コーポレートサイトの教科書|失敗しない構成・制作手順・運用チェックリスト
コーポレートサイトは、ただの「会社のホームページ」ではありません。
取引先・見込み客・求職者・投資家・メディアなど、さまざまなステークホルダーが最初に確認する “公式の一次情報ハブ” です。にもかかわらず、いざ作ろう・直そうとすると、こんな悩みにぶつかりがちです。
「何ページあれば最低限“ちゃんとした会社”に見えるの?」
「会社情報や事業内容、どこまで書けば信頼につながる?」
「採用・サービス・IR…サイトを分けるべき? まとめるべき?」
「見た目は良いのに、問い合わせや応募につながらないのはなぜ?」
「SEOって何をすればいい? 指名検索だけで十分?」
「更新が止まりがち…運用できない会社でも回せる方法はある?」
「外注するとしたら、制作会社の選び方や見積の見方がわからない」
「プライバシーやCookie、セキュリティはどこまで対策すべき?」
「リニューアルでアクセスが落ちるのが怖い。SEO資産を引き継ぐには?」
この「コーポレートサイトの教科書」では、初心者でも迷わないように、失敗しない構成(必要ページ)→制作手順(目的→設計→公開)→公開後の運用(更新・改善) を、実務の順番で整理します。
さらに、検索エンジンからの評価に直結しやすい E-E-A-T(一次情報・透明性・根拠・運用体制) を、ページ設計と文章設計の両面から押さえます。
最後には、公開前に抜け漏れを防ぐ 運用チェックリスト も付けています。「とりあえず作った」で終わらせず、信頼・商談・採用につながるコーポレートサイト を一緒に形にしていきましょう。
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まず押さえる:コーポレートサイトの“守備範囲”を言語化する
コーポレートサイト作りで一番多い失敗は、「何でも載せようとして、結局何が言いたいサイトか分からない」ことです。
最初に“守備範囲(このサイトで何を担うか)”を決めるだけで、構成・導線・文章の迷いが激減します。
コーポレートサイト=企業の一次情報ハブ(誰の不安を解消するか)
コーポレートサイトは、ざっくり言うと 「企業が公式に出す一次情報を集約した場所」 です。
SNSや外部メディアよりも「この会社の正式見解はここ」と示せる、信頼の土台になります。
まず解消すべき“訪問者の不安”
コーポレートサイトに来る人は、だいたい次の不安を確認しに来ています。
- この会社は実在する?(所在地・会社概要・連絡先があるか)
- 何をしている会社?(事業の全体像がつかめるか)
- 信用できる?(実績・取引事例・ニュース・ガバナンス等が整理されているか)
- 相談先はどこ?(問い合わせ導線が目的別に分かれているか)
- 採用や取材、投資家向け情報はどこ?(対象ごとに迷わず辿り着けるか)
“最初の10秒”で伝えるべき3点(初心者向けチェック)
訪問者がトップを開いた瞬間に、最低限これが分かると強いです。
✅ 何の会社か(事業の要約)
✅ 強み・信用の根拠(実績/姿勢/数字など)
✅ 次に取る行動(問い合わせ・資料・採用などの入口)
E-E-A-Tの観点で「信頼」を作るコツ
検索エンジンに評価される以前に、ユーザーが安心できる設計が重要です。
- 情報の“責任主体”を明確にする(会社名、代表/責任部署、連絡先)
- 情報の整合性を保つ(名刺・パンフ・登記情報・各媒体と表記を統一)
- 更新されている“気配”を出す(お知らせ、採用、事例などの更新導線)
- 根拠の出どころを意識する(数値・表彰・許認可・規格・第三者評価など)
「ホームページ」「企業サイト」「公式サイト」など近い言葉の整理
用語が似ていて混乱しやすいので、社内で“言葉の使い分け”を決めると、サイトの目的もブレにくくなります。
| 呼び方 | よくある使われ方(ニュアンス) | 実務上の注意点 |
|---|---|---|
| ホームページ | 日本では「Webサイト全般」を指すことが多い | 定義が広すぎるので、要件定義では避けると安全 |
| 企業サイト | 企業が運営するサイトの総称 | コーポレート/サービス/採用などを含みうる |
| 公式サイト(オフィシャル) | “公式発表の場”という印象が強い | 情報の正確性・更新体制がより重要になる |
| コーポレートサイト | 会社の全体像・信頼・公式情報のハブ | ステークホルダーが広い(顧客/取引先/求職者/投資家/メディア等) |
SEO的な考え方(言い換えの使い所)
- 記事や説明文では「コーポレートサイト」を軸にしつつ、本文中で
「企業サイト」「公式サイト」「会社ホームページ」などを自然に併記すると、検索語の幅に対応しやすくなります。 - ただし、見出しやナビの呼称は統一(サイト内で言葉が揺れると分かりにくい)がおすすめです。
サービスサイト・採用サイト・EC・IRサイトと役割を分ける基準
コーポレートサイトは“本社機能”みたいなもの。
一方、目的が尖った領域は 専用サイト(特化サイト) に切り出すと成果が出やすくなります。
それぞれの役割(ざっくり俯瞰)
| 種別 | 主なターゲット | 主な目的 | 代表的なKPI | 典型コンテンツ |
|---|---|---|---|---|
| コーポレート | 全ステークホルダー | 信頼・公式情報の集約 | 指名検索、回遊、問い合わせ補助 | 会社情報、ニュース、理念、拠点、問い合わせ |
| サービスサイト | 見込み客 | 検討を前に進める | 資料DL、問い合わせ、CVR | 課題→解決、機能、料金、導入事例、比較 |
| 採用サイト | 求職者 | 応募を増やす/ミスマッチ低減 | 応募数、説明会予約、完了率 | カルチャー、職種、社員紹介、選考フロー |
| ECサイト | 購入者 | 販売・継続購入 | 購入率、客単価、LTV | 商品、決済、配送、返品、特商法表記 |
| IRサイト | 投資家/株主 | 開示・対話 | 資料DL、閲覧、説明会導線 | 決算、適時開示、ガバナンス、ESG |
分けたほうが良いケース(例)
- 事業が複数あり、サービス情報が肥大化してコーポレートが見づらい
- 採用を強化したいが、求職者向け情報が埋もれている
- EC/IRなど、法令・審査・開示の観点で運用が重くなる
- 目的別にKPIが違い、改善サイクルが別々(広告運用も含む)
まとめても成立するケース(例)
- 事業が単一で、ページ数も少なく運用担当が限られている
- 更新頻度が高くない(まずは“信頼の最低限セット”を整えたい)
- 予算や工数を抑え、最小構成で早く公開したい
分ける/まとめる判断軸:目的・更新頻度・KPI・法務/審査・運用体制
最後に、判断で迷ったときの“実務の軸”をまとめます。
ポイントは 「成果の出し方が違うなら分ける」、「運用できないなら増やさない」 です。
1) 目的が同じか?
- コーポレート:信頼・公式情報
- サービス:検討促進(CV)
- 採用:応募・マッチング
- IR:開示・対話
- EC:販売・返品対応
→ 目的が違うほど、導線・文体・必要情報が変わるため分離向き。
2) 更新頻度が違うか?
- サービスや採用は更新が多くなりがち
- コーポレートは更新頻度が低いと“止まって見える”リスクも
→ 更新担当が分かれるなら、サイト(またはセクション)も分けた方が回ります。
3) KPIが別々に管理されるか?
- 広告/SEO/営業資料DL/応募など、追う数字が違うなら分離が効きます。
→ 逆に、KPIを追う体制がないなら、無理に分けない方が安全。
4) 法務・審査・開示の重さは?
- ECは表示義務・広告規制などが絡みやすい
- IRは開示の正確性・更新管理が重要
- 個人情報の取り扱いはフォーム運用と直結
→ “載せる”よりも “守れる運用” が先です。
5) 運用体制(誰が、いつ、どう更新するか)があるか?
- 担当部署、承認フロー、公開手順、緊急時の対応(修正・訂正)
この4点が曖昧なら、まずは コーポレートに最小構成で集約 → 運用が回ってから分離、が堅実です。
このパートの要点(迷ったらここだけ)
- コーポレートサイトは 企業の一次情報ハブ(信頼の土台)
- 用語は似ているが、要件定義では言葉を統一するとブレない
- サービス/採用/EC/IRは 目的とKPIが違うなら分ける のが基本
- ただし最優先は 運用できるか(分けるほど更新コストが増える)
訪問者別の検索意図:ステークホルダーごとの“見たい情報”
コーポレートサイトには、見込み客だけでなく 取引先・求職者・投資家・メディア など、目的の違う人が同時に訪れます。
だからこそ重要なのは、「誰が来ても迷わず必要情報に辿り着ける」 ことです。
まず全体像を掴めるように、訪問者別に「よく見られる情報」を整理します。
見込み客・取引先:信頼確認→相談/問い合わせまでの材料
見込み客や取引先が最初にしたいのは「購入」ではなく “信用チェック” です。
ここが満たされると、相談や問い合わせのハードルが一気に下がります。
よく探される情報(優先度順)
- 会社の実在性:会社概要(社名・所在地・連絡先・代表者など)
- 何をしているか:事業全体の説明(“できること”の範囲が分かる)
- 根拠:実績、導入事例、取引実績、許認可・認証、受賞など
- 最新性:お知らせ、プレス、更新日(止まっていない安心感)
- 次の行動:問い合わせ(目的別フォーム、電話受付、資料DL)
相談につながる“置き方”のコツ
- ✅ 「会社情報」「事業」「実績」「問い合わせ」を上部ナビに固定
- ✅ 問い合わせは1つにせず、目的別(例:見積/取材/採用/その他) に分岐
- ✅ 事業説明は「一覧→詳細」の2段構えにして、初見でも迷わないようにする
注意点(信頼を落としやすい例)
- ⚠️ 会社概要が薄い/連絡先が見つからない
- ⚠️ “すごい”表現ばかりで、根拠(数字・事例・第三者評価)がない
- ⚠️ 情報が古く、最終更新が何年も前に見える
求職者:価値観・働く環境・成長機会・選考導線
求職者が見ているのは、待遇だけではありません。
「ここで働く自分を想像できるか」 が判断基準になります。
よく探される情報
- 価値観:ミッション・ビジョン・バリュー、代表メッセージ
- 仕事内容:職種別の業務内容、1日の流れ、求める人物像
- 働く環境:制度、福利厚生、働き方(リモート等)、評価制度の考え方
- 成長機会:育成、キャリア、学習支援、挑戦できる領域
- 選考導線:募集一覧 → 応募 → 選考フロー → よくある質問
“応募までの距離”を縮める工夫
- ✅ 募集要項は、「必須条件」と「歓迎条件」 を分けて書く(読み手が判断しやすい)
- ✅ 選考フローは、期間の目安 も書く(例:面接回数、所要日数)
- ✅ よくある不安はFAQ化(例:残業、配属、リモート、試用期間)
採用が弱く見える典型
- ⚠️ 抽象的な言葉(アットホーム等)だけで、具体がない
- ⚠️ 応募ボタンが見つからない/スマホで入力が大変
- ⚠️ 情報が散らばり、募集要項の最新版がどれか分からない
投資家・株主:透明性・実績・リスク・ガバナンス
投資家・株主向けは、派手さより 「正確さ・整理・比較しやすさ」 が重要です。
情報の置き場が明確だと、信頼性も上がります。
よく探される情報
- 業績・財務情報:決算、資料、指標、説明資料
- 事業の見通し:成長戦略、注力領域、市場環境
- リスク情報:事業リスク、コンプラ、重要な変更
- ガバナンス:取締役、方針、内部統制、開示姿勢
- IR問い合わせ:窓口、免責、注意事項
置き方の基本方針
- ✅ IRを扱うなら、IRページ(またはIRサイト)を明確に独立させる
- ✅ コーポレート側は「IR入口」と「企業の全体像」を担い、詳細はIRへ集約
- ✅ 更新が必要なページは、更新体制(誰が更新するか) を先に決める
メディア・地域社会:会社の公式見解・素材・問い合わせ窓口
メディアや地域社会は「正しい情報を短時間で取れるか」を重視します。
掲載内容が整っていると、取材や問い合わせがスムーズになり、誤解も減ります。
よく探される情報
- 公式発表:プレスリリース、お知らせ(公式見解が分かる)
- 会社プロフィール:沿革、拠点、事業概要、代表コメント
- 素材:ロゴ、写真、ブランドガイド(使用条件)
- 社会的取り組み:CSR/サステナ、地域活動、品質・安全への姿勢
- 窓口:広報/取材問い合わせ(担当部署が明確)
“いざという時”に効く設計
- ✅ 「お知らせ」と「プレス」を分け、公式発表の導線を一本化
- ✅ 誤解が起きやすいテーマは、見解ページ(FAQ形式) を用意しておく
