EC-CUBEに強いレンタルサーバーの選び方|おすすめ徹底比較
EC-CUBEでネットショップを作ろうと思ったとき、意外と最初につまずくのが「レンタルサーバー選び」です。
同じ“EC-CUBE対応”と書かれていても、実際には 表示速度・安定性・運用のしやすさに大きな差が出ます。
たとえば、こんな悩みはありませんか?
「EC-CUBEが動くサーバーって結局どれ? 公式掲載の見方が分からない…」
「PHPやDBの要件がややこしい。契約してから“動かない”は避けたい」
「最初は小規模でいいけど、アクセスが増えたら遅くなるのが怖い」
「バックアップはあるって書いてあるけど、復元が簡単なのか不安」
「注文メールが届かない・管理画面が重い・500エラー…って聞くと心配」
「将来VPSやクラウドへ移るかもしれない。最初から移行しやすい選び方は?」
ECサイトは、ブログや企業サイトと違って 止まる=売上に直結します。
だからこそ、月額の安さだけで決めてしまうと、後から「もっと早く選び直せばよかった…」となりがちです。
この記事では、EC-CUBE 4系の動作要件(PHP/DB/必須拡張)を押さえたうえで、レンタルサーバー選びで失敗しないための比較軸を整理し、主要候補を横並びで検討できるようにまとめました。
- 目的別(早く立ち上げたい/低コスト/速度優先/法人・セキュリティ重視/運用を手放したい)に“選び方”が分かる
- 「対応している」と「快適に運用できる」の違いが分かる
- 導入手順、運用・セキュリティ、移転の考え方まで一気通貫で理解できる
「EC-CUBEで“長く売れるショップ”を作りたい」人が、最初のサーバー選びで遠回りしないためのガイドとして、ぜひ活用してください。
まず結論:目的別のおすすめパターン(早見)
はじめに、EC-CUBE(ダウンロード版)で迷いやすいのは 「どこまで自分で運用するか」 です。
同じ“レンタルサーバー”でも、共用サーバーで自力運用するのか、EC特化で運用を手放すのかで、コスト感・難易度が大きく変わります。
早見表(ざっくり)
| 目的 | まず候補に入れるサービス例 | 月額の目安 | 向き・不向き |
|---|---|---|---|
| 早く立ち上げたい | ConoHa WING / ロリポップ! | 中〜 | 導入が楽。サーバー設定に時間をかけたくない人向け |
| 低予算で始めたい | さくらのレンタルサーバ / シンレンタルサーバー | 低〜 | まずは小さく検証したい人向け(要・最低限の技術) |
| 速度・安定性を優先 | エックスサーバー / mixhost | 中〜 | 集客が伸びても崩れにくい土台を作りたい人向け |
| 法人・セキュリティ重視 | CPI(法人向け) | 高め | 体制・サポート・運用品質を優先する企業向け |
| 運用を手放したい | ec-cube.co / XServerショップ | 低〜高 | “サーバー運用”より“売ること”に集中したい人向け |
とにかく早く立ち上げたい(自動インストール・手間少なめ)
結論:導入の「迷い」と「作業量」を減らしたいなら、セットアップが強いサービスを選ぶのが近道です。
おすすめ候補(例)
- ConoHa WING(WINGパック):プラン選びが分かりやすく、必要機能が揃いがち
- ロリポップ!(ハイスピード等):初心者でも管理画面が触りやすいタイプ
このパターンが向く人
- まずは公開して、商品登録やデザイン調整に時間を使いたい
- サーバー用語(PHP、DB、SSLなど)で手が止まりたくない
- 初期の売上より、立ち上げスピードを優先したい
最低限ここだけチェック(失敗しにくいポイント)
- EC-CUBEが要求するPHP/DBのバージョンに対応しているか(※EC-CUBEのバージョンで条件が変わります)
- 無料SSLが簡単に設定できるか(ECは必須)
- バックアップが自動で取れるか/復元しやすいか
- 将来の移転を見据えて、DBのエクスポートがやりやすいか
料金感のイメージ(目安)
- ConoHa WING:WINGパックの月額表示あり(契約期間・キャンペーンで変動)
- ロリポップ!:ハイスピードは月額表示あり(契約期間で変動)
ロリポップ!公式サイト


小規模から始めてコストを抑えたい(低予算・必要十分)
結論:初期は“最低限の要件を満たしつつ、無理に盛らない”がコスパ最強です。
ただしECは「遅い=売上機会損失」になりやすいので、安さだけで決めないのがコツです。
おすすめ候補(例)
- さくらのレンタルサーバ(スタンダード等):低価格帯から始めやすい
- シンレンタルサーバー:キャンペーンを含めると低予算で組みやすいことがある
このパターンが向く人
- 商品点数が少ない、まずは試験運用(テスト販売)をしたい
- 広告費をかけず、SEOやSNSでじわじわ育てる想定
- 将来の増強(プラン変更・移転)も前提で考えられる
コスト重視でも削らない方がいいところ
- バックアップの取りやすさ(復元含む)
- WAFなどの防御機能(ECは攻撃対象になりやすい)
- 画像が増えるので、ディスク容量に余裕があるか
- 管理画面・サポートが自分に合うか(詰むと結局高くつきます)
注意点(初心者がつまずきやすい)
- EC-CUBEは「動けばOK」ではなく、更新・保守が現実に必要です。
低予算運用ほど、アップデート作業の時間コストも見込んでおくと安全です。
シンレンタルサーバー公式サイト


速度と安定性を優先したい(アクセス増にも耐える)
結論:ECで“速さ”は体感品質=売上に直結しやすいので、伸びる前提なら先に土台へ投資するのが合理的です。
おすすめ候補(例)
- エックスサーバー:安定運用・バックアップ・サポートのバランスで選びやすい
- mixhost:プランの幅が広く、伸びた後も拡張しやすいタイプ
このパターンが向く人
- SEOや広告でアクセス増を狙う(セール時にアクセスが跳ねる)
- 商品点数が多い/画像が多い/検索や絞り込みが重い想定
- 「遅いから乗り換え」を避けたい
“速いサーバー”を選んでも、差が出るポイント
- 画像最適化、キャッシュ設計、不要プラグインの整理など
- DBが肥大化しやすいので、運用ルール(ログ・不要データの扱い)も重要
- 決済・配送など外部連携が増えるほど、障害時の切り分け力が必要
判断の目安(初心者向け)
- 「まず安く」よりも、「運用が忙しくなる未来」が見えるならこちら
- 迷ったら、最初から中堅以上の定番どころを選ぶのが安全です
mixhost 公式サイト


法人・セキュリティ重視で選びたい(サポート/体制優先)
結論:社内稟議・監査・顧客情報の扱いを考えると、“安さ”より“安心して運用できる体制”が価値になります。
おすすめ候補(例)
- CPI(法人向け):法人向けの料金設計・オプション体系で、運用体制を組みやすい
このパターンが向く人
- 企業サイトとしてECを運用(担当が交代しても回る必要がある)
- セキュリティ要件がある(ログ管理、証明書、改ざん対策など)
- トラブル時に「誰がどこまで対応するか」を明確にしたい
選定のチェックリスト(法人向け)
- サポート窓口の範囲(メールだけか、電話/365日対応はあるか)
- セキュリティ関連のオプション(証明書、改ざん検知、バックアップ等)
- 障害時の告知・復旧フローが分かりやすいか
- EC-CUBEの保守(アップデート・脆弱性対応)を社内で担うのか外注するのかを先に決める

インフラ運用を手放したい(クラウド/EC特化サービス)
結論:サーバー運用より“販売・運営”に集中したいなら、EC向けに設計されたサービスが最短です。
「EC-CUBEを使いたい」が目的でも、“自分でサーバーを見る前提”が必須ではありません。
おすすめ候補(例)
- ec-cube.co(クラウド版):売上規模に応じた料金体系。カスタマイズ前提の運用にも向く
- XServerショップ(EC-CUBEベース):販売手数料がかからない定額型を打ち出しているタイプ
このパターンが向く人
- サーバー移転、障害対応、保守に時間を使いたくない
- 制作会社と連携し、継続的に改善していく想定
- EC運営(集客・商品・CRM)に集中したい
選ぶときの考え方(失敗しにくい)
- カスタマイズ要件があるか(テンプレ改修、独自機能、外部連携など)
- 売上が伸びたときの費用の増え方(固定費/従量課金/売上連動)
- 決済まわり(手数料、使える決済手段、審査)を事前に確認
注意点
- 便利な反面、「サーバーを自由に触れる」タイプの運用とは発想が変わります。
将来の移行も考えるなら、データの持ち出し(商品/顧客/受注/DB)の考え方だけは早めに押さえておくと安心です。

EC-CUBEの基礎:どの提供形態を選ぶべきか
EC-CUBEは「同じソフト」でも、どこに置いて・誰が面倒を見るかで難易度とコストが大きく変わります。
初心者の方はまず、次の3択で考えると迷いが減ります。
| 選び方 | 初期コスト | 月額コスト | 自由度 | 運用の手間 | こんな人向き |
|---|---|---|---|---|---|
| ダウンロード版(自分で設置) | 低〜 | 低〜 | 高い | 多い | 予算優先・カスタマイズしたい |
| クラウド版(運用負荷を軽く) | 中〜 | 中〜高 | 高め(条件あり) | 少ない | 保守を外出ししたい・成長前提 |
| EC運用特化サービス(EC-CUBEベース) | 低〜中 | 低〜中 | 中 | 少ない | 早く売りたい・サーバーを触りたくない |
迷ったときの目安はこれです。
- 「まず公開して運営に慣れたい」 → 運用特化サービス / クラウド寄り
- 「予算を抑えつつ、将来は自由に育てたい」 → ダウンロード版
- 「保守・セキュリティに自信がない」 → クラウド / 運用特化サービス
自分でサーバーに設置する(ダウンロード版)
ダウンロード版は、EC-CUBEを自社サーバーやレンタルサーバーにインストールして使う方式です。
ソフト自体はオープンソースとして提供され、自分で自由に改変できるのが最大の魅力です。
何が「自分ごと」になるか(初心者がつまずきやすい点)
ダウンロード版は、EC-CUBEの導入だけでなく、次の運用も基本的に自分で担います。
- アップデート(本体・プラグイン・依存ライブラリ)
- セキュリティ対策(管理画面保護、WAF、権限、脆弱性対応)
- バックアップ(取得だけでなく“復元テスト”まで)
- 障害対応(表示崩れ、500エラー、メール不達などの切り分け)
ここが不安なら、最初から「運用負荷が軽い選択肢」を選ぶのが安全です。
サーバー側で必ず満たす条件(ここだけ覚えればOK)
EC-CUBEはバージョンで要件が変わるため、「使うEC-CUBEのバージョン」→「対応PHP/DB」の順で決めます。
例:EC-CUBE 4.3系の要件(代表例)
- Webサーバー:Apache 2.4(必須モジュールあり)
- PHP:8.1〜8.3
- DB:MySQL 8.0〜8.4 または PostgreSQL 12〜16(要件あり)
さらに、PDO系・OpenSSL・zip・intl・GDなど、必要なPHP拡張も揃っている必要があります。
費用の考え方(「無料」=「タダで運用できる」ではない)
本体は無料でも、現実のコストは主にここで発生します。
- サーバー代(毎月)
- ドメイン代(年額)
- 決済手数料(決済会社との契約次第)
- 有料プラグイン・テーマ(必要なら)
- 外注費(保守、開発、デザイン)
コストを抑えるコツ
- 最初は「必要最小限のプラグイン」で運用し、後から足す
- “安いサーバー”より、バックアップ復元が簡単な環境を優先する(復旧が早いほど損失が小さい)
ダウンロード版が向いている人
- 月額を抑えたい
- デザインや機能を独自に作り込みたい
- データやソースを「自分の資産」として管理したい
- 将来的にVPS/クラウドへ移行する可能性がある
運用負荷を減らす(クラウド版)
クラウド版(ec-cube.co)は、ざっくり言うと「EC-CUBEを運用しやすい形で提供してくれる」方式です。
ダウンロード版で自分が抱えがちな、メンテナンス・セキュリティ・サーバ保守の負担を軽くしやすいのが特徴です。
どう楽になるのか
クラウド側で用意されている機能例として、次のようなものがあります。
- SSLの標準提供
- 独自ドメイン対応(初期はサブドメイン提供)
- ステージング環境
- Git管理や編集履歴、エラーログ取得など(運用で効くポイント)
「サイトを伸ばす」より前に、“止めない・壊さない”の土台を取りに行くイメージです。
料金イメージ(初心者向けにポイントだけ)
クラウド版は、固定費+条件に応じた月額という考え方になります。
代表的なStandardプランでは、初期費用と月額レンジが公式に示されています(税抜表示・決済手数料は別契約)。
- 初期費用:70,000円
- 月額:49,800円〜84,800円(販売額条件による記載あり)
※ここは契約前に「自社の売上見込み」と「月額の増え方」を必ず照らし合わせるのが大事です。
クラウド版が向いている人
- セキュリティ・保守に自信がなく、運用を安定させたい
- 社内に専任エンジニアがいない(もしくはコア業務に集中させたい)
- 将来的にカスタマイズしつつ、運用の仕組みも整えたい
- ダウンロード版からの移行も視野に入れている
注意点(先に知っておくと失敗しにくい)
- サーバーを“自由に触る”前提ではないため、やりたいことの実現手段を確認する
- 既存システム連携がある場合は、ログ取得・検証環境の有無が重要
- 「クラウドに任せる範囲」と「自社が責任を持つ範囲」を言語化しておく
EC-CUBEベースの“ショップ運用特化”サービスという選択肢
これは「EC-CUBEを土台にしつつ、ネットショップ運営に寄せた形で提供されるサービス」です。
レンタルサーバーに自分で入れるより、ショップ運営のスタートが楽になりやすいのが特徴です。
どんなメリットがある?
