請求書の作り方完全ガイド!記載すべき基本情報、送付方法とマナーなど徹底解説!
請求書の作成って、慣れていないと意外とハードルが高いですよね。
「書き方が合っているのか不安」「送ったのに入金されない……理由がわからない」といった悩みを抱える方は多いです。
実際によく聞く声をまず挙げると、
「請求書って手書きでも大丈夫? どこまで書けばいいの?」
「発行タイミングは納品時? それとも月末まとめ?」
「振込手数料はどちらが負担するのが一般的?」
「インボイスって何をどう書けばいいの?」
「メールでPDFを送っても問題ないの?」
「源泉徴収や収入印紙はいつ必要になるのかわかりづらい」
「テンプレートがあればミスを減らせるのに……」
この記事では、こうした初心者の疑問に対して、実務でそのまま使える具体的な書き方・必須項目・送付方法・注意点を丁寧に解説します。📋
読み終える頃には、請求書を作って送る流れがすっきり理解でき、ミスを減らして入金スピードを上げる実践テクが身に付きます。
この記事で扱う主な内容
- 請求書の役割・見積書や領収書との違い
- 必ず書くべき項目(発行者、宛先、明細、金額、税など)
- 送付方法とマナー(郵送/メール/ツールの使い分け)
- インボイス・電子保存・源泉徴収・印紙などの注意点
- 発行前チェックリスト&テンプレート(すぐ使える)
まずは「最低限これだけは押さえる」という必須項目と簡単な作り方から順に進めます。
初心者でも迷わないよう、実務で使える表現と例を多数載せていますので、ぜひ最後までご覧ください。✍️
概要:請求書とは何か(導入)
請求書は、「提供した商品やサービスに対して代金の支払いを求めるために相手へ渡す書類」です。
初心者の方は「ただの金額の紙」と思いがちですが、実務では代金回収の根拠・取引の証拠・会計処理の材料として重要な役割を持ちます。
以下ではまず請求書の役割を整理し、その後に似た書類(見積書・納品書・領収書)との違いをわかりやすく説明します。
請求書の役割と目的
請求書が果たす主な役割は次の4つです。
初心者向けポイント:請求書は「払ってください」と伝えるだけでなく、後でトラブルにならないための証拠作りでもあります。
- 代金回収の通知
- 何を・いつ・いくらで売ったかを明記して、相手に支払いを促します。
- 支払期日を明確にすることで入金フローがスムーズになります。💡
- 取引の証拠(履歴)
- 契約や取引内容の記録として残り、紛争時の証拠になります。
- 発行日や請求番号が後からの照合に役立ちます。
- 会計・税務処理の根拠
- 帳簿記入・確定申告・経費計上の根拠資料として使用されます。
- インボイス制度などの要件に沿った表記が求められる場合があります(事業者は注意)。
- 社内の業務管理ツール
- 発注・納品・入金の管理に役立ち、請求漏れ防止や入金消込の効率化につながります。
チェックリスト(請求書を出す前に確認)
- 請求先の名称・口座情報は正しいか
- 請求金額(税区分含む)は合っているか
- 発行日と支払期限は明記されているか
- 必要な法的表記(登録番号など)は記載されているか
他の書類との違い(見積書・納品書・領収書との関係)
下の表は、見積書・納品書・請求書・領収書の違いを簡潔にまとめたものです。
用途や発行タイミングが混同しやすいので、実務で使い分けられるようにしておきましょう。
| 書類名 | 主な目的 | 発行タイミング | 主な記載内容 | 発行者 |
|---|---|---|---|---|
| 見積書 | 提案・価格提示(合意のため) | 発注前(取引条件提示時) | 品目、数量、単価、合計、有効期限 | 売り手(提案者) |
| 納品書 | 納品の事実を証明 | 商品・サービスの納品時 | 納品品目、数量、納品日、受領欄 | 売り手(納品者) |
| 請求書 | 支払いを求める(代金請求) | 納品後または契約に基づく所定の締日 | 請求金額、支払期日、振込先、請求番号 | 売り手(請求側) |
| 領収書 | 受領の証明(支払済みの証拠) | 支払い完了時 | 受領金額、受領日、受領者名、但し書き | 支払いを受けた側 |
実務での使い分け(簡単な例)
- 取引の前:見積書で条件を提示 → 相手が承諾 → 発注
- 納品時:納品書で「納品した」ことを証明
- 代金請求:請求書を出して支払いを求める
- 入金確認:入金があれば領収書を発行(必要な場合)
注意点
- 見積書は「これでお願いします」となれば契約に近い合意文書になるため、金額や条件の記載は慎重に。
- 請求書と納品書はタイミングが近いことが多いが、請求書は支払いを求める書類である点を忘れないでください。
- 領収書は「支払いを受け取った」証拠なので、入金前に発行してはいけません(特別な事情を除く)。
まとめ(要点)
- 請求書は 「支払いを求める」+「取引の証拠」 として重要な書類です。
- 見積→納品→請求→領収の流れを理解すると、書類の役割と発行タイミングが整理できます。✅
(必須)請求書に記載すべき基本情報
以下は請求書を受け取った相手や会計担当者が迷わず処理できるようにするための必須項目です。
各項目の書き方・注意点・実例をわかりやすくまとめます。
発行者の情報(請求する側の表示)
何を書くか(代表的な項目)
- 会社名/個人名(屋号)
- 代表者名(個人事業主は氏名)
- 住所(郵便番号を含む)
- 電話番号/メールアドレス(問い合わせ用)
- 事業者番号(適格請求書発行事業者の場合は登録番号)
- ロゴや会社印(任意)
書き方のポイント
- 会社名は正式名称を使う(略称は別欄に)。
- 個人事業主は「氏名 +(屋号)」の順がわかりやすい。
- 適格請求書発行事業者は登録番号を明瞭に表示する(例:登録番号:T1234567890123)。
- 問い合わせ先は必ず記載して、入金に関する問い合わせを減らす。
例(フォーマット)
発行者:
株式会社サンプル
代表取締役 山田 太郎
〒100-0000 東京都千代田区1-2-3
TEL:03-1234-5678 E-mail:info@example.com
登録番号:T1234567890123
受取側の情報(請求先)
何を書くか
- 受取事業者名(会社名)
- 部署名・担当者名(わかる場合)
- 宛名の敬称(「御中」/「様」)
- (必要なら)請求先の住所や担当メール
書き方のポイント
- 宛名は請求先のルールに合わせる(法人の場合は「御中」、個人名なら「様」)。
- 請求先が複数ある場合は「請求先: ○○株式会社(経理部) 宛」などと具体的に。
- 発注書や契約書で指定された宛先があればそちらに合わせる。
例
請求先:
○○株式会社 経理部 御中
担当:佐藤 花子
〒150-0000 東京都渋谷区4-5-6
取引の日時・内容
何を書くか
- 取引年月日(発生日)
- 取引内容(品目名、サービス名、期間、数量、単位)
- 明細ごとの単価・金額
書き方のポイント
- 取引年月日は実際に商品を引き渡した日やサービス提供期間の終了日を明記する(例:2025年8月1日〜2025年8月15日)。
- 品目は具体的に:曖昧な「作業一式」だけでなく、重要な内訳は明記(例:「記事作成(3本・合計6,000字): 30,000円」)。
- 継続取引(月額サブスク等)は対象期間を必ず書く(例:2025年8月分)。
- 明細が多数ある場合は表形式にして見やすくする。
明細の例
| 品目・内容 | 数量 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|
| Web記事作成(3本) | 3本 | ¥10,000 | ¥30,000 |
| 画像素材(商用利用) | 1式 | ¥5,000 | ¥5,000 |
| 小計 | ¥35,000 |
金額の内訳と消費税の表示方法
何を書くか
- 小計、税率ごとの課税対象額、消費税額、合計金額
- 軽減税率該当品目がある場合はその旨の表示
