏱ ユーザーが「すぐ離脱しているが、アクセスは多い」=潜在改善効果大
- 滞在時間長×直帰率高 のページ
- 🔍 読了後に次のアクションが示されていない可能性あり
| パターン | 意味 | 改善ポイント |
|---|---|---|
| 短滞在×高PV | 興味はあるが内容で離脱 | コンテンツ要約や目次で導線を強化 |
| 長滞在×高直帰 | 読み込みはしたが次動作がない | 内部リンク・CTAの配置を見直し |
流入チャネル別の優先順位付け
- オーガニック検索流入
- 🔎 検索意図とコンテンツのギャップを最優先で修正
- SNS/広告流入
- 📣 訴求とランディングページの一致度をチェック
- リファラル流入
- 🌐 紹介元の文脈に合ったコンテンツ構成を調整
🎯 全体の流れ:
- CVR高いページを第一優先
- 次に「滞在時間×PV」分析で改善候補を抽出
- 最後にチャネル別の訴求整合性を点検
以上の手順で着手ページを選定し、効果的に直帰率・離脱率の改善に取り組みましょう!
振り返りと実践へのステップ
ここまでのポイントを踏まえ、直帰率・離脱率改善の全体像と具体的な実践ステップを整理します。
振り返り
- 直帰率:最初のページだけを見て離脱したセッションの割合
- 離脱率:特定ページで離脱した回数の割合
- 目安:業界やページ目的に応じて異なるが、全体では直帰率25~50%、離脱率10~30%がボリュームゾーン
- 主な原因:ページ速度遅延・モバイル非最適化・コンテンツと期待のギャップ・回遊導線不足
- 数値把握:GA4標準レポート・探索レポート、UAレポート、ヒートマップやセッションリプレイを活用
- 改善施策例:コンテンツ整合性、ファーストビュー改善、速度最適化、レスポンシブ対応、内部リンク強化、EFO
実践へのステップ
| ステップ | やること | 期限の目安 |
|---|---|---|
| 1 | 対象ページ選定:CVR・滞在時間・チャネル分析で改善優先度を決定 | 1週間以内 |
| 2 | 現状把握:GA4/UAで直帰率・離脱率を計測し、ヒートマップで動線を確認 | 2週間以内 |
| 3 | 原因特定:速度テスト/モバイル表示チェック/コンテンツ整合性レビュー | 3週間以内 |
| 4 | 施策実行:ファーストビュー改善、画像圧縮、レスポンシブ対応、CTA設置など | 1か月以内 |
| 5 | 効果測定:改善後の指標変化をGA4で比較、A/Bテストも併用 | 1.5か月以内 |
| 6 | PDCA継続:追加施策や調整を行い、定期レポートで進捗管理 | 毎月 |
✨ ポイント
- まずは小さなページを選び、改善の成果を実感しましょう。
- 成功事例を横展開し、他のページにも同様の手法を適用すると効率的です。
- 定期的な数値チェックとユーザー行動のモニタリングで、サイト全体の品質を底上げしていきましょう。
これらのステップを踏んで、ユーザー体験を向上させることで、直帰率・離脱率の大幅な改善を目指しましょう!🎉
まとめ
- 直帰率 は「入口ページだけで去った割合」、離脱率 は「各ページで去った割合」を示す指標
- 業界別の目安を押さえ、自サイトの 目標値 を SMART(具体的・計測可能・達成可能・関連性・期限付き)に設定する
- 高い原因は「ページ速度の遅延」「モバイル非最適化」「コンテンツと期待のずれ」「回遊導線の不足」など多岐にわたる
- 数値の把握は GA4/UA のレポートやヒートマップ、セッションリプレイなどを併用して定量×定性で行う
- 改善は「ファーストビュー強化」「速度最適化」「レスポンシブ対応」「内部リンク・CTA設置」「EFO(フォーム最適化)」などを組み合わせて実施
- どのページから着手すべきか は「CVR」「平均滞在時間」「流入チャネル」などで優先順位をつける
以上のステップに沿ってPDCAを回せば、ユーザー体験が向上し、直帰率・離脱率の大幅な改善が期待できます。
まずは 1つのページ から取り組み、小さな成果を積み上げてみましょう🚀