代表例として、XServerショップは「販売手数料0円」や「月額固定」などを打ち出しています。
こうしたタイプは、次のような方針の人と相性が良いです。
- まずは売り始めたい(構築に時間をかけすぎたくない)
- サーバー設定・保守の作業を減らしたい
- 月額コストを把握しやすい形がいい
ここは必ず確認(“楽そう”で飛びつく前のチェック)
運用特化サービスは便利な反面、サービスごとに設計思想が違います。契約前に次を確認すると安心です。
- データの持ち出し:商品・顧客・受注データをどこまで移行できるか
- プラグイン/カスタマイズの自由度:どこまで触れるか、制限はあるか
- 決済の選択肢:使える決済手段、手数料、入金サイクル
- トラブル時の責任分界点:サーバー側/アプリ側/外部決済側の切り分け
- 将来、ダウンロード版や別基盤に移る場合の移行難易度
運用特化サービスが向いている人
- 技術よりも、まず 商品・集客・運営に集中したい
- 最初の立ち上げで挫折したくない
- “作ること”より“回すこと”を優先したい
公式情報で押さえる:EC-CUBE 4系の動作要件と必須コンポーネント
EC-CUBEは「レンタルサーバーなら何でもOK」ではなく、バージョンごとに必要なPHP/DBが変わるのが特徴です。
まずは 「使うEC-CUBEの系統(4.3 / 4.2 / 4.0・4.1)」を決める → そのうえでサーバー側の条件を照合すると、失敗が激減します。
バージョン別の対応PHP/DB(4.3・4.2・4.0/4.1)
公式ドキュメントの要件を、初心者向けに「選ぶときの観点」が分かる形で整理します。
| EC-CUBE系統 | PHP | DB(本番向け) | DB(開発向け) | サーバー側で注意しやすい点 |
|---|---|---|---|---|
| 4.3 | 8.1〜8.3 | MySQL 8.0〜8.4 / PostgreSQL 12〜16 | SQLite 3.x | 共有サーバーだと「PHP 8.2/8.3が選べない」ケースがある |
| 4.2 | 7.4〜8.1 | MySQL 5.7 または 8.0 / PostgreSQL 10〜14 | SQLite 3.x | PHP 8.1まで。4.3へ上げるとPHP要件が上がる |
| 4.0 / 4.1 | 7.3〜7.4(※) | MySQL 5.7.x / PostgreSQL 9.6〜14(※) | SQLite 3.x | “古い前提”が多く、セキュリティ面で要注意 |
※4.0はさらに細かい差があり、初期の一部は PHP 7.1〜 を前提とする版があります(公式注記あり)。
またMySQLは InnoDB必須、PostgreSQLは pg_settings 参照権限が必須 といった条件もあるため、特に共有サーバーでは「契約前確認」が重要です。
初心者が迷いやすいポイント
- SQLiteは“開発用途向け”なので、基本は本番に使わないのが安全です(性能・運用・障害対応の観点)。
- 公式の要件表は MySQL / PostgreSQL を前提にしています。レンタルサーバー側が「MySQL互換DB」を提供している場合は、公式対応として明記されているかを事前に確認すると安心です。
- PostgreSQL運用は、共有環境だと「権限が足りない」問題が起きることがあるので、初心者はまず MySQL寄りで考えると詰まりにくいです。
必須PHP拡張・推奨拡張(キャッシュ系など)
EC-CUBEは「PHPが動く」だけでは足りず、必要な拡張(モジュール)が揃っていないとインストールや運用で止まります。
公式が提示している“必須/推奨”を、用途でまとめると理解しやすいです。
必須(ないと動かない・導入で詰みやすい)
- DBドライバ系
- mysqli / pgsql(使うDBに合わせる)
- pdo_mysql / pdo_pgsql / pdo_sqlite(使うDBに合わせる)
- pdo
- 文字・データ処理系
- mbstring(日本語含む文字処理)
- intl(多言語・フォーマット周りで効く)
- json / xml / libxml(データの読み書き)
- セキュリティ・通信系
- OpenSSL(暗号化・外部連携で必須級)
- cURL(外部API通信)
- ファイル・圧縮・画像系
- zip / zlib(パッケージ系で必要になる場面が多い)
- fileinfo(ファイル判定)
- GD(画像処理)
- 実行基盤系
- session / ctype / phar など
さらに Sodium は、4.2系で特定プラグインを使う場合に必要になる、と公式注記があります。
「最初は使わないから不要」と決めつけず、将来入れそうな機能(API連携など)があるなら最初から入っている環境を選ぶのが安全です。
推奨(入れると体感が変わる・運用が安定しやすい)
- Zend OPcache:PHP実行を高速化。ECでは“基本入っていてほしい”枠
- APCu / WinCache:環境により有効(キャッシュで効く場面あり)
- hash:多くの処理で利用される基盤機能
レンタルサーバー選びでの“現実的な確認方法”
初心者が一番ラクなのは、次の順番です。
- サービス公式の「PHPバージョン選択」と「モジュール一覧」を確認
- 不明ならサポートに質問(テンプレ例)
- 「EC-CUBE 4.3を想定。PHP 8.1〜8.3、MySQL 8.0以上、OPcache、intl、GD、zip、Sodiumは利用可能ですか?」
- 契約後に最終確認(
phpinfo()やphp -mなど)
推奨スペックの考え方(CPU/メモリ/ストレージ/転送量)
ここは公式が「このCPU/メモリが必須」と厳密に数値指定している項目ではないため、“失敗しない考え方”としてまとめます。
ポイントは、ECの負荷は「アクセス数」だけで決まらないことです。
負荷を押し上げる主な要因
- 同時アクセス(セール・広告・SNS拡散)
- 商品点数・画像点数(高解像度が多いと転送量も増える)
- 絞り込み検索・並び替え(DB負荷が増えやすい)
- プラグインの追加(処理が増えがち)
- 外部連携(決済・配送・在庫・MA)とバッチ処理(Cron)
- 管理画面での重い操作(CSV一括登録など)
ざっくり目安(初心者向けの現実ライン)
※あくまで「見積もりの起点」です。最終的にはアクセスと機能要件で上下します。
| 想定規模 | CPU | メモリ | ストレージ | 転送量の考え方 |
|---|---|---|---|---|
| 小規模(検証〜小さく販売) | 1〜2コア相当 | 2〜4GB | SSD 50GB〜 | 画像最適化で抑える |
| 中規模(商品点数増・広告運用) | 2〜4コア相当 | 4〜8GB | SSD 100GB〜 | CDN検討で体感改善 |
| 大きめ(セール・同時アクセス前提) | 4コア以上 | 8〜16GB | SSD 200GB〜 | CDN+キャッシュ設計必須級 |
“スペックより先に見るべき”現場ポイント
- バックアップの世代数と復元のしやすさ(壊れたときの復旧速度が命)
- 上位プランへ上げやすいか(止めずに伸ばせるか)
- DBの性能(ECはDBボトルネックになりやすい)
- 画像が増えるので、ストレージは「本体+画像+ログ+バックアップ」で余裕を持つ
古いバージョン運用の注意点(更新・脆弱性・移行判断)
ECサイトは個人ブログよりも狙われやすく、「古いまま動かす」こと自体がリスクになりがちです。
初心者ほど、次の考え方で運用すると安全です。
まず押さえるべき基本
- “最新版=最強”ではなくても、「脆弱性対応版」は必須
放置すると、改ざん・情報漏えい・決済悪用のリスクが上がります。 - 公式は脆弱性情報を公開しているため、自分の利用バージョンが影響範囲かを定期的に確認するのが現実的です。
4.0〜4.1系を使い続けるなら、特に注意
- 公式ドキュメント側でも、4.0系の特定範囲について注意喚起があります。
- さらに公式の脆弱性リストでは、過去に高危険度の情報公開があるため、古い版を固定して運用するのは避けたいところです。
移行判断の目安(初心者向け)
- 次のどれかに当てはまるなら、“現状維持”より移行計画を優先すると安全です。
- PHPの要件が古く、サーバー側が更新できない
- プラグインが更新停止で、脆弱性リスクが読めない
- 決済・配送など外部連携が増えてきた
- アクセス増で速度問題が出始めた
4.2 → 4.3で意識したいこと
- 4.3は PHP要件が8.1〜8.3 となるため、サーバー側で対応できないと移行できません。
- また、PHPの非推奨警告が“エラー化”して止まるケースがあり得るので、移行時は 検証環境(ステージング) を用意するのが鉄板です。
失敗しないサーバー選定チェックリスト(比較軸の整理)
EC-CUBEのサーバー選びは、「いま動くか」だけでなく “運用し続けられるか” が重要です。
特に初心者の方は、比較の軸を固定しておくと迷いが減り、後戻り(移転・作り直し)も防げます。
まずは全体像として、次の考え方でチェックすると失敗しにくいです。
- 最低条件:EC-CUBEのバージョン要件(PHP/DB/拡張)を満たす
- 運用条件:バックアップ、障害対応、セキュリティ、更新のしやすさ
- 成長条件:アクセス増や機能追加に耐え、移転もしやすい
処理性能:CPU性能・同居ユーザー影響・ディスクI/O
ECサイトの体感速度は、売上に直結しやすいです。
ここで見るべきは「カタログスペック」よりも、混雑時に遅くならないかです。
チェックポイント
- CPU(処理能力)
- vCPU数や上位プランの伸びしろ
- 同時アクセス時に処理落ちしにくい設計か
- 同居ユーザーの影響(共用サーバーの癖)
- 近隣ユーザーの負荷で遅くなる“当たり外れ”が出やすい
- リソース制限(同時接続数、プロセス数、実行時間)の上限が明記されているか
- ディスクI/O(DBと画像で効く)
- SSD / NVMe などストレージ種別
- 「DBが重い」「管理画面のCSVが遅い」などのボトルネックになりやすい
初心者向けの判断基準
- 最初から完璧に見抜くのは難しいので、“遅くなったときの逃げ道” を用意するのが現実的です。
- 上位プランへすぐ切り替えできる
- キャッシュ/CDNなどを後付けできる
- DBのバックアップ・移行が容易(後述)
事前に確認する質問例(そのまま使えます)
- 「共用環境で、CPU/メモリ/同時プロセスの制限値は公開されていますか?」
- 「アクセス急増時に制限が発動すると、具体的にどうなりますか(503になる/遅くなる等)?」
データベース:MySQL/PostgreSQLの性能・バックアップ/復元
EC-CUBEはDB依存が強く、DBが弱いと全部が遅く見えることがあります。
さらに本当に重要なのは、障害時に “戻せるか” です。
チェックポイント
- DBの種類と扱いやすさ