表示方法のポイント
- 税率ごとに区分して合計を出すこと(インボイス制度に準拠する場合は必須)。
- 表示は「税抜」「税込」「税率別」など混乱がない表現を使う。
- 端数処理(1円未満)の扱いを明記すると親切(例:「1円未満切捨て」)。
税表示の例(複数税率)
| 税率 | 税抜金額 | 消費税額 |
|---|---|---|
| 10% | ¥30,000 | ¥3,000 |
| 8% | ¥5,000 | ¥400 |
| 合計(税抜) | ¥35,000 | |
| 消費税合計 | ¥3,400 | |
| 請求合計(税込) | ¥38,400 |
注意事項
- 税込で金額表示する場合は「税込」表記を明示する。
- 控除や割引がある場合は明細に分けて記載する(例:値引 -¥2,000)。
発行日と請求番号
何を書くか
- 発行日(請求書を作成した日)
- 請求書番号(ユニークな識別子)
重要性とルール
- 発行日は請求の根拠日となることがあるため正確に。
- 請求書番号は後の問い合わせ・会計処理・入金照合で必須。重複しない連番にする。
請求書番号の付け方(例)
INV-YYYYMMDD-001→INV-20250825-001(日付+通し番号)2025-08-001(年+月+連番)- 社内で決めたフォーマットを統一して使うこと。
ポイント
- システムで自動発行する場合は重複を避ける設定を確認。
- 再発行時は「再発行」「訂正」などの注記を入れる(例:「訂正済み(再発行)」)。
支払期日と振込先情報
何を書くか
- 支払期日(具体的な日付)または支払条件(例:末締め翌月末)
- 振込先:銀行名、支店名、口座種別、口座番号、口座名義(カタカナ表記推奨)
- 振込手数料の負担(どちらが負担するか)
書き方のポイント
- 支払期日は必ず明確な日付にする(相手の締日に合わせる場合はその旨を追記)。
- 振込先は受取ミスを防ぐためにスペースを取り、読みやすく記載する。
- 海外送金の場合はSWIFT/IBAN情報を追記するとスムーズ。
振込先の例(フォーマット)
支払期日:2025年9月30日(末締め・翌月末払い)
振込先:
銀行名:○○銀行
支店名:渋谷支店
口座種別:普通
口座番号:1234567
口座名義:カ)サンプル
振込手数料:貴社ご負担でお願いします
遅延時の扱い(任意だが明記推奨)
- 支払遅延が発生した場合の遅延利息や督促手数料を明記しておくと抑止力になります(例:「支払期日を過ぎた場合、所定の延滞利息を申し受けることがあります」)。
最終チェック(発行前に必ず確認すること)
✅ 必須チェックリスト
- 発行者情報(会社名・連絡先・登録番号)が正しい
- 請求先情報(会社名・部署・担当)が正しい
- 明細と取引日が正確である
- 税区分と合計金額が一致している
- 発行日と請求書番号が付与されている
- 支払期日と振込先が明示されている
ワンポイント:初めて請求書を作る場合は、上のチェックリストをテンプレートに組み込むとミスが激減します。
任意だが推奨される追加項目(明確化・トラブル防止)
請求書の必須項目に加えて、相手に誤解を与えない・トラブルを防ぐために入れておくと便利な欄や書き方を解説します。
実務で使える文例や注意点のみをまとめます。
タイトル(見出し)や件名の書き方
ポイント:タイトルは一目で「何の書類か」がわかるようにすることが最重要です。メール送付時の件名も含めて、受取側の処理が早くなる表現を選びます。
有効な書き方(例)
- 請求書(御請求書) → 書類の上部に配置(A4の左上または中央)
- メール件名のテンプレ(例)
【請求書送付】請求書 No.20250825-01/株式会社サンプル(2025年8月分)
このように書類名+請求番号+発行者名+対象期間を入れると、経理担当者が受信トレイで探しやすくなります。📥
注意点
- 「納品書兼請求書」や「請求書兼領収書」のように役割が複数ある場合は、タイトルでその旨を明示してください。
- 表記は社内で統一(「請求書」か「御請求書」かを統一)すると処理ミスを減らせます。
備考欄・特記事項の活用例
目的:特記事項は曖昧さを排して支払処理や将来の問い合わせを減らす場所です。短くても具体的に書くと効果大です。
入れておくと良い項目(例)
- 振込手数料の負担:例)「振込手数料:貴社ご負担でお願いします」 または 「弊社負担(実費)とします」
- 支払条件の補足:例)「末締め翌月末払い」 や 「受注時に合意した条件に従う」
- 納品や検収に関する条件:例)「検収後○営業日以内にお支払いください」
- 値引き・相殺の扱い:例)「早期支払割引:期日内支払で総額から5%割引」
- 問い合わせ先:例)「ご不明点は経理担当:keiri@example.com」
実例(備考欄に入れる短文)
備考:振込手数料は貴社負担でお願いいたします。入金確認後、領収書を発行いたします。
効用:備考に明記することで、支払側と受領側の認識齟齬(振込手数料や検収条件など)を事前に防げます。💡
源泉徴収や印紙税に関する注記
要点:
- 源泉徴収(源泉税)は「支払う側」に納税義務がある制度で、請求書に源泉額を記載するかどうかは原則任意ですが、実務上は請求金額の内訳(源泉を差し引いた最終支払額)を明示しておくとトラブルが起きにくくなります。
- 収入印紙(印紙税)は、請求書が領収書の性格を兼ねる場合などに貼付が必要になることがある点に注意してください。一般的には記載金額が50,000円以上の受取書等は印紙税の対象となるケースが多いです(状況により判定が必要)。
具体的な書き方例(請求書に源泉・印紙についてどう書くか)
- 源泉徴収を請求書に明記する場合(例)
請求金額(税抜):¥100,000
消費税:¥10,000
小計(税込):¥110,000
源泉徴収額(10.21%):¥11,231
請求合計(差引):¥98,769
※源泉率や計算方法は報酬の種類や金額により異なります。適用税率や計算式は確認した上で記載してください。
- 印紙を貼るか迷うときに請ける表記(例)
備考:本請求書は領収書としての効力は有しておりません(領収書が必要な場合は別途発行します)。
こう明記すると、請求書がそのまま領収書として扱われないことを示して収入印紙の貼付判断に影響します。印紙の要否は「書類の実質的な性格」で判断されるため、単に金額だけでなく「受領の証明が含まれているか」を確認してください。
源泉徴収の運用メモ(実務上よくある質問)
- 誰が源泉を差し引く? → 支払者(買い手)が差し引き、納付する義務があります。請求書の発行者(受取側)が差し引く義務はありませんが、請求書に源泉額を記載しておくと双方の計算が一致しやすくなります。
- どの業務が対象? → 原稿料・講演料、弁護士・税理士等の業務報酬、芸能報酬など、法令で定められた分類に該当するものが対象です。対象範囲や例外は国税庁のガイドラインを参照してください。
- 源泉率の目安 → 一般の原稿料や講演料などは、100万円以下の部分には概ね約10.21%が目安(超過部分等で異なる計算があります)。必ず最新の税率表で確認してください。
収入印紙(印紙税)の早見メモ
- 請求書が領収書の代わりになる場合、記載金額に応じて貼付が必要になります(例:5万円以上で200円など)。ただし請求書の内容や「受領が明記されているか」によって要否が変わるため、単純に金額だけで判断しないでください。
チェックリスト(任意項目の有無を発行前に確認)
- タイトルに書類の役割が明確に入っているか(例:請求書/請求書兼領収書) ✅
- 備考欄で振込手数料や検収条件を明示しているか ✅
- 源泉徴収が発生する取引かどうかを確認し、請求書にその旨を記載するか決めたか ✅
- 印紙税が発生する可能性があるか(領収として扱われるか)を確認したか ✅
