E-E-A-T入門|ユーザーにも検索エンジンにも信頼されるサイトの育て方
「E-E-A-Tが大事って聞くけれど、結局なにをすればいいの?」
「専門家じゃない自分が情報発信しても、検索で評価されるんだろうか……」
「コンテンツは頑張って書いているのに、アップデートのたびに順位が落ちて不安」
「AI記事が増える中で、どうやって“信頼できるサイト”だと示せばいいの?」
こんなモヤモヤを抱えたまま、なんとなくSEO対策を続けていないでしょうか。
Googleが検索品質評価ガイドラインの中で重視しているのが、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)という考え方です。
これは「裏ワザ的なテクニック」ではなく、
- 誰が
- どんな経験や知識にもとづいて
- どのような責任感で情報を発信しているのか
を、ページ単位・サイト単位で総合的に見ていこうとする枠組みです。
本記事では、難しい用語やアルゴリズムの話に偏りすぎず、実務でどう活かすかに焦点を当てて解説します。
- そもそもE-E-A-Tとは何を評価する指標なのか
- なぜ今のSEOでここまで重視されるようになったのか
- ブログ・オウンドメディア・企業サイトで、具体的に何から手を付ければよいのか
- 生成AI時代に、どうやって「人だからこそ書ける価値」を出していくのか
といったポイントを、初心者の方でもイメージしやすいように整理していきます。
「検索エンジン対策のため」だけではなく、
ユーザーの立場から見ても“ここなら信用できる”と思えるサイトをどう育てるか。
その軸としてE-E-A-Tを使いこなせるようになることが、本記事のゴールです。
E-E-A-Tの全体像をつかむ
E-E-A-Tとは何を評価する指標なのか
E-E-A-Tは、検索結果に出てくるコンテンツやサイトが「どれくらい信頼できるか」を立体的に見るためのフレームです。
4つの視点があります。
- Experience(経験):実際にそのテーマを体験した人が書いているか
- Expertise(専門性):その分野の知識・スキルがどれだけ深いか
- Authoritativeness(権威性):第三者から「その人(サイト)は信用できる」と見なされているか
- Trustworthiness(信頼性):情報の正確さ・安全性・透明性があるか
ここで押さえておきたいのは、E-E-A-Tは「個別の数値スコア」ではなく、
このページは本当にユーザーの役に立つ、信頼できる情報源か?
を判断するための評価の物差しだということです。
たとえば:
- ダイエット薬の解説記事 → 販売会社ではなく、公的機関や医師の情報を踏まえているか
- クレジットカード比較 → 実際に使った人のレビューや、専門家の視点があるか
- 旅行ブログ → 行ったことのない国の「想像レビュー」ではなく、写真や体験談があるか
こうした観点で、E-E-A-Tは「ユーザーが損をしないようにするためのフィルター」として機能します。
E-A-TからE-E-A-Tへの拡張と「経験」が追加された背景
もともとGoogleは、E-A-T(Experienceなしの3要素)でコンテンツを評価していました。
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
そこにExperience(経験)が後から追加され、E-E-A-Tになりました。
背景には、次のような流れがあります。
- 情報が理論だけでは足りなくなった
- レビュー記事や体験談が増え、「実際に使った人の声」が重視されるようになった
- 机上の知識だけで書かれた記事と、現場経験に基づく記事を区別する必要が出てきた
- 誤情報や“エアレビュー”の氾濫
- 行ったこともないお店のレビュー
- 触ったこともない商品のレビュー
こうした「嘘の体験」は、ユーザーにとってもプラットフォームにとっても大きなマイナスです。
- ユーザー行動の変化
- 「この商品、実際どうだった?」
- 「この病気、体験した人のリアルな声が知りたい」
といった、“生の声”を求める検索が増えている
その結果として、Googleは
「専門家が書いているか」だけでなく
「実際にそのテーマを体験した人が書いているか」
も評価軸に組み込みました。
たとえば:
- 新型スマホのレビュー
- スペックを並べただけ → 専門性はあるが、経験が弱い
- 実際の使用感・写真・不満点まで書いてある → 経験も専門性も両方評価されやすい
E-E-A-Tでは、「現場の温度感を持ったコンテンツかどうか」がより重要になっている、というイメージです。
Google検索品質評価ガイドラインにおけるE-E-A-Tの位置づけ
E-E-A-Tは、Googleが公開している検索品質評価ガイドラインの中で、中心的な概念として扱われています。
ここでポイントなのは、ガイドラインとE-E-A-Tの関係性です。
- 検索品質評価ガイドライン
- 世界中の「品質評価者(人間のチェック担当)」が使うマニュアル
- 「この検索結果はユーザーにとって役に立つか?」を評価するための基準書
- E-E-A-Tの役割
- 品質評価者が、ページやサイトの信頼性を見るときのチェックリストのような立ち位置
- どのようなサイトが「高品質」とみなされるかを、Googleが明文化したもの
ここでよくある誤解が、
「E-E-A-Tスコアが上がると、直接ランキングが上がる」
というイメージですが、実際はもう少し間接的です。
- 品質評価者がガイドラインに沿って、E-E-A-Tの観点から検索結果を評価する
- その評価結果をもとに、ランキングアルゴリズムの改善・調整が行われる
- 改善されたアルゴリズムが、通常の検索結果に反映される
つまり、E-E-A-Tは
アルゴリズムを育てるための「教師データの考え方」
に近い存在であり、
それでもなお「どんなサイトを目指すべきか」を知る上では、非常に重要な指針になっています。
「ページ単位」と「サイト単位」で見られるE-E-A-Tの違い
E-E-A-Tは、個々のページとサイト全体の両方を見ながら評価されます。
この2つを分けて意識しておくと、施策の優先順位が整理しやすくなります。
1. ページ単位のE-E-A-T
1つの記事やページごとに、
- このテーマについての体験や具体例が書かれているか(経験)
- 内容が専門的かつ分かりやすいか(専門性)
- そのページが他サイトから引用・参照されているか(権威性)
- 情報源・出典・日付がきちんと書かれているか(信頼性)
といった点が見られます。
例:
- 「○○クリニック 口コミまとめ」のページ
- 医師コメント・診療実績 → 専門性
- 患者の声・症例紹介 → 経験
- 医師会サイトからの引用・リンク → 権威性
- 診療時間・所在地・運営者情報 → 信頼性
2. サイト単位のE-E-A-T
一方で、サイト全体として、
- どの分野に特化しているか(テーマの一貫性)
- 運営母体は誰か(企業・個人・専門機関など)
- 長期的に見た実績・評価・評判
- 全体として安全で透明性の高い運営がされているか
といった点も重要です。
たとえば:
- 医療専門メディアが、複数の医師監修で多数の記事を出している
- 会社情報・ポリシー・問い合わせ窓口が整っている
- SNSやメディア露出が多く、名前で検索される回数も多い
こうした「サイト全体の信頼残高」があると、新しく公開したページも、相対的に信頼されやすくなります。
まとめると、
- 1ページの質(コンテンツ単体のE-E-A-T)
- サイトとしての一貫した信頼感(サイト全体のE-E-A-T)
この両方を少しずつ積み上げていくことが、
長期的に検索結果で評価されるためのベースになります。
次のセクション以降では、
「じゃあ実際に、どうやってE-E-A-Tを高めていくのか?」という具体的なステップに落としていくと、記事としても説得力が増します。
4つの要素それぞれの意味
まずは4つの要素をざっくり俯瞰しておきます。
| 要素 | ひと言でいうと | 主に見られるポイント |
|---|---|---|
| 経験(Experience) | 実際にやってみた人の視点 | 体験談・事例・一次情報があるか |
| 専門性(Expertise) | プロとしての知識の厚み | 理解度・正確さ・説明のレベル |
| 権威性(Authoritativeness) | 周りからの評価 | 被リンク・メディア掲載・実績 |
| 信頼性(Trustworthiness) | 安心して任せられるか | 安全性・透明性・誠実さ |
これらはバラバラではなく、「そのサイト(人)をどれだけ信じてよいか」を立体的に測るための4つの角度だと考えるとイメージしやすいです。
経験(Experience):実体験に根ざした情報かどうか
「経験」は、机上の知識ではなく、“自分の身体を通った情報かどうか” を問う要素です。
- 実際に商品を使ったレビュー
- サービス導入のビフォー・アフター
- 現場での失敗・試行錯誤のストーリー
こうした、その人にしか書けない一次情報があるかどうかがポイントになります。
たとえば:
- 「○○のダイエット法を解説します」という記事
- 実際に数か月試して、体重の変化やつらかった点まで書いてある
- 病院で指導を受けた経験や、医師から聞いた注意点が含まれている
このような記事は、単に他サイトをまとめただけの解説よりも、「読者が行動をイメージしやすいリアルさ」が出ます。
