無料ECサイト入門|4つの方法と“本当にかかる費用”・おすすめサービス比較
「無料でECサイトを作れる」と聞くと、魅力的に見える一方で、こんな不安や疑問が出てきませんか?
「“無料”ってどこまで? 月額0円でも手数料で結局高くなるのでは…?」
「BASE・STORES・Square・モール出店…結局どれが自分に合うの?」
「独自ドメインや特商法、設定が難しそう。初心者でも本当に開設できる?」
「まずは売れるか試したいけど、失敗して時間や手間をムダにしたくない」
「将来サービスを乗り換えたくなったら、データ移行ってできるの?」
実際、無料ECサイトは“固定費0円”で始められる反面、売れた瞬間から発生する費用(決済手数料・販売手数料・振込手数料・ポイント原資など)があり、仕組みを理解せずに選ぶと「思ったより利益が残らない」「後で乗り換えに苦労する」といった失敗につながります。
そこで本記事では、初心者が迷いやすい「無料ECサイト」の全体像を、次の順番でわかりやすく整理します。
- 無料で始める 4つの方法(自社ショップ型/モール型/WordPress型/本格構築)
- 「無料」の範囲と、本当にかかる費用の内訳(固定費・変動費・実費)
- 主要サービスの特徴を、目的別に比較して選べるように整理
- 失敗を避けるためのチェックポイント(独自ドメイン、規約、移行性、セキュリティ)
料金や手数料などの数値は、できる限り公式情報(一次情報)を参照し、比較の前提も明確にした上で解説します。
「無料で始めて、ちゃんと勝てる形に育てる」ための入門ガイドとして、ぜひ最後までご覧ください。
主要サービス比較のセクションへはこちらからジャンプできます。
この記事でわかること(先に結論)
「無料」で始める最適解は、目的別に3パターン
結論から言うと、「無料ECサイト」で失敗しにくい選び方は次の3つです。
- 無料プランのECカート(自社ショップ型)
例:BASE / STORES / Square オンラインビジネス など
→ 初心者がいちばん始めやすい。デザインや決済が一体で、最短で公開できる。 - モール出店(集客を借りる型)
例:Yahoo!ショッピング / メルカリShops / Amazon など
→ “売れるかどうか”の検証が速い。反面、ルールや手数料・販促負担の影響が大きい。 - WordPress・OSSで作る(資産化・自由度重視)
例:WordPress+WooCommerce / EC-CUBE など
→ 自由度は最大。ただし「無料」はソフトだけで、サーバー・保守など運用力が必要。
迷うなら、まずはこの目安でOKです👇
- とにかく早くショップ公開したい → 1) 無料プランECカート
- まず売れるか試したい(集客も欲しい) → 2) モール出店
- 将来の拡張・SEO資産化を最優先 → 3) WordPress/OSS
固定費ゼロでも“実費”は出る(手数料・原資・外注など)
「初期費用0円・月額0円」でも、実際は次のようなコストが出ます。
- 販売が発生したとき:決済手数料/販売手数料/入金(振込)手数料
- 集客を強くしたいとき:広告費/ポイント原資/クーポン原資
- 見栄え・信頼性を上げたいとき:独自ドメイン/ロゴ/商品撮影/デザイン外注
- 運営で必ず出る:梱包材/送料/返品対応コスト
つまり「無料」は、固定費を抑えて小さく始められるという意味で捉えるのが現実的です。
(ここを誤解すると「思ったより利益が残らない…」になりがちです。)
まず確認:「無料ECサイト」の“無料”はどこまで?
「無料ECサイト」と言っても、多くの場合は “固定費が0円” であって、“運営コストまで完全に0円” とは限りません。
初心者がつまずきやすいので、まずは 固定費 と 変動費 を切り分けて考えましょう。
固定費0円と、売れたら発生する変動費を分けて考える
無料系ECは、ざっくりこのイメージです。
- 固定費(毎月の支払い):0円のことが多い
- 変動費(売れた時に引かれる):ほぼ必ず発生する
見落としを防ぐために、先に表で整理します。
| 区分 | 何が発生する? | 初心者がチェックすべき点 |
|---|---|---|
| 固定費 | 月額・初期費用 | 本当に「月額0円」か(条件付きのことも) |
| 変動費 | 決済/販売/入金などの手数料 | 合計で何%+固定額(◯円/件)があるか |
| 集客コスト | 広告・ポイント原資など | “無料”でも、売るには原資が必要になる場合あり |
決済手数料・販売手数料・振込/入金関連の手数料
「無料EC」で実際に出やすいのは、次の3つです。
- 決済手数料:クレカ等で支払いを受けるための費用(%)
- 販売(サービス)手数料:プラットフォーム利用の取り分(%)
- 入金(振込)手数料:売上金を銀行へ出すときの費用(定額が多い)
ここで重要なのは、“どれか1つ”ではなく、複数が同時に乗ることがある点です。
初心者は、まず 「合計で何%相当?」 だけ掴めばOKです。
例(公式に公開されている代表ケースのイメージ)
- 自社ショップ型(無料プラン):決済手数料が数%+(サービス利用料が乗る場合も)
- フリマ/マーケット型:販売手数料(売上の一定割合)+振込手数料
- モール型:出店自体は無料でも、ポイント原資などが実質コストになることがある
※手数料は改定されることがあるため、最終判断は必ず公式ページで確認してください。
ポイント/キャンペーン原資・広告費が必要になるケース
“無料”の落とし穴として、特にモール系で多いのが 「販促コストが実質必須」 になるパターンです。
- ポイント原資:購入者に付与するポイントの負担(売上の◯%など)
- キャンペーン原資:モール全体の施策に参加するための負担(一定割合が必須のことも)
- 広告費:集客を加速したい場合に任意で発生(ただし競争が強いと実質必要になりがち)
つまり、モールは「開店コストは低い」一方で、売るための原資(ポイント/広告)をどう設計するかが成否を分けます。
無料プランでよくある制限(後で困るポイント)
無料で始められるのは魅力ですが、後から「思ってたのと違う…」になりやすい制限もあります。
ここは “最初から知っておく” だけで失敗率が下がります。
独自ドメイン・容量・ページ/商品数・デザイン編集
無料プランで起きがちな制限は次のとおりです。
- 独自ドメインが使えない/有料のみ
- 無料だと「サービス名の入ったURL(サブドメイン)」になるケースが多いです。
- 影響:名刺やSNSでの見栄え、指名検索、信頼性(特に法人取引)に差が出ます。
- デザインの自由度が低い
- テンプレは選べるが、細かいレイアウトや一部機能が有料…ということがよくあります。
- 対策:最初は“整える”より、商品写真と説明の質に集中した方が成果が出やすいです。
- 商品数・ページ数・画像容量の上限
- サービスによっては、無料枠に上限がある場合があります。
- 対策:上限がある前提で「主力商品だけ」で始めると運用が楽です。
※「制限がある=ダメ」ではなく、今のフェーズに合っていればOK です。最初は“検証”が目的になりやすいので、過剰に恐れなくて大丈夫です。
SEO設定の自由度・タグ/構造化データ・ブログ機能
SEOや集客面では、無料プランほど “できないこと” が増えがちです。
- title/description の細かな最適化が限定的(または拡張機能が必要)
- リダイレクト設定が弱い
- 影響:商品入れ替えやURL変更時に、検索評価を引き継ぎにくい
- ブログ(コンテンツ)機能が弱い/別導線が必要
- 構造化データの調整ができない(上級者向け領域)
初心者はまず、SEO機能の優劣よりも
- 商品ページが読みやすい
- 購入まで迷わない導線
- 運用が続く
この3つを優先すると失敗しにくいです。
「完全無料」をうたうサービスを見抜くチェック項目
「完全無料」と書かれていても、よく見ると条件が付いていることがあります。
下のチェックに沿って確認すれば、だいたい見抜けます。
- 販売(決済)まで本当に無料でできる?
- “サイトは作れるが決済は有料” のケースがある
- 確認:無料プランで カート機能・決済導入・購入完了 までできるか
- 手数料の内訳が明確?(合計の取り分が計算できる?)
- 確認:決済手数料(%)+販売/サービス手数料(%)+振込手数料(定額)
- 必須の販促負担がない?