BtoBで起きがちな“迷子”ポイント(情報が散らばる/重複する)
BtoBは扱う情報が多く、次の“迷子”が起きやすいです。
迷子が起きる典型パターン
- 同じ説明が 複数ページに散在(どれが最新版か分からない)
- 事業紹介が 部署ごとに書かれていて統一感がない
- 問い合わせが 1つだけ で、目的違いの人が詰まる(営業/取材/採用など)
- PDF資料だけが増えて、サイト内で 要点が読めない
解決策(初心者でも実装しやすい順)
- ✅ 目的別の入口をトップに置く(例:サービス/採用/IR/会社情報/問い合わせ)
- ✅ “正本ページ”を決める(会社概要はここ、実績はここ…)
- ✅ 各ページの末尾に関連リンクを固定(回遊の型を統一)
- ✅ 更新担当を明確にし、更新が止まるページを増やさない
- ✅ 重複は削るのではなく、統合→誘導で整理する(SEOにも優しい)
成果を定義する:コーポレートサイトのKGI/KPI設計
コーポレートサイトは「見栄え」ではなく、企業活動の“信用コスト”を下げて、次の行動を起こしやすくする装置です。
そのため、最初に KGI(最終成果) と KPI(途中の指標) を決めておくと、制作・運用の判断がブレません。
よくあるゴール:信頼獲得・商談化補助・採用強化・問い合わせ削減
初心者がやりがちなのは「PVを増やす」をゴールにしてしまうこと。
コーポレートサイトの成果は、もう一段“事業寄り”に置くのがコツです。
信頼獲得(まずここが土台)
ねらい: 「この会社なら大丈夫」と思ってもらう
起きてほしい変化:
- 初回訪問で会社像が掴める
- 会社情報・実績・ニュースに自然に辿り着ける
- 問い合わせ前の不安が減る
KGIの例:
- 指名検索(会社名・ブランド名)からの流入が増える
- 主要ページ(会社概要、事業、実績)に一定数到達する
商談化補助(営業を助ける)
ねらい: いきなり売るのではなく、検討を前へ進める
起きてほしい変化:
- 資料請求、問い合わせ、電話、メールが増える
- 導入事例や強みページが“見られてから”問い合わせが起きる
KGIの例:
- 月の問い合わせ件数(または有効問い合わせ率)が増える
- 資料DL→問い合わせの導線が機能する
採用強化(ミスマッチも減らす)
ねらい: 応募数と質を上げる(辞退・ミスマッチを減らす)
KGIの例:
- 応募数(職種別)/応募完了率が上がる
- 採用ページからの応募導線が整理される
問い合わせ削減(サポート負荷を下げる)
ねらい: “同じ質問”を減らし、重要な問い合わせに集中する
KGIの例:
- 電話・メールの総量が減る(社内の受電ログ等と突合)
- FAQ/手続きページへの到達と自己解決が増える
KPI例:指名検索、回遊、CV、採用応募、IR閲覧、資料DL、電話抑制
KPIは「増えたら良い」ではなく、“ゴールに効く順番”で並べるのがポイントです。
下の表は、コーポレートサイトで使いやすい代表例です。
| 目的 | KPI例 | 何が分かるか | 主な計測手段 |
|---|---|---|---|
| 信頼獲得 | 指名検索の表示回数・クリック数 | 認知と信頼の伸び | Search Console |
| 信頼獲得 | 会社概要・事業・実績への到達数 | 不安解消ページが見られているか | GA4(ページ/経路) |
| 商談化補助 | 問い合わせ(完了) | 直接成果 | GA4(キーイベント) |
| 商談化補助 | CTAクリック(資料DL/見積/相談) | “興味が動いた瞬間” | GA4(イベント) |
| 採用強化 | 募集一覧→応募クリック→応募完了 | 応募導線の詰まり箇所 | GA4(イベント/経路) |
| IR(該当企業) | IR資料閲覧・DL | 情報提供が機能しているか | GA4+ページ |
| 問い合わせ削減 | FAQ閲覧→問い合わせ減 | 自己解決の増減 | GA4+社内ログ |
| 電話抑制 | 電話タップ数/問い合わせフォーム遷移 | 電話に偏っていないか | GA4(telイベント) |
指名検索をKPIに入れると強い理由
指名検索は、広告や一時的な露出よりも “企業への信頼”が積み上がった結果として出やすい指標です。
コーポレートサイトのKPIとして相性が良いので、まずはここを定点観測すると迷いません。
回遊(見られ方)の見方のコツ
回遊は「ページ/セッション」を追うより、次のように“意味のある動き”を見ると改善につながります。
- トップ → 事業 → 実績 → 問い合わせ(理想導線)
- トップ → 会社概要で離脱(情報不足の可能性)
- 採用トップ → 募集要項に辿り着かない(導線の問題)
計測の前提:イベント設計(CTAクリック、フォーム到達、離脱箇所)
KPIは、計測できて初めてKPIになります。
ここでは初心者向けに「最小で効果が出るイベント設計」をまとめます。
まず決める:何を“成果”として数えるか
コーポレートサイトで最低限おすすめの「成果イベント」はこのあたりです。
- 問い合わせ完了(サンクス到達 or 送信成功)
- CTAクリック(相談、見積、資料DLなど)
- 電話タップ(スマホの
tel:クリック) - メールクリック(
mailto:) - 資料ダウンロード(PDFなど)
- 外部遷移(採用媒体、EC、予約サイトなどが別ドメインの場合)
イベント設計は“漏れなく・ダブらせない”
イベント名は難しく考えず、動詞+対象で統一すると運用が楽です。
例(考え方だけ)
cta_click(CTAが押された)form_start(フォーム入力開始)form_submit(送信完了)tel_click(電話タップ)file_download(資料DL)
※実装は、拡張計測で足りるもの/GTMで作るものが分かれます。最初は「問い合わせ・電話・資料」だけでも十分です。
“キーイベント(旧コンバージョン)”を決めて、迷わないダッシュボードにする
GA4では重要なイベントを キーイベントとして扱えます。
ここを増やしすぎると判断がブレるので、初心者は 3〜5個に絞るのがおすすめです。
おすすめ例:
- 問い合わせ完了
- 資料DL
- 電話タップ(BtoBで電話が多いなら)
- 応募完了(採用強化なら)
離脱箇所は“フォーム手前”を見れば改善が速い
「フォーム送信が少ない」とき、原因はフォームの中ではなく 手前のページにあることが多いです。
- CTAが目立たない/分かりにくい
- 会社の信用材料が不足(実績・所在地・体制など)
- 料金や範囲が不明で不安(※サービスサイト領域なら特に)
フォーム到達とCTAクリックを測ると、詰まり箇所が一気に見えます。
初心者向け:KGI/KPI設計の最小手順
- コーポレートサイトの主目的を1〜2個に絞る(信頼+商談、など)
- 目的ごとに KGIを“数字で”置く(例:月の問い合わせ◯件)
- KGIに効く KPIを3〜8個選ぶ(指名検索+キーイベント中心)
- イベント設計(問い合わせ完了/CTAクリック/電話タップだけでもOK)
- 月1回の定点観測で「改善するページ」を1つ決めて更新する
この形にすると、制作会社に依頼する場合でも「何を測るサイトか」が明確になり、見積や仕様もブレにくくなります。
“最小構成”と“拡張構成”|必要ページを漏れなく組み立てる
コーポレートサイトのページ構成は、「多いほど良い」ではありません。
初心者ほどまずは 最小構成で“迷わない導線”を完成させ、運用が回るようになってから拡張するのが成功パターンです。
最初に、判断がぶれないように“全体像”を置いておきます。
- 最小構成:信頼の確認と次の行動(問い合わせ・応募など)まで到達できる
- 拡張構成:判断材料の厚み(根拠・実績・方針・取り組み)を増やして差別化する
- 絶対ルール:更新できないページは増やさない(止まる=信頼を落とす)
まずは必須のコアページ(信頼・導線の土台)
コアページは「誰が見ても必要」かつ「更新の負担が比較的軽い」ものから固めます。
以下の6つが揃うだけで、企業サイトとして最低限の信用導線が作れます。
トップ(要約・分岐・最新情報)
役割
訪問者の目的がバラバラでも、最短で目的地に誘導する“玄関”です。
最低限入れる要素(初心者向け)
- 何の会社か(事業の要約を1〜2文)
- 強みの根拠(実績・数字・取引業界など、言える範囲で)
- 目的別の入口(例:事業/会社情報/採用/お知らせ/問い合わせ)
- 最新情報の窓(お知らせ・プレスの新着を数件)
よくあるNG
- かっこいいが何の会社か分からない
- メニューが多すぎて、結局どこへ行けばいいか迷う
- 最新情報が古く、更新が止まって見える
SEO/E-E-A-Tの効かせ方
- “誰向けの会社か”が分かる言葉(業界・提供領域)を自然に入れる
- 「お知らせ」への導線を残して、更新の痕跡を見せる
会社情報(会社概要/沿革/拠点)
役割
信頼確認の中心。訪問者の不安(実在性・責任主体)を一気に解消します。
最低限入れる要素
- 会社名、所在地、連絡先(電話・メール・フォーム)
- 代表者名、設立、事業内容
- 拠点(地図・受付時間があると親切)
- 可能なら:資本金、従業員数、許認可・登録番号(必要業種のみ)
あると信頼が上がる要素
- 沿革(年表でOK)
- 役員/組織体制(出せる範囲で)
- アクセス(最寄駅・駐車場など)
よくあるNG
- 住所・連絡先が見つからない(不信感が出やすい)
- 表記ゆれ(社名、所在地表記、代表名の揺れ)
SEO/E-E-A-Tの効かせ方
- 会社の正式名称・所在地は、サイト内で表記統一
- “責任主体が明確”なページがあること自体が信頼材料になります
事業・サービス概要(全体像→詳細へ)
役割
「何ができる会社か」を短時間で理解してもらい、必要なら詳細ページへ送るハブです。
初心者におすすめの構成(迷わせない型)
- 事業の一覧(3〜7項目程度にまとめる)
- 各事業の説明(1事業=100〜200文字+詳細リンク)
- 対応エリア/対象(BtoBなら業種・規模感、BtoCなら利用シーン)
- 強み(根拠付き:実績、体制、品質、サポートなど)
よくあるNG
- 事業説明が長文で、結局どんな提供物か分からない
- 専門用語だらけで初心者が置いていかれる
- “できること”の範囲が曖昧で問い合わせに繋がらない
SEOの効かせ方
- 事業名だけでなく、検索される言い方(例:業界名、課題名)を本文に自然に混ぜる
- 事業詳細ページを作る場合は、ここを“一覧の正本”にして重複を避ける
お知らせ/プレス(更新の証拠)
役割
更新されている安心感を作り、企業の活動実態を見せるページです。採用や取引先の判断にも効きます。
最低限入れる要素
- お知らせ一覧(カテゴリがあると便利:更新/採用/メディア掲載など)
- 記事ページ(タイトル、本文、公開日、可能なら更新日)
- 問い合わせ先(プレス・取材は窓口を分けると混乱が減る)
運用を止めないコツ
- 月1でもいいので“更新できる設計”にする
- 頻度が厳しいなら、ニュースを増やすより「固定ページの品質」を上げる
よくあるNG
- 会社に関係ない内容を量産して、企業サイトの軸がブレる
- 古い情報を放置して、逆に不安を増やす
問い合わせ(目的別フォーム/連絡先)
役割
成果が最も出やすいページ。ここが弱いと、どれだけ良いサイトでも成果が止まります。
初心者向け:最低限の形
- 目的別の選択肢(例:サービス相談/見積/採用/取材/その他)
- 入力項目は最小限(名前、連絡先、内容、会社名程度から)
- 返信目安(例:2営業日以内)と受付時間
- 迷惑営業への方針(必要なら簡潔に)
フォームとセットで“必須に近い”共通ページ(フッターに置く)
- プライバシーポリシー(利用目的、問い合わせ情報の取り扱い等)
- Cookie等の取り扱い(使っている場合)
- 免責/著作権表記(最低限でOK)
よくあるNG
- 問い合わせが1種類しかなく、採用や取材が混ざって処理が破綻
- 入力項目が多すぎて、途中離脱が増える
- 返信目安がなく、不安で離脱される
E-E-A-Tの効かせ方
- 連絡先・責任部署が明確だと、安心して送信されやすい
- 個人情報の扱いが分かりやすいほど、離脱が減ります
採用(最小でも募集とカルチャー)
役割
応募を増やすだけでなく、ミスマッチを減らすページでもあります。
最小構成(まずこれだけでOK)
- 募集一覧(職種別に分ける)
- 募集要項(仕事内容、必須/歓迎、勤務地、選考フロー)
- 会社の価値観(ミッション・大切にしている行動指針など)
- 応募導線(応募フォーム or 採用窓口、期限、必要書類)
よくあるNG
- “いいこと”だけで具体がなく、応募につながらない