初心者ができるExperience向上のコツ
- 自分の体験を書くときは、
「いつ・どこで・何を・どう感じたか」を具体的に残す - クライアントや顧客の事例・インタビューを許可を得て掲載する
- 成功談だけでなく、うまくいかなかった話や改善の過程もまとめる
経験は、派手な実績でなくても構いません。
大事なのは、「実際にやった人の温度感が伝わるか」です。
専門性(Expertise):その分野の知識とスキルの深さ
「専門性」は、そのテーマについてどれだけ理解しているか・説明できるかという視点です。
ここでは主に次のような点が見られます。
- 用語を正しく使えているか
- 初心者にも分かるように噛み砕いて説明できているか
- 単なる感想ではなく、根拠や理論に基づいているか
- 関連分野とのつながりまで踏まえて整理できているか
よくある誤解として、
資格がない=専門性がない
と思われがちですが、必ずしもそうではありません。
資格や肩書きは強いシグナルになりますが、
- 長年の実務経験
- 多数の案件・プロジェクトで得た知見
- 一定のテーマに絞った長期的な情報発信
なども、十分に専門性の証拠になります。
専門性を伝える具体的な工夫
- プロフィールや運営者情報で「その分野との関わり」を具体的に書く
- 「なぜそう言えるのか」を、データや理屈で補足する
- 読者のレベル(初心者/中級者/上級者)を想定して、深さと言葉の難易度を調整する
- 単なるまとめではなく、自分なりの視点・判断基準・優先順位を出す
専門性は、「詳しい人」だけでなく、
「詳しいことを、分かりやすく届けられる人」に宿りやすい要素です。
権威性(Authoritativeness):第三者からどれだけ認められているか
「権威性」は、自分で「すごい」と言っているかどうかではなく、周りからどう見られているかに関する要素です。
代表的なシグナルとしては:
- 他サイトからのリンク(被リンク)
- SNSや他メディアでの紹介・引用(サイテーション)
- 業界団体・公的機関からの認定や受賞歴
- セミナー登壇・メディア出演・書籍出版 など
たとえば、同じ内容の記事でも、
- 無名ブログが書いている
- 国立の研究機関や大手病院が書いている
というだけで、読者の受け取り方は大きく変わります。
Googleも、こうした「外から見た評価」を参考にしていると考えられます。
権威性を高めるためにできること
- 小さくてもいいので、実績を1つずつ可視化していく
- 登壇資料の公開
- 取材・掲載実績の一覧ページ
- 受賞歴・導入企業ロゴの掲載 など
- 引用されやすい「一次データ」や「丁寧なまとめ記事」を作る
- SNSやメールマガジンなどで継続的に発信し、名前・ブランド名での指名検索を増やす
- 業界イベントやコミュニティに参加し、信頼できるサイト・人とつながる
権威性は、一気に手に入るものではありません。
しかし、「見える形で積み上げる」という意識を持つだけで、日々の活動の質が変わります。
信頼性(Trustworthiness):安全性・正確性・透明性の総合評価
「信頼性」は、ユーザーが安心して情報を頼れるかどうかを判断する総合点です。
具体的には:
- サイトの安全性
- 常時SSL(https)対応
- 怪しいポップアップや過度な広告がないか
- 情報の正確さと更新状況
- 出典・参考文献が明記されているか
- 古い情報が放置されていないか
- 透明性・誠実さ
- 運営者・企業情報・連絡先が明示されているか
- プライバシーポリシーや利用規約が整っているか
- 誇張表現や紛らわしい誘導がないか
たとえば、以下のようなサイトは信頼性で損をしがちです。
- 会社情報も住所も書いていないのに、個人情報の入力を求める
- 医療・お金の話をしているのに、出典が一切書かれていない
- 情報が古いまま放置されている(料金・法律などが変わっているのに未更新)
逆に言うと、少し手間をかけるだけで信頼性は目に見えて改善できます。
信頼性を高めるための小さなチェックリスト
- サイトをHTTPS化し、ブラウザの警告が出ない状態にする
- 「運営者情報」「会社概要」「お問い合わせフォーム」を分かりやすい位置に配置する
- 引用や統計は、できるだけ公的機関・一次情報を参照し、リンクを付ける
- 更新日・最終確認日を明記し、古い記事は定期的に見直す
- 誇大広告になっていないか、読者の立場で読み返す
信頼性は、派手さはありませんが、1つでも欠けると一気に不安を招きやすい要素です。
4要素の中で軸になる「信頼」が最重要とされる理由
4つの要素の中でも、「信頼性(Trust)」が中核に置かれているとよく言われます。
その理由は、シンプルです。
信頼できない情報なら、
どれだけ詳しくても、どれだけ有名でも、ユーザーの役に立たないから。
いくつか極端な例を挙げてみます。
- 経験は豊富だが、嘘の実績を盛っている
- 専門家だが、古い情報のままアップデートしていない
- 有名メディアだが、出典が不明で広告との線引きが曖昧
これらは、経験・専門性・権威性のどれかは高く見えても、
「信頼できるか?」と問われると、一気に評価が下がります。
E-E-A-T全体のイメージとしては:
- 経験・専門性・権威性 → 信頼を「支える柱」
- 信頼性 → その上に成り立つ「土台」かつ「最終判断基準」
という構造になっています。
実務レベルでも、
- 医療・金融・法律などのYMYL領域
- 個人情報を扱うフォームがあるページ
- 「買う/契約する」前提のランディングページ
のように、ユーザーの人生に影響が大きい場面ほど、
Googleもユーザーも、まず「信頼できるかどうか」を最優先する傾向があります。
まとめると、4つの要素は次のように使い分けると整理しやすいです。
- 経験:リアルさ・現場感を出す
- 専門性:内容の深さと正確さを担保する
- 権威性:周囲からの評価で裏付ける
- 信頼性:ユーザーが安心して行動できる状態をつくる
このうち、どれか1つだけを極端に伸ばすのではなく、
「信頼」を中心に、4つを少しずつ底上げしていくことが、E-E-A-Tを意識したサイト運営の基本になります。
なぜ今E-E-A-TがSEOで重視されるのか
情報過多・フェイクニュース時代における品質担保の必要性
今の検索結果は「情報が足りない」よりも、むしろ「情報が多すぎる」ことが問題になっています。
- どのサイトも似たような内容
- 引用元が曖昧なデータ
- 誇張されたセールストーク
ユーザーは、「何が正しいのか」「誰を信じていいのか」を自分で選び取らなければいけません。
そこでGoogle側は、
単にキーワードに合っているかではなく、
「その情報源は信頼に足るか?」を評価しよう
という方向に舵を切りました。
その判断軸として導入された考え方がE-E-A-Tです。
E-E-A-Tは、
- 「内容が詳しいか」だけでなく
- 「書き手の経験・専門性・評判・運営体制」
といった要素まで含めて、情報の“質”を底上げするフィルターとして機能しています。
医療・お金など重大なテーマで検索が多用される現状
特にE-E-A-Tが強く意識されるのが、いわゆるYMYL(Your Money or Your Life)領域です。
- 医療・健康
- 金融・投資・保険
- 法律・契約
- 就職・転職・教育
こうしたテーマは、誤った情報を信じると、
「お金を失う」「健康を損なう」「人生の選択を誤る」といった大きなダメージにつながります。
実際、多くの人がこうした重大なテーマで、
- 病名や薬を検索する
- ローンやクレジットカードを比較する
- 税金や制度について調べる
といった行動を、検索エンジンを通じて行っています。
だからこそGoogleは、
- 誰が書いたか分からない体験ゼロの記事よりも
- 専門家や公的機関の知見・一次情報に支えられた記事を優先したい
と考え、E-E-A-Tの観点を強く反映させています。

生成AI時代に「誰が・どの経験から語っているか」が問われる理由
生成AIの普及によって、「文章」を作ること自体のハードルは一気に下がりました。
- ありきたりな情報のまとめ
- 他サイトの内容を少し言い換えた記事
は、ほぼ誰でも短時間で大量に作れる時代です。
この状況で、検索結果に並ぶコンテンツの差別化要因になるのが、
- その人・その組織だからこそ語れる経験
- 現場で積み上げてきた知識と判断基準
- ユーザーとの接点から得たリアルな声
といった、人間側の蓄積です。
Googleから見ると、
「中身は薄いが、文章だけはそれっぽいAI生成コンテンツ」
を増やしたくはありません。
そこで、
- 実体験(Experience)が反映されているか
- 専門家や実務経験者が関わっているか
- きちんと責任者・運営者が明示されているか
といったE-E-A-Tの観点が、生成AI時代のノイズ対策として重要になっています。
GoogleアルゴリズムとE-E-A-Tの関係性
ここで整理しておきたいのが、E-E-A-Tとアルゴリズムの距離感です。
- E-E-A-T
- 検索品質評価ガイドラインの中で定義された「考え方」
- 人間の評価者が検索結果の良し悪しを判断する際の軸
- 検索アルゴリズム
- 実際に順位を決めるプログラム
- 無数のシグナル(リンク、コンテンツ、ユーザー行動など)を組み合わせて動いている
Googleは、
- E-E-A-Tに沿って人間の評価者が検索結果をレビュー