- モール系は「ポイント原資が必須」など、固定費ではない“実質コスト”があることも
- 確認:必須のポイント、キャンペーン原資、アフィリエイト関連の必須負担
- 独自ドメイン・広告表示・データ移行の可否
- 無料の代わりに「広告表示あり」「独自ドメイン不可」「移行が難しい」場合があります
- 確認:独自ドメインの条件/広告の有無/CSV出力などの移行性
- 規約(禁止商材)と停止リスクの説明が十分?
- どのサービスでも規約違反は停止要因になり得ます
- 確認:禁止商材、本人確認の要否、停止時の売上金の扱い
このチェックを通したうえで、「今の自分の目的(検証・集客・資産化)」に合うものを選べば、無料ECはかなり強い選択肢になります。
無料でECサイトを作る4つの方法(全体像)
「無料ECサイト」と一口に言っても、作り方によって“無料の範囲”と“向き不向き”がまったく違います。
ここでは初心者が迷いにくいように、代表的な4パターンを整理します。
先にざっくり比較すると、こんなイメージです。
| 方法 | 立ち上げの速さ | 集客のしやすさ | 自由度 | 運用の難しさ | 典型コスト(固定費0円でも) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1) ECカート無料プラン | 速い | ふつう(自力寄り) | 中 | 低 | 決済/販売手数料など |
| 2) モール/マーケット | 速い〜中 | 高め(モール集客) | 低〜中 | 中 | 販売手数料+販促原資など |
| 3) WordPress+プラグイン | 中 | 自力(SEO向き) | 高 | 中〜高 | サーバー/保守/セキュリティ |
| 4) OSS/パッケージ本格構築 | 遅い | 自力(設計次第) | 最高 | 高 | 開発・保守・セキュリティ |
方法1:ASP/ECカートの無料プラン(自社ショップ型)
「無料でネットショップを開設して、決済や注文管理もまとめて使える」王道パターンです。
初心者が“最短で開店”しやすく、まず検証するなら最有力になりやすい方法です。
向いている人:ブランドを作りたい/運用を簡単にしたい
- ✅ 自分のショップ名で販売したい(世界観・ブランドを育てたい)
- ✅ 難しい設定は避けたい(テンプレで整う、管理画面が分かりやすい)
- ✅ まずは小さく始めて、売れたら改善したい(試行回数を増やしたい)
初心者の成功確率を上げるコツは、最初から作り込むよりも、次を優先することです。
- 商品写真の質
- 説明文の分かりやすさ
- 購入前の不安を消す情報(納期・送料・返品)
この3つが揃うと、サービス差よりも売上に効きます。
注意点:集客は自力になりやすい/手数料が高めになりやすい
無料プランは「月額0円」の代わりに、売れたときのコストが乗りやすいです。
- ⚠️ 決済手数料(%)
- ⚠️ サービス/販売手数料(%)
- ⚠️ 注文ごとの固定額(◯円/件)がある場合
- ⚠️ 入金(振込)手数料
初心者はまず、細かい内訳よりも 「合計で売上の何%が差し引かれるか」 を掴むのが大事です。
選び方の実務ポイント(迷ったらここだけ見ればOK)
- 単価が低い商品:固定額(◯円/件)が重い → 影響が大きい
- 単価が高い商品:%の差が重い → 手数料率で差が出る
- 事務作業が苦手:機能より “更新しやすさ” を優先(継続が最大の強み)
方法2:モール/マーケットに出店(集客を借りる)
モールやマーケットに“お店を出す”方法です。
最大のメリットは、最初から人が集まる場所で売れる可能性があること。
向いている人:まず売って検証したい/商品力に自信がある
- ✅ とにかく早く「売れるかどうか」を確かめたい
- ✅ すでに人気商品・強い商材がある(価格/需要が明確)
- ✅ 自社サイトの集客より、まず販売経験を積みたい
特に初心者は、モールでの販売を「テスト」と割り切ると上手くいきます。
- 売れる価格帯は?
- 売れる写真・説明は?
- どの季節・タイミングで動く?
こうしたデータを掴めるのが強みです。
注意点:価格競争・規約・ページ自由度の限界
モール/マーケットは“借り物の売り場”なので、次の制約があります。
- ⚠️ ルール(規約)違反で停止リスクがある
- ⚠️ ページの自由度が限られる(デザイン・導線・SEOなど)
- ⚠️ 比較されやすい(価格競争に巻き込まれやすい)
- ⚠️ “無料”でも実質コストがあることがある
- 例:ポイント原資・キャンペーン原資・アフィリエイト関連費用などが必須になるケース
対策(初心者向けの現実解)
- 価格勝負を避けるために、セット販売・限定特典・同梱物で差を作る
- 規約は最初に確認し、NG商材・表現・禁止行為を把握する
- 長期的には「顧客との接点」を作る(同梱案内・SNS導線など)
※ただし各プラットフォームのルールの範囲内で
方法3:WordPress+ECプラグイン(資産化・自由度重視)
WordPressをベースに、EC機能(例:WooCommerce)を追加してネットショップ化する方法です。
“自分のサイト資産”として育てやすい一方、運用の責任範囲が増えます。
向いている人:SEOを主戦場にしたい/サイトを“自分の資産”にしたい
- ✅ 商品数が多い、または情報発信(ブログ)で売りたい
- ✅ 検索流入を取りにいきたい(比較・使い方・導入事例など)
- ✅ デザインや導線を細かく調整したい
WordPress型は、商品ページだけでなく
- お役立ち記事(使い方・選び方)
- 事例・レビュー
- FAQ(不安解消)
を積み上げて、検索から売上につなげやすいのが強みです。
注意点:サーバー/保守/セキュリティは自己責任(実質コスト)
ここが最大の落とし穴です。
プラグイン自体は無料でも、運用に必要なものが出てきます。
- ⚠️ サーバー代・独自ドメイン代
- ⚠️ バックアップ
- ⚠️ 更新作業(WordPress本体・テーマ・プラグイン)
- ⚠️ セキュリティ対策(不正ログイン対策、脆弱性対応 など)
初心者が事故を避けるための最低ラインはこれです。
- 自動バックアップ(復元できること)
- 二要素認証・強固なパスワード
- 更新を止めない運用(放置が一番危険)
「運営の手間を増やしたくない」なら、最初は方法1から入るほうが安全です。
方法4:オープンソース/パッケージで本格構築
EC-CUBEなどのように、EC専用の仕組み(OSS/パッケージ)を使って構築する方法です。
自由度は最高ですが、初心者がいきなり選ぶと“重すぎる”ことが多いです。
向いている人:要件が複雑/将来の拡張前提で作り込みたい
- ✅ 価格・在庫・会員・BtoBなど、要件が複雑
- ✅ 既存システムと連携したい(基幹・在庫・会計など)
- ✅ 将来的に機能追加して伸ばしたい(最初から土台を作りたい)
特に「運用フローが固まっている事業者」ほど向きます。
注意点:開発・運用コストとセキュリティ対応が前提
本格構築は、無料で始めるというより
- “運営体制を作って投資する”方法
に近いです。
- ⚠️ 初期の設計・開発が必要(外注すると費用が出る)
- ⚠️ 仕様変更・保守の継続が必要
- ⚠️ 脆弱性情報の確認とアップデート対応が必須
もしこの方法を選ぶなら、最初に確認しておきたいのは次の2点です。
- 誰が保守するか(自分/社内/制作会社)
- 更新と障害対応のルール(緊急時に止まらない体制)
失敗しない選び方:比較で見るべき10項目
「無料で始められるか」だけで選ぶと、あとから 利益が残らない/運用が続かない/移行できない で詰まりがちです。
ここでは、初心者でも判断しやすい 10個の比較軸 を、実務目線で整理します。
1)手数料の“計算式”を確認(%+固定費の有無)
無料ECでいちばん差が出るのは、手数料の“内訳”よりも 計算式 です。
見るべきはこの3点だけ。
- %(料率):売上の何%が引かれるか
- 固定額(◯円/件):1注文ごとに引かれるか
- 必須コストの有無:ポイント原資などが実質的に必須か
初心者向けに、ざっくり利益を把握するテンプレを置いておきます。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 商品価格(税込) | 5,000円 |
| 原価 | 2,000円 |
| 送料(自社負担) | 600円 |
| 変動手数料(合計) | 8% |
| 固定額(あれば) | 40円 |
| 1件あたり概算利益 | 5,000 − 2,000 − 600 −(5,000×8%)−40 |
よくある落とし穴
- 低単価ほど、固定額(◯円/件) が利益を削りやすい
- モールは固定費0円でも、ポイント原資などが“実質手数料” になりやすい(必須設定がある場合も)