- スマホだと応募ボタンが見つからない
- 選考の流れが不明で不安になり離脱
運用のコツ
- まずは募集要項を“更新できる形式”に(PDFだけだと更新が止まりがち)
- Q&Aを少しずつ増やすと、問い合わせが減りやすいです
あると強い拡張ページ(差別化と判断材料)
ここからは「あると勝てる」ページです。
ただし、更新・監修の負担が増えるものもあるので、優先順位を付けて増やします。
代表メッセージ/ミッション・ビジョン・バリュー
役割
企業の判断軸(なぜやるのか、どう判断するのか)を示し、採用・取引の“相性”を高めます。
入れると強い要素
- 何を解決する会社か(社会・顧客課題)
- どういう基準で意思決定するか(価値観)
- 具体例(行動指針が現場でどう表れるか)
注意点
- 抽象語だけだと弱いので、短い具体例を添えると信頼が増します
実績・導入事例・パートナー
役割
“根拠”を見せて判断を加速させます。BtoBでは特に強力です。
初心者が作りやすい事例テンプレ
- 課題 → 取り組み → 結果(数値が出せないなら変化の種類でもOK)
- どの業種/規模に向くか
- よくある質問(費用感、期間、体制など)
注意点
- 守秘がある場合は、匿名事例でも構いません(業種・規模感だけでも有効)
CSR/サステナ・品質/セキュリティへの取り組み
役割
リスクに敏感な訪問者(取引先・大企業・行政・投資家)に効く“安心材料”です。
載せ方のポイント
- 何をしているか(取り組み)
- 体制(担当部署・ルール)
- できれば根拠(認証、基準、監査、教育など)
注意点
- 背伸びして盛るより、現状を正確に書く方が評価されやすいです
IR/決算(該当企業のみ:情報の置き場を明確に)
役割
投資家向けの情報を迷わず提供し、開示の透明性を高めます。
初心者が迷わない設計
- コーポレート側:IR入口(概要・資料リンク・問い合わせ)
- 詳細:IRページ(またはIRサイト)に集約して更新管理
注意点
- IRは正確性と更新が最重要なので、体制がない場合は無理に拡張しない方が安全です
FAQ/サポート(問い合わせ削減)
役割
問い合わせ対応の負荷を下げつつ、見込み客の不安も減らします。
作り方(最短ルート)
- まずは問い合わせで多い質問を10個だけ集める
- 1問1答+必要なら詳細リンク(長文にしない)
- 更新日を付けて、古い情報を放置しない
注意点
- FAQは増やしすぎると管理が大変なので、まずは“上位10問”からが無難です
資料ダウンロード/ホワイトペーパー(BtoB向け)
役割
今すぐ問い合わせしない層を取りこぼさず、営業の前段を作ります。
最低限の設計
- 資料一覧(誰向けか一言で分かる)
- フォームは短く(会社名・メール・目的程度)
- 自動返信メール(資料URL、次の案内)
注意点
- 作って終わりにせず、資料を増やすより先に“導線の磨き込み”が成果に直結します
ページ追加の判断:検索需要・営業プロセス・更新可能性
拡張ページは、次の3点で判断すると失敗しにくいです。
チェックが多いものから優先して追加してください。
判断チェック(初心者向け)
- 検索需要:その情報が検索・比較の対象になっている
- 営業プロセス:商談で毎回説明している(=Webに置く価値が高い)
- 更新可能性:月1でも更新できる担当・ルールがある
- 正確性:法務/広報/責任部署の確認フローがある
- 再利用性:提案書・採用説明・取材対応などに流用できる
結論(迷ったら)
- 追加する:営業や採用で“毎回説明している”情報
- 追加しない:更新できない、正確性が担保できない情報
情報設計:迷わないサイト構造(階層・ナビ・回遊)
コーポレートサイトは、訪問者の目的がバラバラです。
だから情報設計は「凝った構造」ではなく、迷わせない構造が正解。
ポイントは次の3つです。
- 階層は浅く(深く潜らせない)
- ナビは太く(入口を少数精鋭で目立たせる)
- 回遊は仕組み化(関連リンクなど“部品”で導線を増やす)
階層は浅く、導線は太く:2〜3クリックで目的地へ
「2〜3クリック」は“絶対ルール”というより、迷子を減らすための実務目安です。
深い階層に埋まるほど、ユーザーも検索エンジンもページを見つけにくくなります。
2〜3クリックを実現する考え方
- トップ(入口):目的別に分岐する
- カテゴリ/一覧(中継):全体像を見せ、詳細へ誘導する
- 詳細(目的地):判断材料と次アクションを置く
例(事業ページの場合)
- トップ → 事業一覧 → サービス詳細
- トップ → 実績一覧 → 事例詳細
- トップ → 採用 → 募集要項 → 応募
“深くなるページ”をどう扱う?
法務・規約・プライバシー・個別ニュースなど、ページ数が増える領域は深くなりがちです。
その場合は「深さ」を無理に削るより、見つけやすさを補強します。
- 一覧ページを必ず用意(ニュース一覧、FAQ一覧、募集一覧など)
- フッターから必ず到達できるようにする(規約系)
- パンくずで現在地を示す(どこにいるか分かる)
- サイト内検索(横断検索)を付ける(特にページ数が多い場合)
SEOの観点:リンクは“辿れる形”で
ナビや関連リンクは、検索エンジンが辿れる形(通常のリンク)で置くのが基本です。
また、リンク文言は「こちら」よりも、行き先が分かる言葉の方がユーザーにもSEOにも効きます。
グロナビの設計パターン(事業型/採用強化型/IR重視型)
グロナビ(ヘッダーの主メニュー)は、増やしすぎると逆に迷います。
初心者は 5〜7項目くらいから始めると、情報が締まりやすいです。
以下は“よく使われる型”です(会社の目的に合わせて選ぶとブレません)。
| パターン | 想定 | グロナビ例(6〜7個) | 補足 |
|---|---|---|---|
| 事業型 | 問い合わせ・商談補助を重視 | 事業/サービス、強み、実績・事例、会社情報、ニュース、採用、問い合わせ | 「強み」は事業ページに吸収してもOK |
| 採用強化型 | 応募を最優先に伸ばす | 採用トップ、募集職種、カルチャー(価値観)、社員・環境、会社情報、ニュース、問い合わせ | 採用は“2階層目”までの導線を太く |
| IR重視型 | 上場企業など開示を重視 | IR、会社情報、事業/サービス、サステナ、ニュース、採用、問い合わせ | IRは入口を明確にし、情報の置き場を固定 |
グロナビ設計のコツ(迷子を減らす)
- “対象別入口”を作る:採用、IR、メディア/取材などは迷いやすい
- 迷わせる言葉を避ける:例)「About」「Company」など英語だけの表記
- 同じ意味の項目を並べない:例)「会社案内」と「企業情報」が両方ある、など
- モバイルでは特に、最重要CTA(問い合わせ/応募)だけは目立たせる
トップの役割:訪問者を“目的別”に振り分ける
トップページは「全部を説明する場所」ではなく、目的地に送る交通整理です。
初心者でも成果が出やすいトップの型はこれです。
トップで必ずやること(4点)
- 要約:何の会社か(誰に何を提供しているかを1〜2文で)
- 分岐:目的別入口(事業/採用/IR/会社情報/問い合わせ)
- 根拠:信頼材料(実績、数字、取引実績、認証など“出せる範囲で”)
- 最新情報:お知らせ・プレスの新着(更新が止まって見えるのを防ぐ)
目的別の分岐を作る方法(初心者向け)
- 目的別ボタン(例:サービスの相談 / 採用 / IR / 取材)
- “誰向けか”を明示したカード(例:法人のお客様、求職者、投資家)
- よく見られるページへのショートカット(会社概要、拠点、沿革など)
※BtoBほど「見込み客」と「取引先」が混ざりやすいので、入口で整理すると強いです。
回遊を生む部品:関連リンク、パンくず、横断検索、タグ/カテゴリ
回遊は「気合い」では増えません。部品(パーツ)で仕組み化すると、安定して伸びます。
関連リンク(記事末・サイド・固定ブロック)
“次に見てほしいページ”を、各ページの末尾に固定で置きます。
- 事業詳細 → 関連サービス一覧 / 事例 / よくある質問 / 問い合わせ
- 事例詳細 → 同業種の事例 / サービス詳細 / 資料DL
- 会社情報 → 代表メッセージ / 採用 / お知らせ
コツは、毎回アドリブで置かずに、ページ種別ごとにテンプレ化することです。
パンくず(現在地を示す)
パンくずは、ユーザーに「今どこにいるか」を示して迷子を減らします。
さらに、構造化データ(Breadcrumb)を入れておくと、検索エンジンにも構造が伝わりやすくなります。
※なお、Googleのモバイル検索結果ではURLのパンくず表示が省略される仕様変更(2025年1月頃の報道)がありましたが、サイト内のパンくず自体はユーザー体験の面でも引き続き有効です。
横断検索(サイト内検索)
ページ数が増えたら“早めに”検討すると効果的です。
- 採用(職種名で探したい)
- IR(資料名で探したい)
- お知らせ(過去情報を探したい)
- FAQ(質問で探したい)
タグ/カテゴリ(増やしすぎない)
ニュースや事例、FAQは分類が必要ですが、カテゴリを増やしすぎると管理できず破綻します。
初心者向けの目安:
- カテゴリ:3〜8個に抑える(例:お知らせ/プレス/採用/イベント…)
- タグ:増やすなら「目的」があるものだけ(検索・絞り込みで使う)
迷子防止の最終チェック(実務で効く)
- どのページにも 「問い合わせ」 と 「会社情報」 への導線がある
- ヘッダー/フッターのナビ位置がページごとに変わらない
- 重要ページが“孤立”していない(必ずどこかからリンクされている)
- リンク文言が行き先を説明している(「こちら」だけになっていない)
コンテンツ設計:E-E-A-Tを担保する書き方と見せ方
コーポレートサイトは「企業の一次情報ハブ」です。
つまり、文章の上手さ以上に 根拠・透明性・整合性 が評価の中心になります。
ここでは、初心者でも再現しやすい形で「E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を担保する作り方」を、運用まで含めて整理します。
一次情報を明示する(数字・事実・根拠の出どころ)
一次情報とは、ざっくり言うと「その会社が当事者として持っている事実」です。
コーポレートサイトで強いのは、次のような“当事者だから言える情報”です。
一次情報の代表例
- 会社の事実:設立年、所在地、拠点、体制、対応範囲、許認可の有無
- サービスの事実:提供内容、対象、条件、料金体系、導入フロー、制限事項
- 実績の事実:導入社数、継続率、対応件数、受賞、メディア掲載(出せる範囲で)
- 運用の事実:サポート時間、返信目安、障害・復旧情報の掲載ポリシー
- プレス・お知らせ:公式発表、更新履歴、変更点の告知
「数字」を信頼に変える3点セット
数字は強い反面、条件が曖昧だと不信感になりやすいです。
次の3点をセットにすると、一気に信頼が上がります。
- 対象:何を数えた数字か(例:契約社数/問い合わせ数/導入案件数)
- 期間:いつ時点の数字か(例:2026年1月時点、2025年度)
- 条件:どの範囲か(例:国内のみ、特定サービスのみ、グループ合算など)
根拠の置き方(初心者向けの型)
文章中に全部詰め込むと読みにくくなるので、ページ内に“根拠置き場”を作るのがコツです。
- 例:ページ下部に「データの前提」ブロックを固定で置く
- 集計期間
- 集計対象
- 算出方法(簡単でOK)
- 更新頻度(四半期ごと、年1回など)
さらに、サイト運用上は「根拠の元データ(社内資料・集計表・調査票など)を保管しておく」ことが重要です。
公開しない場合でも、“説明できる状態” が信頼性の土台になります。
運営主体の透明性:会社名/所在地/連絡先/責任者/更新ポリシー
E-E-A-Tの「T(信頼性)」は、コンテンツ以前に 責任の所在が見えるか で大きく変わります。
初心者は、まず“見える化”をチェックリストで揃えるのがおすすめです。
最低限そろえる透明性チェック
- 会社名(正式名称)と所在地(本店/拠点の区別)
- 連絡先(フォームだけでなく、代替手段もあると安心)
- 代表者名(または責任部署)
- 事業内容(1〜2文の要約+詳細ページ)
- 個人情報の取り扱い(問い合わせフォームがあるなら特に重要)
- 免責・著作権などの基本表記
- 更新日(少なくとも重要ページ:サービス、料金、採用、FAQなど)
初心者でも作れる「更新ポリシー」の書き方(例)
更新ポリシーは立派な文章より、運用できる宣言が強いです。
- 更新頻度の目安(毎月/四半期/年1回など)