- その結果をもとに「どんな特徴を持つページを高く評価すべきか」を学習
- アルゴリズムを改善し、通常の検索結果に反映
というプロセスを繰り返しています。
つまり、
- E-E-A-Tという概念が
- 「どのようなシグナルを重視するアルゴリズムにするか」を間接的に決めている
と考えると、イメージしやすいです。
E-E-A-Tは「スコア」ではなく評価のフレームであるという前提
よく勘違いされるのが、
「E-E-A-Tスコアが○点だと順位が上がる」
というイメージですが、実際にはそうした明確な点数は存在しません(少なくとも公開されていません)。
重要なのは、
- E-E-A-Tは「チェックリスト」や「評価軸」のようなものであって
- 1〜100点で採点されるような単純な指標ではない
という点です。
たとえば、
- 経験は豊富だが、運営情報が弱いサイト
- 専門家監修があるが、情報更新が追いついていないサイト
など、現実のサイトはグラデーションの中に存在します。
だからこそ、実務では、
- 「Experienceが弱いから体験談を増やそう」
- 「信頼性を補うために、出典と運営情報を整えよう」
といった形で、4要素をバランス良く底上げしていく発想が重要になります。
E-E-A-Tを満たしていない=即座に順位が下がるわけではない
最後に、「E-E-A-Tと順位」の関係について、現実的な前提を押さえておきましょう。
- E-E-A-Tを意識していないサイトでも、
- 競合が弱いキーワード
- ニッチで専門性が低くても問題ないテーマ
では、上位表示しているケースがあります。
- 逆に、E-E-A-Tをかなり意識して作り込んでいても、
- 強い競合が多い市場
- ドメインパワーで大手に劣る場合
では、すぐには上がらないこともあります。
つまり、
「E-E-A-Tを満たしていないから、今日から一気に圏外へ」
というような、スイッチ型のペナルティとは別物だと考えた方が現実的です。
ただし、中長期的に見ると、
- コアアップデートのたびに、E-E-A-Tが強いサイトが残りやすい
- YMYL領域では、E-E-A-Tを軽視したサイトが相対的に下がりやすい
という傾向は確実に強まっています。
そのため、
- 目先の順位変動だけに振り回されず
- 「数年かけて信頼を積み上げる」つもりでE-E-A-Tを整えていくこと
が、結果としてSEOの安定性とビジネスの継続性につながります。
一言でまとめると、
E-E-A-Tは「テクニック」ではなく、「どんな姿勢で情報発信をするか」を定義する考え方です。
- 情報に責任を持つ
- 実体験と専門性に裏打ちされた内容を書く
- 外からの評価を地道に積み上げる
- ユーザーが安心できる設計にする
この4つを外さなければ、SEOだけでなく、ビジネス全体の信頼にも必ずプラスになります。
E-E-A-T・YMYL・ユーザー行動モデルの関係
YMYL(Your Money or Your Life)とはどんな領域か
YMYLは「Your Money or Your Life」の略で、間違った情報が「お金」や「人生・健康」に直結するテーマを指します。たとえば次のような分野です。
- 医療・健康
- 病気の治療法、薬、手術、メンタルヘルス など
- お金・仕事
- 投資、保険、クレジットカード、税金、副業、転職
- 法律・安全
- 契約、離婚、相続、犯罪、防災、防犯
- 社会・市民生活
- 公共政策、選挙、福祉制度、年金 など
これらの領域で誤情報を信じると、
- 大きな金銭的損失
- 健康被害や治療の遅れ
- 法的トラブル
- キャリアの大きなミス選択
といった、取り返しのつかないダメージにつながりかねません。
そのためGoogleは、YMYL領域に関しては、通常のジャンルよりも厳格な目線で品質をチェックする方針を明言しています。
YMYLジャンルでE-E-A-Tが特にシビアに見られる理由
YMYL領域では、ユーザー側の「間違えたくない」という気持ちがとても強くなります。
- 「この症状、本当に大丈夫なのか」
- 「この投資商品は騙されないだろうか」
- 「この手続きで法律的に問題ないのか」
こうした場面では、単に分かりやすいだけの情報では足りません。
「誰が」「どんな立場から」「どの根拠で」語っているかが、信頼性の分かれ目になります。
そのためGoogleは、YMYL領域では特に以下を厳しく見ます。
- 経験:実際の診療経験・投資経験・専門現場の実務にもとづいているか
- 専門性:医師・弁護士・公認会計士などの資格や、相応の職歴があるか
- 権威性:公的機関・学会・大手メディアなどから評価・参照されているか
- 信頼性:運営者・著者・監修者・出典・更新日などが明示され、安全なサイト設計になっているか
言い換えると、YMYLジャンルでは、
「なんとなく詳しそうに書いてある個人ブログ」より
「経験・専門性・第三者の評価・透明性のそろった情報源」
が優先されるように、アルゴリズムが調整されていきます。
マスメディア時代からSNS時代までの購買行動と信頼形成プロセス
E-E-A-Tの重要性は、ユーザーの情報との付き合い方の変化を見ると、より理解しやすくなります。
① マスメディア時代
- 情報源:テレビ、新聞、雑誌、ラジオ
- 特徴:
- 情報の発信者はごく一部
- 放送局・出版社という肩書き自体が「権威」
- 信頼の基準:
- 「大手だから」「専門番組だから」という看板ベースの信頼
② Web時代(検索エンジン中心)
- 情報源:個人サイト、企業サイト、ポータルサイト
- 特徴:
- 誰でも情報発信できるようになった
- 検索結果の上位が、事実上の“信頼の代行者”になった
- 信頼の基準:
- 「検索したときに上にあるからなんとなく信用」
- まだE-E-A-Tの概念は弱く、リンクやキーワード中心の評価が目立った時期
③ SNS時代
- 情報源:Twitter(X)、Instagram、YouTube、TikTok、コミュニティ など
- 特徴:
- フォロワー数やバズが「影響力」として可視化された
- 友人・インフルエンサーからの“口コミ”が購買に直結
- 信頼の基準:
- 「フォロワーが多いから」「周りの人も買っているから」
- ただし、誇張・案件ステマ・エアレビュー問題も同時に拡大
④ コンテンツマーケティング・生成AI時代
- 企業も個人も、ブログ・動画・SNSで「役立つ情報」を出すのが当たり前に
- 生成AIの台頭で、文章だけなら誰でも量産できる環境が整った
ここでユーザー側の心理は、次のように変化しつつあります。
「どの記事が詳しいか」ではなく
「どの情報源を長く信じて良いのか」
この流れの中で、E-E-A-Tは、
- マスメディア時代のような看板による権威任せではなく
- SNS時代のようなノリやバズ任せとも違う
- 「経験・専門性・第三者評価・透明性」で、信頼できる情報源を見つけるための新しい基準」
として機能し始めています。
非YMYLジャンルでも活きるE-E-A-Tの考え方
「YMYLじゃないから、E-E-A-Tは関係ない」と思われがちですが、実際にはほぼすべてのジャンルで応用できます。
たとえば:
- 旅行・グルメ
- 実際に行った人の写真付きレビュー(経験)
- その土地や文化に詳しい人の解説(専門性)
- ガイドブックや観光協会からの言及(権威性)
- 店舗情報・料金・注意点が正確で最新(信頼性)
- 趣味・ライフスタイル
- 長年同じ趣味を続けている人のノウハウ(経験+専門性)
- コミュニティや大会での実績(権威性)
- 過度な煽りではなく、リスクやデメリットも書く姿勢(信頼性)
- ガジェット・アプリレビュー
- 自分で使った上での比較・長期使用レビュー(経験)
- スペックや仕様の理解、他機種との位置付けの説明(専門性)
- メディアやメーカーからの紹介・コラボ実績(権威性)
- 提供品かどうかを明記し、広告とコンテンツを区別する(信頼性)
検索エンジンから見ても、ユーザーから見ても、
「YMYLじゃないから、適当でも許される」
ということはありません。
むしろ、どんなジャンルであっても「この人(サイト)なら安心して任せられる」と思ってもらえるかが、長期的なファン形成とビジネスの継続に直結します。
まとめると、
- YMYL領域は、人生・お金への影響が大きいため、E-E-A-Tが特に厳しく問われる
- しかし、ユーザーの行動モデルの変化を考えると、
- マスメディア → Web → SNS → 生成AI と進む中で
- 「誰のどんな経験・専門性・評判・姿勢を信じるか」が、あらゆるジャンルで重要になっている
E-E-A-Tは、YMYL専用のルールではなく、
「ユーザーと長期的な信頼関係を結ぶための設計図」
として、どんなサイト・どんなコンテンツにも応用できる考え方だと捉えると、実務への落とし込みがしやすくなります。
サイト全体の設計レベルでE-E-A-Tを考える
ページ単体のクオリティを上げるだけでは、E-E-A-Tは頭打ちになります。
「サイト全体をどういうコンセプトで設計するか」を決めておくと、1記事ごとの評価も上がりやすくなります。
ここでは、サイト設計の視点からE-E-A-Tを高める考え方を整理します。
どのテーマ・ジャンルに特化するかを決める
まず最初にやるべきは、「何でも屋」ではなく「○○ならこのサイト」と言える状態を目指すことです。
- NG例
- 転職、ダイエット、副業、投資、ガジェット…とにかく何でもある雑多なサイト