2)入金サイクル(締め日・振込手数料・早期入金)
初心者は「売上が出ても手元にお金が来ない」タイミングで不安になります。
入金まわりは、次をセットで確認してください。
- 入金のタイミング:締め日 → 入金日(いつ現金化できるか)
- 入金方法:自動/申請制(自分で振込申請が必要か)
- 振込手数料:毎回かかるか、条件で無料になるか
- 早期入金:急ぎ入金ができるか(手数料の有無)
判断のコツ
- 仕入れがあるなら、入金が遅いと資金繰りが苦しくなります
- まずは「入金日が読みやすい」サービスのほうが、精神的に続きます
3)必要機能の過不足(クーポン、定期、セット、オプション等)
機能は多いほど良いわけではありません。最初は “売れる形”を作る機能 があれば十分です。
最低限そろっていると安心(初心者向け)
- クーポン(初回割引・期間限定など)
- 送料設定(地域別/一定額以上で送料無料)
- 商品バリエーション(サイズ・色など)
- 注文管理(ステータス・発送通知)
商材次第で重要になる機能
- 定期購入(サブスク)
- セット販売・まとめ買い割
- オプション(名入れ、ギフト包装など)
- 予約販売(入荷前販売)
チェックのしかた
- 公式の「機能一覧」で、無料プランで使える範囲を確認
- 足りない機能が “有料プラン” なのか “拡張(アプリ/プラグイン)” で足せるのかを見る
4)決済手段と不正対策(3Dセキュア、チャージバック対応)
決済が弱いと、カゴ落ち(買わずに離脱)が増えます。
逆に、不正対策が弱いと、後から チャージバック(売上取り消し) で痛手になります。
最低限チェックしたい決済
- クレジットカード
- コンビニ払い(商材によって強い)
- あと払い(購入ハードルを下げる)
- QR/ウォレット系(ユーザー層による)
不正対策の見方(初心者向け)
- 3Dセキュア(本人認証)の扱い
- 不正利用時の負担範囲(加盟店が抱える可能性があるか)
※サービスによって“対応状況”や“負担条件”が変わるため、決済まわりは必ず公式の説明を確認してください。
5)配送・在庫・実店舗連携(POS、在庫同期、店舗受取)
発送が回り始めたときに効いてくるのが「配送の手間」です。
初心者は 発送の事故(遅延・誤発送) が一番つらいので、ここは軽視しないのがコツです。
確認ポイント
- 配送方法:追跡・補償の有無、匿名配送の可否
- ラベル発行:宛名作成がどれだけ自動化できるか
- 在庫管理:複数チャネル(モール+自社)で在庫が破綻しないか
- 実店舗:POS連携、店舗受取(BOPIS)対応
判断のコツ
- 月10件を超えたあたりから、発送の自動化の価値が一気に上がります
- 実店舗があるなら、Square等のように「POSとオンラインがつながる設計」は強力です
6)デザイン自由度(テンプレ、HTML/CSS、アプリ/拡張)
デザインは“好み”より 信頼感と購入しやすさ が大切です。
初心者がまず見るべきポイント
- 商品ページの見やすさ(画像の大きさ、説明の配置)
- スマホ表示の整い方(購入ボタンが迷子にならないか)
- カート〜決済までの分かりやすさ
自由度を見極めるチェック
- テンプレの種類と更新頻度
- HTML/CSS編集ができるか(上級者向け)
- 拡張(アプリ等)で何が足せるか
注意
- “凝ったデザイン”より、写真・説明・FAQ のほうが売上に直結しやすいです
7)独自ドメイン・ブランド表現(信頼性に直結)
無料だとサブドメイン(サービス名入りURL)になりやすく、信頼面で差が出ます。
独自ドメインが効く場面
- 企業・法人向け(見積もりや問い合わせが発生する商材)
- 高単価(購入前に不安が大きい)
- リピート前提(覚えてもらう)
初心者向けの現実解
- 最初は無料で検証 → 売れ筋が固まったら独自ドメイン、が無理がありません
- 名刺・SNS・同梱物に載せるURLは、後で変えると面倒なので早めに方針だけ決めておくとラクです
8)集客機能(SEO設定、SNS連携、ブログ、広告タグ)
無料ECは「作っただけ」では売れません。
集客の動線が作れるかをチェックします。
初心者がまず欲しい集客導線
- SNS連携(Instagram等)→ 商品ページへ誘導
- メルマガ/LINE等(できる範囲で)→ リピート導線
SEOをやるなら見たいポイント
- title/descriptionなど基本設定のしやすさ
- ブログ(コンテンツ)機能の有無、または別で用意しやすいか
- 計測タグ(GA4等)を入れられるか
判断のコツ
- SNS中心なら「更新がラク」なサービスが正義
- SEO中心なら「コンテンツを積み上げられる設計」が重要(WordPress型が強くなりやすい)
9)サポート体制(チャット/電話/コミュニティ)
初心者ほど、トラブル時に詰みやすいです。
サポートは “困ったときに解決まで進めるか” が重要です。
確認ポイント
- 問い合わせ導線:チャット/メール/電話
- 対応時間:平日のみか、土日もあるか
- ヘルプの質:検索しやすいか、手順が具体的か
- コミュニティ:事例が見つかるか(ユーザー同士で解決できる)
判断のコツ
- 「自分で調べて進めるタイプ」ならヘルプの充実が重要
- 「すぐ聞きたいタイプ」ならチャット等の即時性が重要
10)規約・停止リスク/データ移行性(撤退コスト)
最後がいちばん大事です。
無料で始めても、規約や移行が弱いと “引っ越せない” で詰まります。
停止リスクのチェック
- 禁止商材・禁止表現(広告表現や医療系などは特に注意)
- 本人確認や審査の条件
- ルール違反時の扱い(売上金・出金の可否など)
移行性(撤退コスト)のチェック
- 商品データの出力:CSV等で出せるか
- 注文データ・顧客データ:取得できるか
- URL変更時:移行導線(リダイレクト等)を作れるか
- 独自ドメイン:将来別サービスに移し替えやすいか
初心者向けの最適解
- 最初から“完璧に選ぶ”より、「売れたら移行できる設計」 を意識すると安全です
例:商品名・SKU・画像の管理ルールを整えておく、同梱物でSNSへ誘導して接点を残す、など
【タイプ別】無料で始められる主要サービス比較(選びやすい順に整理)
まずはここから:目的別おすすめ早見(初心者向け)
「無料ECサイト」で迷う人の多くは、“固定費ゼロで始めたい”のではなく、実際は次のどれかを叶えたいケースが多いです。
- 最短で開店して、まず売ってみたい(検証優先)
- ブランド感を出して、長く育てたい(資産化優先)
- 集客を借りて売上を作りたい(モール優先)
そこで、目的別に「最初の一手」を整理するとこうなります。
| 目的 | 最初に選びやすい型 | 代表例 |
|---|---|---|
| とにかく早く開店して検証 | ASP無料プラン(自社ショップ型) | BASE / STORES |
| 店舗と一緒に運用したい | 決済・POSと相性が良い型 | Square |
| デザインや拡張も視野に“育てたい” | 拡張性が高いASP/サイトビルダー | カラーミーショップ / Wix(※決済は有料) |
| 仕様が特殊(セット/オーダー等) | 機能強めのASP | easy my shop |
| 越境も含めて広げたい | 越境寄りのプラットフォーム | cafe24 |
| 集客を借りて売る(露出優先) | モール/マーケット | Yahoo!ショッピング / Amazon / メルカリShops / Qoo10 / minne 等 |
💡迷ったら、「まず無料で売れる形(ASP or モール)」→「売れ筋が見えたら資産化(独自ドメイン/WordPress等)」の2段階が失敗しにくいです。
ASP無料プラン系(自社ショップ型)
ここでいう「無料」は基本的に、月額0円(固定費0)で開店できるという意味です。
ただし多くの場合、売れたときに 決済手数料 や サービス利用料(販売手数料) がかかります。
先に“ざっくり傾向”をつかむために、比較の見方を一枚にまとめます。
| サービス | 固定費 | 売れた時の主な費用感 | ざっくり向く人 |
|---|---|---|---|
| BASE | 0円〜 | 決済+サービス利用料(売上連動) | まず最短で始めたい |
| STORES | 0円〜 | 無料は手数料やや高め/有料で軽減 | 手数料を後で調整したい |
| Square | 0円〜 | 基本は決済手数料中心(オンライン/店舗) | 実店舗・イベント販売もやる |
| カラーミーショップ | 0円〜(フリープランあり) | プラン・決済契約で変動 | デザイン/拡張も見据えたい |
| easy my shop | 0円〜 | 決済費用は別(手数料体系は要確認) | セット/オーダー等が必要 |