- 変更が起きたら優先的に直すページ(料金、仕様、サポート時間など)
- 情報の責任部署(例:事業部、広報、採用、IR)
例(短くてOK)
- 「掲載内容は最新化に努め、重要な変更(料金・仕様・サポート体制など)は速やかに反映します。」
- 「ページの更新日は、内容変更を伴う更新時に記載します。」
「どこに置くか」で迷わない配置
- フッター:会社情報、問い合わせ、プライバシー、免責
- 会社情報ページ:代表/所在地/沿革/許認可
- 各ページ:最終更新日(必要なページだけでもOK)
“情報はあるのに見つからない”が一番もったいないので、フッターに集約すると迷子が減ります。
実績の示し方:事例・受賞・許認可・パートナー・掲載実績
実績は「主張」ではなく「判断材料」です。
コーポレートサイトでは、第三者が検証できる形に近づけるほど強くなります。
事例(導入事例・実績)のテンプレ(初心者向け)
事例ページは長文より、判断に必要な情報が揃っている方が評価されやすいです。
- 課題:導入前の状況(何に困っていたか)
- 取り組み:何をどう変えたか(自社の役割を明確に)
- 結果:何がどう良くなったか(数値が出せないなら変化の種類でもOK)
- 条件:対象範囲、期間、前提(再現性の誤解を防ぐ)
- お客様コメント:可能なら(難しければ匿名+業種/規模感でも)
ポイントは、「どこまでが事実で、どこからが解釈か」 を混ぜないことです。
受賞・許認可は“検証可能な書き方”が正義
- 発行元(団体名)
- 年月
- 受賞名/登録名
- 対象サービスや部門(何に対する受賞か)
ロゴ掲載は、許諾条件があるケースも多いので、運用としては「掲載可否の確認」までルール化すると安全です。
パートナー・掲載実績の扱い
- “取引がある”と“掲載された”は意味が違うので分ける
- 期間が終わった提携や古い掲載は、棚卸しして更新する
- 誇張に見える表現(「公式提携」など)は、根拠がある場合だけにする
誇張を避ける表現ルール(比較・No.1・実績値の扱い)
E-E-A-Tの「T」を落とす最大要因が、誇張・断定・比較の雑さです。
特に No.1、最安、業界初、絶対 は、根拠と条件がないと危険度が上がります。
誇張を防ぐための基本ルール
- 断定を避ける:
- 「必ず」「絶対」→「〜の場合があります」「〜が期待できます(条件あり)」
- 比較は“土俵”を揃える:
- 比較対象、比較時点、比較条件(プラン/地域/機能など)を明確にする
- 数値は“範囲”で語るのが安全なことも多い:
- 「最短1日」より「最短1〜3営業日(条件により変動)」など
No.1表示(満足度No.1など)を使うなら最低限これだけ
No.1表示は特に誤解が生まれやすく、調査設計が甘いと問題になりやすい領域です。
使うなら、ページ内で次を明示できる状態にしておくのが現実的です。
- 調査主体(誰が調べたか)
- 調査時期(いつ)
- 調査対象(誰に聞いたか:利用者か、認知者か等)
- 調査方法(Web調査、アンケート等)
- 比較対象(何社の中でNo.1なのか)
- 設問(何のNo.1なのか:満足度/認知/おすすめ等)
「注記を書けばOK」にならないケースもあるため、“表示内容と調査内容が対応しているか” を最優先でチェックしてください。
危険な言い回し → 言い換え例
| 危険になりやすい表現 | 置き換えの方向性 |
|---|---|
| 業界No.1 | 「当社調べ(時点/対象/条件)で上位」またはNo.1を使わない |
| 最安 | 「コストを抑えやすい料金設計」「条件次第で安くなる」 |
| 誰でも成果が出る | 「利用状況により差があります」「支援内容と条件」 |
| 100%安全 | 「対策に努めています」「リスク低減の仕組み」 |
誇張を抑えるほど“弱く見える”のが心配になりますが、コーポレートサイトでは逆で、丁寧な条件提示=信頼 になります。
監修・レビュー体制を作る(法務/広報/採用/IRのチェックフロー)
コンテンツの信頼性は、個人の頑張りより 仕組み(ガバナンス) が強いです。
初心者でも回せるように、まずは“軽いフロー”から作るのがおすすめです。
最小で回るチェックフロー(小規模向け)
- 作成担当:原稿+根拠メモ(数字の前提、出典、条件)をセットで用意
- 責任部署:事実関係(仕様、料金、体制)の確認
- 広報/ブランド:表現の統一、誇張表現の有無、ロゴ利用の可否
- 法務(可能なら):規約・免責・比較・No.1などリスクがある箇所だけ重点確認
- 公開:更新日を入れる、変更履歴を残す(社内でOK)
- 定期点検:重要ページは四半期に1回など“棚卸し日”を決める
“根拠を残す”のが最強の防御
運用としておすすめなのは、ページごとに「表示根拠の控え」を持つことです。
- 数値の根拠(集計表、算出メモ)
- 調査の根拠(調査票、委託先情報、比較条件)
- 許認可・受賞の根拠(証明資料、発行元の確認情報)
- 表現ルール(No.1/比較/断定語の社内ルール)
これがあるだけで、更新も監修も圧倒的に楽になり、信頼性も落ちにくくなります。
デザインとUX:見た目より“理解しやすさ”を優先する
コーポレートサイトのデザインは、凝った表現よりも 「訪問者が迷わず理解できること」 が最優先です。
特にBtoBでは、見た目の好みより 信頼の確認→判断→次の行動 がスムーズかどうかで成果が決まります。
ファーストビューで伝える3点(何の会社/強み/次の行動)
ファーストビュー(最初に見える範囲)は、訪問者が離脱するか回遊するかの分岐点です。
初心者はまず「3点セット」を固定し、余計な要素を足さないのが成功しやすいです。
1) 何の会社か(誰に・何を・どうする)
- 例テンプレ
- 「〇〇業界向けに、△△を提供する会社です」
- 「□□の課題を、△△で解決します」
ここが曖昧だと、以降の説明が全部読まれにくくなります。
2) 強み(“主張”ではなく“根拠”で)
強みは3つまでに絞り、根拠を添えるのがコツです。
- 強み(例):対応の速さ
- 根拠(例):返信目安、サポート体制、対応範囲
- 強み(例):実績
- 根拠(例):導入数・継続率・事例・受賞(出せる範囲で)
3) 次の行動(主CTA+副CTA)
CTA(行動ボタン)は多すぎると逆効果なので、基本は2つで十分です。
- 主CTA:相談/問い合わせ、資料請求など(最終成果に近いもの)
- 副CTA:事業を見る、実績を見る、採用を見るなど(判断材料へ送る)
✅ 迷ったら「主CTAは右上・ファーストビュー内にも置く」「副CTAは下に添える」が無難です。
信頼を落としやすいNG(読みにくい、情報不足、更新停止感)
デザイン以前に、次のNGがあると「この会社大丈夫?」が先に立ってしまいます。
読みにくい(理解の負荷が高い)
- 文字が小さい/行間が詰まっている/余白がない
- 専門用語が多く、説明がない
- 見出しが抽象的で、どこに何があるか分からない
改善の最短手
- 1段落は長くても3〜4行で改行
- 箇条書きを増やす(文章で詰めない)
- 見出しは「何が分かるか」をそのまま書く
情報不足(不安が解消されない)
- 会社情報(所在地・連絡先・責任主体)が見つからない
- 何をしている会社か、提供範囲が曖昧
- 実績・事例・体制などの根拠が薄い
改善の最短手
- フッターに「会社情報/問い合わせ/プライバシー」を固定
- 事業は「一覧→詳細」で全体像を先に見せる
- “言える範囲の根拠”を増やす(事例が難しければ、対応範囲・体制・プロセスでもOK)
更新停止感(止まっている会社に見える)
- お知らせが数年前で止まっている
- 採用ページの募集が古い
- 料金・仕様・サポート時間が現状とズレている
改善の最短手
- 更新できないなら「お知らせを増やす」より、重要固定ページの棚卸しを優先
- “更新日”の表示と、更新頻度の目安(簡単な運用方針)を用意する
業種別の見せ方(BtoBは課題→解決→根拠、BtoCは比較と安心)
同じコーポレートサイトでも、「判断の仕方」が違うため見せ方を変えると成果が出やすくなります。
BtoBで効く型:課題→解決→根拠→次の一手
- 課題:よくある状況(例:工数・コスト・品質・セキュリティ)
- 解決:提供内容(何を、どこまで、どうやるか)
- 根拠:事例・実績・体制・プロセス(再現性が伝わるもの)
- 次の一手:資料DL、相談、要件ヒアリングなど
ポイントは「かっこいい表現」より、比較検討に必要な情報が揃っていることです。
BtoCで効く型:比較→不安解消→購入/来店/予約
- 比較:料金やプラン、他の選択肢との違い
- 不安解消:保証、返品、問い合わせ、実店舗情報、レビューの扱い
- 行動:購入/予約/来店(迷いを減らす導線)
BtoCは“安心”がCVに直結するので、問い合わせ先・規約・よくある質問の見つけやすさが効きます。
UI部品チェック:ボタン、フォーム、余白、導線、速度、スマホ最適化
初心者は、デザインの好みより「壊れやすい部品」を先に点検すると失敗しにくいです。
| 部品 | ありがちな失敗 | 最低限の改善ポイント |
|---|---|---|
| ボタン/CTA | 何が起きるボタンか分からない/押せる見た目じゃない | 文言を具体化(例:無料で相談する)+ページ内に繰り返し配置 |
| フォーム | 項目が多すぎて離脱/エラーが分からない | 項目最小化+エラーはテキストで明示+入力例を添える |
| 余白/文字 | 文字が詰まり読み疲れる | 行間と余白を増やす+段落を短く+箇条書きを活用 |
| 導線 | 重要ページが見つからない/戻れない | パンくず+関連リンク+フッター固定リンク |
| 速度 | 画像が重い/動きが多い | 画像圧縮+不要なスクリプト削減+主要ページから改善 |
| スマホ | メニューが使いにくい/ボタンが小さい | タップしやすいサイズ+固定CTA+フォーム入力を楽にする |
速度は“体感”ではなく指標で管理する
サイトの速さは、検索にもユーザー体験にも影響しやすい領域です。
まずは以下の3指標(Core Web Vitals)を「定点観測」すると迷いません。
- 読み込みの体感(LCP)
- 操作の反応(INP)
- 画面のズレ(CLS)
計測は、最初は PageSpeed Insights と Search ConsoleのCore Web Vitalsレポート で十分です。
スマホ最適化は“後回しNG”
Googleはモバイル版を前提に評価するため、スマホで情報が欠けたり使いにくいと不利になりやすいです。
スマホでは特に「ナビ」「CTA」「フォーム」の3点が弱点になりがちです。
フォームは“アクセシビリティ=成果”になりやすい
フォームは、次ができているだけで離脱が下がりやすいです。
- ラベル(何を入れる欄か)を明確にする
- エラー箇所と理由をテキストで示す
- 小さすぎるボタン・リンクを避ける(押し間違い防止)
参考事例の集め方(ギャラリー活用→自社要件に落とす)
事例集めで失敗しがちなのは、「かっこいい」を集めて終わることです。
成果に繋げるには、観察→要件化までやり切るのがポイントです。
ステップ1:目的を固定する(何を伸ばすサイトか)
例
- 商談補助が目的:事業理解と根拠(事例/実績)の見せ方が最優先
- 採用強化が目的:カルチャーと職種導線が最優先
- 問い合わせ削減が目的:FAQ/サポート導線が最優先
ステップ2:ギャラリーで20〜30件“型”を集める
集めるのは「見た目」ではなく、次の観点で。
- ファーストビューで3点が伝わるか
- 目的別導線が太いか(採用/IR/取材など)
- 根拠が見えるか(事例、数字、体制)
- スマホで使いやすいか(メニュー、CTA、フォーム)
ステップ3:良かった点を“要件の言葉”に翻訳する
例(翻訳の仕方)
- 見た目がいい → 「要約→根拠→CTAが1画面内で完結」
- 分かりやすい → 「事業一覧が先にあり、詳細は後」
- 信頼できる → 「会社情報がフッター固定で常に到達可能」
ステップ4:ワイヤー(配置図)に落としてからデザインへ
最初に色や写真を決めるより、
「どこに何を置くか(情報の順番)」を固めたほうが手戻りが減ります。
SEO設計:指名検索だけに頼らない“検索で見つかる”土台
コーポレートサイトのSEOは、ブログのように大量の記事で勝つというより、「企業の一次情報が、探している人に確実に届く状態」を作るのが本質です。
そのためにやることは大きく4つです。
- 狙う検索(クエリ)を棚卸しして、受け皿ページを決める
- 会社情報・サービス・事例などをテンプレ化して、質と運用を安定させる