最後に一言:任意項目は「面倒に見えて実はコスト削減につながる」ことが多いです。特に振込手数料の負担先、源泉徴収の扱い、印紙の有無は支払遅延やトラブルの原因になりやすいので、請求書の備考欄に一言添えるだけでも大きな効果があります。✨
インボイス制度(適格請求書)と税法対応
インボイス制度(適格請求書制度)は、仕入税額控除の根拠となる厳格な記載要件を請求書に課す制度です。
ここでは、適格請求書に追加で必要な情報と、請求書を電子的に保存する際のルール(電子帳簿保存法)について、初心者にもわかるように丁寧に説明します。
適格請求書に必要な追加情報
要点(先に結論):適格請求書には「従来の請求書の要素」に加えて、発行者の登録番号・税率ごとの金額区分・税率ごとの消費税額等を明示する必要があります。これらが揃っていないと仕入税額控除の根拠と認められない場合があります。
具体的な必須項目
- インボイスの交付先(請求を受ける相手の氏名・名称)
- 発行者(売手)の氏名・名称および登録番号(適格請求書発行事業者の登録番号)
- 取引年月日(取引が行われた日)
- 取引内容(品目やサービスの内容)および軽減税率対象である旨(該当する場合)
- 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜または税込)と適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等(税額の合計も明示)
これらは「税率が混在する取引でも、買手が税額を正しく控除できるように」設けられています。
見た目(請求書の例:抜粋)
| 項目 | 記載例 |
|---|---|
| 発行者 | 株式会社サンプル / 登録番号:T1234567890123 |
| 取引年月日 | 2025年8月15日 |
| 取引内容 | Web記事作成(3本) — 軽減税率対象外 |
| 10%対象(税抜) | ¥30,000 |
| 8%対象(税抜) | ¥5,000(食品等) |
| 10%消費税額 | ¥3,000 |
| 8%消費税額 | ¥400 |
| 請求合計(税込) | ¥38,400 |
運用上のポイント
- 登録番号の記載は必須:登録番号は取引先に通知したり、請求書に必ず明示します。
- 税率ごとの区分は明瞭に:複数税率が混在する場合は税抜金額・消費税額を税率ごとに分けて記載する必要があります。
- 書類の名称に依らない点:請求書に限らず、納品書や領収書などでも上記の記載事項が満たされていれば“インボイス”として扱われます。
電子帳簿保存法や保存義務のポイント
要点(先に結論):請求書を電子的に保存する場合は、電子帳簿保存法の要件を満たす必要があります。保存期間や検索要件、改竄防止の仕組みなど、単にPDFをフォルダに入れるだけでは不十分です。
保存期間(目安)
| 事業者区分 | 一般的な保存期間 |
|---|---|
| 法人(通常) | 7年(欠損金の繰越等で最長10年の場合あり) |
| 個人事業主 | 5年(一定の場合7年になるケースあり) |
※ 細かな扱いは書類の種類や税務上の要件によって変わるため、自社のケースを確認することを推奨します。
電子保存で守るべき主な要件(抜粋)
- 真実性の確保(改竄防止):保存データの改竄を防ぐ措置(タイムスタンプ、適切なアクセス管理、ログの保全など)。
- 可視性・検索性:取引年月日・金額・相手先などで速やかに検索できること。検索要件を満たすインデックスが必要です。
- 相互関係の保存:請求書と関連する証憑(見積書・納品書・契約書等)を結びつけて確認できる体制。
- 適切なシステム運用:定期的な検査・バックアップ・帳簿との整合性確認など運用ルールを定めること。
電子発行(メール添付PDF等)の注意点
- 単にPDFをメールで送るだけでは、保存側(買手)がそのファイルを電子保存する際の要件を満たすかを確認する必要があります。電子取引データは、保存義務を課される側(受領側)が要件を満たして保存しないと法的な問題になることがあります。
- 2022年の改正により電子取引に関する保存ルールは厳格化しているため、双方でルールを確認し合うのが安全です。
実務チェックリスト(電子保存を始める前に)
- 保存期間ルール(自社は法人か個人か)を確認したか ✅
- タイムスタンプやアクセスログ等、改竄防止策を導入済みか ✅
- 取引先が電子インボイスやPDFを受け付け、電子保存できるか意思確認を取ったか ✅
- 電子取引(メール/クラウド経由)に関する社内ルールを整備したか ✅
まとめ(すぐに押さえるべきこと)
- 適格請求書は「登録番号」と「税率ごとの区分表示」が必須。これがないと買手が仕入税額控除を受けられない可能性があります。
- 電子保存は便利だが要件が厳しい。保存期間・改竄防止・検索性などの要件を満たした運用を整えてから運用開始しましょう。
作り方(実務手順・フォーマット別)
以下は「実際に請求書を作るとき」の具体手順と、用いるフォーマット別の注意点や実務で役立つ運用ルールです。
各節は実務でそのまま使えるチェックリストやテンプレ例を中心にまとめています。
紙で作る場合のポイント(手書き/印刷)
要点:紙の請求書は視認性と控えの管理が重要。封筒や押印のマナーも押さえる。
基本レイアウト(A4想定)
- 左上:発行者(会社名・住所・連絡先・登録番号)
- 右上:請求書番号/発行日
- 中央上:書類タイトル(請求書/御請求書)
- 明細表:品目・数量・単価・金額(表形式)
- 下部:小計・消費税・合計金額
- 末尾:支払期日・振込先・備考欄(振込手数料など)
印刷・手書きの注意
- 正式名称と表記の統一:会社名や代表者名は契約書記載と一致させる。
- 読みやすいフォント/十分な余白:手書きは判読性重視(黒インク推奨)。
- 押印(ハンコ):印鑑は求められる場合があるが、相手先の慣習に従う。押印するなら捺印位置を明確に。
- 控えの作成:発行前に必ず控えを1部保存(紙で保管する場合はファイリングと日付順で管理)。
封筒・送付のマナー
- 封筒表に「請求書在中」を明記(慣習上の記載)。
- 封筒に宛名・部署を正確に書く。
- 重要書類は簡易書留や配達記録付きで送ると安心。📮
チェックリスト(紙)
- [ ] A4で見やすくレイアウトされている
- [ ] 請求先・発行者の表記が正確である
- [ ] 請求書番号と発行日が入っている
- [ ] 控え(発行者用)がファイルされている
デジタルで作る場合(Word/Excel/PDF)
要点:テンプレート化とPDF化、ファイル命名・バージョン管理をルール化するとミスが激減します。
Word/Excelで作る流れ(推奨)
- テンプレートを作る(必須項目を固定配置)
- 入力はコピー&ペーストで済ませない(誤入力防止のため)
- 完成後にPDFへ変換(編集不可の形式で送付)
- PDFに請求書番号・発行日が正しくあるか最終チェック
ファイル命名ルール(例)
請求書_20250825_INV-20250825-01_会社名.pdfInvoice_20250825_INV-20250825-01_Company.pdf(英語併記する場合)
→ 日付(発行日)+請求書番号+発行者名 を入れると一目で判別可能。
バージョン管理
- 修正履歴は ファイル名にバージョンを付ける(例:
_v2)か、クラウドのバージョン管理を利用する。 - 再発行時は「再発行」や「訂正」の注記をPDF上に入れる(例:赤字で「再発行」)。
PDF化のポイント
- PDFはプロパティに発行日や作成者を設定する。
- 編集防止(パスワード付与は受け取り側の利便性を損なう可能性があるため要注意)。
- 電子署名やタイムスタンプを付与すると改ざん防止に有効(必要に応じて導入)。
メールで送る際の注意
- PDFを添付し、メール本文に請求書番号・発行日・合計金額・振込先を明記する(本文は経理担当が検索しやすい形式に)。
- 件名例:
【請求書送付】INV-20250825-01 / 株式会社サンプル(2025年8月分)
