テクニカルSEO入門|検索エンジンに正しく評価されるサイト構造とチェックポイント
「記事はそれなりに書いているのに、検索からほとんど人が来ない」
「Search Console を見ても、クロールとかインデックスとか言われてもよく分からない……」
「Core Web Vitals が“改善が必要”と出ているけど、何から手をつければいい?」
「テクニカルSEOが大事と言われても、結局“自分のサイトでは何をやればいいのか”が見えない」
こんなモヤモヤを抱えたまま、コンテンツだけを増やし続けていないでしょうか。
テクニカルSEOは、検索エンジンにとっての「サイトの読みやすさ・理解しやすさ」を整えるための取り組みです。
どれだけ良い記事を書いても、
- クローラーがたどり着けない
- インデックスの対象外になっている
- サイト構造が複雑すぎて重要ページの評価が伝わらない
といった状態では、本来の力を発揮できません。
逆に言えば、「クロール・インデックス・サイト構造・UX」といった基本だけ押さえれば、
小さなサイトでも“きちんと評価される土台”をつくることは十分可能です。
本記事では、テクニカルSEOを難しい専門用語の羅列ではなく、
- 検索エンジンから見たサイトの仕組み
- 初心者でも押さえやすいサイト構造の考え方
- 実務で使えるチェックポイント
という3つの軸で整理していきます。
「テクニカルな話は苦手……」という方でも、読み終わる頃には
自分のサイトで“どこをどう見直せばいいか”が具体的にイメージできることを目指して解説します。
テクニカルSEOの基礎理解
まず押さえておきたいのは、「テクニカルSEO=難しいコードの話」ではない、ということです。
ざっくり言えば、
「検索エンジンとユーザーの両方にとって、サイトの“土台”を整える作業」
がテクニカルSEOです。
ここから、順番に整理していきます。
テクニカルSEOの意味と役割
テクニカルSEO(Technical SEO)とは、コンテンツの中身そのものではなく、
- サイトの構造
- HTML やタグの書き方
- サーバーや表示速度
- モバイル対応・HTTPS などの技術面
を改善して、検索エンジンに「正しく・効率よく」理解してもらうための一連の対策を指します。
役割を一言でいうと、
「せっかく良いコンテンツがあるのに、検索エンジンに正しく届かない」 という“機会損失”をなくすこと
です。
具体的には、次のようなトラブルを防いだり、改善したりします。
- クロールされず、検索結果にそもそも出てこないページが大量にある
- 同じ内容のページがたくさんあり、どれを評価していいか検索エンジンが迷っている
- ページ表示が遅く、ユーザーが離脱してしまう
- スマホで見るとレイアウトが崩れて読みにくい
コンテンツの質が高くても、こうした技術的な問題があると評価されづらくなります。
その “目に見えにくい部分”を整えるのがテクニカルSEO です。
検索エンジンのしくみ(クロール/インデックス/評価)とテクニカルSEO
検索エンジンは、ざっくり次の3ステップでサイトを処理しています。
- クロール(Crawl)
クローラーというロボットが、リンクをたどってウェブ上のページを巡回する段階。 - インデックス(Index)
集めたページの情報を整理し、「検索データベース」に登録する段階。 - 評価・ランキング(Rank)
検索キーワードごとに、インデックスされたページを評価し、順位を決める段階。
テクニカルSEOは、この3ステップにそれぞれ関わります。
- クロール段階で効く対策
- XMLサイトマップの設置
- robots.txtでクロール範囲を整理
- URL構造や内部リンクの設計
- サイトの表示速度やサーバー応答速度の改善 など
⇒ 「クローラーが迷わず、効率よくサイト全体を巡回できる状態」にする
- インデックス段階で効く対策
- タイトル・ディスクリプション・見出しの構造化
- 重複コンテンツの整理と canonical/noindex の使い分け
- 画像・動画の alt 属性やファイル名の最適化
- 構造化データ(Schema.org)の実装 など
⇒ 「ページの内容を、検索エンジンが正しく理解・整理できる状態」にする
- 評価・ランキング段階に間接的に効く対策
- モバイル対応、Core Web Vitals の改善
- HTTPS 化や安全なサイト運用
- 使いやすいナビゲーション(パンくずリスト、目次など)
⇒ 「ユーザー体験を高めることで、評価の土台を強くする」
ポイントは、
テクニカルSEOは“直接”コンテンツの点数を上げるわけではないが、 クロール・インデックス・評価の “前提条件” を整えている
ということです。
内部SEO・コンテンツSEO・外部SEOとの位置づけと違い
SEO全体を見ると、だいたい次の3つの領域に分けて考えられます。
| 種類 | 主な対象 | 具体的な施策の例 |
|---|---|---|
| コンテンツSEO | 記事・ページの中身 | キーワード選定、構成づくり、本文の執筆、情報の網羅性 |
| 内部SEO | 自社サイトの構造・内部リンク | 内部リンク設計、パンくず、サイト構造、カテゴリ設計 |
| 外部SEO | 他サイトとの関係・評価 | 被リンク獲得、ブランド認知、SNSでの拡散 |
| テクニカルSEO | 技術的な土台・インフラ・HTML構造 | サーバー・速度改善、モバイル対応、タグや構造化データ |
※「内部SEO」と「テクニカルSEO」は重なる部分も多いですが、
内部SEO=サイト内の“見える構造”、
テクニカルSEO=その裏側の“技術的な仕組み”
というイメージを持つと整理しやすくなります。
- コンテンツSEO:「何を書くか・どう伝えるか」
- テクニカルSEO:「その記事を、検索エンジンとユーザーにどう届けるか」
どちらか片方だけでは不十分で、セットで考えることがE-E-A-Tの観点でも重要です。



テクニカルSEOで目指す「理想的なサイトの状態」
テクニカルSEOのゴールは、「全部の施策をやり切ること」ではありません。
目指したいのは、次のような状態です。
- 重要なページが、漏れなくクロール・インデックスされている
- サーチコンソールのインデックスカバレッジに大きな異常がない
- 意図しない noindex や 404 が大量に発生していない
- サイト全体の構造が一貫していて、クローラーもユーザーも迷わない
- 階層構造が整理されており、関連ページに自然にたどり着ける
- URLルールが統一され、重複URLが乱立していない
- 表示速度やモバイル対応など、ページ体験の基本ができている