- 内部リンクで「全体像→詳細→行動」へ迷わず流す
- インデックス管理・サイトマップ・構造化データで“検索に伝わる形”に整える
狙うクエリの棚卸し(指名/サービス名/採用/評判/IR/地域)
まずは「検索される言葉」を種類別に分け、どのページで受け止めるかを決めます。
初心者が迷わないよう、代表パターンを表にします。
| クエリの種類 | 例 | 検索者の意図 | 受け皿にするページ(おすすめ) |
|---|---|---|---|
| 指名 | 会社名、ブランド名 | 実在・信頼・最新情報の確認 | トップ、会社情報、ニュース |
| サービス名/事業名 | サービス名、製品名 | 何ができるか・条件・導入手順 | サービス詳細(1サービス1ページ) |
| 課題×解決 | 例:業務効率化 相談、セキュリティ 対策 | 課題の理解・比較検討 | 課題ページ、FAQ、資料DL(BtoB向け) |
| 採用 | 会社名 採用、職種名 | 働く環境・応募導線 | 採用トップ、募集詳細、カルチャー |
| 評判/不安 | 会社名 評判、怪しい、料金 | 懸念の解消・裏取り | FAQ、取り組み、実績、問い合わせ導線 |
| IR | 会社名 IR、決算 | 情報開示の確認 | IRトップ(該当企業のみ) |
| 地域 | 会社名 地域、支店名、地名+業種 | 拠点・対応範囲・連絡 | 拠点/アクセス、対応エリアページ |
棚卸しのやり方(最短)
- 社内で実際に出る言葉を拾う(営業・採用・問い合わせ対応の口頭質問が宝庫)
- サーチコンソールがあるなら「検索パフォーマンス」で現状のクエリを確認
- “受け皿がない検索”を見つけたら、まずは固定ページ(会社情報・FAQ・事業詳細)で埋める
ここで大切なのは、いきなり記事を量産しないことです。
固定ページの受け皿が整っていない状態で記事を増やすと、情報が散らばって逆に迷子が増えます。
テンプレ化:会社情報・サービス詳細・事例の型を先に決める
テンプレ化は、SEOというより「品質と運用の安定装置」です。
ページごとの“書く順番”を固定すると、E-E-A-Tも担保しやすくなります。
会社情報ページの型(信頼の土台)
- 会社概要(正式名称、所在地、連絡先、代表/責任部署)
- 事業概要(1〜2文の要約+一覧へのリンク)
- 沿革(年表でOK)
- 拠点/アクセス(地図、受付時間があれば)
- 公式情報の更新方針(重要情報はいつ更新するか、簡単でOK)
サービス詳細ページの型(検索で最も拾われやすい)
- 対象の悩み・課題(誰の何を解決するか)
- 提供内容(何を、どこまで)
- 特徴(3つまで)+根拠(体制、実績、運用など)
- 導入の流れ(問い合わせ→ヒアリング→提案→開始)
- よくある質問(不安の先回り)
- 次の行動(相談、見積、資料DL)
ポイントは、機能説明よりも「適用範囲・条件・前提」を書くことです。
比較検討の段階ほど、ここが効きます。
事例ページの型(“主張”を“判断材料”に変える)
- 背景(導入前の状況)
- 課題(何がボトルネックだったか)
- 取り組み(自社が何をしたか)
- 結果(数値が出せない場合は、改善の種類でもOK)
- 前提(期間、対象範囲、条件)
- 関連リンク(同業種の事例、該当サービス、問い合わせ)
内部リンク設計(トップ→カテゴリ→詳細→問い合わせ)
内部リンクは、ユーザーの迷子を減らしつつ、検索エンジンにも構造を伝える“骨格”です。
コーポレートサイトは以下の流れが基本形になります。
- トップ(要約と目的別入口)
- 事業(カテゴリ/一覧)
- サービス詳細
- 事例 / FAQ / 資料DL
- 問い合わせ
- 事例 / FAQ / 資料DL
- サービス詳細
- 採用(採用トップ)
- 募集一覧
- 募集詳細
- 応募
- 募集詳細
- 募集一覧
- ニュース(一覧)
- 記事詳細
- 会社情報
- IR(該当企業のみ)
- 事業(カテゴリ/一覧)
成果が出やすいリンクの“置き場所”
- 事業・サービス詳細の末尾に「関連リンク」を固定(事例・FAQ・問い合わせ)
- 事例の末尾に「該当サービスへ」「同業の事例へ」を固定
- 採用ページは「募集一覧→募集詳細→応募」の導線を太くする
- フッターに必ず「会社情報」「問い合わせ」「プライバシー」を固定
アンカーテキスト(リンク文言)のコツ
- 「こちら」ではなく、行き先が分かる言葉にする
例:こちら → 導入事例を見る / 料金と導入の流れ / 採用募集一覧
この一手間で、回遊もSEOも両方が改善しやすいです。
構造化データ・OGP・サイトマップ・インデックス管理
ここは“テクニカルの最低限”です。初心者は次の順で整えると失敗しにくいです。
構造化データ
まずはコーポレートサイトと相性が良い2つからで十分です。
- Organization(組織情報)
会社の識別・ロゴ・公式サイト情報を検索エンジンに伝えやすくします。 - BreadcrumbList(パンくず)
階層を明確にし、ページの関係性が伝わりやすくなります。
入れるだけで必ず順位が上がる類のものではありませんが、情報の誤解を減らす整備として効果が出やすい領域です。
OGP(SNSでの見え方)
OGPはSEOの直接要因というより、拡散時のクリック率・印象に効きます。
最低限そろえると安定する項目
- og:title(ページの要約タイトル)
- og:description(短い説明)
- og:image(代表画像)
- og:url(正しいURL)
- og:type(website / article など)
ニュースや事例など「シェアされうるページ」ほど、効いてきます。
サイトマップ
サイトマップは「検索エンジンに見つけてもらうための地図」です。
特に固定ページが多いコーポレートサイトでは、作っておくメリットが大きいです。
- sitemap.xml(または sitemap_index.xml)を用意
- サーチコンソールで送信
- 大規模になったら分割(ニュース/事例/サービスなど)
インデックス管理(検索に出す/出さないを設計する)
初心者が混乱しやすいので、まずは使い分けだけ押さえてください。
- 検索結果に出したくないページは、原則 noindex を使う
例:サンクスページ、テスト環境、重複が避けられないページ - robots.txt はクロール制御であり、「確実に検索結果に出さない」用途とは別
- 重複URLが出るなら canonical で正規URLを明示する
例:パラメータ違い、末尾スラッシュ違い、類似ページの統合 - 削除したページは 404/410 を正しく返す(残すなら301で適切に転送)
初心者向けチェックリスト(最小構成)
- 重要固定ページ(会社情報、事業、採用、問い合わせ)が必ずインデックス対象になっている
- サンクスページは noindex
- 重複が出る仕組みがあるなら canonical
- sitemap を送信し、サーチコンソールでエラーを潰す
- Organization と BreadcrumbList を入れて、構造を明確にする
- OGPを整えて、SNS表示の崩れを防ぐ
法務・セキュリティ・アクセシビリティ:企業サイトの“必修科目”
コーポレートサイトは「会社の一次情報」を扱うぶん、見た目やSEO以前に、守るべきルールがあります。
ここを押さえると、トラブル回避だけでなく 信頼(E-E-A-T) も積み上がります。
最低限の規約類:プライバシー、Cookie、免責、著作権
最低限、次の4点は“用意して終わり”ではなく、実態と一致させるのが重要です。
プライバシーポリシー(個人情報の扱い)
サイトで問い合わせや採用応募を受けるなら、ほぼ必須です。最低限、次を明文化します。
- 取得する情報(氏名、会社名、メール、電話、履歴書など)
- 利用目的(問い合わせ対応、採用選考、資料送付など)
- 第三者提供の有無(する場合は条件)
- 委託の有無(フォーム、CRM、メール配信など外部サービス利用)
- 保管期間の目安・安全管理(ざっくりでも方針は書く)
- 開示等の窓口(連絡先、手続きの入口)
💡ポイント:「何を・なぜ・どこまで」が曖昧だと不信感につながります。逆に、簡潔でも筋が通っていれば評価されます。
Cookie・アクセス解析・外部送信(“見えない送信”の説明)
アクセス解析や広告タグを入れると、利用者の端末情報などが外部へ送信されるケースがあります。
その場合は、Cookieポリシーまたは外部送信に関する説明ページで、少なくとも次を揃えると安全です。
- 送信される情報の種類(例:Cookie ID、端末情報、閲覧情報など)
- 送信先(例:解析事業者、広告事業者)
- 目的(解析、広告最適化、不正対策など)
- オプトアウト手段(提供されているならリンク)
※国・地域や導入ツールによって要件が変わることがあるので、運用しているタグの棚卸し(GA、広告、チャット、ヒートマップ等)は定期的にやるのが現実解です。
免責・利用条件(必要な業種は必ず)
情報提供型の企業(士業、医療・健康、金融、投資、比較系など)は特に、誤解を防ぐ一文が効きます。
- 情報の正確性・最新性に努めるが保証しない旨
- 個別事情は専門家へ相談を促す旨
- 損害責任の範囲(過度に強い表現は避ける)
著作権・引用のルール
- 画像・文章・ロゴは「出所」「利用許諾」を管理する
- 引用は 必要最小限 + 主従関係(自分の説明が主) を守る
- 導入事例や取引先ロゴ掲載は、社内の思い込みで進めず 許可取り を標準化する
フォーム運用:個人情報取得・保存・問い合わせ対応SLA
フォームは、最も事故が起きやすい入口です。設計段階で “取る・守る・返す” を決めます。
個人情報取得のコツ(取りすぎない)
まずは「目的に必要な最小項目」に絞るのが正解です。
| よくある目的 | 推奨の必須項目 | 任意に回す項目 |
|---|---|---|
| 問い合わせ | 氏名、メール、内容 | 電話番号、会社規模、予算 |
| 資料請求 | 氏名、メール、会社名 | 電話番号、役職 |
| 見積/商談 | 氏名、メール、会社名、要件 | 予算、導入時期(任意でも可) |
| 採用応募 | 氏名、メール、応募職種 | 電話、住所(後で回収でも可) |
💡「電話番号必須」にするとCVが落ちやすい一方、BtoBで緊急連絡が必要なら合理性があります。“必須にする理由”が説明できるかで判断します。
保存・共有・削除のルール(属人化を潰す)
- 受信内容の保管場所(メールだけ/チケット/CRM)を決める
- 閲覧権限を絞る(採用は採用チーム、取引相談は営業など)
- 添付ファイル(履歴書等)の扱いを決める(保存期間・保管場所・暗号化)
- 退職者のアカウント停止が即日できる体制にする
問い合わせ対応SLA(“放置”が信頼を壊す)
SLAは難しく考えず、最小でOKです。
- 自動返信:送信直後(受付確認+目安の回答時間)
- 初回返信:例)1〜2営業日以内(無理なら正直に3営業日など)
- 担当不在時:代理確認のルール(週末・長期休暇)
✅ 自動返信メールに入れると親切な要素
- 受付番号(社内追跡用)
- 返信までの目安
- 緊急時の連絡手段(電話など)
- 個人情報の取り扱いリンク(プライバシー)
セキュリティ基礎:HTTPS、脆弱性対応、権限管理、バックアップ
コーポレートサイトは攻撃者から見ると「改ざんして影響を出しやすい標的」です。
難しいことより、基本を漏れなくがいちばん効きます。
HTTPS(SSL/TLS)
- サイト全体をHTTPSに統一(http→https はリダイレクト)
- 混在コンテンツ(画像だけhttp等)を潰す
- フォーム送信だけでなく、全ページをHTTPSにする(信頼・保護の両面)
脆弱性対応(“更新できる体”が勝ち)
- CMS/テーマ/プラグイン/サーバーの更新を止めない
- 使っていない機能・プラグインは削除(停止だけだと残るリスクも)
- 管理画面URLの露出、ログイン試行など“雑な入口”を塞ぐ
- 重要変更(リニューアル、フォーム改修、プラグイン追加)のたびに簡易診断を挟む
🔎 攻撃の典型は「古い脆弱性」「設定ミス」「権限の穴」です。まずここを潰すのが最短です。
権限管理(最小権限+多要素)
- 管理者アカウントを必要最小限に
- 共有アカウントは原則NG(監査できない)
- 可能なら 多要素認証(MFA) を導入
- 退職・異動時に即時停止できる運用(これが一番忘れられがち)
バックアップ(復旧できなければ“対策ゼロ”)
- 自動+世代管理(1世代だけだと上書きで詰みます)
- バックアップ先を分ける(同一サーバー内だけは危険)