- OK例
- 「20代の初転職」に絞ったキャリアメディア
- 「小規模クリニックの集客」に特化したマーケティングブログ
テーマを絞ると、E-E-A-T的に次のメリットがあります。
- 記事が増えるほど「この分野に詳しいサイト」という印象が強くなる(専門性)
- 検索ユーザーからも「このテーマならここを読めばよい」と覚えてもらいやすい(信頼性)
- 被リンク・サイテーションも「ある特定分野での実績」として積み上がる(権威性)
最初から完璧に絞る必要はありませんが、
・誰に向けて
・どんなテーマで
・何を解決するメディアなのか
この3点は、1行で言えるレベルまで言語化しておくとブレにくくなります。
サイト構造と内部リンクで専門領域をわかりやすく示す
テーマを決めたら、サイト構造と内部リンクで「得意領域」を可視化することが重要です。
1. カテゴリー設計で「専門ゾーン」を作る
- 大カテゴリ:大きな領域
- 例)「転職準備」「応募・面接」「入社後の不安」
- 中カテゴリ:ユーザーの悩み単位
- 例)「自己分析」「職務経歴書」「面接対策」 など
カテゴリ名は、ユーザーの言葉+検索クエリを意識した名前にしておくと、
- 検索エンジン:テーマの一貫性を理解しやすい
- ユーザー:自分が今どの悩み段階にいるかを把握しやすい
という両方のメリットがあります。
2. 内部リンクで「知識の地図」を作る
内部リンクは「PV回遊を増やすためのテクニック」ではなく、
「このサイトでの学びの順番」を示す道しるべとして設計すると、E-E-A-Tにも効きます。
- 入門記事 → 基礎解説 → 応用記事 →ケーススタディ
- 「まず読んでほしい記事」「次に読むべき記事」を明示しておく
こうすることで、
- 専門性:内容がバラバラではなく、体系的に整理されている
- 信頼性:いきなり売り込みページに飛ばさず、理解を深める導線になっている
という評価につながりやすくなります。
編集ポリシーやコンテンツ方針を明文化する
E-E-A-Tの「信頼性」を支えるのが、編集ポリシーやコンテンツ方針の開示です。
たとえば、専用ページやフッターにこんな内容を載せておきます。
- 情報源について
- 「公的機関・一次情報を優先して参照します」
- 「統計データには出典を必ず明記します」
- 監修・執筆体制
- 「○○領域の記事は、現役の○○が監修しています」
- 「体験談は、実際の利用経験にもとづいて記載しています」
- 収益との関係
- 「一部記事はアフィリエイトリンクを含みますが、評価は編集部の判断です」
- 更新ポリシー
- 「法改正や料金変更があった場合、できるだけ速やかに更新します」
読者に向けて「どんな姿勢で情報発信しているか」を明文化することは、
- 「このサイトは何を大事にしているのか」
- 「どこまで信用してよいのか」
を判断してもらう材料になります。
結果的に、
- 読者:安心して読み進められる
- 検索エンジン:信頼性を裏づけるシグナルが増える
という二重の効果が期待できます。
検索ニーズとE-E-A-Tを結びつけた企画・構成の考え方
単にキーワードから記事を量産するのではなく、検索ニーズとE-E-A-Tをセットで考えると、サイト全体の質が上がります。
1. 検索意図から「どの要素を強く出すか」を決める
- 「やり方」「手順」を知りたい検索
- → 専門性+経験を厚めに
- 「危険性」「リスク」を知りたい検索
- → 信頼性(出典・根拠)を重視
- 「どれが良いか比較したい」検索
- → 専門性+権威性(比較軸・評価理由)を明確に
例:
「副業 税金 いくらから」
→ 税制というYMYL寄りテーマなので、
- 税務署・国税庁などの一次情報を参照(信頼性)
- 税理士または実務経験者の監修(専門性)
- 自身の確定申告経験や事例も添える(経験)
といった形で、検索ニーズに応じてE-E-A-Tのどこを厚くするかを決めると、記事ごとに役割がはっきりします。
2. 1記事の中に「サイト全体の強み」を紐づける
- 関連記事への内部リンク
- 監修者紹介ページへの導線
- 事例・実績一覧ページへのリンク
などを、無理のない範囲で入れておくことで、
「この記事だけで完結している」のではなく、
「サイト全体の蓄積を背景にもつ記事」
として印象づけることができます。
自分ならどんなサイトを「信頼できる」と感じるかを基準にする
最後に、最もシンプルで強力な判断基準があります。
「自分がユーザーだったら、このサイトを信じられるか?」
E-E-A-Tは専門用語ですが、突き詰めると「人として当たり前の信頼感の積み上げ」です。
- 誰が運営しているか分からないサイトを信用するだろうか?
- 出典も書いていない健康情報で、薬の飲み方を変えるだろうか?
- 良い話しか書いていないレビューを、本気で信じられるだろうか?
こうした素朴な疑問に、自分自身が納得できる形で答えられるサイト設計をしていれば、
自然とE-E-A-Tの方向性からは大きくズレません。
迷ったときは、専門用語をいったん忘れて、
- 「自分なら読みたいと思うか」
- 「家族や友人に勧められるか」
を基準に、サイト全体の設計やコンテンツの出し方を見直すと、
結果的にユーザーにも検索エンジンにも評価されやすい土台が整っていきます。
4要素別に見るE-E-A-T改善施策
経験(Experience)を強化する
「経験」を強化する目的は、“その人だから書ける情報” をどれだけ増やせるかです。
ここでは、実務ですぐ使える具体的な打ち手に落とし込んでいきます。
自身やチームの実体験・一次情報を中心に記事を作る
まずは、自分たちの現場で起きたことを文章の芯にするのが基本です。
- 実際に使ったツール・サービスの感想
- プロジェクトでの成功・失敗
- 社内で試した施策の結果
など、自分たちしか持っていない情報(一次情報)をベースに記事を組み立てます。
ポイントは、単なる感想で終わらせず、
- いつ・どのような背景で
- 何をやって
- どんな結果になり
- そこから何を学んだか
までを書き切ることです。
これだけで「他サイトでは代替しにくいコンテンツ」に一歩近づきます。
施工事例・導入事例・成功事例/失敗事例を公開する
BtoBサイトやサービスサイトであれば、事例コンテンツはExperienceの宝庫です。
- 導入前の課題
- 選定の決め手
- 導入後の変化(数値・業務フロー・社内の声)
- うまくいった点だけでなく、想定外の苦労
まで公開できると、「本当にやった人の視点」が伝わりやすくなります。
特に有効なのは、
- 成功事例だけでなく、うまくいかなかったパターンも出すこと
- 業種・規模・課題別に事例を整理し、似た読者が自分のケースを想像しやすくすること
事例が増えるほど、「机上の理論ではなく、現場に根ざしたメディア」という印象が強まり、
E-E-A-Tの中でもExperienceとExpertiseの両方を底上げできます。
顧客インタビューやレビュー・口コミをコンテンツ化する
自社目線だけだと、どうしても語り口が一方通行になりがちです。
そこで効いてくるのが、顧客やユーザーの生の声です。
- インタビュー記事
- 導入企業担当者のコメント
- 顧客アンケートの集計と、そこから分かった傾向
などをコンテンツとして整理します。
ポイントは、
- 「良い声」だけを並べるのではなく、率直な指摘や改善要望も含めること
- 一言コメントだけでなく、「なぜ導入したのか」「他社と比較してどうだったか」まで踏み込むこと
第三者の声が加わることで、
- 「自社の主張」だけだった状態から
- 「利用者が実際にどう感じたか」まで見える状態
へ変わり、ExperienceとTrustが一気に強化されます。
実際のサービス品質や成果をデータやストーリーで見せる
経験を裏付ける材料として、数字とストーリーをセットで出すと説得力が跳ね上がります。
例:
- 導入後の数値変化
- CV数◯%増加
- 問い合わせ数◯倍
- コスト◯%削減 など
- その数字の裏側で
- 現場でどんな工夫をしたのか
- 社内の反発やハードルは何だったのか
- 最終的にどんな評価を得たのか
単に「成果が出ました」だけでなく、
「データ」と「現場のストーリー」をセットで見せる
ことで、読者は自分の環境に当てはめてイメージしやすくなります。
また、グラフや簡単な図解を使って、
- Before → After を視覚的に示す
- 時系列で数値の変化を追えるようにする
といった工夫も、Experienceの伝わり方を大きく変えます。
読者が自分ごと化しやすいエピソードで共感を生む
最後の一押しは、「読者が自分のことのように感じられるかどうか」です。
- 同じような職種・業種の担当者が登場する
- ありがちな失敗や不安から話を始める
- 「こんな状況、心当たりありませんか?」と問いかける
といった工夫で、読者が自分の状況と重ねやすくなります。
たとえば、
- 抽象的な成功談: 売上が伸びました。
- 自分ごと化しやすいエピソード: 広告費を増やしても反応が鈍く、「このまま続けて大丈夫か」と毎月数字を見るのが怖かった時期がありました──
後者のような書き方は、
- 「あ、自分も同じだ」と感じてもらいやすく
- 結果として「この人たちは現場を分かっている」という信頼につながります。
Experienceを強化するコツは、
「うまく見せる」のではなく、「ちゃんと見せる」という発想に切り替えることです。