- Core Web Vitals に致命的な問題がなく、体感でもストレスが少ない
- スマホで見ても文字サイズやレイアウトが読みやすい
- 検索エンジンに伝えるべき情報が、タグや構造化データで整理されている
- タイトル・見出し・メタ情報が論理的に整っている
- Schema.org などの構造化データで「これは商品ページ」「これは記事」といった意味が伝わる
- 運用・保守が“続けられる仕組み”になっている
- 問題が起きた時に、どこを見て、誰が、どう直すかが決まっている
- チェックリストや定期監査のサイクルが回っている
テクニカルSEOは、一度対応して終わりの「単発プロジェクト」ではなく、
サイト運営の裏側でずっと回し続ける“健康診断+体質改善”のような位置づけです。
テクニカルSEOが重視される理由
テクニカルSEOは、派手さこそありませんが、「検索にちゃんと出るサイト」か「どれだけ記事を書いても埋もれるサイト」かを分ける土台の部分です。
ここでは、なぜ時間と工数をかけてでも取り組む価値があるのかを整理します。
クロールとインデックスを円滑にして検索結果に出やすくする
検索エンジンに出てこないページは、存在しないのと同じです。
その「出てこない」原因の多くが、実はテクニカルSEOの範囲にあります。
代表的な流れは次のとおりです。
- クローラーがサイトを巡回する(クロール)
- ページの内容をデータベースに登録する(インデックス)
- 検索クエリに応じて、登録済みページの順位を決める(ランキング)
テクニカルSEOはこの①②をスムーズにする役割を持ちます。
たとえば、こんな状態だとクロール・インデックスが滞りがちです。
- 内部リンクが整理されておらず、深い階層のページにたどり着きにくい
- パラメータ付きURLが大量に量産され、クローラーが迷子になっている
- XMLサイトマップが用意されていない/古いまま更新されていない
- noindex や robots.txt で、意図せずクロール・インデックスをブロックしている
これらを、
- サイト構造・URLの整理
- XMLサイトマップの整備
- robots.txt/noindex の適切な設定
- クロールエラー・インデックスエラーの継続的な確認
などで解消していくと、クロール → インデックスまでの流れがスムーズになり、そもそも検索結果に並ぶ確率が上がります。
ユーザビリティ・アクセシビリティの改善につながる
テクニカルSEOはクローラー向けの話だけではなく、人が使いやすいサイトにするための土台づくりでもあります。
たとえば、
- ページ表示速度が遅いと、ユーザーは途中で離脱しやすい
- スマホ表示が崩れていると、読む前に戻るボタンを押されてしまう
- コントラストが低い・フォントが小さいページは、高齢者や視力の弱い人には読みにくい
- 画像に alt 属性がないと、画面読み上げソフトを使うユーザーが内容を理解しづらい
といった問題は、ユーザビリティ(使いやすさ)とアクセシビリティ(誰でも利用しやすい状態)の両方を損ねます。
テクニカルSEOでは、次のような観点で改善していきます。
- Core Web Vitals を意識した表示速度の最適化
- モバイルフレンドリーなデザイン・レイアウト
- 適切なフォントサイズ・余白・コントラストの設計
- 画像の alt 属性・代替テキスト の整備
- キーボード操作でも利用しやすいようなHTML構造とナビゲーション
こうした改善は、検索エンジンからもユーザーからも評価されやすく、
結果的に 「滞在時間」「直帰率」「再訪率」 などの行動指標にもよい影響を与えます。
重要ページが評価・ランクインされやすくなる
テクニカルSEOに取り組むと、サイト内の「どのページを重視してほしいか」を検索エンジンに伝えやすくなります。
たとえば、
- 内部リンクを整理して、重要なページへリンクを集中させる
- カテゴリ構造を見直して、「ハブ」となるページを明確にする
- canonicalタグで、「似た内容のページの中でどれを代表として評価してほしいか」を示す
- パラメータ違い・印刷用ページ・テストページなどを noindex で外す
といった調整を重ねると、
「このサイトの中核は、このテーマ・このページ群です」
というメッセージを検索エンジンに伝えやすくなります。
逆に、テクニカルSEOをまったく意識しないと、
- 似た内容のページが乱立して評価が分散する(カニバリゼーション)
- クローラーが重要でないページばかり巡回してしまい、本当に見てほしいページにたどり着かない
- 古いURLや試験的なページまでインデックスされ、サイト全体の評価がぼやける
といった状態になりがちです。
テクニカルSEOは、評価してほしいページへ「検索エンジンの視線を集める」ための整理整頓だと考えるとわかりやすいです。
自然検索からの流入増加と長期的な成果
最後に、ビジネス視点でのメリットです。
テクニカルSEOは、広告とは違い「スイッチを切ったらゼロに戻る」ものではありません。
一度土台を整えると、長期間にわたって効き続ける資産になります。
テクニカルSEOに取り組むと、次のような効果が期待できます。
- 検索結果に正しく出るページが増える
- 重要ページの順位がじわじわと安定・上昇しやすくなる
- 表示速度やUXの改善で、同じ順位でもクリック率・コンバージョン率が上がりやすくなる
- サイト構造が整理されることで、新しいコンテンツを追加しても「伸びやすい」
結果として、
- 自然検索からの安定した流入が積み上がる
- 広告予算を抑えつつ、見込み客を継続的に呼び込める
- 突発的なキャンペーンではなく、中長期的な集客基盤としてサイトが機能する
ようになっていきます。
テクニカルSEOは、
「目立つ派手な施策」ではなく、「コツコツ効いてくるインフラ投資」に近いものです。
地味に見えても、長い目で見るとサイトの価値と収益性を大きく左右する要素だと覚えておくと良いでしょう。
テクニカルSEOのメリットとデメリット
テクニカルSEOは「やれば必ず成果が出る魔法のスイッチ」ではありませんが、
うまく設計すると、長く使える“勝ちパターン”を作りやすい分野でもあります。
一方で、環境や体制によってはうまく力を発揮できないケースもあります。
ここでは、良い面とリスクの両方を整理しておきます。
テクニカルSEOの主なメリット
施策内容をテンプレ化しやすく再現性が高い
テクニカルSEOの多くは、
- URL設計
- サイト構造のルール
- タイトルやメタ情報の書き方
- XMLサイトマップや robots.txt の運用方法