| Wix / cafe24 | Wixは“販売”は有料前提/cafe24は基本無料 | 決済は別途発生 | デザイン主導/越境も視野 |
以降は、初心者が判断しやすいように「強み」と「つまずきポイント」を中心に整理します。
BASE:手軽さ重視で始めたい人向け
向いているケース
- とにかく早く開店して、商品が売れるか試したい
- 難しい設定を減らして、運用に集中したい
コストの考え方(ポイント)
- 月額0円のプランがある一方で、売れた時に 複数の手数料が重なる設計 になりやすいです。
- 売上が伸びたら、月額が発生するプランに切り替えて“手数料を下げる”選択肢もあります。
つまずきポイント
- 「0円で儲かる」ではなく、売れた瞬間から差し引かれる費用の合計で比較する必要があります。
- アプリ(拡張)を増やすほど、運用が複雑になりがち。

STORES:商品点数を増やしやすい運用を優先したい人向け
向いているケース
- 無料で始めつつ、成長したら手数料を調整したい
- 運用をシンプルにしながら、見た目もそこそこ整えたい
コストの考え方(ポイント)
- 無料プランは固定費0で始めやすい一方、決済手数料が高めになりやすいです。
- 有料プランにすると、月額は増えるが決済手数料が下がる方向に設計されていることが多いです。
つまずきポイント
- 少額商品だと、手数料率の影響が利益に直撃しやすい
→ 平均客単価が上がるほど有料プランが効きやすいという見方ができます。

Square:実店舗と一緒に運用したい人向け(在庫/売上連携)
向いているケース
- 店舗・イベント・ポップアップなど、対面販売もある
- 決済、レジ、在庫などをできるだけ一本化したい
コストの考え方(ポイント)
- オンラインストアは月額0円でも開始でき、基本は 決済手数料中心 の考え方になります。
- より本格運用なら、上位プランで手数料が下がる(または機能が増える)形になりやすいです。
つまずきポイント
- 「EC機能の豊富さ」で比較すると、EC専業カートに劣る部分が出ることも
→ ただし 店舗運営との相性 で逆転するケースが多いです。

カラーミーショップ:デザイン/拡張も見据えて育てたい人向け
向いているケース
- 最初は小さく始めて、将来的に デザイン・拡張・運用設計 も整えていきたい
- “らしさ”を出して、ブランドを育てたい
コストの考え方(ポイント)
- フリープランがある一方で、やりたいことが増えるほど 有料プラン・決済契約・オプション が現実的に必要になりやすいです。
- 独自ドメインを使う場合など、“任意だけど信頼性に効く費用”が発生する点は先に把握しておくと安心です。
つまずきポイント
- 決済まわりは「どの決済サービスをどう契約するか」で費用が変動しがち
→ “カート料金”と“決済費用”を分けて試算すると比較がブレにくいです。

easy my shop:セット販売・オーダー等の要件がある人向け
向いているケース
- セット販売、オーダーメイド、選択肢が多い商品など、商品設計が複雑
- “最初から欲しい機能が揃っている”方向で選びたい
コストの考え方(ポイント)
- フリープランでも開始できるタイプですが、決済費用は別枠になりやすいです。
- 「何が無料で、どこからが有料か」を機能単位で見たほうが判断しやすいです。
つまずきポイント
- 高機能ゆえに、初期設定の項目が多く感じやすい
→ 最初は 必須機能だけで開店→売れ筋が出たら段階的に機能追加 がラクです。

(補足)Wix/cafe24等:デザイン主導・海外も視野の人向け
Wix(注意点を先に)
- Wixは「サイトを無料で作る」ことはできても、“ネットショップとして決済して販売する”には上位プランが必要になるのが基本です。
- その代わり、デザインの自由度やサイト制作体験は強いので、ブランドサイト+販売の発想と相性が良いです。

cafe24(特徴)
- 「月額0円・販売手数料0円」をうたっており、越境や多言語にも寄せやすい設計です。
- ただし実運用では、当然ながら 決済代行・配送・外部連携で費用や手間が出るので、「運用設計を組む前提」で選ぶとミスマッチが減ります。

モール/マーケット系(集客優先)
「無料ECサイト」を探す人にとって、モール系は強力です。理由はシンプルで、最初から人が集まっている場所で売れるからです。
一方で、手数料やルール(規約)の影響が強いため、“自社資産化”とは相性が分かれます。
Yahoo!ショッピング:モール集客を活かしつつ運用したい
強み
- モール内検索・特集など、集客を借りやすい
注意点(要チェック)
- 「出店費用0」と言っても、実際には ポイント原資やキャンペーン原資などの“実費”が運用コストになりやすいです。
- どの施策が必須か、どこまでやるかで利益率が変わります。
Amazon(小口出品など):商品回転と露出を最優先したい
強み
- 商品がハマると、露出と回転が強い(特に型番商品など)
注意点
- 出品プラン(個人/大口)やカテゴリーごとの費用があり、“販売単価・利益率・回転”で相性が決まるタイプです。
- 商品ページの自由度は高くないので、ブランド表現より販売効率寄り。
メルカリShops:既存ユーザーの流入を取りにいきたい
強み
- 既存ユーザー基盤があり、始めやすい
- 固定費がなく、ルールも比較的シンプル
注意点
- 販売手数料(率)+振込手数料(固定)の設計なので、
低単価だと固定手数料の影響が目立つケースがあります。
Qoo10/ハンドメイド系:カテゴリ適性が高い場合の近道
Qoo10(イメージ)
- 強いカテゴリに合うと伸びやすい一方、費用体系は カテゴリ・施策・オプションで変動しやすい
→ 「広告・施策にどこまで乗るか」で利益率が変わるため、テスト販売→勝ち筋を見て投資が向きます。
ハンドメイド(minne / Creema など)
- “ハンドメイドを買いに来る人”が最初からいるため、世界観が合えば最短ルートになりやすいです。
- その代わり、手数料体系(販売手数料、送料の扱い、振込手数料)は必ず確認して、価格設計に織り込むのが必須です。
WordPress/OSSで“自分の資産”にする
「無料ECサイト」で最終的に“強い”のはこの型です。理由は、集客(SEO)も顧客データも自分の資産になりやすいから。
ただし、無料で始められる反面、運用責任(保守・セキュリティ・障害対応)が発生します。
WooCommerceで始める最短ルート
メリット
- コア(本体)は無料で、拡張で必要分だけ足せる
- ブログ(SEO)とECが同じ土俵で運用できる
デメリット
- サイト運用者としての責任が発生(更新、バックアップ、セキュリティ)
必要なもの:サーバー/ドメイン/SSL/バックアップ
最低限ここは揃えます。
- サーバー(WordPressが安定稼働するもの)
- 独自ドメイン(信頼性と資産化のため、できれば早めに)
- SSL(今どき必須。多くは無料で設定可能)
- バックアップ(自動+復元手順までセットで)
最初に入れる基本プラグイン(セキュリティ・SEO・決済)
入れすぎは重くなるので、最初は「守り+売る+集客」に絞ります。
- セキュリティ(ログイン保護、WAF系など)
- SEO(タイトル/メタ、構造化の補助など)
- 決済(Stripe / PayPal / Square等の連携)
- バックアップ(自動バックアップ+復元)
- キャッシュ/高速化(必要に応じて)
⚠️決済は「プラグインを入れたら終わり」ではなく、審査・本人確認・運用ルールが絡むので、開店スケジュールに余白を持つのが安全です。

EC-CUBE/Magento等で作り込むときの判断基準
WooCommerceよりさらに「要件が重い」なら、この領域が候補になります。
選ぶ判断基準(ざっくり)
- 商品/価格/顧客/在庫のルールが複雑で、拡張が前提
- 他システム(基幹、POS、倉庫、会員DB等)と深く連携する
- ある程度の開発・保守体制(外注含む)を用意できる
現実的な注意点
- OSSはソフト自体が無料でも、開発・保守・セキュリティ対応が“固定費化”しやすい
- 長期運用なら、アップデート運用まで含めた体制が価値になる


初心者には、EC-CUBEをベースにしたXServerショップがおすすめです↓
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無料ECは「月額0円=完全に0円」ではありません。
多くの場合、売上が立つほど 決済手数料・販売手数料・振込手数料 が増えていきます。
ここでは初心者でも判断しやすいように、まず“計算の型”を作り、次に「月商別の目安」と「具体例」で切り替え判断をできるようにします。
月商別:無料のまま得か?有料へ切り替えるべきか?
