「Drupalを導入したいけれど、何から始めればいいかわからない……」
「大規模サイトに向いているCMSって本当にDrupalだけ?」
「WordPressやJoomla!とどう違うの? 選び方のポイントは?」
「セキュリティ面や多言語対応は安心して使えるの?」
といった悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
初心者の方からシステム管理者、マーケターまで、Drupalに関する疑問はさまざま。
- 「モジュールの追加って難しそう……」
- 「承認フローを簡単に組めるか知りたい!」
- 「モバイル対応やSEO対策はどう設定するの?」
本記事では、Drupalの主な強みから基本的な使い方、他CMSとの比較まで、丁寧に解説します。
これを読めば、Drupalの全体像をつかみ、導入の第一歩を自信を持って踏み出せるはずです!
Drupalとは何か
Drupalは、ウェブサイトやウェブアプリケーションを構築・管理するためのオープンソースCMS(コンテンツ管理システム)であり、同時に柔軟なWebフレームワークとしての側面も持ち合わせています。
世界中の開発コミュニティによって進化し続けており、初心者から大規模サイト運営者まで幅広く利用されています。
CMSとWebフレームワークを兼ね備えたプラットフォーム
- 直感的なコンテンツ管理
- 管理画面(ダッシュボード)からドラッグ&ドロップでコンテンツを配置
- ユーザーごとに編集権限を細かく設定可能
- プログラム的な拡張性
- PHPベースのモジュールで機能を追加・カスタマイズできる
- 独自のコンテンツタイプやAPIエンドポイントも自由に定義可能
- 柔軟性 🚀
- 単なるブログから、ECサイト、会員制サイト、Webアプリまで多彩な用途に対応
- テーマ機能でデザインを丸ごと切り替え
オープンソースである意義とメリット
- 無料で利用可能 💰
- ライセンス費用なし
- インストールから運用までコストを抑えられる
- 大規模なコミュニティサポート 🤝
- 世界中の開発者がモジュール・テーマを公開
- フォーラムやドキュメントが豊富
- セキュリティの透明性 🔒
- 脆弱性情報が迅速に共有・修正モジュールが提供
- 改ざん検知や二要素認証など強固なセキュリティ機能を標準搭載
- 継続的なアップデート 🔄
- バージョン管理とアップグレードパスが整備
- 最新技術(Symfonyコンポーネント等)を取り込む進化性
主な採用例(官公庁・大企業サイトなど)
以下は、Drupalが活用されている代表的なケースです。用途や規模に応じた導入が進んでいます。
| カテゴリ | 導入例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 官公庁・自治体 | 政府機関サイト | 高いセキュリティと多言語対応 |
| 大企業コーポレート | グローバル企業の公式サイト | 膨大なコンテンツ管理と公開制御 |
| 教育機関・大学 | 大学の情報ポータル | ユーザー権限設定とワークフロー管理 |
| メディア・ニュース | オンラインマガジン・カタログ | 柔軟なレイアウトと配信機能 |
- 官公庁・自治体:セキュリティ強化や多言語サイトで住民向け情報を安心・正確に提供
- 大企業:分散した部署ごとの更新を統一管理し、ブランドイメージを一括制御
- 教育機関:学内ユーザーごとにアクセス権を分け、効率的な情報共有を実現
- メディア:頻繁なコンテンツ更新や購読管理に強く、アクセス負荷にも耐えうる
以上のように、Drupalは初心者でも使いやすい管理画面と開発者が満足する高度な拡張性を両立したプラットフォームです。
目的や規模に合わせたモジュール選定・設定を行えば、さまざまなウェブサイト構築に最適な選択肢となります。
なぜDrupalを選ぶのか:主な強み
柔軟かつ拡張性に富むアーキテクチャ
Drupalはモジュールベースの設計を採用しており、コア機能に手を加えることなく、新しい機能を自由に追加できます。
- 機能追加の容易さ:公式・コミュニティ製モジュールは3万件以上
- カスタム実装:独自モジュールやプラグインで業務要件に完全フィット
- API対応:RESTやGraphQLによる外部連携が標準サポート 🚀
エンタープライズレベルの堅牢なセキュリティ機能
大規模組織も安心して採用できる、Drupalのセキュリティ対策ポイント:
- コアの定期的な監査と脆弱性修正パッチの迅速な提供 🔒