など、「ルール化しやすい作業」が中心です。
一度、社内で次のような型を作ってしまえば、
- 記事追加時のチェックリスト
- 新しいカテゴリを作るときの作法
- エラーが出たときの確認フロー
をテンプレとして回せるようになります。
これにより、
- 担当者が変わっても品質がブレにくい
- 新規サイトや別ドメインにも同じノウハウを横展開しやすい
- ルーティン化できる部分は作業として任せ、専門家は設計・改善に集中できる
といったメリットが生まれます。
「一度つくった“型”が資産になる」──これが、テクニカルSEOならではの強みです。
実施後の効果が数値で追いやすい
テクニカルSEOは、結果が数字で確認しやすいのも特徴です。
例として、次のような指標を追いかけられます。
- クロール済みURL数・インデックス登録数
- インデックスエラー・クロールエラーの推移
- ページ表示速度・Core Web Vitals の改善状況
- 404・リダイレクトなどステータスコードの変化
- 自然検索からのクリック数・表示回数・平均掲載順位の変化
たとえば、
- 「パンくずリストを導入した」「内部リンクを再構成した」あとに
→ 重要ページのクロール頻度や検索流入が増えたかどうかを見る - 「表示速度改善」を行ったあとに
→ 離脱率・滞在時間・CVRがどう変化したかを見る
というように、仮説 → 実装 → 計測 → 改善のサイクルを回しやすくなります。
数字で裏付けできるので、社内の説明や投資判断もしやすくなり、
E-E-A-Tの「専門性・信頼性」を示す材料にもなります。
クロール効率・アクセシビリティ・UXが底上げされる
テクニカルSEOで取り組む内容は、結果的にサイト全体の“地力”を底上げします。
たとえば、次のような施策はすべてテクニカルSEOの範囲です。
- サイト構造・内部リンクの整理と階層の見直し
- 不要なURL生成の抑制・正規URLへの統一
- モバイル対応・レスポンシブデザインの改善
- 画像の軽量化・遅延読み込み・キャッシュの適切な設定
- alt 属性・見出し構造の整備によるアクセシビリティ向上
これらを進めることで、
- クローラーが重要ページを効率よく巡回できる
- ユーザーが迷わず目的の情報にたどり着ける
- 表示や操作にストレスが少なく、離脱率も下がる
という状態に近づきます。
広告やキャンペーンのような“短期的なブースト”と違い、
サイトの体質そのものを改善するアプローチなので、
長い目で見て「取り組めば取り組むほど効いてくる」のもメリットです。
テクニカルSEOの限界・注意点
専門的な知識や開発リソースが求められる
テクニカルSEOは、「記事を書くだけ」の世界とは違い、
サーバー設定・CMSの構造・フロントエンドの仕組みなど、
技術寄りの知識が一定レベルで必要になります。
たとえば、
- 301/302リダイレクトの使い分け
- canonical と noindex の使いどころ
- JavaScriptレンダリングとインデックスの関係
- HTTPヘッダー・ステータスコードの扱い
などは、誤った理解のまま触ると逆効果になりかねません。
そのため、
- 開発チームとの連携が不可欠になる
- 社内に詳しい人がいない場合、外部の専門家やコンサルタントの力を借りる必要がある
といったハードルが存在します。
サーバーやCMSの制約で対応できないことがある
理想的なテクニカルSEOのベストプラクティスがあっても、
実際には「使っているCMSやサーバーの仕様」がボトルネックになることがよくあります。
よくある制約の例:
- 共有サーバーで、細かいキャッシュ設定やモジュール追加ができない
- ASP型CMSで、URL構造やmetaタグの自由度が低い
- JavaScriptフレームワークで構築されており、SSRやプリレンダ対応が難しい
- 社内システムの都合で、リダイレクト設定に制限がある
このような場合、
「理想論どおりに全部やる」のではなく、
- 現実的に変更可能な範囲を見極める
- その中でインパクトが大きい施策から優先する
- どうしても変えられない制約は、リスクとして経営・事業側とも共有する
といった“落としどころの設計”が重要になります。
コンテンツ量・質が不足していると効果が限定的
テクニカルSEOは、あくまで「土台」です。
上に載せるコンテンツが薄ければ、土台をいくら強化しても限界があります。
よくある誤解として、
「テクニカルSEOを完璧にすれば、コンテンツが弱くても順位が上がるのでは?」
という期待がありますが、実際には、
- すでに一定以上のコンテンツボリューム・専門性がある
- しかし技術的な問題で評価されきれていない
といったサイトでこそ、テクニカルSEOのリターンが大きくなります。
コンテンツが少ない・情報の深さが足りないサイトの場合、
- まずはユーザーのニーズに応えるコンテンツ設計・執筆を優先
- 並行して、致命的なテクニカルな不備(インデックスされていない、極端に遅いなど)を潰す
という順番を意識した方が、総合的なSEO効果は高くなります。
継続的なメンテナンスが前提になる
テクニカルSEOは、一度設定して終了ではなく、
「運用し続ける前提の仕組みづくり」です。
例えば、こんな変化は日常的に起こります。
- コンテンツ追加やリニューアルでURL構造が変わる
- サイト拡大に伴い、以前は問題なかったページ速度がボトルネックになる
- Googleのアルゴリズムや推奨事項がアップデートされる
- 新しいデバイスやブラウザ環境が主流になる
そのたびに、
- サーチコンソールやログを見てエラーを把握する
- 優先度を決めて修正・改善する
- チェックリストや運用ルールをアップデートする
といったサイクルを回さなければ、
数年前の「その時点では最適だった設定」が、
今では足かせになっている、という状況にもなりかねません。
つまり、
テクニカルSEO = 一発勝負の「改修プロジェクト」ではなく、
“定期健診と体質改善”を続ける運動習慣のようなもの
と捉えておくと、期待値のギャップが小さくなります。
テクニカルSEOは、
「やれば必ずバズる」種類の施策ではなく、 「やっておかないと、せっかくのコンテンツが報われにくくなる」分野です。
メリットと限界を正しく理解したうえで、
- 自社のフェーズ
- 既存のコンテンツ量・質
- 技術的な制約
- 社内リソース
を踏まえた「現実的な戦略」を組むことが、
中長期的に成果を出すうえで非常に重要になります。
テクニカルSEOが特に有効なサイト・ケース
テクニカルSEOは「すべてのサイトに必要な基礎」ですが、