最初に、今回の試算で置く前提です(あなたの数字に置き換えれば、そのまま使えます)。
- 月商:5万円/10万円/20万円/50万円/100万円
- 平均客単価:5,000円(=注文件数は「月商÷5,000」)
- 振込:月1回(振込手数料が“回数課金”の場合は要注意)
- 主な決済:クレジットカード等の標準的な料率(特定決済は別料率になることがあります)
目安1:〜月商5万円(まずは検証フェーズ)
この段階は、手数料の最適化より「売れるか確認」 が最優先です。
- 無料プランのままでOKになりやすい
- 有料にする目的は「手数料を下げる」よりも
デザイン改善・機能追加・運用効率化 になりがち
実務的なコツ
- 振込手数料が“回数課金”のサービスは、なるべく 振込回数を増やさない
- 低単価商品は「固定額の手数料(例:◯円/件)」が効きやすいので、可能なら セット販売 などで客単価を上げる
目安2:月商5〜20万円(手数料差が効き始める)
このゾーンは「有料へ切り替えると得になるサービス」と「まだ無料が強いサービス」が分かれます。
- 手数料率の差(例:5.5%→3.6%)は、月商が上がるほど効く
- ただし「月額固定費」があると、ある月商を超えるまで逆に損 になります
まず見るべきはこれだけです。
- 変動費(%)の差 × 月商 > 月額固定費(有料プラン代)
- 固定額(◯円/件)があるなら、注文件数も加味する
目安3:月商20万円〜(有料移行/運用最適化で利益最大化)
ここからは、“どのサービスで、どのプランにするか” が利益に直結し始めます。
- 料率が高い無料プランは、放置すると利益が削れやすい
- ただし「一気に有料へ」ではなく、まずは
勝ち筋商品の利益が残る設計にする のが先です(価格・送料・原価・広告費も含めて)
手数料の差が“利益”に与える影響を具体例で確認
ここからは、よく使われる3タイプで「無料のまま vs 有料」の差を、同じ前提で“見える化”します。
まずは計算の型(超シンプル)
月のコストは、ざっくりこれで捉えられます。
- 月コスト = 月額固定費 +(月商×料率)+(注文件数×固定額手数料)+(振込手数料×振込回数)
例1:BASEのスタンダードとグロースは、どこで逆転するか
前提(公式の基本形)
- スタンダード:月額0円、料率(決済+サービス利用料)+「1注文ごとの固定額」
- グロース:月額あり、料率は低い、サービス利用料は0円
この組み合わせは、注文件数(=客単価)で逆転ラインが動きます。
固定額が「注文数が多いほど効く」からです。
平均客単価ごとの“逆転目安”(グロースが安くなり始める月商)
- 客単価3,000円:月商 約40万円前後
- 客単価5,000円:月商 約37〜44万円前後(支払い方で変動)
- 客単価10,000円:月商 約40〜49万円前後
つまり、月商20万円くらいだと「手数料のためにグロースへ」は早いことが多く、
まずはスタンダードのまま商品・導線を固めるのが合理的になりやすいです。
例2:STORESは、無料→ベーシックで“得になりやすいライン”が明確
STORESは(標準的な決済の場合)料率差が大きめなので、逆転ラインが比較的読みやすいです。
- フリープラン:月額0円、決済手数料 高め
- ベーシック:月額あり、決済手数料 低め
年払い(月額換算)の場合、ベーシックが得になり始める目安は 月商約16万円前後。
月払いの場合は 月商約18万円前後 が目安になります。
「月商5〜20万円」で一番“検討価値が出やすい”のは、実はこのタイプです。
例3:Squareオンラインは「手数料目的の有料化」は相当ハードルが高い
Squareオンラインは、無料と上位プランでオンライン決済手数料が同じケースがあり、
手数料が下がるプランでも差が小さいため、手数料だけで元を取るには月商がかなり必要になります。
結論としては多くの初心者にとって、
- 有料化の理由は「機能・デザイン・運用効率」のため
- 手数料だけで回収できるケースは限定的
になりやすいです。
同じ前提でのざっくり比較表(目安)
前提:平均客単価5,000円、振込は月1回、標準決済(特定決済は別料率の場合あり)
BASE(振込手数料を月1回で計上した目安)
| 月商 | スタンダード(目安) | グロース(年払い月換算の目安) | どちらが有利になりやすい |
|---|---|---|---|
| 5万円 | 約3,950円 | 約18,280円 | スタンダード |
| 10万円 | 約7,650円 | 約19,730円 | スタンダード |
| 20万円 | 約15,050円 | 約22,630円 | スタンダード |
| 50万円 | 約37,250円 | 約31,330円 | グロース |
| 100万円 | 約74,250円 | 約45,830円 | グロース |
STORES(振込手数料を月1回で計上した目安)
| 月商 | フリープラン(目安) | ベーシック(年払い月換算の目安) | どちらが有利になりやすい |
|---|---|---|---|
| 5万円 | 約3,025円 | 約5,055円 | フリー |
| 10万円 | 約5,775円 | 約6,855円 | フリー寄り |
| 20万円 | 約11,275円 | 約10,455円 | ベーシック寄り |
| 50万円 | 約27,775円 | 約21,255円 | ベーシック |
| 100万円 | 約55,275円 | 約39,255円 | ベーシック |
Squareオンライン(オンライン決済のみ・振込手数料なし前提の目安)
| 月商 | フリー(目安) | プレミアム(年払い月換算の目安) | 手数料目的の有料化 |
|---|---|---|---|
| 20万円 | 約7,200円 | 約15,780円 | しない方が多い |
| 50万円 | 約18,000円 | 約25,680円 | しない方が多い |
| 100万円 | 約36,000円 | 約42,180円 | しない方が多い |
開設手順(初心者向けチェックリスト)
無料ECサイトは「開設」自体は簡単でも、つまずくポイントはだいたい決まっています。
そこで、迷いにくい順番でチェックリスト化しました。必要なところだけ拾って進めてください。
開始前に決める5つ(商材・価格・送料・決済・運用体制)
ここが曖昧だと、どのサービスでも成果が出にくいです。
先に5つだけ決めましょう。
- 商材(何を売るか)
- 主力商品は1〜3個に絞る(最初は増やしすぎない)
- 強みを一言で言える形にする(例:時短/ギフト/業務用 など)
- 価格(いくらで売るか)
- まずは「原価・送料・手数料」を引いて、赤字にならない価格を確認
- 迷うなら “セット販売”で客単価を上げるのが初心者向き
- 送料(どう見せるか)
- 次のどれにするか決める
- 送料込み(価格は上がるが分かりやすい)
- 送料別(価格は低く見えるが離脱が出やすい)