- 復元テストを定期的に(取れていても戻せないが多い)
- 改ざん検知(ファイル差分、ログ監視)も可能なら追加
アクセシビリティ:読みやすさ、代替テキスト、配色・操作性
アクセシビリティは「福祉」だけでなく、全ユーザーの離脱を減らすUX改善です。
さらに、企業としての姿勢(信頼)にも直結します。
最低限これだけ(初心者向けチェック)
- 見出し構造を守る(見た目で大きくするのではなく、見出しとして整理)
- 画像に代替テキスト(alt)
- 装飾なら空にする、情報画像なら内容を説明する
- 色だけで判断させない(「赤がNG」などはテキストも添える)
- 文字が小さすぎない/行間が詰まりすぎない(読みやすさ優先)
- キーボード操作で到達できる(メニュー・ボタン・フォーム)
- フォームは入力エラーが分かる(どこが、なぜ、どう直すか)
“できてる会社”に見える運用
- アクセシビリティ方針(目標・対象範囲・例外)を1ページで公開
- 重要導線(問い合わせ、採用応募、資料DL)から優先的に改善
- 更新時のチェック項目に組み込む(都度ゼロからやらない)
炎上/誤情報対策:訂正履歴・更新日・公式見解の出し方
「何か起きた時に、会社としてどう出すか」は、平時に決めておくと強いです。
最低限の型
- 重要ページに更新日(最終更新)を出す
- 訂正が入ったときの扱いを決める
- 例:訂正注記(いつ・どこを・なぜ)を残す
- 公式見解の置き場所を作る
- 例:お知らせ/プレス/FAQのどれで出すかを統一
- 責任部門の明確化
- 例:広報が一次受付→法務確認→公開、などのフロー
炎上を招きやすい地雷
- 数字・実績の根拠がない(No.1、業界最大、効果保証など)
- 古い情報が残ったまま(価格、拠点、採用条件、規約)
- 「お問い合わせください」しかなく、窓口が不明確
✅ 小さな工夫ですが、
“公式に確認できる”“いつの情報か分かる”“間違いを直せる” が揃うと、信頼が一段上がります。
制作の進め方:目的→設計→公開→改善までの実務ステップ
コーポレートサイト制作でつまずきやすいのは、「デザインから入って、後で目的がブレる」ことです。
初心者ほど 目的 → 設計 → 公開 → 改善 の順番を守るだけで、手戻りが激減します。
ここでは、実務でそのまま使えるように“やること”を工程別にまとめます。
準備:現状分析(既存サイト/競合/検索需要/社内体制)
最初にやるべきは、制作ではなく 現状の棚卸し です。
ここが甘いと、公開後に「想定と違う」「更新できない」が起きます。
1) 既存サイトの現状を把握する
最低限、次をチェックします。
- 主要ページの整備状況:トップ、会社情報、事業、実績、採用、問い合わせ
- 情報の鮮度:料金、仕様、拠点、募集要項、お知らせの更新日
- 問い合わせ導線:フォームの種類、入力負荷、返信ルール
- 技術面:HTTPS、表示速度、スマホ表示、フォームの動作
- 計測:GA4、Search Console、タグの棚卸し
💡ポイント:初心者は「全部作り替える」より、直すだけで成果が上がる箇所(問い合わせ・事業説明・会社情報)を先に見つけると成功しやすいです。
2) 競合・同業の“型”を観察する(真似ではなく分析)
見るべきはデザインではなく、以下の観点です。
- ファーストビューで何を伝えているか(何の会社/強み/次の行動)
- ナビがどう分かれているか(事業/採用/IR/問い合わせ)
- 信頼の根拠がどこに置かれているか(実績、事例、体制、認証など)
- どんなページが検索で拾われているか(サービス詳細、事例、FAQ等)
3) 検索需要の確認(最低限でOK)
- 会社名・サービス名の指名検索がどれくらいあるか
- 「会社名+評判」「会社名+採用」など不安系の検索があるか
- 地域名(拠点名)で探されていないか
Search Consoleがあるなら現状の検索クエリが最短です。なければ、社内でよく聞かれる質問(営業・採用・問い合わせ)が“検索需要の原石”です。
4) 社内体制の確認(ここが最重要)
制作より大事なのが「誰が更新するか」です。
- 情報の責任部署(事業、採用、IR、広報、法務)
- 原稿作成と確認の役割分担
- 更新頻度の目安(最低でも重要ページの棚卸し時期)
- 公開手順(誰が、どこで、どう反映するか)
✅ 体制が薄い場合は、最小構成で公開→回る範囲で拡張が堅実です。
設計:要件定義→サイトマップ→ワイヤー→原稿→デザイン
ここは「設計の順番」がそのまま品質になります。
要件定義 → 構造 → 配置 → 言葉 → 見た目 の順で進めます。
要件定義(目的・対象・範囲を決める)
最初に決めるべき項目はこれです。
- 目的(KGI/KPI):信頼獲得、商談補助、採用、問い合わせ削減など
- 主な訪問者:見込み客、取引先、求職者、投資家、メディア
- 必須ページ:最小構成(会社情報、事業、問い合わせなど)
- 更新前提:誰が何を更新するか、更新頻度
- 制約:法務、ブランド、セキュリティ、予算、期限
💡ここが決まっていないと、デザインの判断も記事の優先順位も迷子になります。
サイトマップ(迷子を防ぐ骨格)
- 主要カテゴリ(例:事業、会社情報、採用、お知らせ、問い合わせ、IR)
- 各カテゴリの一覧ページを作る(埋もれ防止)
- 2〜3クリックで目的地へ行ける構造を意識
ワイヤー(配置図)
ワイヤーは「情報の順番」を決める工程です。
初心者は、まず“型”を固定すると失敗が減ります。
- トップ:要約→分岐→根拠→最新情報→CTA
- サービス詳細:課題→解決→根拠→流れ→FAQ→CTA
- 会社情報:会社概要→拠点→沿革→体制→問い合わせ
原稿(一次情報を集めてから書く)
原稿は「文章」より 素材集め が勝負です。
- 事実(数値、体制、対応範囲、条件)
- 根拠(事例、認証、受賞、許認可)
- よくある質問(問い合わせログ、営業/採用の現場)
- 禁止表現(No.1、比較、断定などルール化)
デザイン(最後に見た目を整える)
デザインは、ワイヤーと原稿の“意味”を強調する役目です。
- 強みが見える
- 迷わない
- 読みやすい
- クリックしやすい(CTA、フォーム)
ここまで固まっていれば、デザインで迷うことが減ります。
構築:CMS選定、実装、テスト(表示/速度/フォーム/計測)
構築は「作る」より「壊れない」ことが大事です。
CMS選定(初心者向けの判断軸)
- 更新担当が使えるか(編集画面の分かりやすさ)
- 権限管理(担当部署ごとに編集範囲を分けられるか)
- フォームや投稿(お知らせ)の運用が楽か
- セキュリティ更新が継続できるか
- 移行や拡張のしやすさ(将来の採用/事例増加など)
💡「誰が更新するか」が決まっていないなら、CMSの良し悪しより運用が破綻します。ここは先に決めるのが鉄則です。
実装(最低限の品質ライン)
- スマホ表示(ナビ、CTA、フォーム)
- 表示速度(画像最適化、不要スクリプト削減)
- SEOの基本(タイトル、見出し構造、内部リンク、サイトマップ)
- セキュリティ(HTTPS、権限、バックアップ)
テスト(ここを飛ばすと事故る)
初心者でも最低限やるべきテストは次です。
- 表示:主要ブラウザ、スマホ/PC、崩れ
- 速度:主要ページ(トップ、事業、採用、問い合わせ)
- フォーム:送信、エラー表示、自動返信、担当への通知
- 計測:キーイベント(問い合わせ完了、CTAクリック、電話タップ等)
- 404:存在しないURLで正しく404になるか(移行時に特に重要)
公開:移行・リダイレクト・計測・運用ルールの整備
公開は“ゴール”ではなく“運用の開始”です。
公開日にバタつかないよう、チェックリストで潰します。
移行(旧サイトがある場合)
- 移行対象の棚卸し(残すページ、統合するページ、削除するページ)
- 重要ページの内容確認(会社情報、事業、採用、問い合わせ)
- 画像・PDFなどのファイルも移行対象に含める
リダイレクト(SEO資産の引き継ぎ)
旧URLがあるなら、原則 新URLへ301リダイレクト します。
- 特に重要:検索流入があるページ、被リンクがあるページ
- 旧→新の対応表(リダイレクトマップ)を作る
- リダイレクトのループや誤転送がないか確認
計測(公開後に何を見るか決めておく)
- GA4とSearch Consoleの設定確認
- キーイベント(問い合わせ完了など)の動作確認
- サイトマップ送信、インデックス状況の確認
運用ルール(止まらない仕組み)
- 更新担当と承認フロー
- 更新頻度(重要ページの棚卸し日)
- 緊急時の対応(誤情報、障害、炎上時の公式見解)
リニューアル時の注意:URL設計、SEO資産の引き継ぎ、段階公開
リニューアルは、やり方を間違えるとSEOが大きく落ちることがあります。
初心者は、次の3点を最優先で守ると安全です。
URL設計(後から直しにくい)
- ページの役割が分かるURLにする(例:/company/ /service/ /recruit/)
- 不要に変えない(変えるほどリダイレクト管理が増える)
- 日本語URLは避け、短く一貫性を持たせる(運用・共有で事故が減る)
SEO資産の引き継ぎ(落とさない設計)
- 旧ページの中で“強いページ”を必ず把握する
- 流入が多い、問い合わせに効く、被リンクがある
- 統合する場合は、内容を新ページに吸収してからリダイレクト
- 削除は最終手段(削除するなら代替ページへ誘導設計)
段階公開(全部一気に出さないほうが安全な場合も)
特に体制が薄い場合は、段階公開が堅実です。
例
- 最小構成で公開(会社情報、事業、問い合わせ、採用、ニュース)
- 事例・FAQ・資料DLを追加
- 速度改善・導線改善を継続
段階公開の利点は、公開後のフィードバックを受けて“正しく拡張”できることです。
自作か外注か:失敗しない依頼先選びと見積もりの見方
コーポレートサイトは「作る」よりも、公開後に更新・改善できるかで成否が決まります。
自作・外注の判断も、デザインの好みより 目的・体制・リスク で決めるのが安全です。
自社制作が向くケース/外注が向くケース
まずは、意思決定を迷わせないための早見表です。
| 判断軸 | 自社制作が向く | 外注が向く |
|---|---|---|
| 目的 | 最小構成で早く公開したい/まずは土台だけ欲しい | ブランディングや採用強化など、品質要件が高い |
| 体制 | 社内に更新担当・ライティング担当がいる | 社内が忙しく、原稿・進行・設計が回らない |
| 求める成果 | 名刺代わり+問い合わせ導線が最低限あればOK | 商談補助・採用・信頼獲得などKPIを追いたい |
| 技術/セキュリティ | 既存の安全な運用基盤がある | セキュリティ・権限・保守まで仕組み化したい |
| リニューアル | 旧サイトがなく新規立ち上げ | 旧サイト資産(SEO/URL/計測)を確実に引き継ぎたい |
結論の出し方(初心者向け)
- 「更新を社内で回せる」なら、自作でも勝ちやすい 🙆
- 「更新も原稿も進行も厳しい」なら、外注で“運用まで”設計するほうが安全 🙆
- 中間案として、設計だけ外注 → 実装はテンプレCMS(または逆)も現実的です。
RFP(依頼書)に必ず書く項目:目的・範囲・素材・期限・体制
外注で失敗する原因の多くは、「見積より前の認識ズレ」です。
RFP(提案依頼書)は、立派な資料より “ズレないためのメモ” として作るのが正解です。
最小で効くRFP(A4 1〜2枚でもOK)
- 背景・課題:なぜ今作る/直すのか(例:採用が弱い、問い合わせが少ない、情報が古い)
- 目的(KGI)と成功条件:例)採用応募を増やす/商談前の信頼確認を強くする
- 対象ユーザー:見込み客、求職者、投資家、メディアなど(優先順位も)
- 制作範囲:新規/リニューアル、対象ページ、言語、フォーム数、CMS有無
- 必要ページ(サイトマップ案):最小構成+将来増やす領域
- 素材の状況:ロゴ、写真、会社情報、実績、文章(誰が用意するか)
- 要件:スマホ最適化、速度、アクセシビリティ方針、セキュリティ前提
- 計測:GA4/Search Console/タグ、キーイベント(問い合わせ完了など)
- スケジュール:公開希望日、社内確認に必要な日数、休暇など
- 体制:決裁者、窓口、各部署レビュー(広報/法務/採用/IR)
- 予算感(幅でOK):上限だけでも書くと提案が現実的になります
- 選定基準:提案の評価軸(戦略、実績、運用支援、保守体制など)
RFPに入れておくとトラブルが減る“地雷回避”項目
- 納品物の定義:ページ一式だけ?ソースコード?デザインデータ?編集マニュアル?