“やるか・やらないか”で差がつきやすいサイトタイプがあります。
ここでは、優先的に投資すべき4パターンを整理します。
多数ページを抱える大規模サイト/ポータルサイト
数千〜数万ページを抱えるメディア・EC・求人サイトなどでは、
- すべてのページを人力でチェックするのは不可能
- 同じようなページが量産されやすい
- 絞り込み検索やタグで「URLのバリエーション」が爆発しやすい
といった事情から、テクニカルSEOの有無がそのまま集客力の差になります。
代表的な課題と、テクニカルSEOの役割は次のとおりです。
| よくある課題 | テクニカルSEOでやること |
|---|---|
| 重要ページがインデックスされていない | XMLサイトマップ・内部リンク・階層設計の見直し |
| 類似ページが大量にあり評価が分散 | canonical/noindex・テンプレ構造の見直し |
| 絞り込みURLが膨大でクロールが追いつかない | パラメータ制御・robots.txt・URL設計の再設計 |
大規模サイトほど、
1ページを改善するよりも、「仕組み」を直す方がインパクトが大きい
ため、テクニカルSEOのROIが高くなりやすい領域です。
海外向け・多言語サイトで露出が伸びないケース
多言語サイトは、テクニカルSEOの設計が甘いと、
- 間違った国・言語のページが表示される
- 日本語ページと英語ページが重複コンテンツとみなされる
- 国ごとの URL 構造がバラバラでクローラーが迷う
といった問題が起きやすく、「翻訳したのに全然検索から来ない」という状況になりがちです。
特に重要になるのは次のポイントです。
- URL設計
/jp//en//de/など、言語・地域ごとに一貫した構造にする
- hreflang属性の適切な設定
- 「このページは日本向け、このページはUS向け」と検索エンジンに明示する
- 重複コンテンツの扱い
- 翻訳ではなく、その国・地域に合わせて内容もローカライズする
- サーバー・CDN・表示速度
- 海外ユーザー向けに、物理的な距離やネットワーク環境も考慮する
多言語サイトでは、テクニカルSEO=「正しい国・言語のユーザーに、正しいページを届けるためのインフラ」と考えるとイメージしやすいです。
JavaScriptレンダリング依存サイトで検索流入が伸びないケース
SPA(Single Page Application)や、React/Vueなどを使ったサイトでは、
- HTMLのソースを開くと、中身がほとんど空
- コンテンツは JavaScript 実行後に初めて表示される
という構造になっていることが少なくありません。
検索エンジン側も JavaScript レンダリングに対応してきてはいますが、
- レンダリングに時間がかかる
- リソース制限で、すべてのページが十分に処理されない
- 重要なコンテンツやリンクが JS 依存で、クロール・インデックスが不安定
など、“普通のHTMLサイトよりも不利になりやすい”のは事実です。
このケースでは、テクニカルSEOとして次のような見直しが有効です。
- SSR(サーバーサイドレンダリング)や静的サイト生成の導入
- 初回ロード時点で、HTMLに主要コンテンツを含める
- プリレンダリング/ダイナミックレンダリングの活用
- クローラーにはHTML版を返し、ユーザーにはSPAを返すなどの工夫
- 重要なリンクやコンテンツを、できる限りHTML側に近づける
- サーチコンソールのレンダリング結果を確認し、「検索エンジンからはどう見えているか」を常に検証する
JS依存サイトは、見た目はリッチでも、検索エンジンにとっては「中身が見えない箱」になりやすいため、
テクニカルSEOによる設計の見直しが特に重要になります。
BtoBサイトなど、少ない流入でも質の高いリードが重要なケース
BtoBサイトや高単価商材のサイトでは、
- 検索ボリューム自体が小さい
- 1件のリード獲得単価が高い
- 意思決定に時間がかかり、情報収集が長期戦になりやすい
といった特徴があります。
この場合、「とにかくアクセス数を増やす」よりも、 「必要な人に、必要なページを確実に届ける」ことの方が重要です。
テクニカルSEOの観点では、次のようなポイントが効いてきます。
- サービスページ・事例・ホワイトペーパーなど、核となるページが確実にインデックスされているか
- 指名検索やニッチなキーワードで上位に出ているか
- フォームや資料請求ページの表示速度・エラー・モバイル対応に問題がないか
- 構造化データ(Organization、Product、FAQ など)で企業やサービスの情報を正しく伝えられているか
また、BtoBでは、
- 1回目の訪問でいきなり問い合わせには至らず、
- 何度も検索して情報を確認しながら検討を進める
ことが多いため、「安定した検索露出を長く維持すること」自体が価値になります。
テクニカルSEOに投資しておくことで、
- 少ない検索ボリュームの中でも、確実に候補リストに入れる
- 長期の検討プロセスの中で、何度も検索で目に触れるポジションをキープできる
というメリットが生まれます。
まとめると、
ページ数が多い/構造が複雑/技術的に特殊/1件あたりの価値が高い
といったサイトほど、テクニカルSEOの「効き目」と「やるべき必然性」が高いと言えます。
自社サイトがどのケースに近いかを一度整理して、
どこから着手すべきか優先順位をつけるのがおすすめです。
テクニカルSEOを構成する3つの軸
テクニカルSEOは、細かい施策の“チェックリスト”として語られがちですが、
本質的には次の 3つの軸 をバランスよく整える取り組みです。
| 軸 | 目的 | 主な対象 |
|---|---|---|
| クローラー最適化 | 「見つけてもらう」 | サイト構造・URL・サイトマップ・robots.txt など |
| インデックス最適化 | 「正しく理解してもらう」 | タイトル・見出し・HTML構造・重複対策・構造化データ |
| ページエクスペリエンス/UX・セキュリティ | 「快適に使ってもらう」 | 速度・モバイル対応・HTTPS・広告・アクセシビリティ |
この3つの視点で考えると、
「今どこにボトルネックがあるのか」「どこから改善すべきか」が見えやすくなります。
クローラー最適化(クロールしやすさの向上)
クローラー最適化は、一言でいえば
検索エンジンのロボットが「迷子にならないサイト」にすること
です。
何を意識すべきか
- サイト構造と内部リンク
- トップ → カテゴリ → 詳細ページ というように、階層をシンプルにする
- 重要なページには、複数のページから内部リンクを集めて「入口」を増やす