- ○○円以上送料無料(バランス型)
- 発送方法(追跡・補償の有無)もセットで決める
- 次のどれにするか決める
- 決済(何を用意するか)
- 最初は クレカ+(必要なら)コンビニ/あと払いが基本
- 返品・キャンセル時の対応フローも軽く決めておく
- 運用体制(誰が、いつ、何をするか)
- まずは「毎日やること」を最小化
- 例:注文確認→梱包→発送→連絡
- 問い合わせ対応の時間帯を決める(返信が遅いと不信感につながります)
- まずは「毎日やること」を最小化
💡ここでおすすめなのは、“決め切れない項目は仮置き”にして、早く公開して検証することです。完璧を目指すほど遅れます。
開設〜公開までの設定順(迷わない手順)
最短で公開して事故を防ぐには、次の順番がラクです。
デザイン(テンプレ選定→必須情報の配置)
テンプレは「好み」より、買いやすさで選びます。
- ファーストビュー(最初に見える場所)に置くもの
- 何の店か(一言)
- 主力商品(1〜3個)
- 送料・発送目安(不安を減らす)
- 共通で入れると信頼が上がる要素
- 運営者情報(最低限でOK)
- よくある質問(FAQ)
- お問い合わせ導線(フォームでも可)
✅チェック
- スマホで「購入ボタン」がすぐ分かる
- 文字が詰まりすぎていない(改行・箇条書き多め)
商品登録(SKU/バリエーション/画像/説明文)
商品登録は、写真と説明の質でほぼ決まります。最初から大量登録しないのがコツです。
- SKU(管理番号)
- 色・サイズなどバリエーションがあるなら、規則を統一(後で在庫が崩れにくい)
- 画像(最低4枚を目安)
- ①正面/②利用シーン/③サイズ感/④同梱物や注意点
- 可能なら短い動画も◎(返品・問い合わせが減りやすい)
- 説明文(迷わせない型)
- 最初の3行:誰の何を解決する商品か
- 特徴:箇条書き(3〜5個)
- 仕様:サイズ・素材・注意点
- 発送:納期・配送方法
- 返品:条件を明確に
✅チェック
- “買ってから困る情報(サイズ・納期・返品)”を先回りできている
- キーワードの詰め込みではなく、読みやすさ優先
決済・配送・税設定
ここは「一度ミスると面倒」なので、公開前に必ずテストします。
- 決済
- 利用予定の決済をON
- テスト注文(自分で少額でもOK)をして一連の流れを確認
- 配送
- 送料(地域別/全国一律/条件付き送料無料)を設定
- 発送日数の目安(例:2〜3営業日)を明記
- 税
- 価格表示(税込/税別)を統一
- インボイス等が関係する場合は、必要に応じて専門家に確認
✅チェック
- カート→決済→注文完了→メール送信まで、実際に動く
- 送料が分かりにくくない(途中で増えると離脱が増えます)
特商法・プライバシーポリシー・返品/交換ルール
信頼性とトラブル防止の要です。テンプレは使ってOKですが、あなたの運用に合わせて整えるのが重要です。
- 特商法(通信販売)
- 事業者情報/連絡先/支払い方法/引渡時期/返品など
- プライバシーポリシー
- 取得する情報/利用目的/第三者提供の有無/問い合わせ窓口
- 返品・交換
- 返品可否、期限、条件、送料負担、返金方法
- 「特約」があるなら明確に(ここが曖昧だと揉めます)
✅チェック
- “いつ・どんな条件なら返品できるか”が一目でわかる
- 連絡手段(フォームなど)が実際に動く
公開後7日でやること(初速を作る)
公開直後は、アクセスより先に「不備つぶし」で伸びやすさが決まります。
おすすめはこの7日メニューです。
Day 1:動作確認
- ✅ テスト注文(スマホ/PC)
- ✅ 自動メールの文面チェック(誤字・リンク切れ)
- ✅ 配送料・納期・返品の表記を再確認
Day 2:商品ページを1段上げる
- 写真を2枚追加(利用シーン・サイズ感)
- FAQを3つ追加(例:納期/返品/サイズ)
Day 3:初回の告知導線を作る
- SNSプロフィールにショップURL
- 投稿固定(ピン留め)で「主力商品」と「買い方」を案内
Day 4:信頼性の補強
- 運営者情報(最低限)を整備
- 問い合わせ導線を分かりやすく
Day 5:リピートの種まき
- 同梱物(紙1枚でOK)に「次回の買い方」を案内
- クーポンを用意(条件はシンプルに)
Day 6:計測の準備
- アクセス計測(GA4等)を設定できる範囲で設定
- クリック/購入までの導線を一度自分で確認
Day 7:改善点を1つだけ直す
- 迷っている箇所(離脱が多い場所)を仮説で1つ改善
- 例:送料表記を目立たせる/ボタンを上に移す など
💡ポイントは、7日間で「完成」ではなく「改善できる状態」にすることです。
作って終わりにしない:集客と改善(SEO・SNS・リピート)
無料ECサイトは、公開がゴールではありません。
伸びるショップは、次の順番で育てています。
- 商品ページの完成度を上げる
- SNSで初速を作る
- リピート導線を作る
- 計測して“勝ち筋”に寄せる
商品ページSEOの基本(タイトル/説明/内部構造/画像)
初心者がまずやるべきSEOは、難しいテクニックではなく 「ページが理解しやすい」状態にすることです。
- タイトル(ページタイトル)
- 型:商品名+特徴(誰向け/用途)+差別化要素
- 例:○○(商品名)|△△向け・□□が強み・送料無料
- 不自然な定型文の繰り返しは避ける(ページごとに固有に)
- 説明文(冒頭3行)
- 「誰の何を解決するか」を先に書く
- そのあとで特徴・仕様・注意点へ
- 見出しの使い方(ページ内構造)
- 特徴/仕様/使い方/FAQ/配送・返品 の順に置くと迷いが減る
- 画像
- alt(代替テキスト)は、画像の内容を具体的に(キーワード詰め込みは避ける)
- 画像は“購入不安を減らす目的”で増やすと効果が出やすい
✅最低限のゴール
- 商品ページだけ読めば「買うかどうか判断できる」状態になっている
ブログ・コンテンツで指名検索を増やす設計
「無料EC」は広告をかけにくい人も多いので、コンテンツが効きます。
狙いは“いきなり買う人”より、検討中の人を集めてファン化すること。
おすすめのコンテンツ例(初心者でも作りやすい)
- 使い方(How to):使用手順/お手入れ方法
- 比較(選び方):サイズの選び方/用途別の選び方
- 失敗回避:よくある失敗/注意点
- 事例:利用シーン/購入者の声(許可の範囲で)
💡コツ
- 「商品ページ」へ自然に誘導できるテーマだけ書く(雑談ブログ化しない)
SNS導線(Instagram等)と投稿テンプレ
SNSは、初心者の初速づくりに強いです。
やることはシンプルで、“投稿→商品ページ”の導線を固定します。
導線の基本
- プロフィール:ショップURL、主力商品の一言、配送/納期
- 固定投稿:はじめての人向け「おすすめ1品+買い方」
投稿テンプレ(そのまま使える型)📌
- 1枚目:悩み(例:○○で困っていませんか?)
