「WordPressは便利だけど、管理画面が英語で操作に自信がない……」
「日本語で記事を書いているのに、一部だけ英語表記が残っているのはなぜ?」
「多言語サイトを作りたいけど、どこから手をつければいいのか分からない」
そんなお悩みを抱えていませんか?
- 画面のメニューやヘルプが英語で表示され、迷子になってしまう
- 日本語化プラグインを入れたのに一部だけ訳されないことがある
- タイムゾーンやフォーマットが海外仕様で、投稿日時がずれてしまう
本記事では、WordPressを「本当に使いやすい日本語環境」に設定するための手順を、初心者の方でも迷わないよう丁寧に解説します。
- 日本語版の入手とインストール
- 管理画面の完全日本語化
- プラグイン・テーマの翻訳
- 多言語対応の方法
- 日本語サイトならではの追加設定
これらのステップを踏めば、もう英語表記に戸惑うことはありません。
さっそく始めましょう!
日本語版WordPressの入手と導入
WordPressを日本語環境で使い始めるためには、まず日本語版パッケージの取得と設置が必要です。
ここでは初心者の方にもわかりやすく、ステップごとに解説します。
公式サイトから日本語パッケージをダウンロード
- WordPress日本語公式サイトへアクセス
- ブラウザで「ja.wordpress.org」を開きます。
- 最新版を取得
- トップページのダウンロードボタンをクリックし、日本語パッケージ(.zip)を保存します。
- ファイルを展開
- ダウンロードした.zipファイルを右クリックし、「すべて展開」や「解凍」を選択。
- 展開先のフォルダに、
wp-adminやwp-contentなどのディレクトリが確認できます。
💡 ポイント
- 日本語版には、あらかじめ日本語の言語ファイル(.po/.mo)が含まれています
- 公式サイト以外の配布元はセキュリティリスクになることがあるので注意
サーバーへファイルをアップロードして上書き設置
- FTP/SFTPクライアントを準備
- FileZillaやWinSCPなどをインストールします。
- サーバー情報を登録
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ホスト名 | レンタルサーバーのFTPアドレス |
| ユーザー名 | サーバー契約時に発行されたID |
| パスワード | 契約時に設定したパスワード |
| ポート番号 | 通常は「21」(FTP)または「22」(SFTP) |
- 解凍済みファイルをアップロード
- ローカルのWordPressフォルダ内すべてを、サーバー上の対象ディレクトリ(例:
public_html)へドラッグ&ドロップ。 - 上書き確認ダイアログが出たら「はい」を選択し、ファイルを置き換えます。
- ローカルのWordPressフォルダ内すべてを、サーバー上の対象ディレクトリ(例:
🔄 注意
- 既存データのバックアップを必ず取ってから作業しましょう
- アップロード中に接続が切れないよう、通信環境を安定させてください

初回インストールで日本語を選択する方法
- インストール画面へアクセス
- ブラウザで
https://あなたのドメイン/wp-admin/install.phpを開きます。
- ブラウザで
- 言語選択画面
- 「Welcome」の初期画面で言語ドロップダウンが表示されるので、「日本語」を選びます。
- 選択後、「続ける」をクリック。
- サイト情報の入力
- サイトタイトル、管理者ユーザー名、パスワード、メールアドレスを入力。
- “検索エンジンで表示しない”オプションは、テスト環境ではチェック推奨。
- インストール完了
- インストールが終わるとログイン画面が表示されます。
- 先ほど設定したユーザー名とパスワードでログインすれば、管理画面が日本語になっています🎉
流れまとめ
| 手順 | 概要 |
|---|---|
| 1. 日本語パッケージ取得 | ja.wordpress.orgから最新版をダウンロード |
| 2. 解凍・確認 | .zipを展開し、中身をチェック |
| 3. サーバーへアップロード | FTP/SFTPで既存ファイルをバックアップ後、上書き |
| 4. 初回インストール設定 | 言語選択で「日本語」を選び、サイト情報を入力して完了 |
管理画面の表示言語を日本語に切り替える
WordPressの管理画面が英語表示になっていると、操作に戸惑うことがあります。
ここではサイト全体とユーザー個別の2つの方法で表示言語を日本語に切り替える手順を、初心者にもわかりやすく解説します。
サイト全体の言語設定
『設定』>『一般』>『サイト言語』で「日本語」を選ぶ
- 管理画面にログイン
wp-adminへアクセスし、管理者アカウントでログインします。
- [Settings](設定)を開く