- URL設計
- 不要なパラメータが乱立しないよう設計する
example.com/article/123のように、規則性のあるURLパターンにそろえる
- XMLサイトマップと robots.txt
- サイトマップで「インデックスしてほしいURL」を一覧で渡す
- robots.txt で「クロール不要なエリア(管理画面など)」を明示する
- クロールエラーの管理
- 404・リダイレクトチェーン・サーバーエラーなどを定期的に確認し、早めに潰す
なぜ重要か
クローラーの時間とリソースには限りがあります。
クロール最適化を怠ると、
- 重要なページがなかなか巡回されない
- 価値の低いページばかりクロールされる
といった非効率が起こり、インデックスや順位にも悪影響が出ます。
インデックス最適化(正しく理解・評価される状態づくり)
インデックス最適化は、
「このページには何が書かれているか」「どの検索クエリに答えられるか」を
検索エンジンに正確に伝える作業
です。
具体的に見るポイント
- タイトル・メタディスクリプション・見出し
- ページ内で扱うテーマを、タイトル・見出しで一貫して表現する
- メタディスクリプションで、内容とベネフィットを簡潔に伝える
- HTML構造とテキストの整理
- 見出しタグ(H1〜H3)を階層的に使い、論理構造を分かりやすくする
- 重要な内容は画像ではなくテキストで記述する
- 重複・類似コンテンツの対策
- 似た内容のページが多い場合は統合し、代表ページを canonical で指定する
- 検索させたくないページ(管理画面・テストページなど)は noindex で除外
- 構造化データの活用
- 記事・FAQ・商品など、ページの種類に合わせて Schema.org を付与
- リッチリザルト(パンくずリスト・FAQ表示など)につながるケースもある
なぜ重要か
インデックス最適化が甘いと、
- 検索エンジンがページのテーマを取り違える
- 競合ページとの違いが伝わらず、評価が埋もれる
- サイト内でキーワードが“共食い”して順位が安定しない
といった問題が起こります。
「何について書かれているページなのか」を、タグと構造でクリアに示すことが、
インデックス最適化の本質です。
ページエクスペリエンス/UX・セキュリティの改善
3つ目の軸は、ユーザーの体験と安全性です。
ここは、検索エンジン向けというより「人間のため」の領域ですが、
結果的に評価にも反映されます。
ページエクスペリエンスで見るべき点
- 表示速度・Core Web Vitals
- LCP(最大視覚コンテンツの表示速度)
- INP(操作レスポンスの快適さ)
- CLS(レイアウトのズレの少なさ)
などを参考に、体感速度を高める工夫を行う
- モバイルフレンドリー
- スマホでも読みやすいフォントサイズ・余白・行間
- 指でタップしやすいボタン・リンクの配置
- 広告やポップアップの扱い
- 画面を覆うようなポップアップを乱発しない
- コンテンツ閲覧の邪魔にならない位置・タイミングを設計する
セキュリティ・信頼性の視点
- HTTPS/常時SSL化
- すべてのページを HTTPS 化し、「保護されていない通信」をなくす
- 混在コンテンツの解消
- HTTPSページ内に HTTP の画像・スクリプトを紛れ込ませない
- 安全なフォーム・個人情報の扱い
- 問い合わせフォームや会員登録時の通信を必ず暗号化
- プライバシーポリシーやクッキーポリシーの明示
なぜ重要か
ユーザーが感じる小さなストレスや不安は、
- 離脱率の上昇
- 問い合わせ・購入の機会損失
- サイト全体への不信感
に直結します。
検索エンジンも、こうしたユーザー行動のシグナルを間接的に評価に反映していると考えられており、
「速くて安全で使いやすいサイト」は、長期的に見て順位面でも有利になりやすいです。
3つの軸は、それぞれ独立しているようでいて、
- クロールしやすい構造
- 正しく理解されるHTML・メタ情報
- 快適で安全なユーザー体験
がそろったときに、初めてテクニカルSEOの効果がフルに発揮されます。
今のサイトが どの軸で弱いのか を客観的にチェックし、
優先順位をつけて改善していくことが、実務では何より重要です。
クローラー最適化:クロール・レンダリング・サイト構造の改善
クローラー最適化の目的はシンプルです。
「検索エンジンが迷わず・無駄なく・重要ページを巡回できる状態をつくること」
ここが崩れていると、どれだけ記事を書いても「そもそも見に来てもらえない」状況になりがちです。
この章では、実務でそのまま使える観点に分けて解説します。
サイト構造と内部リンク設計
サイト全体の構成を棚卸しして階層を整理する
最初にやるべきは、「今どういう構造になっているのか」の棚卸しです。
- すべての主要URLを一覧化する(スプレッドシートやクローラーツールでOK)
- どのカテゴリに属しているか、階層を横に書き出す
- 「似たカテゴリ」「孤立したページ」「役割がかぶっているページ」を洗い出す
この作業を通して、
- 階層が深すぎる(4〜5階層以降が多い)
- 同じテーマのページがバラバラの場所にある
- トップから辿るのが困難な重要ページがある
といった問題点が見えてきます。
修正は棚卸しからしか始まりません。
物理階層・論理階層・クリック階層をそろえる
同じ「階層」という言葉でも、意味が少し違います。
- 物理階層:URLパス上の階層(
/service/seo/audit/など) - 論理階層:情報設計上の階層(トップ→カテゴリ→詳細)
- クリック階層:トップページから何回クリックすれば到達できるか
理想は、この3つが大きくズレないことです。
- URLでは深いのに、実際はトップから1クリックで飛べる
- 情報構造上は重要なのに、クリック階層が5・6階層目になっている
といったズレが多いと、クローラーもユーザーも迷いがちです。
「重要度が高いページほど、URLも階層も浅く・リンク数も多く」を意識しましょう。
カテゴリー設計とパンくずリストの導入
カテゴリーは、検索エンジンに「サイトの得意分野」を伝えるラベルでもあります。
- テーマ別にカテゴリを分ける
- 1ページに複数カテゴリをつけすぎない(軸がぼやける)
- カテゴリ一覧ページは、内部リンクのハブとして機能させる
さらに、パンくずリストは、
- 「今どの階層にいるか」をユーザーに示す
- クローラーに階層構造とカテゴリの関係を明確に伝える
という二重の役割があります。
トップ > ブログ > SEO > テクニカルSEOとは?