- 都合の良い部分だけ切り取らない
- 成果だけでなく、過程と失敗も開示する
- 数字とストーリー、両方で語る
この積み重ねが、他では代替できない「そのサイトならではの経験値」として蓄積され、
長期的にE-E-A-T全体の底上げにつながっていきます。
専門性(Expertise)を強化する
専門性は、「詳しい人」かどうかだけでなく、その知識を一貫して、わかりやすく提供できているかまで含めて評価されます。
ここでは、サイト全体で専門性を高めるための具体的な打ち手を整理します。
扱うテーマを絞り、特化型メディアとして設計する
専門性を見せる一番の近道は、テーマを欲張らないことです。
- 転職・投資・ブログ・恋愛…と何でも扱うより
- 「20代の転職」「美容皮膚科」「中小企業のSEO」など、対象とテーマを絞る
ようにすると、
- 記事が増えるほど「この分野に強いサイト」という印象が積み上がる
- 検索エンジンにも、取り扱う領域が明確に伝わりやすくなる
まずは、
- 誰のどんな課題に対して
- 自分たちは何を提供できるのか
を一文で言えるレベルまで整理し、その枠から極力はみ出さない構成にすることが、専門性の土台になります。
その分野のプロや実務経験者が制作・監修に関わる体制を整える
専門性は、「誰がコンテンツを作っているか」で大きく変わります。
- 実務経験のあるライター
- 現役の専門職(医師・税理士・社労士・エンジニアなど)
- その道の現場責任者・マネージャー
こうした人たちが、企画・執筆・監修のどこかに必ず関わる体制をつくると、内容の質が安定します。
現実的には、
- 記事の骨子:編集側が作る
- 専門部分のチェック:プロが監修する
- 実務の細かなニュアンス:インタビューやヒアリングで拾う
といった分業でも構いません。
重要なのは、「専門家の名前だけ借りる」形ではなく、実際に中身に手を入れてもらうフローを用意することです。
資格・経歴・研究実績など専門家としてのプロフィールを明示する
専門性は、コンテンツの中身だけでなく、書き手のバックグラウンドによっても補強されます。
プロフィールでは、次のような情報を具体的に書きます。
- 保有資格・認定
- 業界での経験年数
- 過去に携わったプロジェクトや担当領域
- 所属機関・学会・研究テーマ
ただ「○○の専門家です」と名乗るのではなく、
「○○業界で10年以上、中小企業の採用支援に携わる。年間◯社をサポート」
のように、数字や具体的な領域を含めると説得力が増します。
また、監修者についても
- 顔写真
- 略歴
- 監修範囲(どの記事を見ているのか)
まで記載しておくと、読者の安心感が段違いに変わります。
深いノウハウや手順、判断基準などを体系的にコンテンツ化する
専門性は、「知っている量」だけでなく、それをどう整理して伝えているかで評価されます。
- 手順書(How to)
- チェックリスト
- よくある失敗と回避策
- 条件ごとの判断フロー(この場合はA、そうでなければB)
といった形で、現場で使えるレベルのノウハウを体系化しましょう。
意識したいのは、
- 1記事完結で終わらせず、「全体の中のどの位置づけか」を示す
- 理論だけでなく、「現場では例外的にこう対応する」といった実務感も入れる
ことです。
これにより、単なるまとめサイトではなく、「その分野の教科書」に近い印象を与えられます。
内部リンクで関連ページを網羅的につなぎ、知識の全体像を示す
内部リンクは、専門性を構造として見せるための装置です。
- 入門記事 → 基礎解説 → 応用記事 → 事例
- 用語集 → 関連トピック → 実践的な解説
といった形で、読者がステップを踏んで理解を深められる道筋を作ります。
工夫のポイント:
- カテゴリごとに「必読記事」「次に読む記事」を明示する
- 各記事の冒頭や末尾に、「関連トピックへのリンク」を整理して配置する
- 同じ内容を何度も書かず、1つのテーマを1本の“決定版”記事に集約し、そこへ内部リンクを集める
こうすることで、検索エンジンから見ても、
「このサイトは、このテーマを網羅的・体系的に扱っている」
と判断されやすくなります。
定期的なアップデートで情報の鮮度とボリュームを高める
どれだけ内容が良くても、古くなった専門情報は価値が下がります。
- 法改正・ガイドライン変更
- サービス仕様・料金の変更
- 新しい研究結果や事例の追加
などがあったタイミングで、関連する記事を重点的に見直します。
実務的には、
- 四半期や半年ごとに「見直し対象リスト」を作る
- 変更が起きやすいテーマ(法律・お金・ツール)は優先してチェックする
- 更新日・最終確認日を明示し、「メンテナンスされているサイト」であることを示す
といった運用を入れておくと、専門性と信頼性を同時に高める継続的な仕組みになります。
検索キーワードごとに求められる専門性を意識して記事構成を調整する
最後に重要なのが、「すべてのキーワードで同じ深さを書く必要はない」という発想です。
- 「とは」「意味」系のキーワード
- 初心者向けの解説+最低限の専門情報
- 「比較」「おすすめ」「選び方」系のキーワード
- 専門知識に基づいた評価軸・判断基準の提示
- 「やり方」「手順」「具体例」系のキーワード
- 詳細なステップ・チェックポイント・実務上のコツ
というように、検索意図によって求められる専門性のレベルや切り口は変わります。
記事構成を考えるときは、
- この検索キーワードの人は、どのレベルまで知りたいのか
- 何を判断したくて検索しているのか
- どの段階でより専門的な情報に誘導すべきか
を想像し、「深さ」と「読みやすさ」のバランスを調整していくことが大切です。
専門性を高めることは、単に難しい言葉を並べることではありません。
テーマを絞り、適切な専門家が関わり、知識を構造化し、読者のニーズに合わせて出し方を調整する──
この積み重ねが、「このサイトはこの分野に強い」という評価につながり、E-E-A-T全体の強化にも直結していきます。
権威性(Authoritativeness)を強化する
権威性は、「自分で名乗る肩書き」ではなく「周りからどう見られているか」で決まります。
ここでは、外部からの評価を少しずつ積み上げるための具体的な方法を整理します。
良質な被リンクとサイテーションを地道に蓄積する
権威性を語るうえで、やはり外せないのが被リンクとサイテーション(言及)です。
- 被リンク
- 他サイトから自サイトへのリンク
- 「参考にする価値がある」と判断された証拠になりやすい
- サイテーション
- URLリンクはないものの、「サイト名・ブランド名」が文中で言及される状態
これらは短期間で大量獲得を狙うのではなく、
- 丁寧な解説記事やデータ系コンテンツを作る
- 関連分野のサイトと情報交換・共同企画を行う
- 専門家同士のネットワークの中で「自然に紹介される流れ」を増やす
といった活動を通じてじわじわと増やしていくものだと考えたほうが現実的です。
大手メディア・業界誌・公的機関などから言及や紹介を得る
権威性に大きく効くのが、信頼度の高い媒体からの紹介です。
- 業界メディアの記事に専門家コメントとして登場する
- 公的機関・業界団体の資料から、事例として取り上げられる
- 大手ニュースサイトで、自社調査やサービスが紹介される
こうした実績は、1つ増えるごとに「この分野で認められている存在」という印象を強めてくれます。
現実的な一歩としては、
- プレスリリースを定期的に発信する
- 業界メディアの取材募集や寄稿募集に応募する
- 公的機関・団体のセミナーや勉強会に協力する
など、「メディア側がネタにしやすい情報」をこちらから提供していく姿勢が大切です。
SNSや外部サービスで発信を続け、ブランドとして認知される
権威性は、検索結果の中だけで完結しません。
SNSや外部プラットフォームでの発信も、「名前を知っているかどうか」という意味で大きな要素になります。
- X(Twitter)、Instagram、YouTube、note などで
- 特定テーマに絞った発信を続ける
- フォロワーとのやり取りから、信頼と親近感を蓄積する
大切なのは、
- フォロワー数そのものより
- 「この分野の話をするといえばこのアカウント」というポジションを確立すること
また、外部サービス(Q&Aサイト・コミュニティ・専門家マッチングサービスなど)での回答・寄稿も、「第三者の場で名前を見かける頻度」を増やすうえで有効です。
受賞歴・認定・登壇実績など「実績」を分かりやすく掲載する
どれだけ良い実績があっても、サイト上で確認できなければ権威性として機能しません。
サイト内に「実績紹介」や「メディア掲載・登壇情報」のページを用意し、例えば次のような情報を整理して載せます。
- 受賞歴・表彰歴
- 公的な認定・資格・認証
- セミナー・カンファレンスでの登壇
- メディア・ポッドキャストへの出演
- 書籍・寄稿記事・連載 など
ここでのポイントは、
- ロゴ・写真・開催年などを添えて、一目で「本当に実績がある」と分かる形にすること
- トップページや各記事からもリンクし、埋もれさせないこと
です。
権威性は、「外で積み上げた成果を、サイト内でどう見せるか」によって伝わり方が大きく変わります。
引用されやすいオリジナルデータや調査コンテンツを作る
他サイトから引用してもらうには、「ここでしか手に入らない情報」を持っていることが重要です。