- 多要素認証や細かなアクセス権設定でユーザー権限を厳格管理
- OWASP推奨のセキュリティヘッダーや入力サニタイズ機能を内蔵
複数言語サイトの標準サポート
Drupalは初期設定だけで多言語サイトを構築可能。追加モジュール不要で以下を実現:
- インターフェース翻訳:管理画面も含め自動・手動で翻訳
- コンテンツ翻訳:ページ単位で言語ごとのバージョン管理
- URL言語プレフィックスによるSEO対応 🌐
大量コンテンツを一元管理できるワークフロー
豊富なワークフロー機能で、投稿から公開までの流れを明確に制御できます。
| 機能 | 説明 |
|---|---|
| 下書き⇄レビュー | 承認がないと公開されないステータス管理 |
| ロール別権限 | 編集者、レビュアー、公開者など役割ごとに操作を制限 |
| 履歴管理 | 更新履歴を保持し、いつでも過去バージョンへロールバック |
この仕組みにより、情報漏えい防止や品質担保を自動化し、運用コストを大幅に削減できます。
モバイルファースト&SEO最適化対応
Drupalはモバイル環境と検索エンジン最適化を強力にサポートします。
- レスポンシブテーマ:デバイスに合わせたレイアウト自動切り替え 📱
- メタデータ管理:タイトルタグやディスクリプションの自動生成・編集
- パフォーマンス改善:キャッシュやCDN連携で高速表示を実現
これらの機能により、ユーザー体験を損なわずに検索順位の上昇や離脱率低減が期待できます。
コア構成要素とエコシステム
Drupalの強力な基盤を支える「コア」「モジュール」「テーマ」の3要素と、その周辺に広がるエコシステムを見ていきましょう。
コア機能の概要
Drupalコアには、サイト構築に必要な基本機能が標準で含まれています。
- コンテンツタイプ管理:記事やページ、カスタムエンティティなど多彩なコンテンツを定義
- ユーザー管理:ロール(役割)と権限を組み合わせてアクセス制御
- ワークフロー:下書き・レビュー・公開の流れを設定
- APIエンドポイント:RESTful APIやGraphQLで外部連携を簡単に実装
- キャッシュ機構:ページキャッシュ・ビューキャッシュで高速レスポンス
バージョン選びのポイントと最新情報
- 長期サポート(LTS):安定性を重視するならLTS版がおすすめ
- マイナーバージョン:新機能を試すなら最新のマイナーアップデートを活用
- エコシステム対応:利用したいモジュールやテーマが対応しているかを事前に確認
- アップグレードパス:主要バージョン間での移行ツールが整備されているかチェック ✅
モジュール(拡張機能)の活用法
コアを土台に、多彩なモジュールで機能追加や業務要件への対応が可能です。
検索・選定のコツ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 評価数・アクティブ数 | 利用者が多く、更新頻度も高いモジュールを選ぶ |
| 開発者サポート | 開発コミュニティの活発さやIssue対応状況を確認 |
| 互換性 | Drupal本体や他モジュールとのバージョン整合性をチェック |
🔍 公式ディレクトリのフィルタ機能で「安定版」「メンテナンス状況」を絞り込むのが近道です。
組み合わせ/実装事例
- SEO対策モジュール + パフォーマンスキャッシュ:検索順位向上+高速化
- Workbench Moderation + Content Moderation:複雑な承認フローを柔軟に実現
- Commerce + Payment Gateway:ECサイトの構築に必要な決済機能を一気通貫で実装
テーマ(デザイン)の仕組み
サイトの見た目を決めるテーマは、HTMLテンプレートとCSS/JavaScriptで構成されています。
テーマ選定時の注意点
- レスポンシブ対応:スマホ・タブレットでも崩れない設計か
- アクセシビリティ:WCAG準拠やARIA属性の実装状況を確認
- メンテナンス性:子テーマやカスタムCSSを追加しやすい構造か
テーマによってはビルドツール(Gulp, Webpack)を必要とする場合もあるので、開発フローと合うかどうかも見極めましょう。
おすすめテーマ紹介
| テーマ名 | 特徴 |
|---|---|
| Olivero | コア標準テーマ。モダンでアクセシブル |
| Claro | 管理画面専用テーマ。直感的なUIで操作性◎ |