チェックリスト(デジタル)
- [ ] PDF化してある
- [ ] ファイル名ルールに従っている
- [ ] メール本文に要点が記載されている
- [ ] 再発行の場合は注記がある
クラウドサービスや請求書作成ソフトの活用メリット
要点:ソフト導入で作成→送付→入金管理までを自動化でき、人的ミスを大幅に減らせます。
代表的なメリット
- テンプレート自動化:必要項目がプリセットされ、入力漏れが防げる。
- 明細の自動計算:税率ごとの計算や丸め処理を自動で実施。
- 請求書の一括送付:メール送信や郵送代行機能を持つサービスもある。
- 会計ソフト連携:入金消込や帳簿への自動連携で事務作業を削減。
- 再発行履歴・監査ログ:誰がいつ作成・修正したかが残る。
- 電子インボイス対応・電子保存対応:将来的なルール変更にも追従しやすい。🔁
導入時のチェックポイント
- 自社の取引量や業務フローに合った機能か(単純請求だけで良いか、入金消込が必要か等)。
- 取引先が受け取り可能なフォーマット(PDF/メール/EDI)に対応しているか。
- セキュリティ・バックアップ体制、サポート体制が十分か。
簡易コスト対効果の見方
- 手作業で月に何時間かかっているかを洗い出し、ソフトの月額費用で何時間分削減できるかで判断するとよいです。⏱️
ケース別の違い(個人 vs 企業、電子 vs 紙)
要点:相手の立場や受け取り方法に応じてフォーマットや文言を切り替える。
個人事業主 vs 企業(書き方の実務差分)
- 個人事業主:屋号+氏名の表記をわかりやすく(例:「山田 太郎(屋号:やまだ工房)」)。
- 企業相手:宛名は部署名・担当者名を明記し、経理担当がすぐ処理できる形式にする。
- 企業では請求締日や振込先の登録が厳格な場合があるため、事前に確認すること。
電子送付 vs 紙送付(使い分けの目安)
- 普段からメールでやり取りしている相手:PDF添付で問題ないことが多い。
- 初回取引や厳格な管理をする相手:紙での郵送や別途承認が必要な場合があるため事前確認を。
- 海外取引:通貨・振込手数料・送金方法(SWIFT)など明記する必要あり。
特殊ケースの注意点
- 継続請求(サブスク):請求対象期間を必ず明記し、定期請求の合意書と紐付ける。
- 一括請求/月次締め:請求書に「請求対象の期間」と「締日」を明記して誤解を防止。
- 源泉徴収が必要な報酬:請求書で源泉の扱いを明示すると支払側との計算が合いやすい(法的判断は別途行う)。
- 海外取引:税・消費税の扱い、インボイスの適用可否、通関書類との整合に注意。
最終チェック(ケース別)
- [ ] 取引先の受け取りルールに合っているか(PDF可否等)
- [ ] 個人/法人の表記ルールに従っているか
- [ ] 継続/一括請求なら対象期間が明記されているか
実務で使えるテンプレ(簡易) ─ 1行サンプル
件名:【請求書送付】INV-20250825-01 / 株式会社サンプル(2025年8月分)
本文:
お世話になっております。株式会社サンプルの山田です。請求書(INV-20250825-01)を添付いたしました。ご確認のほどよろしくお願いいたします。
請求書番号:INV-20250825-01
発行日:2025年8月25日
請求合計:¥38,400
支払期日:2025年9月30日
振込先:○○銀行 渋谷支店 普通 1234567 カ)サンプル
発行前チェックリスト(必ず確認する項目)
請求書を送る前に必ず確認すべきポイントを具体的に・実務で使える形でまとめます。
発行ミスは入金遅延やトラブルの原因になるので、下のチェック項目をテンプレの一部として組み込んでください。✅
請求先情報の正確さ
- 確認事項
- 会社名(正式表記)、部署名、担当者名の表記が契約書/発注書と一致しているか。
- 宛先住所や経理連絡先(メール・電話)が最新か。
- 実務チェック例
- 発注書の「請求先」と同じ表記か照合する。
- 社内CRMや取引先マスタの情報と突合する。
- 対応例(誤りが見つかった場合)
- 送付前に取引先へ「宛先確認メール」を送る:
件名例:宛先確認のお願い(請求書送付用)
- 送付前に取引先へ「宛先確認メール」を送る:
取引内容と日付の整合性
- 確認事項
- 取引年月日(納品日/提供期間)が請求対象の実績と一致しているか。
- 明細(品目・単価・数量)が契約・納品書と合致しているか。
- 実務チェック例
- 明細は表形式で並べ、行ごとに発生日/サービス期間を記載する。
- 対応例
- サブスクや継続請求は「対象期間」を必ず明記(例:2025年8月分)。
金額・税区分・端数処理の確認
- 確認事項
- 単価×数量の計算、小計、税率ごとの税額、合計が一致しているか。
- 「税込」「税抜」表記が明確か。
- 端数処理(1円未満の扱い)が想定どおりか(切捨て/切上げ/四捨五入)。
- 実務チェック例
- 電卓やシステムで再計算し、税率ごとに分けた表を作る。
- 対応例
- 割引や相殺がある場合は行を分けて表示し、合計に反映させる。
支払期限と振込先の確認
- 確認事項
- 支払期日(具体日付または「末締め翌月末」など)が明記されているか。
- 振込先情報(銀行名・支店・口座種別・番号・口座名義)が正確であるか。
- 振込手数料の負担先が明記されているか。
- 実務チェック例
- カタカナで口座名義を追記すると入力ミスが減る。
- 対応例(海外送金等)
- SWIFT/BICや送金手数料の扱いを備考に書く。
源泉徴収や印紙の要否の判定
- 確認事項
- 当該取引が源泉徴収の対象か(報酬の種類など)を確認したか。
- 請求書が領収書として扱われる場合、収入印紙の貼付が必要かを検討したか。
- 実務チェック例
- 契約書や取引の性質を確認し、源泉が必要なら源泉額の表示を請求書に入れる(または備考で明示)。
- 対応例
- 「領収書発行は入金確認後に行う」等を備考に書いて印紙貼付の判断を容易にする。
発行前の最終フロー(5ステップ)
- 入力済み請求書を別の目で確認(作成者以外がチェック)👀
- テンプレ基準チェック(必須項目・フォーマットが揃っているか)📋
- 金額の再計算(税率ごとに再計算)🧮
- ファイル命名とPDF化(変更不可の形式で保存)🖨️
- 送付前の説明メール作成(件名・本文に要点を明記)✉️
誤りが見つかった場合の対応手順(素早く・丁寧に)
- 送付前に発見 → 修正して再PDF化。再チェック後に送付。
- 送付後に発見(未入金) → 速やかに訂正メールを送付し、訂正版請求書(再発行)を添付。件名に「訂正」「再発行」を明記。
- メール文例(短):
本文:いつもお世話になっております。先ほど送付した請求書に誤りがありましたので、訂正版を送付いたします。お手数ですがこちらでご確認ください。 - 送付後に入金済みで誤り発覚 → 受領側と協議の上、必要なら差額調整・追補請求または返金を実施し、領収処理を行う。
- 訂正履歴の保存 → 元ファイル・訂正版・送付メールのログを保管(ファイル名にバージョンと日付を入れる)。
発行後の保存・ログ管理(必須)
- 保存方法:PDFと送付メール(送信済みフォルダ)の両方を保管。電子保存する場合は検索可能なインデックスを付与。
- ファイル命名例:
請求書_INV-20250825-01_株式会社サンプル_v1.pdf(再発行時は_v2) - 監査ログ:誰が作成・修正したか、いつ送付したかを残す(クラウドサービス利用推奨)。🔒
すぐ使える簡単チェック表(印刷して使える)
| チェック項目 | OK | 備考 |
|---|---|---|
| 請求先(正式名・部署・担当) | ||
| 発行者情報(住所・連絡先・登録番号) | ||
| 取引日/対象期間の一致 | ||
| 明細と数量・単価の整合 | ||
| 税区分・消費税額の確認 | ||
| 請求合計と端数処理 | ||
| 支払期日・振込先の正確性 | ||