- MySQL / PostgreSQL の提供状況
- 共有サーバーでの権限や制限(作れるDB数、容量上限など)
- バックアップ
- 自動バックアップの有無(毎日/手動など)
- 世代数(何日前まで戻れるか)
- 取得対象(DBだけ/ファイルも含む/両方)
- 復元(ここが最重要)
- 管理画面から復元できるか
- どの範囲を復元できるか(DBのみ/全体)
- 復元にかかる時間の目安(大容量だと差が出ます)
初心者がやりがちな失敗
- 「バックアップあるから安心」と思っていたら、復元が難しい/遅い/追加料金だった
- DBだけ戻しても、画像や設定ファイルが戻らず サイトが壊れたまま になる
かんたん運用ルール(最低限)
- DBバックアップ+ファイルバックアップをセットで考える
- 月1回でもいいので、テスト環境で 復元の手順を一度だけ 実施して手順書を残す
- これだけで「詰み」を避けやすくなります
セキュリティ:WAF/SSL/権限管理/監視/ログ
ECサイトは、ブログより攻撃対象になりやすいです。
初心者ほど「自分が狙われるはずがない」と思いがちですが、実際は 自動スキャン が普通に来ます。
チェックポイント
- WAF
- 提供の有無(標準かオプションか)
- ルール更新が自動か
- 誤検知したときの除外設定ができるか
- SSL(HTTPS)
- 無料SSLの提供(Let’s Encryptなど)
- 証明書更新が自動か(更新ミスでサイト停止しないか)
- 権限管理
- FTPを使う場合は「ユーザー分け」できるか
- できれば SSH + 公開鍵 を使える環境が安心
- 監視・ログ
- アクセスログ/エラーログを確認できるか
- ログの保持期間(短すぎると原因追跡が難しい)
- 不正アクセス検知や通知があるか
初心者向けの最低ライン
- 無料SSL + WAF + 自動バックアップ が揃うと、事故が減ります
- EC-CUBE側の更新(本体/プラグイン)と合わせて、サーバー側の防御も二段構えにするのが基本です
運用機能:SSH・Cron・ステージング・Git・自動更新のしやすさ
EC-CUBE運用で「あとから必要になる機能」がここに集まっています。
最初は不要でも、売上や連携が増えると 急に必須 になります。
チェックポイント
- SSH
- Composer運用やログ調査で役立つ
- 権限・接続方式(鍵認証)を確認
- Cron(定期実行)
- バッチ処理、メール送信、在庫連携、データ整理などで必要になりがち
- 実行間隔、同時実行の制限を確認
- ステージング(検証環境)
- 本番を止めずに検証できるか
- 「本番コピー」「限定公開」が用意されているか
- Git
- チーム開発、外注、復旧が一気に楽になります
- 使えなくてもよいが、使えると強い
- 更新のしやすさ
- PHPバージョン切替が管理画面でできるか
- 依存ライブラリ更新の自由度(共有だと制約あり)
初心者向けのおすすめ方針
- 最初から完璧に揃えるより、「検証環境を作れるか」 を優先すると事故が減ります
- 外注を混ぜる可能性があるなら、Gitかステージングのどちらかは欲しいです
サポート:問い合わせ導線、障害時の対応、情報公開の透明性
ECは「止まる=売れない」なので、困ったときに頼れる導線は重要です。
サポートは“気持ち”ではなく、仕組みとして確認します。
チェックポイント
- 問い合わせ手段
- メールのみ/チャットあり/電話あり
- 対応時間(平日だけか、夜間休日もあるか)
- 障害時の対応
- 障害情報の告知があるか(ステータスページ等)
- 復旧見込み・原因の共有があるか
- 透明性
- 仕様、制限、停止条件が明記されているか
- 料金変更や仕様変更の告知が丁寧か
初心者に効く見極め方
- 「困ったら聞ける」より、「困らない設計になっているか」が大事です
- 例:バックアップ復元が簡単、ログが見られる、WAF/SSLが標準、など
費用:月額だけでなく“伸びた後の総コスト”で見る
月額の安さだけで決めると、成長時に「結局高くつく」ことがあります。
ECは特に、売上が伸びるほど運用コストも増えやすいです。
総コストに入れるべき項目
- サーバー月額(上位プランに上げたときの価格)
- ドメイン(年額)
- バックアップ(復元に追加料金がある場合も)
- WAFやCDN(必要になったときの追加費用)
- 有料プラグイン・テーマ
- 保守費(外注するなら月額固定になりやすい)
- 移転費(最悪ケース:移転作業で数万円〜)
初心者向けのコツ
- まずは「売上ゼロでも回る固定費」を決める
- そのうえで、成長時に どのタイミングで上位プランへ上げるか を先に決める
- 例:管理画面が重い/決済失敗が増える/セールで落ちた、など
拡張性:上位プラン移行、VPS/クラウドへ移る前提の設計
最初はレンタルサーバーで十分でも、いずれ負荷や要件で限界が来ることがあります。
だからこそ、最初から「移る前提」で設計するとラクです。
チェックポイント
- 上位プランへの移行
- 移行がワンクリックか、作業が必要か
- 料金差が急に跳ねないか
- VPS/クラウドへ移行しやすいか
- DBのエクスポートが簡単か(mysqldump等)
- ファイル容量が大きくなっても移行できる導線があるか
- DNS切替やメール設定の自由度があるか
- 移行しやすい運用設計(自衛策)
- 画像やCSVなど重いファイルは整理ルールを作る
- 設定値はメモ化(環境差分で詰まない)
- 外注やチーム作業のために、手順書を残す
初心者向けの結論
- いまの最適解より、「次の段階へ進める作り」 を優先すると後悔が減ります
- 特に「DB復元」「検証環境」「ログ確認」の3つができると、成長がスムーズです
公式掲載「EC-CUBEが使えるサーバー」情報の読み方(E-E-A-T強化ポイント)
公式の「EC-CUBEが使えるレンタルサーバ」ページは、初心者にとって “候補を絞る地図” としてとても有用です。
ただし、公式掲載=どの環境でも快適・トラブルなし、という意味ではありません。
ここでは、公式ページを「安全に」「判断ミスなく」読み解くコツを整理します。
公式が案内する区分:オフィシャルパートナー/動作検証済み/利用実績
公式ページには、性質が異なる掲載枠が存在します。まずは“信用度の階段”として理解すると迷いません。
1) オフィシャルパートナー
特徴は 「契約すれば最初から使える」 と説明されている点です。
初心者に嬉しいのは、以下がセットになりやすいこと。
- 自動インストールや、導入を簡単にする導線がある
- SSLやバックアップなど、運用に必要な機能が案内されている
- 公式ページ上でプランの目安が書かれていることがある(ただし価格は変動し得る)
読み方のコツ:
- 公式掲載の料金は“入口の目安”。最終判断は提供元の最新ページで確認する
- 「2系〜4系対応」「2系対応」など、どの世代まで想定されているかもチェックする
2) 動作検証済みレンタルサーバ
公式ページに 「EC-CUBE開発チームがインストール・動作検証を行った」 という説明がある枠です。
“検証済み”という言葉の価値は大きいですが、次の点を押さえるとさらに安全です。
- 検証は「ある時点・ある条件」での確認になりやすい
- 具体的なプラン差・制限(SSHやCronなど)は 各社へ問い合わせが推奨されている
読み方のコツ:
- 「検証済み」=最低限の動作の安心材料
- ただし あなたの運用(プラグイン・決済・連携・アクセス規模) まで保証するものではない
3) EC-CUBE使用レンタルサーバ(利用実績の申告)
公式ページに 「利用できると連絡を受けているが、開発チームでの動作検証は行っていない」 旨が明記されている枠です。
ここは“候補には入るが、最終確認が必須”のゾーン。
読み方のコツ:
- 公式に載っているから大丈夫ではなく、むしろ
「どのバージョンで」「どの条件で」動くのかを自分で詰める必要がある - 事前に「PHP/DB」「必須拡張」「権限」「制限」を確認してから契約する
“対応”と“快適運用”は別:確認すべき項目(バージョン・PHP/DB・権限)
公式掲載の“対応”は、主に 「導入できる(動く)」 という話です。
ECはそこから先、止めずに回すのが本番なので、以下をセットで確認しましょう。
バージョン
まず決めるのはこれです。
- 使いたいのは EC-CUBE 4.3 / 4.2 / 4.0・4.1のどれか
- それにより 対応PHP/DBが変わる
- さらに 必須PHP拡張も揃っている必要がある
初心者向けの現実解:
- 公式の要件表を見て、「サーバー側でPHPのバージョンを選べるか」 を先に確認すると詰まりにくいです。
PHP/DB
“対応”の落とし穴はここです。
- サーバーが古くて 必要なPHPに上げられない
- MySQLは使えても、バージョンが条件を満たしていない
- PostgreSQLを選びたいが、共有環境で 必要な権限が足りない(特に権限・参照周り)
チェックのしかた(テンプレ):
- 「EC-CUBE◯系で運用予定。PHP◯.◯が選択可能か」
- 「DBはMySQL(またはPostgreSQL)で、バージョンは◯以上か」
- 「必須PHP拡張(intl、GD、zip、cURL、OpenSSL等)が有効か」
権限・制限
“動く”と“運用できる”を分けるのが権限です。特に差が出ます。
- ファイル権限(書き込み可能ディレクトリの扱い)
- 実行制限(処理時間、同時実行、メモリ上限)
- メール送信制限(注文メールが届かない・遅延する等の原因になりやすい)
- WAFの影響(管理画面の操作や決済連携で誤検知することがある)
初心者はここだけ覚えると安全:
- 「管理画面で重い操作(CSV、画像大量、在庫連携)をする」=制限が効きやすい
- よって、ログ閲覧・バックアップ復元・サポート導線まで含めて“対応”を判断する
インストール方式の違い(簡単導入/手動導入)と落とし穴
公式掲載でも、サービスごとに導入のされ方が異なります。
初心者の失敗は「インストールの簡単さ」だけで選んで、後から運用で詰まるパターンです。
簡単導入(自動インストール)
メリット
- クリック操作中心で、初期構築が速い
- DB作成や初期設定がガイドされることが多い
落とし穴(初心者が見落としやすい)
- 置かれるEC-CUBEの バージョンが固定、または選択肢が少ない
- “動く状態”にはなるが、運用に必要な
Cron、SSH、Composer運用が別途必要になることがある - 自動インストール後の アップデート方針(どこまで自動/手動)が不明確だと、後で止まりやすい
対策
- 「インストールできるバージョン」「更新手順」を事前に確認
- 可能なら 検証環境(ステージング) を作れるサービスを優先
手動導入(自分でアップロード・設定)
メリット
- バージョン選択・構成の自由度が高い
- 本番・検証の構成を自分で作りやすい
落とし穴
- PHP拡張や権限でつまずくと、原因特定が難しい