| Barrio | Bootstrapベース。レスポンシブ&カスタマイズ容易 |
| Gin | リッチな管理UIを求める開発者向け |
✨ OliveroはDrupal 9以降のデフォルトテーマとしても採用され、すぐに美しいサイトを立ち上げたいときに最適です。
導入手順と環境構築
Drupalをスムーズに立ち上げるための手順と、初期設定で押さえておきたいポイントを順にご紹介します。
システム要件の確認方法
まずはサーバー環境がDrupalの動作要件を満たしているかをチェックしましょう。
| 項目 | 推奨バージョン/条件 |
|---|---|
| PHP | 7.4以上 |
| データベース | MySQL 5.7 / MariaDB 10.3以上 PostgreSQL 10以上 |
| ウェブサーバー | Apache 2.4以上 / Nginx 1.18以上 |
| メモリ | 128MB以上(推奨256MB以上) |
| その他 | Composerインストール済み |
- 操作手順
php -vでPHPバージョンを確認mysql --versionまたはpsql --versionでDBバージョンを確認- ウェブサーバーの設定画面や
nginx -vなどで確認
✅ すべての要件が揃っていれば、次のステップへ進みましょう。
インストールから初期設定までの流れ
- Drupal 本体の取得
- Composerで推奨インストール:
composer create-project drupal/recommended-project my_site- ZIPファイルを公式サイトからダウンロードも可💾
- ウェブサーバーへの配置
- ドキュメントルート(例:
/var/www/html/my_site/web)に配置 - 所有者・権限を設定(例:
chown -R www-data:www-data)
- ドキュメントルート(例:
- データベース設定
- MySQL/MariaDB or PostgreSQL で空のデータベースとユーザーを用意
- インストール画面でホスト名・DB名・ユーザー・パスワードを入力🔑
- インストールウィザード実行
- ブラウザで
http://あなたのドメイン/core/install.phpにアクセス - 言語選択→要件チェック→DB情報入力→サイト情報入力
- ブラウザで
- 初期モジュールの有効化
- 必要に応じて「Pathauto」「Token」「Admin Toolbar」などを有効化⚙️
- 管理画面メニューから[拡張機能]>[モジュールのインストール]
- パーミッション設定
- 管理画面の[人間]>[権限]でロールごとの操作範囲を調整
日本語化やワークフロー設定
日本語化
- インターフェース翻訳
- [構成]>[地域と言語]>[翻訳インターフェース]で「日本語」を追加
- 翻訳ファイルのダウンロードと自動インポート✅
- コンテンツ翻訳
- [構成]>[地域と言語]>[コンテンツ翻訳]で有効化
- 各コンテンツタイプの「翻訳を許可」をONに
ワークフロー設定
- モジュールの有効化
- 「Workflow」「Content Moderation」をインストールして有効化🔄
- ワークフロースキーム作成
- [構成]>[ワークフロー]>[ワークフロースキームを追加]
- ステータス(例:下書き→レビュー→公開)を定義
- 適用するコンテンツタイプを指定
- ロールごとのアクセス制御
- [人間]>[権限]で各ステータスに対する操作権限を設定
管理画面と基本操作
Drupalサイトの運用を始めるには、管理画面(ダッシュボード)の基本操作をマスターしましょう。
ログイン〜ダッシュボードの使い方
- ログイン画面にアクセス
- URL例:
https://あなたのドメイン/user/login - ユーザー名とパスワードを入力し、「ログイン」をクリック🔑
- URL例:
- ダッシュボードの構成
- 上部ツールバー:コンテンツ管理やシステム設定へのショートカット
- 管理メニュー:左側に折り畳み可能なメニューが表示
- 概要パネル:サイトの状態や最近の更新情報を一目で把握
- よく使う操作
- コンテンツ一覧:[コンテンツ]>[すべてのコンテンツ]
- モジュール管理:[拡張機能]>[モジュール]
- ユーザー管理:[人間]>[ユーザー]
Tip: ツールバーの歯車アイコンから「ショートカットバー」にお気に入りページを登録すると、アクセスがさらにスピーディーに!