- 左メニューの一番下にある Settings をクリック。
- [General](一般設定]を選択
- サブメニューから General をクリックして設定画面を表示。
- [Site Language](サイト言語]を「日本語」に変更
- ドロップダウンリストで 日本語 を選び、画面下部の Save Changes ボタンを押します。
- 反映を確認
- ページがリロードされ、管理画面全体のメニューやボタンが日本語になります🎉
💡 ワンポイント
- サイト全体の言語設定は、一度変えると新規ユーザーにも適用されます
ユーザー単位での言語変更
各ユーザーのプロフィール編集画面から言語を指定
- ユーザー一覧を開く
- 左メニューの Users をクリックし、All Users(すべてのユーザー)を表示。
- 編集したいユーザーを選択
- 対象ユーザーの下にある Edit をクリック。
- 言語オプションを探す
- プロフィール編集画面内で、Language(言語)という項目を下へスクロールして見つけます。
- 「日本語」を選択し保存
- ドロップダウンから 日本語 を選んで 更新 ボタンをクリック。
- ユーザーごとに反映
- 対象ユーザーで再ログインすると、管理画面が日本語で表示されます😊
⚠️ 注意点
- ユーザー単位の設定は、他のユーザーの表示には影響しません
- テーマやプラグインの独自画面では、別途翻訳ファイルが必要な場合があります
設定切り替えの比較まとめ
| 対象範囲 | 手順 | 適用タイミング |
|---|---|---|
| サイト全体 | Settings > General > Site Language を変更 | 保存後すぐに全体へ反映 |
| ユーザー個別 | Users > Edit > Language で変更 | 当該ユーザーが次回ログイン時に反映 |
英語表記が残ったときの対策
WordPressを日本語化しても、一部の箇所が英語のまま表示されることがあります。
ここでは代表的な原因ごとに対策を解説します。
言語ファイルの再読み込み/再インストール
- 翻訳ファイルの更新
- ダッシュボードの[更新]>[翻訳の更新]をクリックして、最新の言語ファイル(.mo/.po)を取得します。
- 手動での再インストール
- FTPで
/wp-content/languages/フォルダへアクセスし、該当する.mo/.poファイルを再アップロード。
- FTPで
- ファイルの整合性チェック
- ファイル名が正しいか(例:
ja.mo→ja.po)、正常に読み込まれているかを確認しましょう。
- ファイル名が正しいか(例:
🔄 リロードのコツ
- 更新後は管理画面を再読み込み(Ctrl + F5)すると、新しい翻訳が反映されやすくなります
キャッシュクリアや本体・テーマ・プラグインの更新確認
- キャッシュの削除
- ブラウザキャッシュ:Ctrl + Shift + R(強制再読込)
- プラグインキャッシュ:W3 Total Cache/WP Super Cacheなどは「キャッシュ削除」ボタンを使用
- 本体・テーマ・プラグインの最新版チェック
- ダッシュボードの[更新]画面で、WordPress本体、テーマ、各プラグインを最新バージョンに更新
- 互換性の確認
- 更新後に英語表記が消えない場合は、テーマやプラグイン側の翻訳ファイルが不完全な可能性があります
wp‑config.phpやデータベース文字コードの見直し
- wp‑config.phpの設定確認
define('WPLANG', 'ja');が残っている場合、最新バージョンでは不要です。削除またはコメントアウトしておきましょう。
- データベースの文字コードと照合順序
- phpMyAdminなどでテーブルの文字セットが
utf8mb4/照合順序がutf8mb4_general_ciになっているか確認
- phpMyAdminなどでテーブルの文字セットが
- 文字化け対策
- 不一致があると翻訳ファイルが正しく読み込まれない場合があります。必要に応じてテーブルの文字セットを統一しましょう。
対策の比較表
| 問題の種類 | 主な原因 | 対処方法 |
|---|---|---|
| 一部メニューが英語表示 | 古い/欠損した翻訳ファイル | 翻訳の更新、.mo/.poファイルの手動再アップロード |
| ページがキャッシュ化されて英語のまま | ブラウザまたはプラグインのキャッシュ | キャッシュクリア(Ctrl + Shift + R、キャッシュプラグインの削除ボタン) |
| 設定変更が反映されない | wp‑config.phpの古い設定、DB文字セット不一致 | WPLANGの削除、DBの文字コードと照合順序を utf8mb4 系に統一 |
これらの対策を順に試せば、残っていた英語表記もきちんと日本語に置き換わります。
問題の切り分けをしながら、確実にチェックしていきましょう!