- 独自アンケート・市場調査
- 自社サービスの利用データを匿名・統計化したレポート
- 業界別・規模別の比較データ
- 長期のトレンドをまとめたホワイトペーパー
などは、他のメディアやブログが「出典付きで紹介したくなるネタ」になりやすいです。
作るときのコツ:
- 調査方法・対象・期間を明記しておく(信頼性アップ)
- グラフや図解で「コピーしたくなる」ようなビジュアルにする
- ダウンロードや引用条件を分かりやすく書いておく
こうしたコンテンツは、時間がたってもリンクやサイテーションを生み続ける「資産」になりやすく、権威性強化に長期的に効いてきます。
ナレッジパネルやWikipedia掲載など中長期的な露出を視野に入れる
一足飛びには難しいですが、中長期のゴールとして意識しておきたいのが、
- 検索結果に表示されるナレッジパネル(企業・人物情報)
- Wikipedia での項目化
といった露出です。
これらは自分でコントロールしきれるものではありませんが、
- 公式サイト・SNS・プレスリリース・各種プロフィールを同じ情報で整える
- メディア・公的機関など、信頼度の高いサイトでの言及を増やす
- 英語を含む複数言語での情報整備も視野に入れる
といった取り組みが、将来的なナレッジパネル表示やWikipedia掲載の土台になります。
「いつかそうなりたい」という前提で情報発信を積み重ねておくこと自体が、権威性を育てる行動にもなります。
指名検索を増やし、サイト名・ブランド名で探される状態を目指す
最終的に、権威性が高いサイトほど、
キーワードではなく、名前で検索される
ようになります。
- 「転職 エージェント」ではなく「○○ エージェント 評判」
- 「SEO ブログ」ではなく「○○ブログ E-E-A-T」
といった検索が増えているかどうかは、
「ブランドとしてどれくらい認識されているか」のシグナルです。
指名検索を増やすためには、
- 記事内でサイト名やブランド名を自然な形で繰り返し出す
- SNSやイベント、名刺など、オンライン以外の接点でも同じ名称を使う
- 「○○といえばこのブランド」という分かりやすいポジションを発信し続ける
ことが有効です。
権威性は、テクニックで一気に上げるものではなく、
「小さな信頼の証拠」を外部に積み重ね、それをサイトで丁寧に見せることの結果として高まっていきます。
- 被リンク・サイテーション
- メディア・公的機関からの紹介
- 実績の開示
- オリジナルデータの公開
- 名前で検索される状態づくり
これらを、中長期の視点で少しずつ育てていくことが、E-E-A-Tの中でも「権威性」をじわじわ強くしていく近道になります。
信頼性(Trustworthiness)を強化する
E-E-A-Tの4要素のうち、最終的な判断軸になるのが「信頼性」です。
どれだけ経験・専門性・権威性が高く見えても、「このサイトは本当に信用して大丈夫か?」という疑問が残れば、ユーザーも検索エンジンも評価しきれません。
ここでは、信頼性を高めるための具体策を順番に見ていきます。
サイト全体をHTTPS化し、セキュリティ対策を徹底する
まずは技術的な安心感を整えるところからです。
- 常時SSL(https)対応にして、ブラウザの「保護されていない通信」の警告を消す
- フォーム送信・会員登録・決済など、個人情報が絡む箇所の安全性を確認する
- 不要なプラグインや古いテーマを放置せず、脆弱性を定期的にチェックする
ユーザーは、見た目よりも「警告が出ないかどうか」をシビアに見ています。
SEOというより、“最低限守るべき信用ライン”と考えたほうがよいポイントです。
運営会社・組織情報・著者情報を詳細に開示する
「誰が責任を持っているのか」が見えないサイトは、それだけで不安材料になります。
- 会社名・所在地・代表者名・連絡先
- 個人運営であれば、本名(出せる範囲で)・経歴・問い合わせ先
- 記事件数が多い場合は、「編集部」と実在する担当者名を併記する
これらを「運営者情報」「会社概要」「編集部紹介」などのページでまとめて公開しましょう。
著者情報についても、
- 専門分野
- 経験年数
- 関わってきた仕事・プロジェクト
などを簡潔に書いておくと、「どの立場から語っているのか」が伝わりやすくなります。
WHOIS情報やプライバシーポリシー・利用規約を公開する
信頼性は「ルールの明確さ」とも深く関係します。
- プライバシーポリシー
- 取得する情報、利用目的、第三者提供の有無 などを明示
- 利用規約
- 禁止事項、免責事項、著作権の扱い などを整理
- WHOIS情報
- 可能であれば、ドメイン登録情報を非匿名にし、運営者と一致させておく
特に、広告やアフィリエイトを行う場合は、
「広告を含みます」「アフィリエイトリンクを使用しています」
などの表示をしておくことで、読者に対する誠実さを示せます。
出典・参考文献を明記し、公的機関や信頼できる情報源を優先する
信頼性は、「何を根拠に書かれているか」で大きく変わります。
- 統計・データ・法律・医療情報などは
- 公的機関
- 学術論文・専門機関
- 一次情報を発信している公式サイト
を可能な限り参照する
- 記事の末尾や文中に、出典・参考リンクをまとめて掲載する
- 「◯年◯月時点の情報です」と、確認日・更新日を明示する
こうすることで、
「どこから取ってきた情報なのか分からない曖昧な記事」
から一歩抜け出し、読者が自己判断できる余地も提供できます。
Googleビジネスプロフィールで実在性とクチコミを見える化する
実店舗・事業所がある場合は、Googleビジネスプロフィール(旧マイビジネス)の活用も重要です。
- 住所・電話番号・営業時間を正確に登録
- 店舗やオフィスの写真を掲載し、「本当に存在する場所」であると伝える
- 利用者からのクチコミに返信し、対応姿勢を見せる
検索結果にビジネスプロフィールが表示されると、
- 「名前だけのサイト」ではなく
- 「リアルな事業として活動している」
ことが一目で分かります。
これは特に、YMYL領域(医療・金融・士業など)で強く効いてきます。

コンテンツを定期的にリライトし、古い情報や誤りを是正する
どれだけ良い記事でも、古くなると信頼性は落ちていきます。
- 法改正や料金変更があったテーマをリスト化し、優先して見直す
- 内容を修正した際は、「最終更新日」を明記する
- 変更点が大きければ、「◯年◯月に大幅リニューアル」などと書き添える
リライトは「SEOのため」というより、「読者を誤解させないための責任」と考えると、判断しやすくなります。

構造化データを用いて検索エンジンにページ内容を正しく伝える
信頼性は、ユーザーだけでなく検索エンジンとのコミュニケーションにも関わります。
構造化データ(Schema.org など)を使うことで、
- 記事タイプ(ニュース・ブログ・HowTo・FAQ など)
- 著者・監修者・組織情報
- レビュー・評価・価格・イベント情報 など
を、機械的に読み取りやすい形で伝えられます。
これにより、
- リッチリザルトの表示機会が増える
- 検索結果上での「見え方」が整い、怪しさを感じさせにくい
といった副次的な効果も期待できます。
誇張・煽りを避け、ユーザーが安心して行動できる導線を設計する
信頼性を壊す最短ルートが、過度な煽り・誇大表現です。
- 「絶対に」「誰でも」「必ず稼げる」などの断定的なコピーを多用しない
- デメリットや注意点も、分かる範囲できちんと書く
- 申し込みボタンや購入ボタンの周辺に、料金・契約条件・キャンセルポリシーなどのリンクを置く
特にLP(ランディングページ)では、
「勢いで申し込ませる導線」ではなく、「理解した上で納得して申し込める導線」を意識すると、
長期的なクレーム減少や解約率低下にもつながります。
サイト内検索や問い合わせ窓口など「困ったときの受け皿」を整える
最後に、ユーザーが困ったときにどこへ行けばいいかを明確にしておきましょう。
- サイト内検索:
- 記事数が増えてきたら、ヘッダーやフッターに設置
- 問い合わせフォーム・メールアドレス:
- 連絡先をフッターと「お問い合わせ」ページから辿れるようにする
- FAQページ:
- よくある質問やトラブル例をまとめておく
これらは直接SEOに見えづらい部分ですが、
「何かあっても連絡が取れる」
「疑問を自分で解決できる」
という安心感を生み、サイト全体の信頼度を底上げする要素になります。
信頼性は、派手な施策よりも、
「ユーザーから見て当たり前に安心できる状態かどうか」の積み重ねです。
- セキュリティ
- 情報の透明性
- 根拠の明示
- 誠実な表現
- 困ったときの受け皿
このあたりを1つずつ整えていくことで、
E-E-A-Tの土台となる「Trust」を、確かなものにしていくことができます。
実務でE-E-A-Tを組み込むワークフロー
ここまでの内容を「分かる」から「できる」に変えるには、
E-E-A-Tを日々の運用フローに組み込むことが重要です。
ここでは、現場で回しやすいステップに分解して解説します。
既存サイトのE-E-A-Tを棚卸し・診断する
まずは「今どんな状態なのか」を把握しないと、打ち手が散漫になります。
おすすめは、主要ページを一覧にして簡易スコアリングを行うことです。
例として、次のような項目で○・△・×をつけていきます。
- 経験:実体験・事例・一次情報が入っているか