コンテンツ投稿と権限管理
- コンテンツ投稿手順
- [コンテンツ]>[コンテンツを追加]を選択
- 投稿タイプ(記事、ページなど)を選び、タイトル・本文を入力📝
- 必要に応じてカテゴリやタグを設定
- 「公開」ステータスを選択し、「保存」
- 権限管理のポイント
| ロール(役割) | 主な許可例 |
|---|---|
| 管理者 | すべての操作が可能 |
| 編集者 | コンテンツ編集・公開(設定で制限可) |
| 投稿者 | 下書きの作成・自分の投稿のみ編集 |
| 読者 | サイト閲覧のみ |
- [人間]>[権限]で各ロールにチェックを入れ、細かい操作単位で許可を付与または取り消しできます。
- TIP: 「投稿者」には公開権限を与えず、レビュー体制を整えると品質が安定します。
承認フローの設定例
- モジュール有効化
- [拡張機能]から「Workflow」「Content Moderation」をインストール&有効化⚙️
- ワークフロー定義
- [構成]>[ワークフロー]>[ワークフロースキームを追加]
- ステータスを「下書き」「レビュー待ち」「公開済み」に設定
- 適用対象に「記事」などのコンテンツタイプを指定
- 権限付与
- [人間]>[権限]で、各ステータス移行に必要なロールを割り当て
- 例:編集者は「下書き→レビュー待ち」、管理者は「レビュー待ち→公開済み」を許可
| ステータス | 許可ロール |
|---|---|
| 下書き | 投稿者、編集者 |
| レビュー待ち | 編集者 |
| 公開済み | 管理者 |
この設定で、公開前に必ず専門スタッフのチェックを挟み、運用ミスや品質低下を防げます。
他CMSとの比較ポイント
以下では主要なCMSとDrupalを比較し、それぞれの得意分野や利用シーンを明確にします。
WordPressとの違いと使い分け
- 拡張性と開発難易度
- Drupal:モジュールベースのアーキテクチャで複雑なサイト構築に最適。ただし学習曲線はやや急⛰️
- WordPress:テーマ・プラグインが豊富で導入が簡単。ブログや中小規模サイトに向く
- コンテンツ構造の柔軟性
- Drupalは独自のコンテンツタイプやフィールドを細かく定義できるため、複数種類のコンテンツを複雑に管理したい場合に強み
- WordPressは投稿/固定ページの2階層が基本で、カスタム投稿タイプを使う場合もプラグイン依存が大きい
- コミュニティとサポート
- WordPressは巨大なユーザーベースとテーママーケットが魅力
- Drupalはエンタープライズ向けドキュメントや国際化リソースが充実
Joomla!/商用CMSとの優劣比較
| 比較項目 | Drupal | Joomla! | 商用CMS |
|---|---|---|---|
| ライセンス費用 | 無料(オープンソース) | 無料(オープンソース) | 数十万〜数百万円の導入コストがかかる |
| カスタマイズ性 | 非常に高い:API・モジュール連携で自由度◎ | 高いがプラグイン依存 | ベンダー依存が強く、改修に制限あり |
| 多言語対応 | 標準機能で多言語サイト構築可能 | 拡張プラグインが必要 | オプション追加で対応 |
| セキュリティ | 厳格なコア監査+脆弱性パッチ迅速提供 | 定期アップデートあるが小規模向け | SLA保証ありだがコスト高 |
| サポート体制 | コミュニティ+企業サポート | コミュニティ中心 | ベンダーによる24/365サポート |
ポイント:短期間で低コストに立ち上げるならJoomla!、長期的に大規模運用を見据えるならDrupal、厳密なSLAが必要なら商用CMSが適任です。

エンタープライズ要件での強み
- 大規模トラフィック対応
- キャッシュレイヤーやCDN連携で数百万PV規模のサイトも安定稼働
- 厳格なガバナンス管理
- 複数チーム・多段階承認フローを設定し、内部統制やコンプライアンスに対応
- カスタムAPI連携
- SOAP/REST/GraphQLで基幹システムやCRMとシームレスに連携可能
- 高い可用性とバックアップ戦略
- マルチリージョン構成や自動フェイルオーバーに対応
- 企業向け認証方式
- LDAP、SAML、OAuth2.0などシングルサインオンにも標準対応
これらの機能により、Drupalはミッションクリティカルな大規模サイトにとって最適な選択肢となります。
導入事例と活用ケース
Drupalが実際に活用されているシーンを具体的に見てみましょう。
業種や規模に合わせた柔軟な運用方法がポイントです。
グローバル企業サイトでの多言語展開
- 課題:世界各国の拠点・顧客向けに、言語ごとに異なるコンテンツを提供したい
- 解決策:Drupalの標準多言語機能を活用し、言語プレフィックス付きURLと翻訳インターフェースで統一管理
- インターフェース翻訳:管理画面も多言語化し、現地担当者が直接編集可能
- コンテンツ翻訳:ページごとに原文・訳文を並行管理し、更新漏れを防止
- 成果:
- 新規言語追加にかかるコストを約70%削減
- 各拠点でのコンテンツ更新がリアルタイム化 🌐
官公庁・公共機関のガバナンス運用例
| 課題 | ソリューション | 効果 |
|---|---|---|