プラグイン・テーマの日本語化手法
WordPressで表示される文言は、本体だけでなくプラグインやテーマにも含まれます。
ここでは代表的な3つの方法を初心者向けに解説します。
翻訳ファイル(.po/.mo)を使う
- 翻訳ファイルの構成
.po:原文と訳文を対訳形式で記載したテキストファイル.mo:.poをコンパイルして高速読み込み可能にしたバイナリファイル
- 手順
- テーマ/プラグインのフォルダ内にある
languagesまたはlangフォルダを探す ja.po(日本語用ファイル)がない場合、公式配布サイトや GitHub からサンプルファイルを入手- Poedit などで
.poを開き、訳文を入力して保存すると自動的に.moが生成される - 生成した
.po/.moを同フォルダへアップロード
- テーマ/プラグインのフォルダ内にある
- メリット/デメリット
| 項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 翻訳の自由度 | 細かい表現まで自分好みに訳せる | 手作業が多く、更新時に再作業が必要 |
| 互換性 | 多くのテーマ/プラグインで標準対応 | .po/.mo の場所を探すのが初心者には少し難しい |
「Loco Translate」など翻訳支援プラグインの活用
- プラグインのインストール
- ダッシュボード > プラグイン > 新規追加 から Loco Translate を検索し、有効化。
- 翻訳プロジェクトの作成
- 左メニューの Loco Translate を開き、Themes または Plugins を選択
- 対象のテーマ/プラグインをクリックし、新規言語 を追加
- 日本語 (ja) を選んで「開始」
- 翻訳作業
- 表示される原文リストから訳したい文字列を選び、画面右側に訳文を入力
- 入力後は「保存」をクリックするだけで
.po/.moが自動生成・配置される
- メリット/デメリット
| 項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 操作の簡便さ | ブラウザ上で手軽に翻訳作業が完結 | 大量の文字列を一つずつ訳すのは時間がかかる |
| 保守性 | 更新時に自動で検知して翻訳ファイルをマージしてくれることが多い | プラグイン自体が更新停止すると利用できなくなる |
日本語対応のテーマ/プラグインを選ぶコツ
- 「翻訳準備済み」表記を確認
- ダウンロードページに「Translation Ready」や「Text Domain 対応済み」という記載があるものを選ぶ
- 日本語翻訳ファイルの同梱有無
- ZIP内の
languagesフォルダにja.po/ja.moが含まれているかチェック
- ZIP内の
- 評価・レビューを参考にする
- 他ユーザーの「日本語化が楽だった」「翻訳品質が高い」といったコメントを探す
- 開発者のサポート体制
- GitHub や公式フォーラムで日本語に関する issue や pull request が活発かどうかを確認
🔍 ポイント
日本語対応が手厚いテーマ/プラグインは、最初から設定の手間を大幅に削減してくれます。
上記の方法を組み合わせることで、初心者でもプラグインやテーマの日本語化をスムーズに進められます。
まずは自分の用途や手間に合わせた手法を選び、快適な日本語環境を構築しましょう!
記事を多言語対応にするには
WordPressで多言語サイトを構築すると、海外ユーザーにも記事を届けられます。
以下では、多言語化を実現するプラグインの選び方と、導入から運用までの流れをわかりやすく解説します。
多言語化プラグインの概要
多言語化プラグインは、投稿や固定ページに複数言語のバージョンを用意し、言語ごとに切り替えて表示できるようにするツールです。
代表的なプラグインには以下があります。
Polylang/Bogo/Multilingual Pressの特徴
| プラグイン名 | 特徴 | 無料版の制限 |
|---|---|---|
| Polylang | ・直感的な言語切替メニューを生成 ・ウィジェット対応でフロントも簡単切替 ・SEOフレンドリーなURL構造 | 有料アドオンで自動翻訳やWooCommerce対応が可能 |
| Bogo | ・シンプル設計で軽量 ・言語ごとに投稿の複製を自動管理 ・Polyglotsコミュニティに近い公式感 | 機能は最小限。複雑なサイト構築にはアドオンが必要 |
| Multilingual Press | ・マルチサイト機能を活用し、言語ごとに独立サイトを構築 ・サイト間リンクで翻訳ページを接続 ・管理画面が分かれ、運用体制を分担しやすい | マルチサイト設定が前提なので、シングルサイトだと敷居が高い |
🌐 ポイント
- Polylang:豊富な機能と拡張性を重視するならおすすめ
- Bogo:手軽に始めたいライトユーザー向け
- Multilingual Press:大規模/チーム運用を想定したマルチサイト構築向け
プラグイン設定の流れと注意点
多言語化プラグインの導入から運用までのステップと、気をつけたいポイントをまとめました。
| ステップ | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 1. インストール | プラグイン > 新規追加 から対象プラグインを検索・有効化 | PHPバージョンや他プラグインとの競合を事前確認 |
| 2. 言語の追加 | 設定画面でサイトで使用する言語を登録 | 表示順や優先言語の設定を事前に決めておくと混乱を防げる |
| 3. コンテンツ翻訳 | 投稿一覧で「+」アイコンをクリックし、言語別の編集画面で文章を入力 | 各言語版のURLスラッグは自動生成されるが、SEOを意識して手動調整を |
| 4. メニュー同期 | 外観 > メニュー で各言語メニューを作成し、リンクを適切に割り当て | メニュー構造が崩れないよう、親子関係やカスタムリンクを丁寧に設定 |
| 5. ウィジェット設置 | サイドバーやヘッダーに言語切替ウィジェットを配置 | キャッシュプラグイン利用時は切替が反映されない場合があるので除外設定を |
| 6. 動作確認 | フロントエンドを多言語でチェックし、リンク切れや表示崩れがないか確認 | スマホやタブレットなど、異なるデバイスでもテストを行う |
🛠️ 運用上の注意
- SEO対策として、各言語ページに
hreflang属性を適切に設定する - 翻訳作業は一貫性を保つために、用語集やスタイルガイドを用意すると◎
- 記事更新時は、すべての言語版を忘れずにメンテナンスする
以上で、多言語化プラグインの選び方と導入・運用の流れをマスターできます。
まずは自分のサイト規模や運用体制に合ったプラグインを選び、ステップに沿って設定を進めてみてください!