- “動くけど遅い”問題が出たとき、どこがボトルネックか分からない(DB / I/O / 制限)
対策(初心者向けの最小セット)
- 公式のシステム要件で 必須拡張をチェック
- 「バックアップ取得」だけでなく 復元手順も最初に確認
- 契約前にサポートへ「EC-CUBEでの運用実績」「制限値」「SSH/Cron可否」を聞く
主要レンタルサーバー比較(候補を横並びに検討)
まず前提として、EC-CUBEは「ECサイト=止まると売上に直撃」になりやすい仕組みです。
そのためレンタルサーバー選びは、月額の安さだけでなく「復旧のしやすさ」「伸びた後の移行しやすさ」まで含めて判断するのが安全です。
ざっくり比較表(初心者向けの見取り図)
| 候補 | 料金の目安(入口) | 強み | 注意点(EC-CUBE視点) |
|---|---|---|---|
| エックスサーバー | 月額1,000円前後〜 | 高速・安定、運用機能が揃う | EC-CUBEは手動構築が基本。検証環境で動作確認推奨 |
| ConoHa WING | 月額700〜900円台〜(割引前提) | 管理画面が分かりやすい、運用機能が豊富 | 料金が割引設計になりやすいので「更新後」も確認 |
| ロリポップ! | 月額600円台〜 | 低コストでも機能が揃いやすい | EC-CUBEの規模が大きいと上位プラン推奨になりがち |
| さくらのレンタルサーバ | 月額500円台〜 | 老舗の安定感、長期運用の安心 | 構築・運用はやや“玄人寄り”になりやすい |
| mixhost | 月額1,000円前後〜(初回割引あり) | cPanelで管理しやすい、高速系プランも選べる | 初回割引と通常料金の差・更新後条件を要確認 |
| シンレンタルサーバー | 月額500円前後〜(長期) | コスパ良好、運用機能も揃えやすい | EC用途はバックアップ/復元動線を事前に試す |
| WADAX / CPI など | 月額数千円〜(サービスにより差) | 法人向け体制・機能を重視しやすい | 価格帯が上がる分、要件を決めて“必要な分だけ”選ぶ |
| その他候補 | 要件次第 | 専用/クラウド/VPSで伸び代が大きい | 運用負荷が上がるので「管理できるか」が分岐点 |
表の「料金の目安」は、契約期間・キャンペーンで変動します。最終判断は必ず公式の最新表示で確認してください。
エックスサーバー(高速・安定重視の候補)
向いている人
- まずは“失敗しにくい”環境でEC-CUBEを運用したい
- ある程度アクセスが伸びても耐えられる土台がほしい
ポイント
- 標準機能として、ECサイトで重要な Cron(定期実行) や SSH が使えるため、運用の自由度を確保しやすいです。
- バックアップの保持期間が明示されているのは安心材料。まずは「復元の手順」を契約直後に一度だけ試すのがおすすめです。
EC-CUBE視点の注意
- “簡単インストールでEC-CUBEが入る”タイプではないことが多いため、基本は手動構築(要件確認→アップロード/Composer→DB設定)を想定。
- まずはテスト用ドメインで構築→本番に移すと失敗が減ります。

ConoHa WING(導入の手軽さ重視の候補)
向いている人
- 管理画面で迷いたくない
- バックアップ・セキュリティを“標準で”持ちたい
ポイント
- 自動バックアップが全プラン標準で、復元も管理画面から進めやすい設計です。
- 機能一覧として SSH / Cron が明記されており、EC-CUBE運用で必要になりがちな作業(定期処理、ログ確認、デプロイ補助)がやりやすい部類です。
- WAFや無料SSLの設定もサポート手順が整備されています。
EC-CUBE視点の注意
- 料金表示が「通常料金」と「長期割引(WINGパック)」で分かれるため、“初年度だけ安い”に見えないかを確認。
- 伸びた後に上位プランへ移す可能性があるなら、最初から移行手順(プラン変更・DB移行・DNS切替)を想定して設計すると安全です。

ロリポップ!(低コスト帯の候補)
向いている人
- できるだけ月額を抑えつつ、必要機能も確保したい
- 小規模スタートで検証し、売上が立ってから強化したい
ポイント
- 料金表が分かりやすく、契約期間ごとの月額が見えます。
- WAF / SSH / cron など“運用に必要な機能”が公式マニュアルとして整理されています。
- バックアップは「無料で提供される範囲」と「有料オプション」を切り分けて考えると混乱しません。
EC-CUBE視点の注意
- EC-CUBEは画像・商品点数・受注データが増えるほど重くなりやすいので、最初から上位プラン前提で見積もるほうが現実的なケースがあります。
- 「バックアップの復元が誰の作業になるか(自分でやる/事業者がやる)」を契約前に確認してください。

さくらのレンタルサーバ(バランス型の候補)
向いている人
- 老舗サービスの安定感を重視したい
- シンプルに長期運用していきたい
ポイント
- EC-CUBEに言及があるプラン案内があり、CMS運用の土台として検討しやすいです。
- WAF / SSH / cron / バックアップといった運用要素も公式の情報がまとまっています。
EC-CUBE視点の注意
- 初心者には、構築よりも「運用・保守(更新・ログ監視・復旧)」が難所になりやすいので、“困ったときに戻せる”設計(バックアップ世代・復元手順の確認)が重要です。

mixhost(高速系プランを検討する候補)
向いている人
- cPanelでサーバー管理をまとめたい
- 高速性を意識したプランを比較して選びたい
ポイント
- バックアップ(JetBackupなど)やWAFなど、運用で必要になる機能の案内が見つけやすい部類です。
- サイト運用を伸ばしていく前提なら、「復元の手順(画面→どこまで戻せるか)」を先に確認しておくと安心です。
EC-CUBE視点の注意
- 料金が「初回割引」前提の表示になることがあるため、更新後の月額と、必要なオプション有無をセットで確認してください。
シンレンタルサーバー(コスパ系の候補)
向いている人
- コストを抑えつつ、現実的に運用できる機能がほしい
- 後から上位プランや別基盤へ移ることも見据えたい
ポイント
- 契約期間ごとの月額が提示され、費用感を計算しやすいタイプです。
- バックアップやセキュリティなど、運用に必要な要素は「あるかどうか」ではなく、どれだけ戻せるか(世代/範囲/復元手順)で比較してください。
EC-CUBE視点の注意
- 本番運用に入る前に、管理画面で
- バックアップ取得
- 復元の導線
- DBの扱い(エクスポート/インポート)
を一度だけ触っておくと、事故時の復旧が速くなります。

WADAX / CPI など(法人・セキュリティ寄りの候補)
向いている人
- 個人運用ではなく、体制・ルール(権限/監査/運用フロー)を整えたい
- “止めない”ための仕組みに投資できる
ポイント
- CPIは法人向けサービスとして、WAFやSSH、運用に関わる機能が明示されており、要件に合わせた設計を組みやすいです。
- WADAXはサービスのラインナップにより価格帯が変わるため、「EC-CUBEに必要な要件」と「運用体制」から逆算して選ぶと無駄が出にくいです。
EC-CUBE視点の注意
- 価格が上がる分、必ず「何が増えるのか(バックアップ、セキュリティ、サポート、SLA、運用支援)」を言語化してから契約すると失敗しにくいです。
CPIレンタルサーバー公式サイト


その他候補(自社要件に合えば検討枠)
レンタルサーバーで不安が出やすいのは、だいたい次のタイミングです。
- 商品点数・画像が増えて表示が重い
- セール時にアクセスが集中する
- バッチ処理や外部連携が増える
- プラグイン/カスタマイズが多く、更新が怖い
この場合は、VPS/クラウド(例:各社VPS、IaaS、マネージド系)を検討枠に入れると伸び代が出ます。
ただし運用負荷も上がるので、「誰が保守するか」を先に決めてからが安全です。
料金帯・プラン選びのコツ(最初の落とし所)
最初のプラン決めで迷ったら、次の順で考えると決めやすいです。
- まず「ショップ規模」を仮置き
- 小規模:商品点数少なめ、更新頻度も低め
- 中規模:商品点数・画像多め、ブログ/特集も回す
- 成長前提:広告やSNSで流入を作る、セールを打つ
- 小規模でも、EC-CUBEは画像とDBで重くなりやすい
→ “最安プラン”より 中位プランからのほうが結果的に移行が減ることがあります - 契約期間割引は魅力ですが、最初は「半年〜1年」で様子見 → 手応えが出たら長期、が堅実です
EC-CUBEのバージョン対応(PHP/DBの条件)
サーバー選びで一番大事なのは、ざっくり言うと次の2点です。
- EC-CUBEの対象バージョンが要求するPHP/DBに合うか
- PHPのバージョンを運用中に上げられるか(将来の更新に耐えるか)
また、同じ「対応」でも差が出やすいので、次を確認してください。
- 管理画面でPHPのバージョン変更ができるか
- DBのバージョンと、文字コード/照合順序の扱い
- ComposerやCLIを使う前提の運用ができるか(SSHがあると有利)
バックアップと復元(世代数・復元手順・復元速度)
バックアップは“ある”だけでは不十分で、次の3点セットで見ます。
- 何をバックアップするか(ファイル / DB / メール)
- どれだけ戻せるか(世代数・保持期間)
- 誰がどう復元するか(ワンクリック / 申請 / 自分で復元作業)
EC-CUBEはDBの比重が大きいので、DB復元のしやすさを最優先に見ると事故が減ります。
セキュリティ(WAF/SSL/アクセス制限/監視)
ECサイトでは、最低限ここまでは押さえたいです。
- 常時SSL(無料SSLでOK。運用を簡単に)
- WAF(誤検知もあり得るので、ON/OFFやログ確認の導線が重要)
- 管理画面の防御(IP制限、強固なパスワード、二要素認証の活用)
- アップデート運用(EC-CUBE本体/プラグイン/テーマの更新方針)
運用に必要な機能(Cron/SSH/ログ/メール到達)
EC-CUBE運用で後から効いてくる“地味に重要な機能”です。
- Cron:定期処理・連携・自動化
- SSH:ログ確認、デバッグ、デプロイ補助、Composer運用
- ログ:障害時の原因特定(アクセス/エラー/メール)
- メール:到達率対策(SPF/DKIM/DMARC、送信制限の確認)
クラウド/EC特化も比較に入れるべきケース
レンタルサーバー(共用/マネージド)にEC-CUBEを設置する方法は王道ですが、次のような状況では 「クラウド版」や「EC運用特化サービス」 も最初から比較に入れたほうが、結果的に失敗が減ります。
- 保守の担当者がいない/忙しくて更新できない(本体・ミドルウェア・セキュリティ周り)
- 障害時に原因調査や復旧をやり切れる自信がない(ログ、バックアップ復元、切り戻し)
- アクセス急増があり得る(セール、SNS、メディア露出)