- 移行の有無:旧URL、リダイレクト、SEO資産の引き継ぎが必要か
- 更新の運用:公開後に誰が何を更新するか(外注保守の範囲も)
見積の内訳を分解する(設計/デザイン/実装/原稿/撮影/保守)
見積は「合計額」だけ見ても判断できません。
工程ごとに“何が含まれているか”を分解すると、比較が一気にラクになります。
内訳の全体像(コーポレートサイトでよくある項目)
| 区分 | 何をする | 成果物の例 |
|---|---|---|
| 企画・設計 | 目的整理、要件定義、情報設計 | 要件定義書、サイトマップ、ワイヤー |
| デザイン | UI/UX設計、画面デザイン | トップ/下層デザイン、デザインガイド |
| 実装 | コーディング、CMS組み込み、フォーム | テンプレ、ページ実装、フォーム |
| 原稿/編集 | 文章作成、構成、校正 | 原稿、修正履歴、トーン統一 |
| 撮影/素材 | 写真撮影、画像制作 | 写真データ、加工、ライセンス整理 |
| 移行/SEO | 旧サイト移行、301、計測 | リダイレクト表、計測設定、サイトマップ |
| テスト | 表示/速度/フォーム/計測検証 | テスト結果、改修リスト |
| 保守運用 | 更新、監視、バックアップ、脆弱性対応 | 月次作業内容、SLA、レポート |
“別料金になりやすい”ので先に確認したい項目(要チェック)
- 修正回数(デザイン・原稿・実装それぞれの上限)
- フォーム追加や項目変更(後から増えがち)
- 写真・動画・イラスト(購入費と利用範囲)
- 原稿作成・取材・校正(誰がやる前提か)
- アクセシビリティ対応(目標レベルや診断の有無)
- サイト移行(旧ページが多いほど工数が跳ねやすい)
- 速度改善(どこまで担保するか:計測指標の合意があるか)
- 公開後の小改修(軽微修正の範囲と上限)
見積比較で効く質問テンプレ(そのまま使えます)
- 「この金額に要件定義は含まれますか?成果物は何ですか?」
- 「デザイン修正は何回までですか?超えたらいくらですか?」
- 「納品物としてソース一式・デザインデータ・マニュアルは受け取れますか?」
- 「公開後の軽微修正は保守費に含まれますか?範囲は?」
- 「保守のSLA(初動時間/復旧目安)はありますか?」
制作会社の比較軸:戦略設計、実績の質、運用支援、改善提案
制作会社は「センス」より 再現性 で選ぶと失敗が減ります。
1) 戦略設計(上流の強さ)
- 目的・KPIから逆算して、必要ページと導線を設計できるか
- “見た目”ではなく、訪問者別の情報設計を提案できるか
2) 実績の質(似た課題を解いた経験)
- 同業種よりも、「同じ目的(採用強化/商談補助など)」の実績があるか
- 実績紹介が、制作物の自慢ではなく 成果や前提 まで書かれているか
3) 運用支援(公開後に回るか)
- 更新担当向けのレクチャーやマニュアルがあるか
- 計測・改善提案(GA4/Search Console等)まで見てくれるか
- 保守の作業範囲が明確か(更新・監視・バックアップ・脆弱性対応)
4) 改善提案(“作って終わり”ではないか)
- 公開後の改善サイクル(小改修→計測→改善)を提案してくれるか
- 相談窓口と対応フローが明確か
💡コツ:提案書の見栄えより、「前提」「範囲」「できないこと」がきちんと書けている会社は信頼しやすいです。
契約前チェック:著作権、改修費、解約条件、保守範囲
ここを曖昧にすると、後から「思ったより自由に直せない」「移管できない」が起きます。
契約前に、次だけは押さえてください(難しい場合はチェックリストとして使うのが◎)。
著作権・利用権(いちばん揉めやすい)
- 成果物の権利:デザイン、ソースコード、文章、写真の扱い(譲渡 or 利用許諾)
- 二次利用:パンフ・展示会資料・広告に転用できるか
- 素材ライセンス:ストックフォトやフォントは利用範囲が制限されがち(要確認)
✅安心の形:
「何を納品し、誰が何に使えて、将来改修するときに制約がないか」を文章で明確にすること。
改修費・追加費用(“後から増える”を防ぐ)
- 追加改修の料金体系(時間単価・チケット制・都度見積など)
- 修正回数の上限、追加時の単価
- 緊急対応の扱い(夜間/休日の費用)
解約条件・移管(ベンダーロックイン対策)
- 解約時に何を渡してもらえるか(ソース、アカウント、設定情報)
- ドメイン/サーバーの名義と管理権限(自社管理が基本)
- 管理画面のアカウント発行(共有アカウントは避ける)
保守範囲(“保守付き”の中身を必ず確認)
保守は月額でも、内容が会社ごとに大きく違います。最低限、次を言語化してもらうと安全です。
- 監視:死活監視、改ざん検知など(何を、どれくらいの頻度で)
- バックアップ:頻度、保存世代、復元対応の有無
- 脆弱性対応:CMS/プラグイン更新、緊急時の初動
- 更新作業:テキスト修正・画像差し替えは含まれるか、上限は?
- SLA:初動時間、復旧目安、連絡手段
🧩最終チェックとしておすすめ:
「もし制作会社を変更するとしたら、何が障壁になりますか?」を先に質問して、回答が曖昧なら契約条項で潰すのが堅いです。
費用相場の考え方:金額より“何に投資するか”で決める
コーポレートサイトの費用は、いきなり「いくら?」と聞くよりも、何を達成したいか(目的)とどこまで作り込むか(範囲)を決めるほうがブレません。
同じ「10ページ」でも、文章と写真の品質、導線設計、運用体制、セキュリティやアクセシビリティの深さで、金額は大きく変わります。
規模・目的・機能で変わるコスト構造
費用は大きく「初期(制作)」と「継続(運用)」に分かれます。
初期(制作)でコストが増えるポイント
- 設計が必要か
例:訪問者別の導線設計、ページの役割整理、KPI設計、サイトマップ/ワイヤー作成
→ ここを削ると「見た目は整ったけど成果が出ない」になりやすいです。 - デザインの作り方
テンプレ流用か、オリジナル設計か。アニメーション多用や凝った演出は費用が上がりやすいです。 - ページ種別の多さ
「トップ+下層」だけなのか、
「サービス詳細」「事例」「採用(職種別)」「IR」「FAQ」「多拠点」など“型が増える”ほど工数増。 - CMS(更新の仕組み)
WordPress等を入れるだけなのか、権限管理・承認フロー・カスタム投稿など運用まで作り込むのか。 - 移行(リニューアル)
旧URLの引き継ぎ、301リダイレクト、コンテンツ統合、計測の再設計があると工数が増えます。
継続(運用)でコストが増えるポイント
- 更新作業の有無(テキスト修正、ニュース追加、事例追加など)
- セキュリティ運用(CMS更新、脆弱性対応、バックアップ、監視)
- 改善活動(アクセス解析、導線改善、CV改善、SEO改善のPDCA)
- SLA(対応速度)(障害時の初動や復旧、緊急対応)
ありがちな追加費用(撮影、CMS、SEO、翻訳、多言語、保守)
見積に“入っていそうで別料金”になりやすいものを先に把握しておくと、予算ブレが減ります。
追加費用になりやすい代表例
- 撮影(写真/動画):代表・社員・オフィス・現場写真、採用向けインタビュー撮影
- 原稿作成/編集:会社紹介、サービス説明、事例、採用コンテンツ、校正・トーン統一
- CMS関連:導入、テーマ制作、カスタム機能、権限/承認フロー、プラグイン有料版
- SEOの追加対応:キーワード設計、既存ページ統合、リライト、内部リンク再設計、移行設計
- 多言語対応:翻訳費、翻訳監修、言語切替の実装、hreflang・多言語サイトマップ、運用フロー
- 保守/管理:更新代行、監視、バックアップ、セキュリティ、軽微修正、レポート
- 外部ツール:フォーム(高機能)、チャット、MA/CRM連携、予約、同意管理(Cookie同意)
- アクセシビリティ対応:診断・改善・方針ページ整備(どこまでやるかで変動)
💡コツ:見積を見るときは「含まれる範囲(何を何回まで)」を必ず言語化してもらうと安全です。
例:デザイン修正回数、原稿修正回数、更新代行の月何回まで、障害対応の範囲など。
コスト最適化の順番(削る所/削らない所)
コストは“均等に削る”と失敗しやすいです。成果に直結する部分を残して、見た目の贅沢から削るのが基本。
削らない所(投資優先)
- 情報設計(迷子を作らない骨格):サイトマップ、導線、ページ役割の整理
- 一次情報の整備(E-E-A-Tの核):会社情報、サービス条件、実績の見せ方、更新日・根拠
- 主力ページの原稿品質:トップ、サービス詳細、事例、採用、問い合わせ/FAQ
- フォーム体験:入力負荷、エラー表示、自動返信、返信SLA
- 最低限の技術品質:スマホ最適化、速度の基本、セキュリティ、バックアップ
削る所(優先度を下げやすい)
- 過度なアニメーション、凝った演出、動画の常時再生
- 全ページのオリジナルデザイン(まずは“型”を作って展開)
- 不要に多いページ数(更新できないページは資産ではなく負債)
- 初期からの多言語フル対応(必要性が固まってから段階導入)
- “なんとなく”のコンテンツ追加(目的・KPIに紐づかない)
進め方として強い“段階投資”
- 最小構成で公開(信頼と導線の土台)
- 反応がある領域(採用/事業/事例/FAQ)を拡張
- 計測→改善で勝ちパターンが見えたら作り込みへ
「まず公開して回す」ほうが、結果的にムダが減りやすいです。
ざっくり予算決めの早見(小規模〜作り込み)
※あくまで目安です(ページ数だけでなく、原稿・写真・設計・運用まで含めるかで変動します)。
| 目的/作り方 | 想定イメージ | 初期費用の目安 | 月額運用の目安 |
|---|---|---|---|
| 最小構成(名刺代わり) | 5〜10ページ、テンプレ中心、更新少なめ | 10万〜50万円前後 | 5,000円〜2万円前後(サーバー等中心) |
| 中小企業の標準(信頼+導線) | 10〜20ページ、基本設計+問い合わせ導線、ニュース更新 | 30万〜100万円前後 | 1万〜5万円前後(保守+軽微更新) |
| 事業・採用を伸ばす(成果重視) | 20〜40ページ、サービス詳細/事例/採用強化、計測設計 | 80万〜200万円前後 | 2万〜10万円前後(更新+改善含む) |
| 作り込み(ブランディング/多機能/多言語) | 大規模、撮影・取材、独自デザイン、システム連携等 | 200万〜500万円以上 | 5万円以上も(体制・要件次第) |
予算の決め方(初心者向けの最短)
- 「初期:上限」「運用:毎月いくら出せるか」を先に決める
- その範囲で、まず トップ/サービス/採用/問い合わせ/会社情報 の品質を最大化する
- 余った分で、事例・FAQ・資料DL・改善に回す
公開後の運用:更新が止まらない仕組みづくり
コーポレートサイトは「作って終わり」だと、数か月で情報が古くなり、信頼も検索評価も落ちやすくなります。
公開後に強いサイトにするコツは、個人の頑張りではなく “止まりにくい仕組み” を先に作ることです。
更新担当の役割分担(広報/採用/営業/情シス)
まずは、更新を「誰が・何を・どこまで」やるかを決めます。
おすすめは、4部門で“責任の境界線”を明確にする形です。
役割の基本(最小で回る形)
- 広報:ニュース/プレス/会社としての公式表現(トーン&ルールの管理)
- 採用:募集要項/採用ページ/社員紹介(応募導線と内容の正確性)
- 営業:サービス説明/事例/FAQ(現場で聞かれる不安を反映)
- 情シス(or Web担当):CMS管理/権限/バックアップ/セキュリティ更新/計測タグ
“更新が止まる原因”を先に潰すコツ
- 決裁待ちで止まる → 承認が必要なページを限定(例:会社概要・プライバシー・公式見解だけ厳格)
- 担当者が不在で止まる → 副担当(バックアップ) を必ず置く
- どこを直していいか分からず止まる → 編集してよい範囲(ページ単位)を明文化
- テキスト修正が怖くて止まる → 変更ログ(いつ/どこ/なぜ) を残す運用にする ✍️
迷ったらこの“責任設計”が無難
- 最終責任(決裁)=部署長 or プロジェクト責任者
- 実作業(更新)=担当者
- 品質チェック(表記・事実・法務)=広報/法務(必要ページのみ)
- 技術チェック(表示・計測・速度)=情シス/Web担当
更新カレンダー(ニュース、事例、採用、FAQ、セキュリティ)
更新カレンダーは「頻度」を決めるより、“何を確認するか”を定期化するのがポイントです。
以下は初心者でも回しやすい現実的な例です。
更新カレンダー例(まずはこれでOK)
| 頻度 | やること | 対象ページ | 担当の例 |
|---|---|---|---|
| 週1 | ニュース/お知らせの掲載・整理 | お知らせ | 広報 |
| 週1 | 問い合わせ内容の棚卸し(増えた質問) | FAQ候補 | 営業/CS |
| 月1 | サービスページの事実確認(料金・仕様・範囲) | サービス詳細 | 営業+広報 |
| 月1 | 採用情報の整合(募集/条件/導線) | 採用 | 採用 |
| 月1 | 計測の健康診断(フォーム完了・エラー) | 主要導線 | 情シス/Web |
| 月1 | インデックス/エラー確認 | Search Console | 情シス/Web |
| 四半期 | 事例追加・更新(可能な範囲で) | 事例 | 営業+広報 |
| 四半期 | 重要固定ページの棚卸し(会社概要/拠点/規約) | 会社情報/規約 | 広報+法務 |
| 毎月〜随時 | セキュリティ更新・バックアップ確認 | CMS/サーバー | 情シス/Web |
セキュリティ系は“やる日”を決めると止まりにくい
- 「毎月第2火曜は更新確認」など、カレンダーに固定してしまう
- バックアップは「取る」だけでなく、復元できるかも定期的に確認する(これが抜けがち)🔒
改善サイクル:検索→行動→離脱→改善の回し方
改善は、闇雲にページを直すのではなく、データの順番を固定すると迷いません。
おすすめの流れはこの4ステップです。
ステップ1:検索(見つかり方)を確認する
- Search Consoleで見るもの
- どんな検索語(クエリ)で表示・クリックされているか
- どのページが入口になっているか
- 表示は多いのにクリックが少ないページはどれか
改善の当たりをつけるイメージです。
ステップ2:行動(導線)を確認する
- GA4で見るもの
- CTAクリック(例:問い合わせ、資料DL、電話タップ)
- フォーム到達 → 入力 → 完了までの落ち方
- 重要ページ間の回遊(サービス→事例→問い合わせ など)
ここで「動いている導線」と「詰まっている導線」が分かれます。
ステップ3:離脱(詰まり)を特定する
よくある詰まりポイントはだいたい決まっています。
- 入口ページで離脱
- 会社の概要が伝わらない/強みの根拠がない/次の行動がない
- サービス詳細で離脱
- 対応範囲や条件が曖昧/比較検討材料が足りない(FAQ・事例不足)
- フォームで離脱
- 項目が多い/エラーが分からない/返信目安が不明で不安
ステップ4:改善(小さく直して検証)する
一気にリニューアルすると原因が分からなくなるので、基本は“小さく”です。
- タイトル/要約の改善(何が分かるページかを明確に)
- CTAの文言・位置・数の最適化(主CTA+副CTAの2本に絞る)
- FAQ追加(問い合わせで多い質問を、そのまま反映)
- 事例の追加/見せ方改善(数字が出せないなら前提とプロセスで信頼を作る)
- フォームの必須項目削減、エラー表示の改善
※改善は「仮説→変更→比較→判断」の形にすると、少ない工数でも成果が出やすいです。
運用KPIの定点観測(指名検索、CVR、フォーム完了、離脱ページ)
運用KPIは、増やしすぎると見なくなります。
初心者はまず “これだけ見れば危険信号が分かる”セット に絞るのがおすすめです。
定点観測のおすすめセット(最小)
- 指名検索の状態(Search Console)
- 会社名・サービス名での表示/クリックの推移
- 変化があれば、評判・炎上・競合の動きの早期察知にもなる
- 主要CV(GA4のキーイベント)
- 問い合わせ完了/応募完了/資料DL完了など(目的に合わせて1〜3個)
- フォーム完了率(GA4のファネル)
- 到達→入力開始→完了の落ち方
- “どこで落ちるか”が分かると改善が速い
- 離脱が多い重要ページ(GA4)
- サービス詳細、採用、問い合わせ前のページなど
- ここが悪化すると、成果が落ちやすい
“見る日”を固定すると継続できる
- 月初に30分だけ「定点観測→改善候補3つ→今月の対応」を決める
- 可能なら、Search ConsoleとGA4のデータを同じダッシュボードで見る(ズレが減る)📊
よくある疑問:コーポレートサイトQ&A
サービスサイトや採用サイトは分けるべき?