日本語サイト向け追加設定
WordPressを日本語サイトとして運用する際は、言語設定だけでなくタイムゾーンや見た目のフォーマットにも配慮すると、より自然で使いやすいサイトになります。
ここでは3つの追加設定を詳しく解説します。
タイムゾーンを日本時間に合わせる
- 管理画面にログイン
- [設定]>[一般]を開く
- タイムゾーンを「Asia/Tokyo」に設定
- ドロップダウンから 「東京(Asia/Tokyo)」 を選択
- 変更を保存
⏰ なぜ重要?
- 投稿日時や予約公開が日本時間に沿って動作し、読者に誤解を与えません
- プラグインのスケジュール機能(バックアップやキャッシュクリアなど)も正確に動きます
日付・時刻フォーマットを日本式にカスタマイズ
設定手順
- [設定]>[一般]を開く
- 日付フォーマット
- 「カスタム」選択後に以下の形式を入力
- 時刻フォーマット
- 同様に「カスタム」で設定
日本式フォーマット例
| 表示形式 | カスタム文字列 | 表示例 |
|---|---|---|
| 年月日(和式) | Y年n月j日 | 2025年7月22日 |
| 年-月-日(西暦) | Y-m-d | 2025-07-22 |
| 月/日/年(略式) | n/j/Y | 7/22/2025 |
| 24時間表記 | H:i | 17:30 |
| 12時間表記+午前午後 | g:i A | 5:30 PM |
🎯 ポイント
- 半角と全角の数字はテーマによって見え方が変わるため、プレビューで確認を!
- カスタム入力後はサンプル表示を見ながら微調整すると失敗がありません
日本語フォント適用時のポイント
日本語フォントは文字の読みやすさやサイトの印象を大きく左右します。
以下の点を押さえましょう。
- フォントファミリーの指定
body {
font-family: "Noto Sans JP", "ヒラギノ角ゴ Pro", "メイリオ", sans-serif;
}
優先順位を高く設定したいフォントほど前に。
- Webフォントの活用
- Google Fontsの Noto Sans JP や M PLUS 1p を使うと、手軽に高品質な日本語が適用可能
- 読み込みが遅くならないよう、必要なウェイトのみを指定
- パフォーマンス対策
- フォントファイルはサイズが大きいので、遅延読み込みや**フォント表示戦略(font-display: swap)**を設定
@font-face {
font-family: "Noto Sans JP";
src: url("…/notosansjp.woff2") format("woff2");
font-display: swap;
}
- レスポンシブ対応
- 小さい画面ではフォントサイズを少し大きめに設定して、可読性を確保
@media (max-width: 600px) {
body {
font-size: 18px;
}
}
💡 おすすめフォントスタック例
font-family: "Noto Sans JP", "Yu Gothic", "メイリオ", sans-serif;
これらの追加設定を行うことで、日本語サイトとしての統一感とユーザビリティが向上します。
初心者の方は一つずつ確認しながら設定してみてください!
まとめ
本記事でご紹介した手順を順に進めれば、WordPressの日本語化は以下のようにスムーズに完了します。
- 日本語版のダウンロードと設置で、初期状態から日本語に
- 管理画面の言語設定を変更し、サイト全体を日本語表示に
- プラグイン・テーマの翻訳で、外部機能も違和感なく日本語化
- 多言語プラグインの導入で、必要に応じて英語やその他言語のサイト運営も実現
- タイムゾーンやフォーマット、フォント設定で、見た目も使い勝手も日本仕様に最適化
これで、WordPressを「日本語環境でストレスなく使いこなす」ための準備は万端です。
ぜひ本ガイドを参考に、あなたのサイトを快適な日本語サイトへとアップグレードしてください!🎉