- カスタマイズは必要だが、インフラ運用は手放したい
- “止まらない運用”を優先し、費用はある程度許容できる
ポイントは、「最安で始める」より “運用の責任範囲をどこまで自分が持つか” を先に決めることです。
ec-cube.co(クラウド版)の特徴:保守・監視・スケール対応
ec-cube.co は、EC-CUBEをクラウドとして利用する選択肢です。
レンタルサーバーと比べると、サーバー保守や監視の負担を減らす方向に設計されています。
何がラクになるか(初心者が恩恵を感じやすい点)
- 監視・モニタリング(死活/エラー/リソースなど)をサービス側で実施
- 障害検知時の対応(緊急度が高い障害時に通知・対応)
- バックアップ(アプリケーションファイル・DBダンプを定期取得)
- 定期メンテナンス(EC-CUBE本体反映やインフラ/ミドルウェア更新が運用として用意されている)
- WAF / SSL / 管理画面のアクセス制御など、土台のセキュリティ機構が整っている
“スケール対応”の捉え方
クラウド版は、一般に「自分でサーバーを触って増強する」よりも、
サービス側が用意した枠組みの中で成長を吸収する発想になります。
- 売上や利用状況に応じた料金体系(一定額+売上超過分の課金)が設定されている
- 監視や運用がセットになっているため、ピーク時の不安を減らしやすい
料金イメージ(公式表示を前提に整理)
- 初期費用:70,000円(税抜)
- 月額:49,800円〜84,800円(税抜)
- 売上(販売額)に応じた加算ルールがある(一定ライン超過で加算)
- 決済手数料は別途(決済は別契約として扱われる想定)
※ここは必ず、申込前に公式の最新表示で再確認してください(改定・条件変更があり得ます)。
注意点(導入前に把握しておくと安心)
- 自由度は高いが“無制限”ではない
例:インフラの細かなチューニングを自分でやるより、サービス仕様に合わせて運用する考え方になります。 - メンテナンスによる停止があり得る
週次は停止なし、月次は停止を伴う更新がある、といった運用ルールが明示されています。 - 総コストは「月額+売上連動+決済周り」で見る
月額だけで比較すると判断を誤りやすいので、売上見込みとセットで試算するのが安全です。
Xserverショップ等:EC-CUBEベースで運用に寄せたサービスの特徴
「EC-CUBEを使いたいけれど、サーバー管理や細かな保守は任せたい」場合に検討しやすいのが、EC-CUBEベースの運用特化サービスです。
代表例として XServerショップは、月額定額・販売手数料0円を打ち出しています。
何が魅力か(レンタルサーバー直設置との違い)
- 毎月固定の料金で運用しやすい(売上が伸びても“販売手数料が増える”タイプではない)
- EC-CUBEの脆弱性対策など、細かなアップデートを任せられる(=運用負荷の圧縮)
- 管理画面ベースで、商品登録・受注管理・ページ内容やレイアウト調整などを進められる
- 条件付きで独自ドメインの永久無料特典が案内されている(対象条件あり)
料金イメージ(公式表示ベース)
- 月額:1,980円(税込)〜
- 販売手数料:0円
※初期費用や上位プランの差は、公式の料金ページで必ず最新条件を確認してください。
注意点(“運用に寄せた”サービスならでは)
- 便利な反面、サービスの設計上 できること/できないことが明確です
例:サーバー内部の自由度、特殊なミドルウェア構成、独自の運用ルールなどは、レンタルサーバー直契約より制約が出やすい傾向があります。 - カスタマイズ前提の場合は、先に次を確認すると安全です
- テンプレート/プラグイン導入の自由度
- 検証環境(ステージング相当)の用意
- バックアップ取得と復元の手順
- “どこまでがサポート範囲か”(EC運用そのものは対象外、など条件がある場合)

レンタルサーバーと比べたメリット/デメリット(自由度・責任範囲・コスト)
ここが意思決定の核心です。
初心者ほど「どれが一番いい?」になりがちですが、正解は あなたの体制で変わります。
比較の結論を掴む表
| 観点 | レンタルサーバーに自分で設置(DL版) | ec-cube.co(クラウド) | EC運用特化サービス(例:XServerショップ) |
|---|---|---|---|
| 立ち上げスピード | ふつう(構築手順が必要) | 速い寄り(基盤は用意済み) | 速い寄り(運用導線が用意されがち) |
| 自由度(設計/運用) | 高い(自分で全部決められる) | 高いがサービス仕様に従う | 中〜高(サービス仕様に依存) |
| 保守・監視の負担 | 自分の責任が大きい | サービス側が広く担当 | サービス側が広く担当 |
| セキュリティ更新 | 自分で計画して実施 | 運用として用意される | 運用として用意される(範囲は要確認) |
| バックアップ/復元 | サーバー機能+自分の運用次第 | 定期バックアップが明示 | 仕組みの有無/範囲を要確認 |
| コスト構造 | 月額中心(最初は安い) | 月額+(条件により売上連動)+決済周り | 月額定額で予測しやすい(販売手数料0円を訴求) |
| 伸びた後の移行 | 自由だが作業は自分 | データ移行手順が用意される場合あり | 仕様次第(移行性は事前に確認) |
迷ったときの判断ルール(実務的)
- 技術・保守に時間を割ける → まずレンタルサーバー直設置が向きやすい
- 売上を伸ばすことに集中したい/保守が不安 → ec-cube.co や運用特化サービスを比較に入れる
- カスタマイズが重い(基幹連携/独自要件が多い) →
“自由度”だけでなく、「誰が運用責任を持てるか」 を最優先に決める(ここを曖昧にすると破綻しやすい)
導入手順:レンタルサーバーでEC-CUBEを動かす流れ
レンタルサーバーでEC-CUBEを立ち上げるときは、ざっくり次の順で進めると迷いません。
- 事前準備(ドメイン・SSL・DB・メール・テスト環境)
- インストール(自動 or 手動)
- 初期設定(メール/税/配送/決済)
- 本番公開前チェック(動作・セキュリティ・バックアップ・復元)
「動いた!」で止めずに、“売上が発生しても壊れない状態” まで持っていくのがゴールです。
事前準備(ドメイン/SSL/DB/メール/テスト環境)
最初にここを固めるほど、インストールがスムーズになり、あとで詰まりにくくなります。
事前準備チェックリスト
| 準備するもの | 目的 | 最低限のチェック |
|---|---|---|
| ドメイン | 本番URLの確定 | shop.example.com など運用方針を決める |
| SSL | 個人情報保護・決済の前提 | 無料SSLを有効化、httpsで表示できる |
| データベース | 受注・会員・商品を保存 | 空のDBを作成、接続情報を控える |
| メール | 注文確認など自動メール送信 | 送信元メールの用意、SMTP情報を控える |
| テスト環境 | 本番を壊さず検証する | stg.example.com などサブドメイン推奨 |
初心者が先に決めておくとラクな「2つの設計」
- 本番と検証を分ける
- 例:本番
shop.example.com/検証stg.example.com - プラグイン導入や税・送料設定の変更を、検証で試してから本番へ
- 例:本番
- バックアップの“復元”方法を先に確認
- バックアップは「取れるか」より 「戻せるか」 が重要です
- 管理画面で復元できるのか、復元対象はDBだけか/ファイルも戻るかを確認しておきます
自動インストールで始める手順(対応サーバー向け)
「簡単インストール」「クイックインストール」などが用意されているレンタルサーバー向けの進め方です。手順そのものはシンプルですが、“選んだ設定があとから効いてくる” のが落とし穴です。
手順(流れ)
- ドメインを設定し、https(SSL) を有効化
- サーバーの管理画面で、PHPのバージョンやDBを確認(必要なら変更)
- 「簡単インストール」からEC-CUBEを選び、インストール先(ディレクトリ)を指定
- DBを作成(または選択)し、インストーラに接続情報を入力
- 管理者アカウントを作成し、インストール完了
- 管理画面へログイン → 初期設定(メール/税/配送/決済)へ
落とし穴になりやすいポイント
- 入るEC-CUBEのバージョンが固定されている(または選べる範囲が狭い)
→ 使いたいプラグインが対応しない、という事態が起きがちです - PHPのバージョンが合わず、管理画面で赤字エラーが出る
- インストール先のパスが意図と違い、URLが二重になる
- 例:
/shop/に入れたつもりが/public_html/shop/shop/になっていた…など
- 例:
- “インストールはできた”が、メールが届かない
- まずはテスト注文で、自分宛に送信されるか確認しましょう 📩
手動インストールの要点(権限・Composer・環境差分)
EC-CUBEはファイル数が多いので、手動導入では「アップロード」と「権限」でつまずきやすいです。
ポイントは、サーバーの制約(権限・実行時間・SSH可否)に合わせてやり方を選ぶことです。
手順(流れ)
- EC-CUBEのパッケージを用意する(公式配布のパッケージを使うのが安全)
- サーバー上にファイルを展開する
- ZIPをサーバー上で解凍できるなら、そのほうが安定しやすいです
- FTPで大量ファイルを一気に上げると失敗しやすいので注意
- ブラウザでインストールURLにアクセスし、インストールウィザードを進める
- 権限チェック → サイト設定 → メール設定 → DB設定 → DB初期化 → 完了
- 管理画面にログインし、初期設定を整える
Composerの扱い(初心者向けの現実解)
- 共有レンタルサーバーは、環境によって Composer実行が難しいことがあります(SSH不可・制限が厳しい等)
- その場合は、
- サーバー上では無理にComposerを回さない
- 開発PCや検証環境で依存関係を整え、完成物をアップする
という運用のほうが安全です
- もし「EC-CUBE 4.0/4.1系」を使う場合は、Composerの世代の違いでハマりやすいので、できるだけ新しめの系統での運用を推奨します
環境差分で詰まないコツ
- 本番と検証で、次の差が出やすいです
- PHPバージョン/拡張モジュール
- DBの種類・バージョン
- メール送信(SMTPの制限や迷惑メール判定)
- だからこそ、検証環境は 本番と同じサーバー(同条件) で作るのが堅実です
DB作成〜接続設定でつまずきやすいポイント
DB周りは、エラーが出ても原因が分かりにくいので、最初に“よくある詰まり”を潰しておくと楽です。
- ホスト名の勘違い
localhostなのか、サーバー会社が指定する専用ホスト名なのか
- DBユーザーの権限不足
- 作成したはずのDBに接続できない/テーブル作成で失敗する