- 専門性:深さ・正確さ・体系性は足りているか
- 権威性:被リンク・メディア掲載・実績の記載はあるか
- 信頼性:運営情報・出典・更新日・SSLなどは整っているか
いきなり全ページをやる必要はなく、
- 主要な流入キーワードの上位ページ
- 売上・リード獲得に貢献しているページ
から順に棚卸ししていくと、現実的に進めやすくなります。
YMYL度やビジネスインパクトが高いページから優先的に改善する
診断ができたら、「どこから直すか」の優先順位付けをします。
軸はシンプルに、次の2つです。
- YMYL度
- 医療・お金・法律・就職など、人生への影響が大きいテーマか
- 誤情報でユーザーに不利益が出るリスクが高いか
- ビジネスインパクト
- コンバージョンに直結しているか
- 重要な導線(集客記事 → サービス案内)になっているか
この2軸で見たときに、
- YMYL度「高」× ビジネスインパクト「高」なページ
→ 最優先でE-E-A-Tを強化すべきページ
から手をつけると、「やり切った感はあるが結果につながらない」状態を避けられます。
記事制作フローにE-E-A-Tチェック項目を組み込む
E-E-A-Tは「公開後に考えるもの」ではなく、企画〜執筆〜公開の各フェーズに紐づけると抜け漏れが減ります。
たとえばチェックリストを作るなら、こんなイメージです。
- 企画段階
- このテーマは誰のどんな悩みを解決するか
- 自社の経験・専門性を出せる切り口になっているか
- 執筆段階
- 一次情報・事例・データは入っているか
- 専門家・実務経験者の目線が反映されているか
- 出典は明記されているか
- 公開前チェック
- 著者情報・監修情報は整っているか
- 誇張表現や断定が強すぎる箇所はないか
- 内部リンク・外部リンクは適切か
制作フローに「E-E-A-Tチェック」を1ステップとして組み込んでしまえば、
毎回ゼロから意識する必要がなくなります。
構造化データ・内部リンク・著者情報などをテンプレート化する
毎回手作業でやろうとすると、忙しくなった瞬間に落ちます。
そこで有効なのが、テンプレート化です。
- 記事テンプレート
- 冒頭:読者の状況・悩みを明確にする
- 本文:経験・専門性を出すための共通ブロック(事例・図解など)
- 下部:著者情報・監修情報・関連リンクの定位置を用意
- CMS側の設定
- 著者・監修者の構造化データ(Person / Organization)
- 記事タイプ(HowTo / FAQ / Article など)のSchema
- デザイン
- 事例・データ・注意書きなど、E-E-A-Tに関わるパーツ用のデザインブロック
「記事を書くたびに同じ要素が自然と入る状態」をつくると、
新人ライターや外部ライターでも、一定以上のE-E-A-Tを担保しやすくなります。
アクセス・CV・指名検索などを指標に効果を検証する
E-E-A-Tは目に見えるスコアではありませんが、近い指標は追えます。
例:
- アクセス指標
- 対策したページの検索流入の推移
- 滞在時間・直帰率・スクロール深度
- コンバージョン指標
- お問い合わせ・資料請求・購入数の変化
- 重要ページへの遷移率
- ブランド指標
- サイト名・サービス名での検索回数
- 「◯◯ 会社名」「◯◯ サイト名」などの組み合わせ検索
短期的には順位が大きく動かないこともありますが、
- 「読了率が上がった」
- 「CV率が改善した」
- 「指名検索がじわじわ増えている」
といった変化が見えれば、E-E-A-Tの取り組みが「ユーザー側には確実に効いている」と判断できます。
長期的に評価を積み上げる運用体制・役割分担を決める
最後に大事なのは、「誰が、何を、どの頻度でやるか」を決めておくことです。
イメージとしては、次のような役割分担です。
- 編集・ディレクション
- E-E-A-T方針の策定
- テーマ選定と企画の質担保
- チェックリスト・テンプレートの管理
- 執筆・監修
- 実務経験者・専門家の巻き込み
- 現場の知見・事例の掘り起こし
- 分析・改善
- アクセス・CV・指名検索のモニタリング
- 優先ページの改善計画づくり
- 経営・事業側
- リソース配分(予算・人員)
- メディア戦略とビジネスゴールのすり合わせ
E-E-A-Tは「一度対策して終わり」ではなく、
サイトの成長とともに育てていく長期プロジェクトです。
- 半年〜1年単位で「どんな状態を目指すか」を決める
- 四半期ごとに進捗と成果を振り返る
といったリズムをつくることで、
日々のコンテンツ制作が「なんとなく記事を増やす作業」から、「信頼資産を積み上げる仕事」へと変わっていきます。
E-E-A-TとGoogle品質評価ガイドラインを読み解く
E-E-A-Tを正しく理解するには、Google検索品質評価ガイドライン(Quality Rater Guidelines)の考え方を押さえておく必要があります。
ここでは、ガイドラインがどんな視点でページを見ているのかを、できるだけ平易な言葉で整理します。
ガイドラインが示す「高品質なページ」の条件
品質評価ガイドラインには、「良いページ」「微妙なページ」を判断するための観点が、かなり具体的に書かれています。
要点をざっくりまとめると、次のようなページが「高品質」とみなされます。
- 目的がはっきりしていて、その目的を十分に果たしている
- ユーザーにとって役立つだけのボリューム・深さ・丁寧さがある
- コンテンツを作った人(個人・組織)が、そのテーマにふさわしい経験・専門性を持っている
- 運営者や著者、連絡先などが分かり、怪しさがない
- 更新状況や情報の新しさが保たれている(特にYMYL領域)
逆に言えば、
広告ばかりで中身がスカスカなページ
誰が書いたか分からないのに、人生に関わる内容を断定しているページ
は、ガイドライン上では「質が低い」と判断されやすい、ということです。
評判(レピュテーション)とレビューの扱われ方
ガイドラインでは、「サイトや運営者に対する外部からの評判(レピュテーション)」も重要な要素として扱われています。
評価者は、対象サイトだけでなく、以下のような情報も調べることが想定されています。
- 外部の口コミサイトやレビューサイトの評価
- ニュース記事や業界メディアでの扱われ方
- SNSやコミュニティでの評価・炎上履歴 など
ここで重要なのは、
- 自社サイト内の「お客様の声」だけではなく
- 第三者の場所での評価がどうなっているか、という点です。
そして、
- レビューが一部で悪いこと自体は問題ではなく
- 「悪い評価も含めて、どう受け止め、改善に努めているか」
といった姿勢も含めて、総合的に見られているイメージです。
「とても良い評判」とみなされるサイトの特徴
ガイドラインでは、「とても良い評判(Very Positive Reputation)」という表現も出てきます。
そこに近づくサイトには、たとえば次のような特徴があります。
- 公的機関・業界団体・大手メディアから好意的に紹介されている
- 受賞歴・認定・専門的な賞など、第三者からの評価がある
- 長期間にわたって、高い品質のサービス・情報を提供してきた実績がある
- 口コミサイトなどで、総合的に見て高評価が多い
ポイントは、「自分で『信頼されています』と書いているか」ではなく、
「外部の信頼できる情報源から、自然と高く評価されているか」
というところです。
E-E-A-Tの中でも、権威性・信頼性とのつながりが強いパートと考えると理解しやすいでしょう。
コアアップデートやヘルプフルコンテンツアップデートとの関係
コアアップデートやヘルプフルコンテンツアップデートは、
一言でいうと「検索結果全体の品質を底上げするための大掛かりな調整」です。
- コアアップデート
- さまざまなシグナル(コンテンツ内容・ユーザー行動・外部評価など)を見直し、
「よりふさわしいページを上に出そう」とする全体調整
- さまざまなシグナル(コンテンツ内容・ユーザー行動・外部評価など)を見直し、
- ヘルプフルコンテンツアップデート
- 「人の役に立つかどうか」を強く重視する方向性を明確化したもの
- 主に、「検索エンジン向けに書かれた中身の薄い記事」を評価しにくくする狙いがある
これらのアップデートは、「E-E-A-Tだけを直接いじっている」のではありませんが、
- 人間の評価者がガイドラインに沿って見ているポイント
- 実際の検索アルゴリズムが重視している要素
は、方向性としてかなり近いと考えられます。
つまり、
ガイドラインを参考にE-E-A-Tを高めていくことは、
コアアップデートやヘルプフルコンテンツ系の変動への“耐性”を高めることにもつながる
というイメージで捉えるとよいでしょう。
E-E-A-Tはどのように評価・参照されているのか
最後に大事なポイントとして、
E-E-A-Tは単独の「スコア」ではないという話があります。
- 「E-E-A-T◯点だから、この順位」
- 「E-E-A-Tが下がったから、一気に圏外」
といった単純な仕組みではなく、
- コンテンツの内容
- サイト全体の構造
- 外部からの評判
- ユーザーの行動データ など
多くのシグナルの「解釈の枠組み」として、
ガイドライン上でE-E-A-Tが定義されているイメージです。
そのため、実務の意識としては、
- 「E-E-A-T対策」というチェックリスト作業にするのではなく
- 「ユーザーと検索エンジンの両方から見て、