この1行だけでも、
- この記事は「SEO」の中の「テクニカルSEO」という細分テーマである
- 上位には「SEO」カテゴリページが存在する
と検索エンジンに伝えられます。
ページネーション・「もっと見る」・無限スクロールの扱い
一覧ページの表示方式は、クローラーの動きに直結します。
- 通常のページネーション(?page=2 など)
- クローラーが順番に辿りやすい
- rel=”next/prev” のサポートは変化しているが、論理的な順番が分かる設計は今も重要
- 「もっと見る」ボタン
- JS依存だと、2ページ目以降のコンテンツをクローラーが見られないことがある
- 可能であれば、「もっと見る」の先にもURLを用意しておく
- 無限スクロール
- 人間には便利だが、クローラーには苦手な形式
- 代替のページネーションURLを持たせる、サイトマップから個別ページへ直接リンクするなどの工夫が必要
「ユーザーにはリッチに、クローラーにはシンプルに」という方針で設計すると事故が減ります。
サイト内検索や関連リンクで回遊性を高める
サイト内検索や関連記事・人気記事ウィジェットなどは、
- ユーザーの回遊性を高める
- 内部リンクのネットワークを自然に増やす
という点で、クローラーにもプラスに働きます。
ポイントは、
- サイト内検索の結果URLをむやみにインデックスさせない(
noindexやrobots.txtで制御) - 関連記事は、内容の近いページ同士をつなぐようアルゴリズムや手動設定を工夫する
- フッターやサイドバーに「重要なハブページ」へのリンクを固定で設置する
ことです。
「なんとなく関連記事を並べる」のではなく、「内部リンクの戦略的な経路」として設計すると、クローラー最適化の効果が高まります。
URL設計と正規URLの統一
人間と検索エンジンにとって読みやすいURLルールを決める
URLは「ページの住所」であり、「そのページが何について書かれているか」のヒントでもあります。
/blog/technical-seo/のように、短く・意味のある単語を使う- 日本語URLを使う場合は、エンコード時の見た目や共有時の扱いも考慮する
- 一度決めたルールは、サイト全体で徹底して統一する
良いURLの条件は、「人間が見ても内容を想像できるか」です。
これは、そのまま検索エンジンにとっても理解しやすいURLになります。
パラメータ付きURLの整理と不要パラメータの排除
フィルタやソート、新旧順などを実装すると、
?sort=new
?sort=old
?category=seo&sort=new
のように、同じ一覧なのにURLだけ違うページが大量に生まれがちです。
- トラッキング用パラメータ(
utm_系など)は、インデックスさせない - 同じ内容のページであれば、1つのURLに寄せる
- unavoidable な場合は「どのURLを評価してほしいか」を canonical やパラメータ設定で明示する
放置すると、クローラーがパラメータURLばかり巡回して重要なページにたどり着けない状況になりかねません。
正規URLへの統一(canonicalタグ等による重複URL対策)
「URLは違うけれど中身はほぼ同じ」というケースは必ず出てきます。
例:
http://example.com/とhttps://example.com/https://example.comとhttps://example.com/- 印刷用ページやスマホ専用URL など
こうしたケースでは、
- 基本となるURLを1つ決める
- 他のバリエーションには canonicalタグ で正規URLを指定する
- 可能であればリダイレクトで統一する
ことが重要です。
canonical は「評価をこのURLにまとめてください」というシグナルなので、
重複で評価が分散するのを防ぐためにも欠かせません。
ディレクトリ構造の最適化とURLの一貫性
ディレクトリ構造は、そのままサイトの論理構造になります。
/blog/seo/technical/のように、
上位ディレクトリが「カテゴリ」や「上位概念」を表すように設計する- 途中で「/column/」「/blog/」など、似た役割のパスを混在させない
- サービス・ブログ・採用など、大きな機能ごとにディレクトリを分ける
結果として、
- クローラーが階層構造を理解しやすい
- ユーザーもURLを見るだけで「どのエリアのコンテンツか」がわかる
という状態を作れます。
クロール制御とサイトマップ運用
XMLサイトマップの作成・送信・更新管理
XMLサイトマップは、「インデックスしてほしいURLのリスト」です。
- 主要なページのみを掲載し、不要なページ(タグ一覧・検索結果など)は入れない
- 更新頻度が高い場合は、自動生成・自動更新の仕組みを整える
- Google Search Console に登録し、インデックスカバレッジの確認に活用する
サイトマップは、「これですべてがインデックスされる魔法のファイル」ではありませんが、
クローラーに正しい地図を渡す行為だと考えると分かりやすいです。

robots.txtでクロール対象/除外を明示的に制御する
robots.txt は、クローラーへの「立ち入り禁止エリアの案内板」です。
/wp-admin/など、明らかに不要なディレクトリはブロック- システム上生成される、価値の低い一覧ページや検索結果も対象候補
- ただし、インデックス済みページを robots.txt でブロックすると、内容確認ができなくなり、かえって問題になることもあるので注意
基本ルール:
- 「見せたくない」= robots.txt ではなく、noindex メタタグ/HTTPヘッダーで制御
- 「クロールさせる必要がないだけ」= robots.txt でブロック
と覚えておくと混乱しにくくなります。

絞り込み検索などクロール不要なURLパターンのブロック
ECや求人サイトなどでよくある絞り込み検索は、
?color=red&size=m&sort=price_desc
のように、無数のURLを生み出します。
- こうしたページは、ユーザーには有用でも、検索結果に出す必要は薄いことが多い
- クロール対象から外さないと、クローラーバジェットを大きく浪費する
対策としては、
- robots.txt で 特定のパラメータを含むURLをブロック
- 「代表的な組み合わせ」だけを許可し、それ以外は検索エンジン向けには閉じる
といった設計が必要です。
クロールバジェットを意識した重要ページ優先設計
クロールバジェットとは、ざっくり言えば「1サイトに対して割り当てられるクロールの量」です。
これは無限ではないので、
- 価値の低いページ(タグ・月別アーカイブ・薄いLPなど)が大量にある
- パラメータURLが雪だるま式に増えている
といったサイトは、重要ページへのクロールが後回しになりがちです。
- 重要度が低いページは noindex や robots.txt で整理する
- 重要なページへの内部リンクを増やし、サイトマップにも確実に登録する
ことで、「どこからクロールして、どこを優先的に見てほしいか」のメッセージを強くできます。
サーバー・表示パフォーマンス・レンダリング
サーバー応答時間とページ表示速度の改善