- 文字コード・照合順序
- 日本語商品名・住所などを扱うので、DB側の設定は慎重に(迷ったらサーバー推奨に合わせる)
- 接続情報の管理
- DBパスワードをメールやメモに雑に残すのは危険です
- “誰が見られるか” を意識して保管しましょう
トラブル対応の基本はこれです:
- 入力値(ホスト名・DB名・ユーザー名)を コピペで揃える
- DBは「空のDBを新規作成」してやり直す(初期化が早い)
初期設定で必ず見直す項目(メール、税、配送、決済)
インストール直後の状態は、あくまで「動作確認の初期値」です。
ECとして公開する前に、最低限ここは押さえてください。
メール(最優先)
- 注文メール・会員登録メールなどが 想定どおり届くか
- 送信元アドレスが実在し、返信を受けられる状態か
- 必要ならSMTPを使い、到達性を上げる(迷惑メールに入らない工夫)
テスト方法(おすすめ)
- 自分でテスト注文 → 受注メールが届くか確認
- Gmailなど複数のメールで受信チェックすると安心です 📩
税
- 税率が現行の運用に合っているか
- 軽減税率や、将来変更がある場合の扱い(予約設定の考え方)
配送
- 配送方法(宅配便/メール便など)と送料の設定
- 地域別送料・条件(一定額以上送料無料など)の方針
- 決済と配送の組み合わせ(代引きは宅配のみ、など)を運用で破綻しないように
決済
- 最初は「銀行振込」等の手動決済でもOKですが、実運用ではクレカ等の導入が前提になりがちです
- 決済手数料・利用条件(金額条件など)を設定し、購入画面の表示を確認
運用フェーズ:速さと安定性を作るサーバー設定
EC-CUBEの体感速度は、だいたい次の順で決まります。
- PHP(動的処理の“素の速さ”)
- 静的配信(画像・CSS・JSの“配り方”)
- DB(注文・会員・検索の“詰まり”)
- Cron(重い処理を“営業時間外に逃がす設計”)
最初にやるべきことはシンプルで、「遅い箇所を決め打ちせず、計測 → 改善 → 再計測」です。
(体感で触ると、無駄に設定を盛って不安定にしがちです)
PHP最適化(OPcache/メモリ/タイムアウト)
EC-CUBEはページ生成がPHP中心なので、ここが一番“効き”ます。
OPcacheは原則ON(共有サーバーでも最重要)
OPcacheは「PHPのコンパイル結果をメモリに置いて再利用する」仕組みで、ECのように同じ画面が何度も呼ばれる構成と相性が良いです。
- OPcacheがOFFだと、アクセスが増えた時に一気に苦しくなりやすい
- 逆に、ONにするだけで体感が改善するケースも多い
設定できる場合は、まずこの3点を意識してください(値は“目安”でOK)。
- メモリ枠(opcacheのメモリ)をケチりすぎない
- キャッシュできるファイル数(max_accelerated_files)を不足させない
- 更新検知(validate_timestamps)の方針を決める
- 本番は「デプロイ時にキャッシュクリア」運用が安定しやすい
メモリは「通常アクセス」と「管理画面作業」で分けて考える
EC-CUBEは管理画面(CSV/画像/プラグイン更新など)で一時的に重くなることがあります。
memory_limitが低いと、特定操作だけ失敗する(画面が白くなる等)- ただし無制限は危険なので、“必要十分”に上げるのが基本です
目安の考え方
- まずは現状の上限を確認
- 管理画面で重い作業(CSV、商品一括更新など)を試す
- エラーが出るなら、段階的に上げる(いきなり極端に上げない)
タイムアウトは「伸ばす」より「重い処理を逃がす」
max_execution_time を伸ばせば“とりあえず動く”ことはありますが、ECではおすすめしにくいです。
- タイムアウト延長=ユーザー待ち時間が伸びる
- 混雑時にタイムアウト待ちの処理が積み上がると、全体が不安定に
基本方針はこれでOKです。
- ブラウザで待たせる処理 → なるべく短く
- 重い処理 → Cronやバッチ(CLI)に分離して非同期化
キャッシュクリアの“正しいやり方”を運用手順に入れる
プラグイン導入やテンプレ更新後に表示が崩れたら、まずキャッシュを疑います。
- 管理画面からキャッシュ削除できる導線がある
- CLIで
cache:clear/cache:warmupを使う運用も可能
重要:本番は「キャッシュ削除 → 事前生成(warmup)」までやると初回アクセスが安定します。
画像・静的配信の最適化(キャッシュ/CDN)
EC-CUBEは商品画像が増えるほど、ページそのものより“画像配信”がボトルネックになりがちです。
画像最適化は「サイズ」と「形式」で8割決まる
まずはこの2つだけでOKです。
- 表示サイズに合わせて画像を用意する(無駄にでかい原画像を配らない)
- 可能ならWebPなど軽い形式を使う(対応範囲に注意)
チェックのしかた
- トップ・カテゴリ・商品詳細で、画像が“重い順”に並べる
- 一番重い10枚を軽くするだけで体感が変わります
静的ファイルは“長くキャッシュ”、動的ページは“キャッシュしない”
CDNやブラウザキャッシュは強力ですが、ECは混ぜると事故ります。
- CSS/JS/画像:長めの
Cache-Controlでキャッシュさせる - カート/購入/マイページ:キャッシュ禁止(ユーザーごとに内容が違う)
安全な定番パターン
- ファイル名にバージョン(ハッシュや更新日時)を付ける
- そのうえで静的ファイルは長期キャッシュ
- 動的ページは
privateやno-storeを明確に
CDN導入が効きやすいケース
次に当てはまるなら、CDN(例:Cloudflare等)を検討する価値があります。
- 画像点数が多い(商品数が多い、一覧で画像を大量表示する)
- 地域が分散している(全国からアクセスがある)
- セールやSNSで瞬間的にアクセスが増える
注意点
- “全部キャッシュ”は危険。静的だけを明確にルール化する
- 先に「どのURLをキャッシュして良いか」を決めてから設定する
DBメンテナンス(ログ肥大化、インデックス、バックアップ運用)
DBは「遅くなると、復旧も遅い」です。ECは特に “育つほどDBが効く”ので、早めに型を作るのが得です。
ログ肥大化の対策は「増える前提」でルール化
放置すると増えがちなもの(例)
- アプリのログ
- 連携処理の履歴
- セッションや一時データ
やることはシンプルです。
- 何が増えるか把握する
- 保存期間を決める(例:90日など)
- 削除・ローテーションをCronで回す
インデックスは“よく使う検索条件”にだけ付ける
インデックスは速くしますが、増やしすぎると更新が重くなります。
まず見る場所
- 管理画面:受注一覧、会員検索、商品検索
- フロント:商品一覧の絞り込み、検索、注文確定までの一連
基本はこれだけ覚えればOKです。
- WHERE / JOIN / ORDER BY で頻繁に使う列にインデックスを検討
- 体感が悪い画面から順に、遅いSQLを特定 → 対応
バックアップ運用は「取得」より「復元」が本番
ECで大事なのは、障害時に“何分で戻せるか”です。
最低限の運用セット
- DBバックアップ:毎日(できれば世代保持)
- ファイル:毎日(画像やカスタマイズを含む)
- 復元テスト:四半期に1回でも良いので実施(検証環境に戻して確認)
復元の速さは、売上の損失を左右します。
「戻せること」を“作業手順”として文章化しておくのが強いです。
Cronで回す処理の設計(バッチ/メール/在庫連携など)
Cronは“便利な自動化”ですが、設計が雑だと 静かに本番を壊すので、最初にルールを決めておくのがおすすめです。
Cronに逃がすと安定する典型例
- 在庫・価格の外部連携
- 受注データの集計・出力
- レポート生成
- 重いメンテ(ログ削除、バックアップ転送、キャッシュ生成)
「ブラウザで待たせる」処理を減らすほど、ECは安定します。
失敗しないCron設計のルール
- 同じ処理を二重起動させない(ロックの仕組みを入れる)
- 標準出力/エラーは必ずログへ(無言で失敗しない)
- 実行時間の長い処理は、時間帯を分ける(営業時間外へ)
- 環境変数や実行ユーザーを固定(本番/検証を取り違えない)
Cronは「出力があるとメール送信される」挙動が一般的です。
通知を活かすなら、MAILTOを設定し、失敗を見逃さない形にします。
EC-CUBE側の“バッチの作り方”の考え方
EC-CUBEはCLIコマンド(bin/console)を使った運用が可能なので、
- EC-CUBEのコマンドを作る(または既存コマンドを使う)
- Cronで定期実行する
- 実行後に必要ならキャッシュ生成(warmup)
という流れにすると、運用がきれいにまとまります。
セキュリティと継続運用
EC-CUBEは「公開して終わり」ではなく、更新し続けることが安全性そのものになります。
ここでは初心者でも運用に落とし込めるように、実務で効く“型”として整理します。
アップデート方針(本体/プラグイン/依存ライブラリ)
まず決めるべき「更新のルール」
更新は気合いで回すと破綻しがちなので、最初にルールを固定します。
- 通常更新(機能改善・安定化):月1回(検証→本番)
- 緊急更新(脆弱性対応):告知を見たら最優先で対応(検証は短くても必須)
- 大きめ更新(4.1→4.2など):作業手順書を作ってから実施(ロールバック手段も用意)
EC-CUBEの更新は「3点セット」で考える
EC-CUBEは本体だけ更新しても安全になりません。次の3つをセットで扱います。
- 本体(EC-CUBEコア)
- プラグイン
- 依存ライブラリ(Composer)
特に4系では、バージョン帯によってComposer周りの前提が変わることがあります。古い系統を運用している場合は、プラグイン管理の仕組みも含めて注意が必要です。
“失敗しない”更新手順のテンプレ
次の流れを毎回同じにすると、事故が減ります。
- バックアップ(ファイル一式+DB)
- メンテナンスモード(購入導線を止める)
- プラグイン更新(先に互換性を揃える)
- 本体差し替え(変更範囲を意識して置換)
- Composer更新(composer.json / lock を含め整合性を取る)
- マイグレーション(スキーマ更新)
- キャッシュ再生成
- テンプレート差分の反映
- メンテ解除 → 重要画面の動作確認(購入・メール・管理画面)
コツ:検証環境(ステージング)で「購入テスト(ダミー決済)」まで通してから本番へ。
脆弱性情報のチェックは“公式一本化”が安全
EC-CUBEは脆弱性情報の公開方針が明確で、公式告知として追えるのが強みです。
日々の運用では、次の2つを習慣化すると十分に回ります。
- 脆弱性リストを定期確認(最低でも月1回)
- 緊急のお知らせが出たら即対応(本体・公式プラグインを含むケースあり)
管理画面の防御(IP制限、強固な認証、権限分離)
ECの攻撃は「管理画面」か「決済まわり」に寄ってきます。