| 承認プロセスの属人化 | Workflow + Content Moderation で自動化 | 公開前レビューが標準フロー化し、品質担保 |
| 情報の正確性確保 | 版管理機能で修正履歴を全記録 | いつでも過去版へロールバック可能 |
| セキュリティ要件 | セキュリティヘッダー・二要素認証導入 | 不正アクセスリスクを大幅に低減 🔒 |
- ポイント:複数部門が関わるサイトでも、役割ごとに厳格な権限設定と承認ワークフローを適用し、コンプライアンス強化。
ECサイトや会員制サイト構築例
- 要件:商品カタログ、会員専用ページ、決済連携、購買履歴管理
- 導入モジュール例
- Commerce:商品管理・カート機能
- Rules:ポイント付与やメール通知の自動化
- Views:動的な商品リストや会員ダッシュボードの生成
- 活用ポイント
- 柔軟な商品属性設定で多彩なバリエーションに対応
- 会員ロールを細分化し、VIP/一般会員で表示コンテンツを切り替え
- セキュアな決済ゲートウェイ連携で安心取引を実現 💳
- 成果:
- 開発期間を従来比50%短縮
- ロイヤルカスタマー向けのパーソナライズドコンテンツでCVRが20%向上
これらの事例から、Drupalは多言語対応、厳格なワークフロー管理、EC/会員制サイト構築など多岐にわたる用途で威力を発揮します。
用途に応じたモジュール選定と設定を組み合わせることで、ビジネス要件を効率的に満たせるプラットフォームです。
よくある質問
バージョンアップ時の注意点
- 事前バックアップの徹底
- データベースとファイル(
sites/default/files)を必ず保存💾
- データベースとファイル(
- モジュール/テーマの互換性チェック
- コアだけでなく、導入済みのモジュール・テーマが新バージョン対応か確認
- 公式ディレクトリやリリースノートを参照
- ステージング環境でのテスト
- 本番環境と同一構成のテストサイトでリハーサルを実施
- エラー発生時の影響範囲を事前に把握
- アップグレード手順
composer update drupal/core --with-dependenciesなどでコアを更新drush updatedbまたは 管理画面の[/update.php]でデータベーススキーマを適用- キャッシュクリア(
drush cr)
- ロールバック方法の準備
- 何らかの不具合が出た場合に備え、元のバージョンに戻す手順を確立しておく
無料で使える範囲とライセンス
DrupalはGNU General Public License(GPL)のもと提供されており、以下の範囲で無償利用が可能です。
| 項目 | 無料範囲 |
|---|---|
| コア | 完全無料 |
| モジュール | 大多数がGPLライセンスで配布 |
| テーマ | コア標準テーマ+コミュニティテーマは無料 |
| 商用プラグイン | 一部有料のものあり(サードパーティ製) |
| サポート | フォーラムやSlackなどコミュニティサポートは無償 |
ポイント:ライセンス料は発生しませんが、ホスティング費用や開発コストは別途必要です。
コミュニティリソースの活用方法
- 公式サイト(drupal.org)
- モジュール・テーマ検索、ドキュメント、Issueトラッカーが充実
- フォーラム&メーリングリスト
- 質問投稿で世界中の開発者からアドバイスを得られる🤝
- Slack/Discordチャネル
- リアルタイムでの相談や最新情報のキャッチアップに便利
- ローカルユーザーグループ/Meetup
- オンライン・オフラインイベントで知見交換、ハンズオンが可能
- トレーニング動画&書籍
- 初心者向けから上級者向けまで多彩な教材が存在
トラブルシューティングの入り口
- ログ確認
- 管理画面[レポート]>[最近のログメッセージ]でエラー内容を確認
- サーバーのPHPエラーログやWebサーバーログも参照
- キャッシュクリア
drush crや管理画面[構成]>[開発]>[パフォーマンス]から実行
- モジュール無効化テスト
- 問題発生前に追加したモジュールを一時停止し、影響箇所を特定
- Develモジュールの活用
- デバッグ情報の出力やクエリログ確認が可能
- 公式Issueトラッカー参照
- 同様の問題が報告されていないか検索し、解決法を探す🔍
Tip: 問題が深刻な場合は、ステージング環境で再現テストを行い、ログや画面キャプチャを添えてコミュニティに相談すると解決が早まります。
まとめ
Drupalは、高い拡張性とエンタープライズレベルの堅牢なセキュリティ、標準での多言語サポートなど、多彩な強みを兼ね備えたオープンソースCMSです。
導入手順や管理画面の操作方法、他CMSとの比較ポイントを押さえることで、目的や規模に応じた最適なサイト構築が可能となります。
- 小規模ブログならWordPress、大規模・多言語サイトならDrupal
- モジュールとテーマの組み合わせで独自機能を低コスト実装
- 承認ワークフローやアクセス権限管理で社内ガバナンスを強化
初めは複雑に感じるかもしれませんが、公式ドキュメントやコミュニティリソースを活用しながら学習を進めれば、着実にスキルを身につけられます。
ぜひ本ガイドを参考に、Drupalで理想のWebサイトを実現してください!