| 源泉徴収・印紙の判断 | ||
| PDF化/ファイル名の確認 | ||
| メール件名・本文の確認 |
最後に一言:請求書は「きれいに書く」こと以上に「受け取る側が迷わない」ことが大切です。発行前チェックリストをテンプレに組み込み、必ず第三者チェックをワークフローに入れるとトラブルと未回収を大幅に減らせます。
送付方法とマナー
請求書の送付方法は「確実に届く」「相手が処理しやすい」「あとで証拠が残る」ことが重要です。
以下では郵送・電子送付・FAX/ツールそれぞれの実務的ルール、マナー、テンプレ例を丁寧にまとめます。
郵送する場合のルール(封筒・同封物)
ポイント:郵送は受領証跡を残しやすい反面、紛失や遅延が起きることもあるため、梱包・表記・送付方法に注意します。📮
封筒の基本
- 封筒はA4がそのまま入る角形(角2)または長形3号が一般的。
- 封筒表の右上に切手または郵送料の貼付(郵送代は事前に確認)。
- 封筒の表に請求書在中と明記(慣習的な扱いで中身が一目でわかる)。
- 宛名は部署名→会社名→担当者名の順で、できるだけ正式表記にする(法人は「御中」、個人名は「様」)。
同封物とその順序
- 送付状(宛先挨拶・同封物一覧・連絡先) — 最上部に入れる。
- 請求書(PDF印刷または原本) — 2枚以上ある場合はホチキス留めやクリアファイルに入れる。
- 必要なら納品書や受領確認書のコピー(取引による)。
送付状(送付状の短い例)
株式会社◯◯ 御中
経理ご担当者様
いつもお世話になっております。下記の請求書をお送りいたしますので、ご確認の上、期日までにお支払いくださいますようお願い申し上げます。
【同封物】
・請求書:1通(INV-20250825-01)
・納品書:1通
ご不明点は下記までご連絡ください。
担当:山田太郎 / TEL:03-1234-5678 / E-mail:info@example.com
送付方法の注意(安全性)
- 重要な相手や初回取引は「簡易書留」や「配達記録付き郵便」を利用すると安心。
- 大口や期限厳守の請求は配達証明を付けるとトラブル回避に有利。✅
電子的に送る場合の推奨フォーマットと文例
ポイント:受け取り側の経理担当がすぐ処理できるように、PDFで固定化し、メール本文に要点を明記するのが基本です。📎
ファイル形式と命名
- 添付はPDF形式(編集不可のほうが望ましい)。
- ファイル名はわかりやすく:
請求書_INV-20250825-01_会社名.pdf(日付+請求番号+発行者)を推奨。 - 複数ファイルは1つのZIPにまとめず、原則は1通のPDFで完結させる(受け取り側の利便性を優先)。
メール件名の例(テンプレ)
件名:【請求書送付】INV-20250825-01 / 株式会社サンプル(2025年8月分)
メール本文の例(テンプレ)
お世話になっております。株式会社サンプルの山田です。
請求書(INV-20250825-01)を添付いたしましたので、ご確認ください。
請求合計:¥38,400
発行日:2025年8月25日
支払期日:2025年9月30日
振込先:○○銀行 渋谷支店 普通 1234567 カ)サンプル
ご不明点がありましたらご連絡ください。よろしくお願いいたします。
本文に入れるべき最小情報(箇条書き)
- 請求書番号/発行日/合計金額/支払期日/振込先/問い合わせ先
セキュリティ上の注意
- パスワード付きPDFは便利だが、パスワードの伝達方法を別経路(電話など)で行う必要があり、相手の運用に合わないことがある。事前に合意がない場合は避ける。🔒
- 大事な取引は安全なファイル転送サービス(送信期限付きのリンク、ダウンロード回数制限等)を使うと安心。ただし、取引先がそのサービスを利用できるか事前確認を。
- 個人情報や銀行情報をメール本文に平文で載せる場合は、相手の情報管理状況を考慮する(必要なら暗号化や別手段での通知を検討)。
電子請求書/EDI/クラウド請求の留意点
- 取引先がEDIや請求ポータルを指定している場合は、フォーマットや送信方式に従う。自社で発行したPDFだけでは受け取れないことがあるため事前確認を。
- 電子保存義務(受領側の要件)を満たすフォーマットで送る必要がある場合があるので、受取側の要望を確認する。
その他(FAX・ツール経由)の使い分け
ポイント:手段は相手の慣習と緊急度で選びます。FAXは古典的だが根強く使われる場面あり。ツール経由は効率重視の企業向け。
FAXで送る場合
- カバーシート(送信表)を必ず付け、送信日・送信者・受信者・ページ数・緊急度を明記。
- 送信後は送信報告書(送信確認画面)を保存しておく(相手側の受信トラブルに備える)。📠
- FAXは画質・文字潰れのリスクがあるので、複雑な明細は避けるか、後でPDFをメール送付して補完する。
請求管理ツール/クラウドサービス経由
- 使うべきケース:大量請求、継続請求、入金消込を自動化したい場合。
- メリット:送付履歴・入金消込・再発行が一元管理でき、監査対応が楽。
- 注意点:取引先がそのツールに対応しているか、請求フォーマット(CSV/EDI等)の取り決めが必要。
使い分け早見表
| 手段 | 向いている場面 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|---|
| 郵送 | 初回取引・正式書類・受領証が必要な場合 | 物理的証拠になる | 配送遅延・コスト |
| 電子(PDFメール) | 日常の請求・相手がメール対応可 | 速い・低コスト | 受領確認が取りづらい場合あり |
| FAX | 相手がFAX必須の業界 | 受領報告が残る(送信側) | 画質悪化・手入力の負担 |
| 請求ツール | 大量請求・自動化ニーズ | 自動化・管理が楽 | 導入コスト・相手の対応必要 |
最後に:送付時の実務チェックリスト
- 件名・宛先が正しいか(メール/封筒) ✅
- 添付ファイル名がわかりやすいか(PDF) ✅
- メール本文に請求番号/発行日/合計金額/支払期日/振込先があるか ✅
- 重要書類は配達記録や送信報告を保存したか ✅
- 受取側の希望(PDF可否/ポータル利用)を事前確認しているか ✅
一言アドバイス:受け手が「すぐ処理できる」ように配慮することが最も重要です。送付方法は相手の運用に合わせ、必要に応じて複数手段(例:PDFをメール送付+書面を郵送)を併用すると安全です。
発行後の管理と保存
請求書を発行したら、「あとで探せる」「改ざんされない」「法定期間保存できる」ことが重要です。
ここでは紙・電子それぞれの保管方法、保存期間の扱い方、再発行・訂正の具体的手順を実務でそのまま使える形で解説します。
ポイント:法令で定められた保存期間と、電子保存の運用要件(改ざん防止・検索性など)を満たすことを最優先にしてください。
控えの保管方法(紙・電子それぞれ)
保存期間の目安(実務で押さえるべき基本)
- 法人 : 基本 7年(欠損金の繰越が絡むなど特別な事情がある場合は最長 10年)。
- 個人事業主 : 原則 5年。ただし青色申告で特定条件に当たる場合や消費税の関係で 7年 が適用されるケースがあります。
保存期間の起算日は「書類が属する事業年度の確定申告書の提出期限の翌日」から数えます(=単に発行日から数えるわけではない点に注意)。
紙での保管(実務ルール)
- 分類とファイリング:年度ごと → 取引先ごと → 請求書番号順 のように階層化して保管。
- 見出しラベル:ファイル表に「年度/取引先/請求書範囲(例:2025年1月〜12月)」を明記。
- 複製と保管場所:原則1部を社内の所定の保管庫へ。重要書類は耐火金庫や別拠点のバックアップとして紙コピーを保管すると安心。
- 検索性のための目録:少なくともExcelなどで「請求書一覧(請求番号/発行日/請求先/金額/保存場所)」を作成すると事務効率が格段に上がります。
- 廃棄ルール:保存期間を過ぎて廃棄する場合は、廃棄日・担当者・廃棄方法をログに残す。