- 2枚目:解決策(この商品でこう解決)
- 3枚目:特徴3つ(箇条書き)
- 4枚目:サイズ感・注意点
- 5枚目:購入導線(プロフィールのURLへ)
✅ポイント
- 投稿は増やすより「型」を固定して継続するほうが強いです
リピート施策(メルマガ/LINE/クーポン/同梱)
売上が安定するショップは、必ずリピート導線があります。
難しいことより、まずはこの3つでOKです。
- 同梱物(紙1枚で十分)
- お礼+使い方+次回の買い方(QR)
- クーポン
- 例:次回5%OFF(期限つき)
- フォロー導線
- Instagramフォロー、メルマガ/LINE登録(ルールの範囲で)
🎯狙い
- “次に買う理由”を用意する(消耗品・ギフト・色違い・セットなど)
計測→改善(CVR/離脱/検索クエリの見方)
改善は「勘」より「数字」です。初心者は指標を増やしすぎず、次の3つで十分回せます。
見る指標(最小セット)
- CVR:訪問→購入の割合(低いなら導線か不安要素が原因)
- 離脱ポイント:商品ページ/カート/決済のどこで落ちるか
- 検索クエリ(Search Console):何で探されているか
改善の当て方(よく効く順)
- 送料・納期・返品を目立たせる(不安解消)
- 写真を増やす(サイズ感・利用シーン)
- 説明文の冒頭3行を改善(誰向けか明確化)
- FAQを追加(問い合わせ削減+購入後悔の防止)
💡コツ
- 週1回、改善は1つだけにする(やりすぎると原因が分からなくなります)
よくある失敗と対策(落とし穴を先回り)
無料ECサイトは「始めること」よりも、「ムダなく検証して、勝ち筋に寄せること」が難しいです。
ここでは初心者がやりがちな失敗を、先回りで潰せる形でまとめます。
「無料で稼ぐ」より「無料で検証して勝ち筋に投資」が強い
よくある失敗はこれです。
- 「無料で作ったから、できるだけお金をかけずに完璧を目指す」
- デザインや機能を整えることに時間を使い、売れるかどうかの検証が遅れる
- どの施策が効いたのか分からない(やることを増やしすぎ)
無料ECの強みは、固定費を抑えて “試行回数”を増やせる こと。
稼ぐコツは「節約」より 検証の設計 です。
対策:最初に“勝ち筋が見えるまでの投資ルール”を決める
最初の1〜2週間は、次の順でやるとブレにくいです。
- ① 商品ページ(写真・説明・不安解消)に集中
- ② 集客は1本に絞る(例:Instagramだけ/モール内検索だけ)
- ③ 数字の見方を固定(最低限でOK)
- 訪問数(見られているか)
- 購入率(CVR)(買いにくくないか)
- 客単価(利益が出る設計か)
そして、投資判断は「感覚」ではなく、次の 3段階 にするとムダが減ります。
| フェーズ | 目標 | この段階で投資してOKなもの |
|---|---|---|
| 検証(〜月商5万円) | “売れる”を確認 | 写真改善、説明文改善、送料・納期表示、少額広告(必要なら) |
| 強化(月商5〜20万円) | 利益が残る形に寄せる | 手数料最適化(有料プラン含む)、セット販売、リピート導線 |
| 拡大(月商20万円〜) | 再現性を作る | 仕組み化(在庫・発送・顧客管理)、広告拡大、資産化(ドメイン/SEO) |
💡ポイント
無料でスタートする目的は、「無料で稼ぐ」ではなく「勝てる形を安く早く見つける」ことです。
独自ドメイン・移行・規約(撤退コスト)を後回しにする
伸び始めてから困るのがこのパターンです。
- サービスを乗り換えたいのに、URLや商品データの移行が大変
- 独自ドメインがない(または後から変更)で、名刺・SNS・被リンクが分断
- 規約の確認不足で、ある日いきなり停止・出金保留などのトラブル
無料ECは便利な反面、プラットフォームのルール変更や審査・規約の影響を受けます。
だからこそ、最初から「撤退コストを下げる設計」をしておくのが安全です。
対策:最初に“移行できる形”を作っておく
難しいことをやる必要はありません。初心者は次だけで十分です。
- 商品データのルールを決める
- SKU(管理番号)を統一(例:カテゴリ-型番-色-サイズ)
- 商品名・説明文の元データをスプレッドシート等で管理(コピペ元を残す)
- 画像を「自分の保管庫」に残す
- 元画像(高解像度)+加工後の画像をフォルダで整理
- 顧客接点を“外”にも持つ(規約の範囲で)
- 同梱物でSNSへ誘導、ブランド名を覚えてもらう導線を作る
- ※メール/LINEは各サービスの規約に従って運用
対策:独自ドメインは「最初から」か「勝ち筋が出たら」かを決める
独自ドメインは信頼性に効きますが、最初から必須ではありません。
おすすめは、次のどちらかに決め打ちです。
- A:最初から独自ドメイン(法人相手・高単価・リピート前提)
- B:勝ち筋が出たら独自ドメイン(検証優先の初心者に多い)
大事なのは「後で移す時に困らない」こと。
もしプラットフォーム移行をするなら、旧URL→新URLの恒久転送(301/308)や、Search Console の移転手順が重要になります。
WordPress/OSSでセキュリティ運用を軽視して痛手を負う
WordPress+WooCommerceやEC-CUBEなどで作る場合、特に多い落とし穴です。
- 更新を止める(本体・テーマ・プラグイン)→ 脆弱性が刺さる
- プラグインを入れすぎる → 互換トラブルや侵入口が増える
- 管理画面のパスワードが弱い/2段階認証なし
- バックアップがない(または復元できない)→ 事故が致命傷になる
ECは個人情報や決済が絡むため、一般ブログよりもリスクが高いです。
対策:初心者でも守れる“最低ライン”を固定する
以下を「運用ルール」にしてしまえば、事故確率が大きく下がります。
- 更新:月1回は必ず実施(可能なら自動更新+事前バックアップ)
- バックアップ:自動+復元テスト(ここがないと意味が薄い)
- 権限:管理者アカウントを増やしすぎない(最小権限)
- ログイン防御:2段階認証、ログイン試行制限、WAF(可能なら)
- プラグイン整理:使っていないものは削除(停止だけで放置しない)
- 監視:異常通知(ログイン・改ざん・エラー増加)を受け取る
対策:やりがちな“危険な節約”を避ける
次は節約に見えて、後で高くつくことが多いです。
- 無料テーマ・プラグインを「更新されていないのに使う」
- 不要な拡張を入れて複雑化する(機能の足し算が止まらない)
- バックアップを取らない/復元手順を試していない
💡判断のコツ
「セキュリティに自信がない」場合は、最初は ASP無料プラン(自社ショップ型)で検証し、
売れ筋や運用が固まってからWordPress/OSSに移るほうが安全です。
FAQ(よくある質問)
手数料が高くても無料プランを選ぶ価値はある?
あります。特に初心者は「手数料の安さ」より、検証スピード(売れるかどうか)の方が利益に直結しやすいからです。
価値が出やすいのは、次のどれかに当てはまるときです。
- まずは最短で開店して、売れるか確かめたい
- 開店・運用の手間を減らして、商品づくりや発信に時間を使いたい
- 少ない商品数でスタートし、勝ち筋が見えたら最適化したい
一方、手数料が高いまま放置すると利益が削れます。そこでおすすめは「無料=固定費ゼロ」を活かしつつ、切り替えの判断基準を最初に決めることです。
- 目安の考え方:
(無料と有料の手数料差 × 月商) > 有料プランの月額 になったら、切り替え検討
さらに初心者は、数字だけでなく“運用のラクさ”も入れると失敗が減ります。
| 判断軸 | 無料プラン継続が向く | 有料へ切り替えが向く |
|---|---|---|
| フェーズ | 検証(売れる型づくり) | 強化(利益最大化) |
| 月商 | 小さめ〜中くらい | 中くらい〜大きめ |
| やること | まず売る・改善 | コスト最適化・拡大 |
| 優先度 | 速さ・簡単さ | 手数料・機能・効率 |
結論:手数料が高くても、最初に“勝ち筋”を見つけるためのコストと割り切ると強いです。
ただし、売れ始めたら 「価格設計(送料含む)」「手数料」「客単価」 の3点をセットで見直すのが鉄板です。
独自ドメインはいつ導入するのがベスト?
ベストは1つではなく、目的で決めるのが正解です。おすすめは次の2パターン。
- 最初から導入が向くケース(信頼性を最優先)
- 法人取引が絡む、または高単価(購入前の不安が大きい)
- 名刺・チラシ・同梱物など「印刷物」にURLを載せる予定がある
- ブランド名で指名検索を増やしたい(長期で育てたい)
- 勝ち筋が見えたら導入が向くケース(検証を最優先)
- 商品や運用が固まっていない(まず売れるか確かめたい)
- 短期で商品改廃が多い
- まずは固定費を極限まで抑えたい
独自ドメイン導入で初心者がつまずきやすいポイントも押さえておきましょう。
- 反映に時間がかかることがある(DNSや申請の待ち時間)
- サービスごとに手順が違う(アプリ導入型、申請型など)
- 将来の引っ越しを想定して、ドメインは自分名義で取得して管理するのが安全
実務のコツ
- 「独自ドメインにしたい」より先に、まず ブランド名(表記ゆれ含む) を固める
- ドメイン導入後は、SNSプロフィールや同梱物などの表記をまとめて更新する(更新漏れ防止)
在庫が少なくても運用できる?