結論:「分けたほうが成果が出るケース」と「まとめたほうが運用が回るケース」があります。迷ったら、まずは“1つのサイト内で役割を分ける(構造で分ける)”が安全です。
分けるのが向くケース
- 目的が明確に違う(例:コーポレート=信頼の一次情報、サービス=獲得、採用=応募)
- 更新頻度が違いすぎる(採用は頻繁、会社情報は低頻度など)
- KPIと導線が別物(サービスはCV中心、採用は応募中心)
- 担当部署・承認フローが違う(採用は人事、サービスは営業、会社情報は広報など)
- 表現ルールが異なる(サービスLPは訴求強め、コーポレートは公式表現優先)
まとめるのが向くケース
- 更新担当が少なく、サイトが増えるほど止まりやすい
- コンテンツ量がまだ少なく、まずは最小構成で信頼の土台を作りたい
- 会社情報・実績・問い合わせ導線など、共通パーツが多い
💡実務的な落とし所
「コーポレートサイトの中に、/service/(事業)や /recruit/(採用)を持たせて構造で分ける」→ 運用が回ってきたら、必要に応じて独立度を上げる、が失敗しにくいです。サービスサイトとコーポレートサイトの役割の違い(目的・ターゲット)自体ははっきりしているので、まずはそこを基準に決めると迷いが減ります。
最低限のページ数は? どこから拡張する?
「最低限」はページ数ではなく、訪問者の不安が解消できる情報が揃っているかで決まります。目安として、まずは5〜8ページで十分に戦えます。
最小構成(まず公開して信頼と導線を作る)
- トップ(要約・分岐・強み・最新情報・CTA)
- 会社情報(会社概要/拠点/沿革の最小)
- 事業・サービス概要(全体像→詳細へつなぐ入口)
- お知らせ(更新の証拠。頻繁に出せないなら目立たせすぎない)
- 問い合わせ(目的別フォーム/連絡先)
- 採用(募集があるなら最小でも入口は作る)
- 規約類(プライバシー等)
拡張の優先順位(“成果に直結する順”)
- サービス詳細(検討者の不安=条件・範囲・流れ・費用感)
- FAQ(問い合わせ削減+検討スピードUP)
- 事例・実績(根拠として強い。数字が出せないなら前提・プロセスで信頼を作る)
- 採用の深掘り(職種別、働き方、選考フロー、社員紹介)
- 信頼補強ページ(品質/セキュリティ/ガバナンス/サステナ等)
ポイントは、ページ数を増やすより 「型(テンプレ)」を先に決めて増やすことです。型があると、更新も外注も楽になります。
更新ができない会社でも回せる方法は?
更新できない理由は多くが「時間」「人」「承認」です。解決策は、“更新しない前提”で設計することです。
1) “更新が必要な領域”を減らす
- お知らせは無理に頻繁更新しない(止まって見えるなら配置を控えめに)
- 代わりに、固定ページの情報を正確に(会社情報・事業・問い合わせ・採用)
- 「最終更新日」「監修/確認体制」を明示して、古さの不安を減らす
2) ルールで回す(担当のやる気に依存しない)
- 月1回だけでいいので「内容確認の日」を決める
- 会社情報/サービス条件/採用要項/フォーム動作/セキュリティ更新の確認
- “確認日”をカレンダーに置き、レビュー日を設定してリマインドする運用に寄せる(公的機関のコンテンツ運用でも、レビュー日を置く発想があります)
3) 更新の手間を最小化する仕組み
- 文章・事例・FAQはテンプレ化(埋めるだけにする)
- 画像は「差し替えるだけ」で済む枠組みにする(毎回作り直さない)
- フォームやお知らせは、担当者が触れるUIにする(更新のたびに制作会社を呼ぶ状態を避ける)
4) “少額の保守”を使って止まらない状態にする
社内の人手が厳しいなら、月1回の軽微更新+セキュリティ更新だけ外注して、最低限の鮮度を担保するのも現実的です。
リニューアルの適切なタイミングは?
「何年ごと」と決め打ちより、症状が出たら最小の変更で直すが基本です。完全リニューアルは目安として“数年単位”で語られることはありますが、まずはデータと現場の痛みで判断します。
リニューアル(または大きめの改修)を検討するサイン
- 会社の方向性・事業が変わり、伝えるべき内容がズレた
- スマホで見づらい、欲しい情報に辿り着けない(UXの問題)
- 問い合わせ・応募が落ちた/フォーム離脱が増えた(導線の問題)
- 更新が困難(CMSが古い、担当者が触れない、制作会社依存が強い)
- セキュリティや運用上の不安がある(更新停止、権限管理が弱い)
いきなり全面改修しないほうがいい理由
大きな変更は、既存ユーザーの慣れ(メンタルモデル)を壊して逆効果になることがあります。まずは“困っている箇所”を特定して、小さく直して効果検証→必要なら段階的に拡大、が堅実です。
URLが変わるリニューアルは特に注意
ページ移行やURL変更があるなら、旧URL→新URLの対応表を作り、恒久リダイレクト(301)を計画的に行うのが基本です(SEO資産とユーザー導線の引き継ぎのため)。
失敗パターンと回避策は?
初心者がハマりやすい“あるある”と、すぐ効く回避策をまとめます。
失敗1:目的が曖昧で、見た目だけ整う
- 回避:最初に「誰の不安をどう解消し、何をしてもらうか」を1枚に固定する(目的/KPI/訪問者/必須ページ)
失敗2:ページを増やしすぎて更新が止まる
- 回避:まず最小構成→反応がある領域だけ拡張(事例・FAQ・サービス詳細)
失敗3:会社の一次情報が薄く、信頼が積み上がらない
- 回避:会社情報・連絡先・責任者・更新方針など「透明性」を先に整える
失敗4:フォームが難しく、離脱が多い
- 回避:必須項目を絞る/エラーをテキストで明確化/返信目安を表示
※フォームのエラー提示を分かりやすくする考え方はアクセシビリティ基準でも重視されています。
失敗5:リニューアルでURLを変えて、流入が落ちる
- 回避:旧→新の対応表を作る/301で引き継ぐ/段階公開で検証しながら進める
失敗6:運用が属人化して、担当が変わると停止する
- 回避:更新テンプレ・承認フロー・月1の棚卸し日(レビュー日)を“仕組み”として固定する
まとめ:この順番でやれば迷わない(チェックリスト付き)
コーポレートサイトは「見た目」より先に、目的と導線を固めるほど失敗しにくくなります。
最後に、迷わない順番を“時間軸”でまとめます。
30分で決める:目的・訪問者・必須ページ
まずは、ここだけ決めれば前に進めます(紙1枚でOK)。
- 目的(KGI)
- 例:信頼獲得/商談の補助/採用応募/問い合わせ削減
- 主要な訪問者(優先順位つき)
- 見込み客・取引先/求職者/投資家/メディア・地域
- 必須ページ(最小構成)
- トップ、会社情報、事業(概要+詳細への入口)、お知らせ、問い合わせ、採用(必要なら)、規約類
✅ ここでのコツ
- 「更新できない前提」なら、最初から更新が必要な領域を絞る(例:ニュースを盛りすぎない)
- 目的が2つ以上あるときは、“主目的1つ+副目的”にする(全部やろうとすると導線が散ります)
1日で作る:サイトマップと導線(“迷子ゼロ”)
次は「サイトの骨格」を作ります。デザインはまだ不要です。
- サイトマップ(ページ一覧)を作る
- 例:会社情報/事業/採用/お知らせ/問い合わせ(+IRやFAQなど必要分)
- グロナビ(上部メニュー)の型を決める
- 目的別に最短で辿れる並びにする
- 回遊のルールを決める(これが“迷子ゼロ”の核)
- サービス詳細 → 事例 → FAQ → 問い合わせ
- 採用トップ → 募集一覧 → 募集詳細 → 応募
- お知らせ詳細 → 関連ページ(会社情報/採用/事業)への導線
💡“迷子”が起きやすい会社ほど効く最小ルール
- 重要ページには「次に何を見ればいいか」を必ず置く(関連リンク+CTA)
- 「こちら」リンク禁止。リンク文言は行き先が分かる言葉にする
1週間で固める:原稿・根拠・更新体制(E-E-A-Tの土台)
ここが整うと、検索にも人にも強い「一次情報ハブ」になります。
原稿(文章)で最優先に固めるページ
- トップ:何の会社/強み/根拠/次の行動
- 会社情報:実在性・透明性(会社概要、拠点、連絡先、責任者の所在)
- サービス(事業):対応範囲、条件、流れ、よくある質問
- 採用:価値観、募集要項、選考導線
- 問い合わせ:目的別フォーム、返信目安、緊急連絡先(必要なら)
根拠(信頼材料)の集め方
- 事例(数値が出せない場合は「前提・期間・範囲・プロセス」を丁寧に)
- 許認可・認証・受賞・パートナー(出せるものだけでOK)
- 会社としての公式な表現ルール(誇張・No.1表現・比較表現の取り扱い)
更新体制(止まらない仕組み)
- 役割分担:広報/採用/営業/情シス(Web担当)で“責任範囲”を決める
- 承認フロー:厳格にするページを限定(会社情報・規約・公式見解など)
- 更新カレンダー:月1の棚卸し日を固定(更新できない会社ほど効果大)
✅ 最後に決めるとラクなこと
- 「誰が更新するか」が曖昧なら、CMSやデザインを先に決めない(後で必ず詰まります)
最終チェックリスト(公開前)
以下は「公開日に事故らない」ためのチェックです。
チェックボックスをそのまま使ってください。
計測
- [ ] GA4が設置され、主要なキーイベント(問い合わせ完了など)が計測できる
- [ ] Search Consoleが導入され、サイトマップが送信されている
- [ ] CTAクリック(電話タップ、資料DLなど)の計測方針が決まっている
速度
- [ ] 主要ページ(トップ/サービス/採用/問い合わせ)の表示が重すぎない
- [ ] 画像が適切に最適化されている(巨大画像の貼りっぱなしがない)
- [ ] Core Web Vitalsを確認できる体制(最低限、Search Consoleで見られる)
スマホ
- [ ] メニューが開ける/閉じられる/押しやすい
- [ ] ボタンやリンクが小さすぎない(誤タップしない)
- [ ] 文章が詰まって読みにくくない(余白・行間)
フォーム
- [ ] 入力エラーが「どこが・なぜ」分かる(テキストで表示)
- [ ] 必須項目が多すぎない(目的に必要最小限)
- [ ] 自動返信メールが送られ、担当にも通知が届く
- [ ] 返信目安(例:1〜2営業日)が明記されている
規約
- [ ] プライバシーポリシーが実態と一致している(取得項目・利用目的・窓口)
- [ ] Cookie/アクセス解析/外部送信に関する説明が必要なら用意されている
- [ ] 著作権・引用・ロゴ掲載の許諾が整理されている
更新日
- [ ] 重要ページに最終更新の考え方がある(更新日表示、内容の棚卸し方針など)
- [ ] 古い情報(料金・仕様・募集要項・拠点)が残っていない
リダイレクト(リニューアル時)
- [ ] 旧URL→新URLの対応表(リダイレクトマップ)がある
- [ ] 重要ページは恒久的リダイレクトで引き継げている
- [ ] 404が適切(消したページが無意味に生きていない)
権限
- [ ] 管理者アカウントが増えすぎていない(最小権限)
- [ ] 共有アカウントを避け、担当者ごとに権限が分かれている
- [ ] バックアップが自動で取られ、復元できる見通しがある
コーポレートサイトは「公開」がゴールではなく、信頼を積み上げる運用のスタートです。
この教科書の手順とチェックリストをベースに、まずは最小構成で公開し、数字と問い合わせの声をもとに、必要なところから拡張・改善していきましょう。
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