電子での保管(実務ルール)
- 必須要件(運用):改ざん防止(タイムスタンプ等)、検索性(取引日・金額・相手で検索可能)、アクセス管理(ログ保存)が求められます。単にフォルダに入れるだけでは要件を満たしません。
- ファイル形式:PDF/Aなどの長期保存に適した形式を推奨。
- ファイル命名ルール(実例・推奨):
請求書_INV-20250825-01_株式会社サンプル_20250825.pdf
→ [書類種別][請求書番号][発行者名]_[発行日].pdf の形式が検索に便利。 - メタデータ(インデックス)を付与:ファイルにタグ/列(請求先、発行日、金額、税区分、保存期限など)を付けて検索可能にする。
- バックアップと冗長化:クラウド+ローカルの二重保存、定期的なバックアップ検証を行う。
- アクセス制御:経理担当のみ編集可、参照は部署内限定などの権限設計。変更ログ(誰がいつ編集したか)を残す。
- 電子保存法への配慮:電子帳簿保存法の要件(真実性・可視性・検索性)に合わせたシステム設定や運用ルールを文書化しておく。
管理ツール/テンプレの活用(おすすめ運用)
- 請求書一覧スプレッドシート:発行日/請求先/請求番号/合計金額/支払期日/保存場所といった列を用意し、社内で共通運用する。
- 自動化ツール:クラウド請求ツールや会計ソフトを使えば、発行 → PDF保存 → 入金消込 → 帳簿反映 までの流れを自動化できます。
再発行・訂正の手順
誤記や記載漏れが見つかったときの正しい手順を明確にしておくと信用を損なわず処理できます。
下はベストプラクティスです。
1) 発見したタイミング別の初動
- 送付前に発見:修正 → 再PDF化 → 内部チェック → 正式に送付(送付履歴に残す)。
- 送付後(未入金)に発見:至急「訂正メール」を送り、訂正版請求書(再発行)を添付。メール件名に必ず「訂正」「再発行」を明記します(受け手の処理が早まります)。
- 送付後(入金済み)に発見:受領側と協議して差額調整または返金手続き。その後、訂正記録と会計処理(相手との合意書や振込記録)を残す。
2) 請求書の「訂正(再発行)」フロー(実務テンプレ)
- 原因確認:誤りの箇所(宛名/金額/税区分等)と原因を特定。
- 社内承認:訂正理由と訂正後の金額を経理責任者が承認(メールで残す)。
- 訂正版作成:ファイル名に
v2や訂正を付与して保存。例:請求書_INV-20250825-01_v2_訂正.pdf。 - 訂正注記をPDF上に明示:PDF上に赤字で「訂正(再発行)」「訂正日:YYYY-MM-DD」「訂正理由:○○」を追記する。
- 訂正メール送付:テンプレを使用して送付(下に例を掲載)。
- 旧版の扱い:旧版は「訂正前ファイル(記録用)」として保管し、どの版が有効かをインデックスで明示する。
- 相手側の受領確認:受信確認をメールで得るか、相手の経理部門に電話で確認。
- 会計処理:自社の帳簿に訂正履歴を残し、必要なら仕訳の訂正処理を行う。
訂正メールの実例(短くスムーズに伝えるテンプレ)
件名:訂正済み請求書の送付(INV-20250825-01 再発行)
お世話になっております。株式会社サンプルの山田です。
先日送付した請求書(INV-20250825-01)に誤りがありましたため、訂正版を送付いたします。
お手数ですが、差替えのうえご確認ください。
【訂正箇所】
・請求金額(誤)¥38,400 →(正)¥35,000
・備考欄:振込手数料の記載漏れを追記
訂正理由:計算誤りのため
訂正日:2025年8月26日
訂正版:添付ファイル(請求書_INV-20250825-01_v2_訂正.pdf)
ご不明点がありましたらご連絡ください。よろしくお願いいたします。
再発行時の会計上の注意点
- 入金がまだの場合:訂正後の合計で再請求。請求番号をどう扱うかは社内ルールで統一(旧番号を残す or 新番号を付す)。どちらを選ぶにしても、その理由を会計帳簿に明示。
- 入金済みの場合:差額の返金・追加請求に関する合意記録(メールや合意書)を残す。税務上の修正申告が必要かどうかは経理担当や税理士に確認する。
- 訂正記録の保管:旧版、訂正版、送付メール、受領確認を一括で保管し、将来の監査に備える。
すぐ使えるチェックリスト(発行後管理・訂正用)
- [ ] PDF(最終版)と送付メールのコピーを保存したか?
- [ ] ファイル名にバージョン情報を付けたか?
- [ ] 保存先(クラウド/ローカル)のバックアップは取ってあるか?
- [ ] 電子保存の改ざん防止措置(タイムスタンプ等)を講じているか?
- [ ] 訂正履歴・承認メールを保存しているか?
- [ ] 保存期間の起算日を確認しているか?(申告書の提出期限の翌日から)
最後に(運用上のおすすめ)
- テンプレを整備して、版管理を徹底する(ファイル名規則・バージョン・ロギング)。
- 訂正は必ず文書(メール)で残す ─ 口頭だけでのやり取りはトラブルのもとです。
- 定期的に保存ルールを見直す(法改正や業務量の変化に合わせる)。
実務上の注意点・落とし穴回避
請求業務でよく起きるトラブルは「小さなミスが回収遅延や余計な手間につながる」点にあります。
ここでは 書き間違い防止、振込手数料の取り決め、発行タイミングの整備、法改正対応(電子保存法・インボイス) の4つを中心に、具体的な対策・テンプレ・チェックリストをわかりやすくまとめます。
書き間違いによる支払い遅延を防ぐ対策
問題の種類(代表例)
- 宛名・口座番号の誤記 → 入金不能・手戻り
- 金額計算ミス(税区分ミス) → 支払減額や問い合わせ
- 請求書番号の重複 → 入金消込ミス
推奨対策(即実行できる順)
- テンプレート化して必須欄を固定する(発行者情報、請求先、請求番号、発行日、明細、税区分、合計)。
- 入力検証ルールを作る(Excelなら数式で合計を自動算出、口座番号は桁数チェック、金額欄は数値書式に限定)。
- 2人チェック体制(作成者+確認者)を必須にする。第二チェックは発行前の最終確認だけでなく、少なくとも月次でサンプル検査を行う。✅
- 変更履歴を残す(ファイル名に
v1/v2を入れる、変更理由をコメントに残す)。 - 自動化・ツール導入:可能ならクラウド請求ソフトを使い、明細計算・税率判定・請求番号発行を自動化する(手作業ミスを減らす)。
具体的なExcelチェック例(運用ルール)
- 合計セルには
=SUM(明細金額列)を必ず入れる(手入力禁止)。 - 税率適用セルにはプルダウン(8% / 10% / 非課税)を使い、税額は自動計算する。
- 口座番号セルに「桁数チェック」を設定(例:普通口座は7桁)して警告を出す。
短いテンプレ文(内部チェック依頼)
件名:請求書チェック依頼(INV-20250825-01)
本文:作成した請求書(添付)について、宛先・金額・振込先の確認をお願いします。特に口座番号・請求合計・請求書番号の3点を見てください。
振込手数料負担の事前取り決め
なぜ必要か:振込手数料の負担先が曖昧だと、入金額が不足している→差額の請求→関係悪化という流れになり得ます。
対策(明文化):請求書の備考欄か契約書に必ず下記のいずれかの文言を明記しましょう。
選べる文言(例)
- 「振込手数料:貴社負担」(お客様負担)
- 「振込手数料:弊社負担(実費)」(受取側負担)
- 「振込手数料:振込人負担(原則)」 + 例外条件(柔軟に対応する場合)
早期支払割引や遅延利息の文言例
- 早期支払割引:
「支払期日より10日以内にご入金いただいた場合、総額の2%を値引きします。」 - 遅延利息:
「支払期日を超過した場合、年率14.6%(日割り)を申し受けます。」(※利率は社内で適切に設定する)
実務運用メモ
- 契約書に明記しておくと、経理間の認識齟齬がほぼ無くなります。
- 発注段階で「振込手数料はどちらが負担するか」を確認しておくワークフローにすると安心(発注テンプレにチェック欄を追加)。