できます。むしろ初心者は、在庫を抱えすぎない方が安全なことも多いです。
ただし「売れたのに出せない」を防ぐために、在庫設計と表示を工夫してください。
在庫が少ないときの運用パターンは主に3つです。
- 限定販売(小ロットで販売→売り切れたら終了)
- メリット:在庫リスクが小さい
- 注意:買い逃しが出るので、再販予定の案内があると親切
- 受注生産(注文後に作る/仕入れる)
- メリット:在庫を持たずに回せる
- 注意:納期(引渡時期)を明確に表示し、遅延時の連絡フローを用意
- 予約販売(入荷日が決まっている)
- メリット:需要を見て仕入れできる
- 注意:キャンセル・返金ルールを明確に
初心者向けのチェックリスト(最低限)
- 在庫数は“安全側”で登録(実在庫より少し少なめ)
- 発送目安を商品ページ上部に明記(迷わせない)
- 売り切れ時の代替導線を用意
- 例:再入荷通知、別カラー、上位セットなど
個人と法人で注意点は変わる?
変わる部分もありますが、まず大前提として、個人・法人どちらでも通信販売としての表示義務(特商法)が関わります。
初心者がやるべきは「難しい法律理解」より、必要事項を漏れなく表示して、トラブルを防ぐことです。
特に見落としやすいのは以下です。
- 送料を含む費用の扱い(購入者が負担する金額の表示)
- 引渡時期(発送の目安)
- 返品・交換・キャンセル条件(いつまで/送料負担/返金方法)
- 事業者情報(氏名/名称、住所、電話番号 等)
法人の場合は、表示内容に追加要素が求められるケースがあるため、テンプレを貼るだけでなく、自社の運用に合わせて整えるのが安全です。
また、個人の場合でも
- 住所や連絡先の公開範囲
- 問い合わせ対応(返信体制)
が悩みどころになりやすいので、プラットフォームの機能や規約も踏まえつつ、必要表示を満たす形で整えましょう。
(不安が強い場合は、行政のガイドや専門家に確認するのが確実です)
将来乗り換えるなら、何を残しておくべき?
乗り換え(移行)で一番困るのは、「データが散らばっている」「再現できない」状態です。
最初から“引っ越せる設計”にしておくと、撤退コストが激減します。
最低限、次の5つは手元に残してください。
| 残すもの | 理由 | 具体例 |
|---|---|---|
| 商品マスター | 別サービスに再登録しやすい | 商品名、SKU、価格、原価、送料、説明文 |
| 画像の原本 | 再作成が最も重い | 元画像、加工後画像、サムネ用 |
| 注文・顧客データ | 会計・問い合わせ対応に必須 | 注文CSV、購入履歴、対応履歴 |
| ドメイン/URL設計 | SEO・信頼を引き継ぐ土台 | 独自ドメインは自分で管理 |
| 計測・集客の履歴 | 勝ち筋を再現できる | 流入元、人気商品、CVR、広告設定 |
さらに、独自ドメイン運用をしている場合は、移行時に検索評価を落としにくくするために
- 旧URL → 新URL の恒久的リダイレクト(301/308)
- Search Console の Change of Address(ドメイン移転ツール)(条件を満たす場合)
などが重要になります。
将来の移行を考えるなら、最初から「URLを安易に変えない」「商品URLのルールを固定する」だけでも効果が大きいです。
参考情報
料金/手数料はどこを見れば最新か(確認の手順)
無料ECサイトの「最新コスト」を外さないコツは、“公式の一次情報を、決まった順で確認する”ことです。
とくに手数料は、脚注や対象決済の違いでズレやすいので、手順化しておくと安全です。
手順0:前提を揃える(ここがズレると比較が壊れる)
まず、比較する前に次を固定します。
- どのプランか(無料/有料、月払い/年払い)
- 表示は税込か税抜か
- 対象の決済手段(カード、PayPay、Amazon Pay、あと払い等)
- 「自社ショップ」か「モール出店」か(費用の構造が違う)
手順1:公式の「料金・プラン」ページを見る
最初に見るべきは、各サービスの 料金・プラン(価格表)ページ です。
チェックポイント
- 月額(0円でも、条件付きの場合がある)
- 決済手数料の“最低値”だけでなく、対象決済ごとの料率
- 重要な脚注(例:特定の決済は+α、アプリ経由の注文は別計算、など)
- 可能なら「更新日」「注釈」もメモ
手順2:公式の「決済手数料」ページで“対象外”を潰す
料金ページの手数料は「カード決済」が基準で書かれがちです。
そのため、別ページで以下を確認します。
- 対面決済とオンライン決済で料率が違わないか
- 特定決済(PayPal、Amazon Pay、あと払い等)の例外料率
- 3Dセキュア等の不正対策に関する条件(ある場合)
手順3:公式の「入金・振込」ページで“実費”を確認する
初心者が見落としがちなのがここです。
- 入金サイクル(締め日/入金日)
- 振込手数料(回数課金か、無料か)
- 早期入金(使うと何が増えるか)
「月額0円」でも、振込のたびに手数料が出ると、回数が増えた時に地味に効きます。
手順4:オプション・アプリ費用を確認する(無料の落とし穴)
無料プランでも「やりたいこと」が増えると、実質コストが出やすいです。
- 独自ドメイン
- 予約販売、定期購入、会員ランク、レビュー強化
- 広告タグ設置、分析、CRM(メルマガ等)
見る場所
- 公式の「拡張機能」「アプリ」「オプション」一覧
手順5:モール系は「必須原資」を必ず確認する
モールは、月額やロイヤリティが無料でも、実質的に“必須の原資”があることがあります。
- ストアポイントの原資負担(必須か任意か、下限はいくつか)
- キャンペーン原資(常時発生するのか)
- 決済サービスの個別手数料(別途になることがある)
手順6:改定履歴・お知らせをチェックする(最新性の担保)
最後に、公式の「お知らせ」「プレスリリース」「改定案内」を見て、数字の変更がないか確認します。
- 料金改定(いつから、どこが変わったか)
- 新プラン追加・旧プランの受付停止
手順7:比較表を作るなら“確認日”を残す
比較表を公開(または自分用に保存)するなら、これだけは残すと信頼性が上がります。
- 確認日(例:2026年1月14日)
- 参照した公式ページ(料金、決済、入金、モール原資)
- 前提(どの決済、税込/税抜)
まとめ
無料ECサイトは、うまく使えば固定費を抑えながら最短で販売テストができる、初心者にとって非常に強い選択肢です。
ただし“無料”は多くの場合、月額などの固定費が0円という意味で、運営コストまで完全に0円になるわけではありません。
この記事で押さえたポイントを、最後に要点だけ整理します。
- 無料でECを始める方法は、大きく 4つ
- 自社ショップ型(ASP/ECカートの無料プラン)
- 集客を借りる型(モール/マーケット出店)
- 資産化重視(WordPress+ECプラグイン)
- 本格構築(OSS/パッケージ)
- 「本当にかかる費用」は、固定費よりも 変動費と実費 が鍵
- 決済手数料・販売手数料・振込手数料
- ポイント/キャンペーン原資(モール系で要注意)
- 送料・梱包資材・外注費(運用の実費)
- 失敗を減らす選び方は、目的を先に決めること
- まず売って検証したい → モール/マーケットも有力
- ブランドを育てたい・運用を簡単にしたい → 自社ショップ型
- SEOで資産化したい → WordPress型(ただし運用責任も増える)
- 長期的に困らないために、最初から意識したいのは 撤退コスト
- 独自ドメインのタイミング
- 規約・停止リスク
- データ移行性(商品データ・画像・注文情報を残す)
結論としては、初心者の最適解は「無料で我慢して稼ぐ」ではなく、
無料で素早く検証し、勝ち筋が見えたら手数料最適化や独自ドメイン導入などに投資して利益を最大化することです。
まずは、あなたの目的に合う方法を1つ選び、主力商品を1〜3個に絞って公開してみてください。
そこから「売れる条件(価格・写真・説明・導線)」が見えた瞬間に、次の一手(有料移行・集客強化・資産化)を打てるようになります。