クローラー・ユーザー双方にとって、遅いサイトはそれだけで不利です。
- TTFB(サーバーから最初のバイトが返ってくるまでの時間)を短くする
- 画像・CSS・JS の圧縮・キャッシュ設定を見直す
- 不要なプラグインや外部スクリプトを減らす
サーバーのプラン変更やCDNの導入など、インフラ側の見直しもテクニカルSEOの一部です。
Core Web Vitals(LCP・INP・CLS)指標の改善
Core Web Vitals は、
- LCP:メインコンテンツが表示されるまでの速さ
- INP:ユーザー操作に対するレスポンスの良さ
- CLS:レイアウトのズレの少なさ
といった、ユーザー体験を数値化した指標です。
改善のポイントは、
- 上部に重い画像・動画を置きすぎない
- レイアウトが後からガタガタ動かないよう、画像サイズなどを事前に指定する
- 不要なスクリプトを削減し、優先度の低いものは遅延読み込みする
など「体感」に直結する部分です。
レポートはサーチコンソールやPageSpeed Insightsで確認できます。

JavaScriptレンダリングへの対応(SSR・プリレンダ・重要要素のHTML出力)
JavaScript依存が強いサイトでは、
- ソース上はほぼ空HTML
- JS実行後にコンテンツが描画される
という構造になりがちです。
検索エンジンもレンダリングはしてくれますが、完璧ではありません。
対策としては、
- SSR(サーバーサイドレンダリング):初回からHTMLにコンテンツを含める
- 静的サイト生成(SSG):ビルド時にHTMLを出力しておく
- プリレンダ:クローラー向けにレンダリング済みHTMLを返す仕組みを使う
最低限、
- タイトル・メタタグ・H1・重要な内部リンクは、JSに依存せずHTMLで出力する
ことを目標にすると、インデックスの安定性が上がります。
遅延読み込み(Lazy load)と重要コンテンツの扱い
画像や動画の遅延読み込みは、速度改善には効果的ですが、
- 重要なコンテンツまで遅延対象にしてしまう
- JS依存の実装で、クローラーが画像を認識できない
といった落とし穴があります。
- ファーストビュー内の重要画像・テキストは、通常ロードにする
- 遅延対象は、ページ下部の画像・追尾バナーなどに絞る
loading="lazy"など、標準仕様に沿った形で実装する
ことで、速度とインデックスの両立を図ります。

パーソナライズドコンテンツを検索エンジンとどう両立させるか
ログイン状態や地域、閲覧履歴によって内容が変わるサイトでは、
- ユーザーごとに違う内容を返す
- クローラーにはどの状態を見せるのかが曖昧になる
という問題が起きます。
基本方針は、
- 検索エンジンには「デフォルト状態」の内容を見せる
- パーソナライズは、検索エンジンが理解すべき主要コンテンツを壊さない範囲で行う
- 重要なテキストやリンクは、ユーザー属性によって消さない
パーソナライズはUX向上には有効ですが、
「検索エンジンが見るバージョン」と「ユーザーが見るバージョン」の両立設計が不可欠です。
クロールエラーとステータスコード管理
リンク切れ・ソフト404・リダイレクトチェーンの解消
ステータスコードの管理は、クローラーとのコミュニケーションそのものです。
- リンク切れ(404)
- 本当に消したページなら、関連ページへの誘導や代替コンテンツを用意
- 誤った404は、内部リンクやサイトマップを修正
- ソフト404
- 見た目はエラーページなのに、ステータスコード200を返している状態
- 正しく404または410を返すよう修正
- リダイレクトチェーン
- A→B→C といった数珠つなぎを、可能な限り A→C の1本に短縮
これらは、クロールの無駄とユーザーのストレスを同時に生むので、
定期的なチェックと一括修正が重要です。


404ページの設計(ユーザーを迷子にしないエラーページ)
404ページは、「ただのエラー画面」ではなく、回遊を促すチャンスでもあります。
- シンプルなエラーメッセージ + サイト内検索フォーム
- 人気記事・カテゴリ一覧・トップページへのリンク
- ブランドトーンに合ったコピーで、ネガティブな印象を和らげる
技術的には正しく404を返しつつ、
ユーザーを別の有益なページへ案内する“導線ページ”として設計しましょう。
インデックス登録エラー・クロールエラーの継続的な確認と修正
最後に、クローラー最適化はやりっぱなしにしないことが重要です。
- Google Search Console の
- 「インデックス登録」
- 「クロールの統計情報」
- 「ページエクスペリエンス」
などのレポートを、月1回程度は必ず確認
- 重大エラーや急な増減があれば、
- サイト更新やサーバー変更など、直近の変更点と突き合わせる
- 優先度の高いものから順に対応
クローラー最適化は、
一度の大規模改修+
その後の「小さな微調整の積み重ね」
で完成度が上がっていきます。
数字とログを見ながら、継続的にメンテナンスする姿勢が、長期的な検索パフォーマンスを支える鍵になります。
インデックス最適化:HTML構造・重複コンテンツ・構造化データ
インデックス最適化は、ひと言でいえば
「このページは何についてのページなのか」を、検索エンジンに誤解なく伝える作業
です。
ここを丁寧に整えると、「評価してほしいページ」が狙ったクエリで上がりやすくなります。
HTML基本タグとテキスト構造の最適化
タイトルタグの設計(キーワード・長さ・ブランド名の扱い)
タイトルタグは、インデックス最適化の中でも最重要パーツのひとつです。
基本ルール
- 1ページ1タイトル(重複させない)
- 想定するメインキーワードを自然な形で1〜2語入れる
- 文字数は PC・スマホ両方でおおよそ「全体像が読める程度」(日本語なら30字前後を目安にしつつ、無理に詰め込まない)
- ブランド名は、
- 指名検索を強化したいページ → 末尾につける
- 記事数が多いブログ → 「重要ページのみ」につけるなど、サイトポリシーを決めて統一する
<title>テクニカルSEOとは?基本の考え方とチェックポイント | サイト名</title>
やりがちなNG
- どのページも似たようなタイトル(「コラム|〇〇株式会社」など)
- キーワードを不自然に羅列する
- 「ホーム」「トップページ」だけのタイトル
こうしたものは、検索エンジンから見てもユーザーから見ても、内容の判別が難しくなります。

メタディスクリプションの作成ルール
メタディスクリプションは、「検索結果での広告文」のような役割です。
ランキングへの直接的な影響は小さいと言われていますが、クリック率(CTR)には明確に関わります。
書き方のポイント
- 1〜2文で要点とベネフィットを書く
- タイトルでは書き切れない「具体的に何が分かるのか」を補足する
- キーワードを意識しつつ、読み物として不自然にならないようにする
- 各ページで固有のディスクリプションを用意する(テンプレ丸ごと使い回さない)
<meta name="description" content="テクニカルSEOの基本概念から、クローラー・インデックス・UXを最適化する具体的な施策までを解説。小規模サイトでも実践しやすいチェックポイントをまとめています。">