初心者でも効く防御は、まず“到達させない”ことです。
IP制限は最優先(できる範囲で)
EC-CUBE 4系では、管理画面へのIP制限(拒否リスト)が用意されています。
「怪しいIPが分かっている」「総当たりが来ている」などの場合に効果的です。
- まずは拒否リストで攻撃元を塞ぐ
- 可能ならサーバー側でも追加で制限(.htaccess / WAF / 管理画面だけBasic認証 など)
さらに4.2.1以降では、フロント画面側にもIP制限(許可・拒否)が用意されており、不正アクセス(例:カード情報の不正試行が疑われるアクセス)対策としても使えます。
強固な認証の“最低ライン”
- 管理者パスワードは 長く・使い回さない(パスワードマネージャ推奨)
- 管理者IDを共有しない(個人ごとにアカウント発行)
- 退職・外注終了時は 即時に無効化
- ログイン失敗が増えたら、早めに制限(IP制限/ロック系の仕組み)
EC-CUBE公式のセキュリティ系プラグイン(例:管理画面ログインのロック強化など)が提供されていることもあるので、「自前で実装する」前に選択肢として確認すると安全です。
権限分離(“できる人”を増やさない)
運用が回り始めるほど、アカウントは増えがちです。
増やすほどリスクも増えるので、次の分け方が現実的です。
- フル権限:あなた(または責任者)のみ
- 受注処理担当:受注・発送に必要な範囲だけ
- 商品登録担当:商品・画像・カテゴリ周りだけ
- 開発/外注:検証環境中心、本番は最小権限(作業時間も限定)
バックアップ戦略(頻度・世代・復元テスト)
バックアップは「取っている」だけでは弱く、戻せることが保証です。
ECでは復旧の遅れがそのまま機会損失になりやすいので、最初に“型”を作ります。
最低限の設計(初心者向けの現実ライン)
- DB:毎日(できれば自動)
- ファイル(画像・カスタマイズ含む):毎日
- 世代:14日以上(できれば30日)
- 保管場所:サーバー内だけで完結しない(可能なら外部保管も)
目安として、DBは「受注・会員・在庫」が入る心臓部です。DBだけ戻っても、画像や設定が戻らないと復旧が崩れるため、DB+ファイルはセットで扱います。
復元テストは「四半期に1回」で十分効果が出る
復元テストは毎回やる必要はありませんが、ゼロだと本番障害で詰みます。
復元テストのミニ手順(検証環境でOK)
- バックアップから DBを復元
- ファイル(画像・カスタマイズ)を 復元
- 次の3点だけ確認
- フロント表示
- 管理画面ログイン
- テスト注文(メール送信まで)
この“3点セット”が通れば、最悪時の復旧手順として成立しやすいです。
決済まわりの考え方(外部決済・トークン化等の基本)
結論から言うと、初心者が安全に運用するなら 「カード情報を自サーバーで扱わない」のが基本です。
責任範囲を最小化でき、運用難易度が一気に下がります。
決済連携の方式と、負担の違い
| 方式 | ざっくり概要 | 自サーバーに残るもの | 運用の難しさ |
|---|---|---|---|
| リダイレクト/ホスト型決済ページ | 決済会社のページで支払い | 注文情報のみ(カード番号は扱わない) | 低〜中 |
| トークン化(JSでトークン発行) | カード情報を直接決済会社へ送り、トークンだけ受け取る | トークン(カード番号は扱わない) | 中 |
| 自サーバーでカード情報を処理 | 自サイト上でカード情報を受け取る | カードデータに触れる可能性 | 高(非推奨) |
トークン化は「カード番号の代わりに使える“代替文字列(トークン)”だけを自サーバーで扱う」考え方です。
これによりカード番号を保持せずに決済連携でき、リスクと運用負担を下げられます。
なぜ“外部決済寄せ”が安全なのか
- カード情報を自社サーバーに通さない設計にすると、攻撃対象が減る
- 実務上、自己管理の範囲が小さくなり、チェック項目も絞れる
- 決済会社側がセキュリティ運用を担う領域が増える
EC-CUBE運用で気を付けたい「決済攻撃」
ECサイトは、カードの不正試行(自動化されたアクセス)を受けることがあります。
やっておくと効く対策は次の通りです。
- WAFを有効化し、怪しい挙動をブロック
- 不審IPを見つけたら IP制限(拒否)
- 管理画面・フロントともにログを確認し、急増に気付ける状態にする
- 決済プラグインは 常に最新(脆弱性告知が出たら最優先で更新)
アクセス増・機能追加に備える:移転とスケールアップ
EC-CUBEは「最初は軽い→育つほど重くなる」タイプのEC基盤です。
だからこそ、最初から完璧なインフラを作るよりも、段階的に“上げていける設計”にしておくと失敗しにくくなります。
ここでは、初心者でも判断しやすいように
- まずやるべき「同一サービス内の上位プラン」
- VPS/クラウドに移るタイミング
- 移転時に事故りやすいポイントのチェックリスト
を順番に整理します。
同一サービス内で上位プランへ(まずはここから)
結論として、性能が足りなくなったときは 「同じレンタルサーバー内で上位プラン」が最優先です。
理由はシンプルで、移行コストとリスクが最小だからです。
上位プランに上げるべき“分かりやすいサイン”
次のような症状が出たら、まずは上位プランを検討します。
- セールやSNS流入で 表示が遅い/タイムアウトが増える
- 管理画面でCSVや画像登録が重く、作業が止まる
- 注文が増えたタイミングで 受注一覧・商品検索が遅い
- 画像が増え、ストレージや転送量の余裕がなくなる
上位プラン移行で「増えることが多いもの」
サービスやプランによりますが、主に次の余力が増えやすいです。
- CPU/同居影響の軽減(混雑時の落ち込みが緩和)
- メモリ余力(管理画面操作の安定)
- ディスクI/O(DB・画像の読み書きが安定)
- バックアップ世代や復元手段(運用がラクに)
同一サービス内でも“切り替え前に確認したい”注意点
プランアップが「完全な無停止」になるかは、事業者や方式次第です。
最低限、次を先に確認しておくと安全です。
- PHP/DBのバージョン条件が変わらないか(EC-CUBE側要件に影響)
- IPアドレスが変わる可能性(変わるならDNS・SSL・メール影響が出る)
- 移行支援機能があるか(動作確認URL/簡単移行/マイグレーション等)
- バックアップの復元方法(ボタンで戻せるのか、申請が必要か)
コツ:上位プランへ上げる前に、検証環境(ステージング)で「同条件に寄せる」ほど移行がラクになります。
VPS/クラウドへ移る判断基準(負荷・要件・運用体制)
上位プランでしばらく伸ばせますが、どこかで「共有サーバーの枠」を超える瞬間が来ます。
そのタイミングは、“負荷”だけでなく“要件と運用体制”で決めるのが現実的です。
VPS/クラウドへ移るべき判断ポイント
次のうち、複数当てはまるなら移行を具体化してOKです。
- 速度対策をしても、ピーク時に CPU/DBが頭打ちになる
- Redis / Elasticsearch / Queueなど、サーバー側の追加コンポーネントが必要
- 同居影響を避けたい(安定性の優先度が上がった)
- セキュリティ監査や社内規定で、構成管理・ログ管理・権限分離を厳密にしたい
- 障害対応を内製できる(または保守運用を委託できる)
逆に、まだレンタルサーバーで粘れるケース
- 月間の売上が安定しきっていない(先に商品・導線改善の余地が大きい)
- インフラ担当がいない/運用負荷を増やしたくない
- 「まずは安定稼働」が優先で、構成の自由度はそこまで要らない
迷ったら:“いま困っているのは性能不足か、運用不足か”で切り分けると判断しやすいです。
性能不足ならスケール、運用不足ならクラウド/EC特化寄せが効きやすいです。
移転チェックリスト(DB/SSL/DNS/メール/SEO影響)
サーバー移転は、作業そのものよりも「切り替えの瞬間」に事故が起きます。
ここでは、初心者でも抜け漏れしにくいように “切り替え前→切り替え→切り替え後”でチェック項目を並べます。
移転前(準備フェーズ)
- 現状把握
- EC-CUBEのバージョン、本番PHP/DB、Cronの有無、メール送信方式(SMTP等)
- バックアップ
- DB(必須)+ファイル一式(画像・カスタマイズ含む)
- 復元手順をメモ(どの画面/どのコマンドで戻すか)
- 移転先の受け皿を先に作る
- ドメイン設定、SSLの発行準備、DB作成、メールアカウント作成
- 動作確認の仕組み
- 可能なら「動作確認URL」やhosts切り替え等で、本番URLを切り替える前にチェックできるようにする
切り替え直前(“差分”を小さくする)
ECは移転中も注文が入るので、差分(データのズレ)をどう抑えるかが重要です。
- 切替時間を決める(深夜・早朝など)
- メンテナンスモードで購入導線を止める(差分を止める)
- 最終同期
- DBの最終エクスポート → 移転先へインポート
- 画像やアップロードファイルの最終コピー
- キャッシュ類は持ち越さない(移転先で再生成するほうが安全)
DNS/SSL(切替の“要”)
DNS切り替えは「徐々に反映」されるため、旧サーバーと新サーバーが混在する時間が発生します。
この期間に事故を起こさない設計が大切です。
- DNS切り替え前に、移転先が httpsで正常表示できることを確認
- 旧サーバーでも一定期間はサイトを残しておく(混在期間の保険)
- 可能ならDNSのTTLを事前に短く(反映を早めやすい)
- SSLは「新サーバー側で新規発行」になるケースが多いので、発行手順と完了確認を先に
メール(意外と落とし穴)
ECは「注文メールが届かない」が致命傷です。
- 移転先に 同じメールアカウントを作る(必要ならパスワードも再設定)
- SPF/DKIM/DMARC等のDNS設定を使っているなら、レコードの引き継ぎを確認
- 切替後に テスト注文 → 受注メールが届くかを必ずチェック
SEO影響(結論:URLが変わらなければ影響は最小化しやすい)
- 同一ドメイン・同一URLでサーバーだけ変えるなら、基本的に大きなSEO変動は起こりにくいです
- ただし次のミスは順位に響きやすいので要注意です
- http/httpsの混在(正規URLが揺れる)
- canonical設定の崩れ
- 画像やCSS/JSが404になり表示が崩れる
- リダイレクト設定のミス(意図しない301/302)
URL構造やドメインが変わる場合は、リダイレクト設計(301等)を前提に計画します。
切替後(“本番チェック”で終わらせない)
切替直後に最低限見る場所はこれだけでOKです。
- フロント:トップ、カテゴリ、商品詳細、カート、購入完了
- 管理:ログイン、受注一覧、在庫、メールテンプレ
- 運用:Cronが回っているか、バックアップが動くか
- ログ:エラーが急増していないか
よくある質問(検索で拾われやすい悩みを集約)
レンタルサーバーとVPS、どちらが向いている?