このサイトは長く信頼される設計になっているか?」
を考えるための思考のフレームとして捉えるのが、結果的に近道になります。
まとめると、
- Google品質評価ガイドラインは、「高品質なページとは何か」を人間に説明した資料
- そこでの考え方が、E-E-A-Tの土台になっている
- コアアップデートやヘルプフルコンテンツアップデートは、
この方向性を検索結果に反映しようとする動き - E-E-A-Tは“点数”ではなく、「サイト全体をどう設計し、運用していくか」を考えるための基準
と理解しておくと、日々のコンテンツ制作やサイト改善に落とし込みやすくなります。
E-E-A-Tに関するよくある疑問と誤解
E-E-A-Tは言葉だけが一人歩きしやすく、実務とのギャップも生まれやすい概念です。
ここでは、現場でよく出てくる疑問を整理しながら、誤解されやすいポイントを解いていきます。
E-E-A-Tはすべてのサイトに必要なのか
結論から言うと、「程度の差はあれど、どのサイトにも関わる」と考えたほうが現実的です。
- 医療・お金・法律などのYMYL領域
→ E-E-A-Tが厳しく見られやすく、土台が弱いと順位変動の影響も大きい - レシピ・趣味・レビュー・日記系コンテンツ
→ 命や財産への直接的な影響は小さいが、「経験」「信頼性」の有無は評価に効く
「YMYLじゃないから関係ない」と割り切るよりも、
- 誰が書いているか
- どんな経験や根拠にもとづいているか
- 読者は安心して参考にできるか
といった視点でサイトを見直しておくと、どんなジャンルでもプラスに働きます。
非専門家でもどこまで情報発信してよいのか
非専門家だからといって、発信自体がNGになるわけではありません。
ポイントは「どこまで自分の範囲として書くか」です。
- 自分の経験を中心に語る
- 例:「私が副業で確定申告をしたときの流れ」
- 専門的な判断が絡む部分は、明確に線を引く
- 「税務上の最終判断は必ず税務署・専門家に確認してください」などの注意書き
特にYMYL領域では、
- 自分の体験談や感想:OK(ただし誇張しない)
- 法律・医療・税務の「断定的なアドバイス」:専門家の監修や公的情報で裏取りする
といった線引きを意識しておくと、安全性も信頼性も保ちやすくなります。
生成AIで作成したコンテンツはガイドライン違反になるのか
現時点のGoogleの方針では、「AIで書いたこと自体」が即NGという立場ではありません。
重要なのは、
・人の役に立つ内容か
・オリジナルな価値があるか
・誤情報やスパム目的ではないか
といった点です。
実務的には、次のような運用がおすすめです。
- AIに下書きや構成を手伝わせ、最終的な中身は人が責任を持ってチェック・修正する
- 特にYMYL領域では
- 公的機関・専門家の情報と突き合わせて検証する
- 誤解を招きそうな表現は、人間の目線で言い換える
- 「AI任せで大量生成して放置」ではなく、経験・専門性・信頼性を人間側で補う
つまり「AIをどう使うか」が問われており、
人の監修や検証を抜いた丸投げの状態がリスクになると考えたほうがよいです。
他社データや統計情報を引用するときの注意点
他社データや統計の引用自体は、むしろ信頼性を高める手段になり得ます。
ただし、扱い方を間違えると逆効果です。
意識したいポイントは次の通りです。
- 出典を明記する
- サイト名・団体名・調査名・公開年(可能ならURLも)
- 「自社調査」と「他社調査」を混同しない
- 自社で行っていないのに「当社の調査では」と書かない
- 調査の前提条件をざっくり書く
- 調査対象(誰に聞いたのか)
- サンプル数
- 調査方法(Webアンケートなど)
- 都合の良い数字だけ切り取らず、解釈の範囲を言い過ぎない
たとえば、
「このデータから、日本人の〇〇は全員こう考えていると言えます」
のような極端な結論は避け、
「この調査の対象である◯◯人の回答では、こういう傾向が見られました」
という形で、データの“守備範囲”を正直に書くことが、結果的に信頼性につながります。
短期間でE-E-A-Tを上げようとするリスクとNG施策
E-E-A-Tは、「手っ取り早く上げる」タイプの指標ではありません。
短期で結果を出そうとすると、次のようなNG施策に走りがちです。
- お金で大量の被リンクを購入する
- 実態のない「受賞」「ランキング1位」を乱発する
- 実在しない人物や経歴をでっち上げて“専門家”として掲載する
- 中身は薄いのに、「監修者名だけ借りる」形の飾り付けをする
こうした施策は、
- アルゴリズムから見ても不自然なシグナルになりやすい
- ユーザーにバレたときのダメージが致命的(炎上・告発・信用失墜)
という意味で、中長期で見るとマイナスが非常に大きくなります。
E-E-A-Tは、「小さな実績と誠実な運用を積み上げた結果として評価されるもの」と捉え、
「一気に盛る」のではなく「じわじわ育てる」発想で取り組んだほうが安全です。
E-E-A-Tは数値として測定できるのか/できないのか
よくある誤解が、
「E-E-A-Tスコア○点だから、このサイトは安全」
「このツールの数値を上げればE-E-A-Tも上がる」
といったイメージです。
実際のところ、
- Googleが公式に「E-E-A-Tスコア」を数値として公開しているわけではない
- 外部ツールが出している指標は、あくまで推定値や一部シグナルの代理指標でしかない
という前提を押さえておく必要があります。
そのうえで現場としては、
- 定量で追いやすいもの
- 被リンク数/質
- 指名検索の増減
- 著者・監修者ページの閲覧数
- 重要ページのCV率・滞在時間 など
- 定性でチェックすべきもの
- コンテンツの内容に「経験」が出ているか
- 専門家が読んでも違和感がないか
- ユーザーが不安になりそうな点が放置されていないか
を組み合わせて、「E-E-A-Tっぽさ」を総合的にモニタリングするイメージが現実的です。
E-E-A-Tは、魔法の指標でも裏ワザでもありません。
よくある誤解をほどいていくと、
・経験をきちんと出す
・専門性を構造的に見せる
・外部からの評価をコツコツ積む
・ユーザーに対して誠実である
という、ごくまっとうな取り組みの集合体だと分かります。
この視点をもっておけば、最新のアップデートや流行りの言葉に振り回されず、
自分のサイトにとって本当に必要なE-E-A-T改善だけを、落ち着いて選び取れるようになります。
まとめ:E-E-A-Tを軸に「ユーザーにも検索エンジンにも信頼されるサイト」を育てる
E-E-A-Tは、テクニック集でも「裏ワザ」でもなく、
サイトをどう設計し、どう運営し続けるかという“姿勢”そのものを整理したフレームです。
4つの要素を、あらためて一言でまとめると次のようになります。
| 要素 | 一言で言うと | 実務で問われること |
|---|---|---|
| Experience | 実体験に根ざしているか | 自分たちならではの事例・一次情報を出せているか |
| Expertise | プロとして深いか | 特定分野に絞り、体系だった知識を提供できているか |
| Authoritativeness | 他者から認められているか | 外部メディア・被リンク・実績という「第三者の証拠」があるか |
| Trustworthiness | 安心して任せられるか | 運営情報・根拠・セキュリティ・表現が誠実か |
大事なのは、どれか1つだけを極端に上げればよいのではなく、4つをバランスよく積み上げることです。
E-E-A-Tを軸にサイトを育てていくときは、次のような順番を意識すると迷いづらくなります。
- ユーザー視点での“信頼”を決める
- どんなテーマで、誰から「ここなら信用できる」と思われたいのかを言語化する
- 自分なら、どんな情報・どんな見せ方のサイトを信頼するかを書き出してみる
- 現在のサイトをE-E-A-Tの4視点で棚卸しする
- 経験・専門性・権威性・信頼性のどこが弱いかを、主要ページだけでも簡単に評価してみる
- とくにYMYL性が高く、ビジネス上も重要なページを優先的に洗い出す
- 記事制作フローにE-E-A-Tを組み込む
- 企画段階で「どの経験を出すか・どの専門家を巻き込むか」を決める
- テンプレートやチェックリストに、著者情報・内部リンク・出典明記などを組み込む
- 外部からの評価と長期運用をセットで考える
- 良質な事例・データを公開し、被リンクやサイテーションが自然と集まる土台をつくる
- Googleビジネスプロフィール、実績ページ、メディア掲載などを通じて「外の世界とのつながり」を増やす
- 数値と感覚の両方で振り返る
- アクセス・CV・指名検索の変化を追いつつ、
「この内容を自分の家族や友人に自信を持って見せられるか?」という感覚でもチェックする
- アクセス・CV・指名検索の変化を追いつつ、
E-E-A-Tには、明確な点数も、1ヶ月で達成できるゴールもありません。
その代わり、
- 実体験を正直に出す
- 専門性を構造的に見せる
- 外部からの評価をコツコツ積む
- 読者に対して誠実であり続ける
という地味な取り組みを続けるほど、
「ユーザーに選ばれ、結果として検索エンジンにも評価されるサイト」に近づいていきます。
E-E-A-Tを
「アルゴリズム対策」ではなく「信頼されるための設計図」
として捉え直すこと。
これが、長く伸びるサイトを育てるうえでの、いちばんの近道です。