発行タイミング(締日・月次処理との整合)
落とし穴:納品日ベースで請求するのか、月次締めでまとめて請求するのかで支払期日と処理フローが変わります。相手の締日を無視すると、支払いまで1〜2か月余計にかかることがあります。
対策(運用の整理)
- 取引区分ごとにルールを決める:単発取引は都度請求、継続取引は月次締め(例:末締め翌月末支払)。
- 締日と発行日の関係表を作る(経理向け):
| 締め方 | 締日 | 発行日(想定) | 支払期日(例) |
|---|---|---|---|
| 都度請求 | 取引日ベース | 取引完了後3営業日以内 | 発行日から30日後 |
| 月次締め | 毎月末 | 翌月第1営業日〜5営業日 | 月末締め→翌月末支払 |
| 週次締め(サブスク等) | 毎週 | 週次でまとめて発行 | 契約条件に準ずる |
- 発行スケジュールをカレンダー化する(経理カレンダーを共有し、締日→発行日→入金確認日を見える化)。
- 入金消込の担当を明確化する(誰がいつどの帳票を照合するか)。
実務ワンポイント
- 大企業相手は締日が固定されていることが多いため、発注書や取引先テンプレに締日の確認欄を入れておくと良い。
電子保存法・インボイス対応の更新確認(法令対応)
要点(結論):電子帳簿保存法やインボイス制度は要件が具体的かつ変更が入るため、運用ルールを定期的に見直す必要があります。電子保存は「タイムスタンプ付与・検索要件・改ざん防止」が重要な要素です。
具体的に確認すべき項目
- インボイス(適格請求書)対応:発行者登録番号や税率ごとの区分表示が請求書にあるか。登録の有無が買手の仕入税額控除に直結します。
- 電子保存の必須要件:タイムスタンプの付与期間や「検索要件(取引日・金額等での検索)」「改ざん防止措置(ログ・タイムスタンプ等)」を満たしているか。
- 保存期間の確認:法人は原則7年、消費税関係の請求書等は保存期間の起算点に注意が必要(税法上の規定)。
実務的な取り組み(チェック頻度と担当)
- 四半期ごとに法令チェック:経理責任者が四半期毎に法改正の有無を確認 → 必要ならIT/法務と連携してシステム設定を更新。
- 重要変更時は社内周知:保存方法や請求書の記載ルールを変更する場合は、メール+簡単なマニュアルで周知する。
- システム対応の検証:タイムスタンプ付与や検索機能を定期的にテストし、監査で説明できるログを残す。
まとめ:落とし穴回避のチェックリスト
運用チェック(毎回確認)
- [ ] テンプレにより必須項目が自動的に埋まっているか
- [ ] 金額は自動計算・税区分はプルダウンで指定されているか
- [ ] 振込手数料負担が明記されているか(備考欄/契約)
- [ ] 発行日時は締日ルールに従っているか(カレンダーで確認)
- [ ] 発行後の保存方法(紙/電子)と保存期限が明確か
法令・システム管理(定期確認)
- [ ] インボイス登録番号・税率表示などの要件を満たしているか(四半期確認)。
- [ ] 電子保存の改ざん防止・検索要件・タイムスタンプ運用を検証済みか(四半期または重要改正時)。
- [ ] 保存期間(7年/5年等)に合わせたアーカイブと破棄ルールがあるか。
すぐ使えるテンプレ/文例
請求書備考(振込手数料)
備考:振込手数料は貴社負担でお願いいたします。
発行タイミング確認メール(取引先へ)
件名:請求締め・支払条件の確認(◯◯様)
いつもお世話になっております。請求書の送付方法および締日について確認させてください。
・請求締日:毎月末/都度(どちらか)
・支払条件:末締め翌月末支払(など)
・振込手数料:(貴社負担/弊社負担)
ご都合を教えていただければ、請求テンプレを合わせて送付いたします。
最後に一言:請求は「ミスをゼロにする」のではなく、ミスが起きたときに素早く安全に対処できる運用を作ることが重要です。テンプレート化・二重チェック・法令フォロー(四半期チェック)をルール化すれば、トラブルは大幅に減ります。
テンプレート・見本(簡易サンプル)
以下は そのままコピペして使える 最低限の請求書テンプレート(日本語)と、インボイス対応の記載例、さらにExcelで管理するときの列見出し例です。
初心者向けに見やすく・使いやすく整理しています。必要ならこのままWord/Excelに貼って編集してください。
サンプル項目(最低限)
- 見出し(書類名)
- 請求書番号
- 発行日
- 請求者名(登録番号があれば記載)
- 請求先名(部署・担当)
- 取引日(または対象期間)
- 明細(品名・数量・単価・小計)
- 小計・消費税・合計(税率別に区分する場合は区分ごとに)
- 支払期日
- 振込先(銀行名・支店・口座種別・口座番号・口座名義)
- 備考(振込手数料、源泉徴収、納品・検収条件など)
見本(表示用テーブル:1枚で印刷できるレイアウト例)
| 項目 | 記載例 |
|---|---|
| 書類名 | 請求書 |
| 請求書番号 | INV-20250825-01 |
| 発行日 | 2025年8月25日 |
| 請求者 | 株式会社サンプル(登録番号:T1234567890123) |
| 請求先 | ○○株式会社 経理部 御中(担当:佐藤 花子) |
| 取引日 | 2025年8月15日 |
| 明細 | Web記事作成(3本) ×3 単価 ¥10,000 → ¥30,000 |
| 小計 | ¥35,000 |
| 消費税(10%) | ¥3,500 |
| 請求合計(税込) | ¥38,500 |
| 支払期日 | 2025年9月30日 |
| 振込先 | ○○銀行 渋谷支店 普通 1234567 カ)サンプル |
| 備考 | 振込手数料は貴社負担でお願いします。領収書は入金確認後発行します。 |
テキストで使える請求書テンプレ(コピペ用)
--------------------------------------------------------------------------------
請求書
請求書番号:INV-20250825-01
発行日:2025年8月25日
請求者:
株式会社サンプル
代表:山田 太郎
〒100-0000 東京都千代田区1-2-3
TEL:03-1234-5678 E-mail:info@example.com
登録番号:T1234567890123
請求先:
○○株式会社 経理部 御中
担当:佐藤 花子
〒150-0000 東京都渋谷区4-5-6
取引日:2025年8月15日
【明細】
1) Web記事作成(3本) 数量:3本 単価:¥10,000 金額:¥30,000
2) 画像素材(商用利用) 数量:1式 単価:¥5,000 金額:¥5,000
小計(税抜):¥35,000
消費税(10%):¥3,500
請求合計(税込):¥38,500
支払期日:2025年9月30日
振込先:
銀行名:○○銀行
支店名:渋谷支店
口座種別:普通
口座番号:1234567
口座名義:カ)サンプル
備考:
・振込手数料は貴社負担でお願いいたします。
・入金確認後、領収書を発行いたします。
--------------------------------------------------------------------------------
インボイス(適格請求書)対応の記載例(税率区分あり)
| 項目 | 記載例 |
|---|---|
| 発行者 | 株式会社サンプル / 登録番号:T1234567890123 |
| 取引内容 | Web記事作成(10%) ¥30,000 / 食品サンプル(8%) ¥5,000 |
| 10%対象(税抜) | ¥30,000 |
| 8%対象(税抜) | ¥5,000 |
| 10%消費税額 | ¥3,000 |
| 8%消費税額 | ¥400 |
| 合計(税込) | ¥38,400 |