迷ったら最初に、「運用の手間を許容できるか」で決めるのがいちばん失敗が少ないです。
ざっくり結論
- レンタルサーバー向き:まずは早く・安全に立ち上げたい/運用担当がいない(または兼務)
- VPS向き:同居影響を避けたい/構成を自由に組みたい/チューニングや監視を自分で回せる
判断の目安(初心者向け)
次のうち 1つでも強く当てはまるなら、まずレンタルサーバーが堅実です。
- OSやミドルウェア更新(セキュリティ対応)を自分でやるのが不安
- 障害時にログを追って原因究明する体制がない
- バックアップ復元や切り戻し作業を自分でできる自信がない
逆に、次が増えてきたらVPS/クラウドを検討する段階です。
- セール時などピークで レスポンスが急に悪化する(同居影響を疑う)
- 検索・絞り込み・受注一覧が重く、改善が頭打ち
- Redis / Queue / 検索エンジンなど追加コンポーネントが必要になってきた
- 社内規定や監査で、構成管理・ログ管理・権限分離を厳密に求められる
“VPSにするなら”初心者が踏むべきステップ
いきなりフル自前VPSに行くより、次の順が安全です。
- レンタルサーバーの上位プラン(一番低リスク)
- マネージドVPS/クラウド(運用負荷を抑えつつ性能を上げる)
- フル自前VPS(運用の自走が前提)
EC-CUBEはどのバージョンを選ぶべき?
基本はシンプルで、新規なら“最新のメンテされている系統”を選ぶのが安全です。
理由は、セキュリティ修正や周辺ライブラリ(PHP/Symfony等)の更新が継続されるからです。
新規構築のおすすめ
- 原則:4.3系(最新)
サーバー側のPHP/DB条件が満たせるなら、まずここを基準に考えるのが堅いです。
4.2系を選ぶ余地があるケース
- 使いたいプラグインが「4.3対応が遅れている」
- サーバー都合で、PHPやDBの要件を4.3に上げられない(当面は4.2の範囲で運用したい)
4.0/4.1系を“あえて”選ぶのはどんな時?
- すでに稼働中のサイトが4.0/4.1で、当面は保守を優先して段階移行したい
- ただし、古いミドルウェア前提になりやすく、長期的にはアップグレード計画が必須です
バージョン選びで必ず確認する3点
- サーバーのPHP/DBが要件を満たすか(あとから変えにくい)
- 導入予定プラグインが対応しているか
- カスタマイズ量(多いほど“バージョンアップの難易度”が上がる)
迷ったら:まず検証環境で、
「同じサーバー条件」+「必須プラグイン全部」+「テスト注文(メール送信まで)」
が通るバージョンを採用すると、実運用で詰まりにくいです。
PHPやDBのバージョンが合わないと言われたときの対処は?
このエラーは「何が悪いか」を分解すると解決が早いです。
見るべきは EC-CUBEのバージョンと、サーバーで選べるPHP/DBの2つです。
対処の基本フロー
- 自分が入れようとしているEC-CUBEのバージョンを確認
- そのバージョンの 要件(PHP/DB範囲)を確認
- サーバー側で
- PHPのバージョン変更ができるか
- DBの種類(MySQL/PostgreSQL)とバージョンが合うか
を確認
- 合わない場合は、次のいずれかを選ぶ
- サーバー設定で解決(PHP切替、DB作り直し)
- プラン変更で解決(上位プランで新しいDBが使える等)
- サーバー移転で解決(要件を満たす環境へ)
よくある落とし穴(ここを見ると早い)
- PHPは切り替えたのにCLIのPHPが古い
→ Composerやバッチで別PHPが動いているケースがあります(SSH環境で要確認) - DBは作ったのに、ホスト名/権限が違う
→localhost固定とは限らず、ホスティング指定のホスト名が必要な場合も - MySQLのストレージエンジン
→ 要件上、InnoDBが前提のため、環境が古い/制限されていると詰まります - PostgreSQLの参照権限
→ 要件に含まれる参照権限が不足していると、インストール時にエラーになります
管理画面が重い/注文メールが届かない/500エラーが出るときは?
症状ごとに“最短で当たりを付ける”のがコツです。
共通して最初に見るべきは、この3つです。
- サーバーのエラーログ(500系の原因が出ることが多い)
- EC-CUBE側のログ(例外や処理失敗の痕跡)
- 直前に変えたもの(プラグイン・PHP切替・設定変更・ファイル更新)
管理画面が重いとき(まず疑う順)
- プラグインが増えた後から重い
→ いったん疑わしいプラグインを停止して比較(検証環境推奨) - キャッシュが効いていない
→ キャッシュ削除→再生成(更新直後の不安定さを減らす) - PHPのメモリ不足/タイムアウト
→ 特定操作(CSVや画像登録)だけ落ちるならこの可能性が高い - DBが詰まっている
→ 受注一覧・検索が遅いなら、DBの負荷やインデックスを疑う
簡易チェック ✅
- 「重い画面」が 受注一覧/商品検索/CSV系に偏っているか
→ 偏っているならDB・メモリ・プラグインの順に疑うと当たりやすいです。
注文メールが届かないとき(初心者が潰すべきポイント)
- 送信元アドレスが不適切(存在しない、ドメイン不一致など)
- SMTP設定が未整備(送れているつもりで落ちている)
- 迷惑メール判定(届いているが迷惑メールに入っている)
- DNS(SPF/DKIM/DMARC)未設定(到達率が不安定になりやすい)
最短確認手順 📩
- テスト注文 → 自分宛に届くか
- 迷惑メールも含めて確認
- サーバー側のメールログ(可能なら)で送信結果を確認
- SMTPを使う方針に寄せ、再テスト
500エラーが出るとき(切り分けの近道)
500は原因が幅広いので、「最近の変更」と「ログ」で詰めます。
よくある原因
- PHPバージョン変更直後の互換性エラー
- 必須拡張が不足している
- 権限(書き込み不可)でキャッシュやログが作れない
- Composer依存関係が壊れている(更新途中でズレた等)
安全な対処の順番
- 直前に入れたプラグインや変更を戻す(可能なら切り戻し)
- キャッシュ削除→再生成
- エラーログに出ている “最初の例外” を拾って原因箇所を特定
- 解決しなければ、検証環境で同じ手順を再現してから本番へ反映
保守・セキュリティ対応は内製すべき?外注すべき?
結論は、「売上とリスクに対して、止めない責任を誰が持つか」で決めるのが現実的です。
内製が向くケース
- 小規模で、機能追加や更新が少ない
- 技術担当がいて、更新・監視・バックアップ復元を回せる
- 障害時に一次対応できる(営業時間外も含めた体制がある程度ある)
外注が向くケース
- 更新が怖くて放置しがち(=セキュリティリスクが上がる)
- 障害対応を“その場の頑張り”でやっている
- 人が変わると運用が止まる(属人化)
- 社内ルールで監査・ログ管理・権限管理が必要
失敗しない外注の選び方(チェックリスト)
- 責任範囲が明確か(本体/プラグイン/サーバー/監視/復旧)
- 更新の頻度と手順(検証→本番、緊急時の扱い)
- 復旧の約束(目標時間)があるか
- アクセス権限の分離(本番のフル権限を渡しっぱなしにしない)
- ドキュメント化(手順書・構成図・連絡フローが残るか)
おすすめは“ハイブリッド”です。
例:サーバー運用(監視・バックアップ・更新)は外注し、
商品登録や日々の運用は内製、という分担はコストと安全性のバランスが取りやすいです。
まとめ
EC-CUBEのレンタルサーバー選びは、結論として 「EC-CUBEが動くか」よりも「止めずに運用できるか」で決めるのが正解です。
そのために押さえるべきポイントは、次の4つに集約できます。
- 要件適合:使うEC-CUBEのバージョンに対して、PHP/DB/必須拡張が確実に満たせること
- 運用性:バックアップ“取得”ではなく、復元のしやすさまで確認できること
- 安定性:同居影響・ディスクI/O・DB性能など、伸びた後に詰まらない余力があること
- 継続運用:本体・プラグイン・依存ライブラリを、検証環境を使って安全に更新できること
初心者が最初にやるべき現実的な選択は、まず 信頼できるレンタルサーバーで堅実にスタートし、アクセス増や機能追加に合わせて
- 同一サービス内の上位プラン
- 必要ならVPS/クラウド
- 運用負荷を減らしたいならクラウド版やEC特化サービス
という順番で、段階的にスケールしていくことです。
また、EC運用では「導入できた」よりも、公開後に起きがちな
- 管理画面の重さ
- 注文メールの不達
- 500エラーや障害時の復旧
- セキュリティ更新の継続
を “仕組みで回せる状態”にしておくことが大切です。この記事のチェックリストと比較軸を使えば、契約前に見るべき項目が明確になり、導入後のトラブルも減らせます。
サーバーはショップの土台です。
最初に「安心して伸ばせる環境」を選び、EC-CUBEの強み(拡張性・自由度)を活かして、長く売れるネットショップを育てていきましょう。