補足:インボイス対応では「税率ごとに区分した金額」と「税率ごとの消費税額」を明記します。登録番号も必須です。
Excel / CSV 管理用:列見出し(そのまま使える)
発行日,請求書番号,請求者名,請求者登録番号,請求先名,請求先部署,請求先担当,取引日,明細1_品目,明細1_数量,明細1_単価,明細1_金額,明細2_品目,明細2_数量,明細2_単価,明細2_金額,小計,税率別_税抜_10%,税率別_税額_10%,税率別_税抜_8%,税率別_税額_8%,請求合計,支払期日,振込先銀行,振込先支店,口座種別,口座番号,口座名義,備考,送付方法,送付日,入金確認日,ステータス
バリエーション(用途別・一言メモ)
- 簡易請求(小口/フリーランス):明細を1行にまとめ、合計と振込先を明確に記載。
- 定期請求(サブスク):対象期間(例:2025年8月分)を必ず明示。
- 海外送金:通貨、送金手数料負担、SWIFT/BIC、IBANを追記。
- 領収書兼用にする場合:領収の旨を明記すると印紙税など取扱いが変わる可能性があるので要注意(必要なら別途領収書発行を推奨)。
使い方ワンポイント
- テンプレは必ず一つに固定し、そこに上の項目を当てはめて運用するとミスが減ります。✅
- PDFで送る前に1回印刷プレビューして改行やはみ出しがないか確認しましょう。🖨️
- 請求書番号は通し番号形式(例:
INV-YYYYMM-001)にすると管理が楽です。🔢
よくある質問(FAQ)
実務でよく出る疑問を短くわかりやすくまとめました。
まず「さっと確認したいとき用」の早見表、その後に各質問の解説と実務で使える文例や注意点を載せます。
早見表(ひと目で答え)
| 質問 | 回答(要旨) |
|---|---|
| 手書きでも問題ない? | 基本はOK。ただし判読性・必須項目の完全性を確保すること。✍️ |
| 印鑑は必須か? | 必須ではないが相手の慣習により押印を求められる場合あり。 |
| 請求書はいつ発行する? | 納品後または締日ルールに従う(取引契約に基づく)。 |
| 電子請求書の法的効力は? | 基本的に有効。ただし電子保存や受領側の保存要件を満たすことが重要。🔒 |
| 再発行はどうする? | 訂正・再発行は「訂正(再発行)」を明記して送付、旧版は保存。 |
| 源泉徴収は請求書に書くべき? | 明示しておくと実務がスムーズ(最終支払額を明示すると良い)。 |
| 収入印紙は必要? | ケースバイケース。請求書が領収書として扱われる場合など要確認。 |
手書きでも問題ない?
結論:手書きでも可(ただし注意点あり)
- 重要なのは読みやすさと必須項目の記載。宛名・金額・発行日・振込先などが正確に書かれていることが最優先です。
- 推奨事項:黒インクで丁寧に書く、訂正は二重線+押印で明示、控え(コピー)を必ず残す。
- 実務ワンポイント:初取引の相手や大口取引は電子PDF+郵送の併用が安全。
印鑑は必須?
結論:原則任意(相手の慣行次第)
- 法律上の一般的な必須条件ではありませんが、取引先や契約によっては押印を求められることがあります。
- 押印を求められた場合は、請求書上の判子位置を揃えて押すと受け手の窓口処理がスムーズになります。
- 押印する/しないの運用は取引先と事前に合意しておくとトラブルが少ないです。
請求書はいつ発行する?
結論:納品や契約のルールにしたがって発行(主なパターン)
- 都度請求:納品・完了後、速やかに発行(例:納品翌営業日〜3営業日以内)。
- 月次締め:毎月末などの締日にまとめて発行(例:末締め→翌月末支払)。
- 契約で定められたタイミング:契約書に締日が定められている場合はそちらを優先。
ワンポイント:支払期日が長期化すると回収リスクが上がるため、締日と発行スケジュールは取引先と合意しておく。
電子請求書の法的効力は?
結論:条件を満たせば有効
- PDFや電子データでの請求は法的に有効です。ただし、受領側がその電子データを法定の保存要件(検索性・改ざん防止等)で保存できるかを確認する必要があります。
- 実務ポイント:受取側が電子保存を認めているか事前確認を取り、必要に応じてタイムスタンプや電子署名、送信記録を残すと安心です。
- メールで送る際の注意:メール本文に要点(請求番号・発行日・合計金額・支払期日・振込先)を入れておくと経理処理が早まります。
再発行・訂正はどうすれば良い?
手順(簡潔)
- 誤りを特定して訂正理由をメモに残す。
- 訂正版を作成し、ファイル名に
v2や訂正を付ける。 - メールで「訂正(再発行)」を明記して送付、受領確認を得る。
- 旧版は「訂正済み」として保管し、会計処理を更新。
メール文例(短):
件名:訂正済み請求書(INV-XXXX 再発行) — 本文に訂正箇所と理由を一文で記載。
源泉徴収は請求書に書くべき?
結論:書いておくと良い(任意だが実務的メリット大)
- 支払側が源泉を差し引いて納付するため、請求書に源泉額の目安や差引後支払額を明記すると双方で認識が合います。
- 例:
請求金額 ¥100,000(源泉徴収10.21%:¥10,210) → 支払金額 ¥89,790 - 源泉の適用可否や率は取引内容によるため、該当する場合は注記してください。
収入印紙は必要?
結論:場合による(請求書が領収書の役割を兼ねる等)
- 請求書自体は通常「請求を求める書類」ですが、請求書をそのまま領収書として扱う場合や、契約書に相当する性質がある場合に印紙税の対象となることがあります。
- 実務では「領収書は入金確認後に別途発行」して印紙貼付の有無を判断する運用にしている企業が多いです。
支払いが遅れたときの督促はどうする?
実務的な流れ
- 支払期日から数日後:穏やかなリマインドメール。
- 期日超過1〜2週間:再送+電話確認。
- それ以上:内容証明や債権回収の相談を検討。
リマインドメール文例(短):
件名:請求書のご確認(INV-XXXX) — 本文に請求番号・期日・入金先を提示し、確認依頼。
そのほかよくある質問(短答)
- テンプレは必要? → はい。ミス削減と処理効率化に大きく貢献します。
- 複数税率の請求は? → 税率ごとに税抜金額と税額を区分して記載してください。
- 海外送金の注意は? → 通貨・送金手数料・SWIFT/IBANなどを明記し、受取側と事前合意を。
最後に一言(初心者向け)
請求書の基礎は「相手が迷わず支払えること」。形式や押印の有無よりも、宛先・金額・振込先・期日が正確に伝わることを最優先に作成しましょう。
まとめ
請求書作成は「正確さ」と「受け手のわかりやすさ」が鍵です。以下を確認すれば、まず大きなトラブルは防げます。
最優先で押さえるべき5点
- 宛先・発行者・振込先・支払期日は必ず明記する。
- 明細は具体的に(品目・数量・単価・期間)書く。
- 金額表示は税込/税抜を明示し、複数税率なら税率ごとに区分する。
- 請求書番号と発行日で帳簿照合を簡単にする。
- 送付方法は相手に合わせる(日常はPDFメール/重要書類は郵送+メールの併用)。
トラブルを減らす実務ルール(ワンポイント)
- テンプレート化+二重チェック(作成者+確認者)で入力ミスを激減。✅
- 備考欄に振込手数料・源泉徴収の扱いを明記しておく。
- 再発行や訂正は「訂正(再発行)」を明示し、旧版は保存しておく。🗂️
- インボイスや電子保存の要件は法令で変わるため、四半期ごとに運用を見直す。
今すぐできる3つのアクション
- お持ちの請求書をテンプレ化して「必須項目チェックリスト」を組み込む。
- PDFで送る場合はメール本文に請求番号/発行日/合計金額/支払期日/振込先を必ず書く。
- 月次の締め日や取引先ごとの支払ルールを社内カレンダーに登録しておく。
最後にひと言:請求書は「作ること」自体が目的ではなく、確実に入金を得て取引を完了させるためのツールです。この記事で紹介したチェックリストやテンプレートを導入すれば、効率も信頼性もぐっと向上します。✨