見出しタグ(H1〜H3)の構造とキーワード配置
見出しタグは、本文の「目次」と論理構造」を検索エンジンに伝えるものです。
- H1は基本1ページ1つ
→ ページ全体のテーマを簡潔に表す - H2は大見出し、H3はその中の小見出し…というように階層を守る
- 見出しにキーワードを「詰め込む」のではなく、
その見出しの内容を一言で表した結果としてキーワードが含まれる状態を目指す
<h1>テクニカルSEOとは?検索エンジンに伝わるサイトの土台づくり</h1>
<h2>テクニカルSEOが重要とされる理由</h2>
<h3>クロールとインデックスを安定させる</h3>
見出しに「ここでは〇〇について説明します」のような情報量の少ない文ばかり並ぶと、
ページのテーマがぼやけます。

キーワード設定と「共食い(カニバリ)」コンテンツの整理
同じキーワードを狙うページが多すぎると、
- 検索エンジンが「どれを代表として評価すべきか」判断しづらくなる
- 結果的に、どのページも中途半端な順位に留まる
という現象が起きます。これが「カニバリ(共食い)コンテンツ」です。
対処のステップ
- サーチコンソールや検索結果で、「類似タイトル・類似キーワード」のページを洗い出す
- 内容が近いものは、
- 1つの“まとめページ”として統合する
- 上位ページへ内部リンクを集約する
- 統合後、不要なページは
- 301リダイレクト
- noindex
などで整理する
「同じテーマで薄い記事をたくさん書く」よりも、
1本の強いコンテンツにまとめたほうが評価されやすいケースが多いです。

内部リンクとアンカーテキストの設計
内部リンクの配置戦略とハブページの設計
内部リンクは、検索エンジンにとっての「道しるべ」です。
- 「テクニカルSEO全体を解説するページ」など、ハブとなるページを明確に決める
- ハブページには、
- 関連する個別記事へのリンク
- カテゴリトップへのリンク
をまとめて配置する
- 個別記事側からも、ハブページへリンクを張る(双方向)
これにより、
- クロール効率が上がる
- ハブページに内部リンクが集まり、「サイト内での重要度」が高まりやすい
という効果が期待できます。

アンカーテキストの言い回しと分かりやすさ
アンカーテキストは、「リンク先の内容の要約」として扱われます。
良い例
- 「テクニカルSEOの基本チェックリストはこちら」
- 「XMLサイトマップの作成手順を詳しく解説した記事」
避けたい例
- 「こちら」「もっと見る」「詳細」だけ
- キーワードを入れようとして不自然な長文になる
ユーザーがリンクを見ただけで「何があるか」が分かる表現を意識すると、
検索エンジンに対しても意味が伝わりやすくなります。
nofollow/noindexタグの適切な使い分け
ここは混同しやすいポイントです。
- noindex
- 「このページはインデックス(検索結果表示)しないでほしい」
- nofollow(リンク属性)
- 「このリンク先の評価を、リンク元から渡さないでほしい」
使いどころの例
- noindex
- 会員専用ページ、管理画面、テストページ
- 検索結果に出す価値が低いフィルタ結果ページ
- nofollow
- 広告・アフィリエイトリンク
- ユーザー投稿でURLが入るコメント欄のリンク
テクニカルSEOでは、「インデックスさせない方が良いページ」を丁寧に noindex で整理することが重要です。
robots.txt でブロックするのとは目的が違うので、混ぜて使わないよう注意します。

画像・動画などメディア要素の最適化
ファイル名・alt属性・キャプションの付け方
画像や動画も、インデックスの対象です。
特に画像は、テキスト情報を補うシグナルとして扱われます。
- ファイル名
img1234.pngではなくtechnical-seo-sitemap-example.pngのように内容を表す名前にする
- alt属性
- 画像が表示されなかったときに「何の画像か」が分かる説明を書く
- キーワードだけを並べるのではなく、「文」の形にする
<img src="technical-seo-sitemap-example.png"
alt="テクニカルSEOで作成したXMLサイトマップのサンプル画面">
キャプションは必須ではありませんが、
図や表の意味を補足したいときには積極的に使うと良いです。

画像の配置・サイズ・形式(速度とUXの両立)
メディア要素は、インデックスと同時にページ速度にも影響します。
- ファーストビューに重い画像を詰め込みすぎない
- 必要以上に大きな解像度でアップロードしない(CSSで縮小すると無駄が多い)
- WebPなど、軽量な形式を活用できる場合は検討する
「とにかく圧縮」ではなく、見た目と速度のバランスをとるのがポイントです。
動画やリッチメディアのインデックス対策
動画や埋め込みコンテンツを使う場合は、
- 動画の内容をテキストで要約しておく
- 必要に応じて
VideoObjectなどの構造化データ- サムネイル画像
を用意する
こうすることで、動画自体が検索結果に表示されたり、
ページ内容の理解にプラスのシグナルとして働いたりします。
重複・類似コンテンツへの対応
重複ページの洗い出しと統合・マージ
重複・類似コンテンツは、テクニカルSEOでもっとも頻出の問題です。
- タグ違い・カテゴリ違いでほぼ同じ記事がある
- 印刷用ページと通常ページが分かれている
- キャンペーンのたびに似たLPを量産している
こうしたページは、検索エンジンから見ると「似たようなページが多すぎるサイト」に見えます。
対応の基本
- 一覧を作り、重複度の高いページ群を見つける
- 内容を統合し、「代表となる1ページ」を決める
- 不要になったページは
- 代表ページへ301リダイレクト
- コンテンツを削除し、404・410を返す
canonicalタグによる代表URLの指定
どうしてもURLのバリエーションを減らしきれない場合は、
canonicalタグで「評価を集約したいURL」を指定します。
<link rel="canonical" href="https://example.com/technical-seo/">
- パラメータ付きURL
- 印刷用URL
- 同じ内容を複数ディレクトリで運用しているケース
などで有効です。
ただし、canonicalだけに頼ってURL設計を放置するのはNGです。
「どうしても残ってしまう重複を、最後に整理する手段」と考える方が安全です。
noindexタグでインデックスさせないページを整理
「インデックスさせない方がよいページ」は、意外と多く存在します。
- サイト内検索結果
- タグだけの薄い一覧ページ
- A/Bテスト用の仮ページ
- 社内向け/限定公開に近いLP
これらを noindex で整理すると、
- サイト全体のインデックス品質が上がる
- クローラーバジェットを重要ページに回しやすくなる
というメリットがあります。

構造化データとセマンティックHTML
Schema.orgによる構造化データの実装
構造化データは、「このページの中には、こういう情報があります」という機械向けのラベルです。
例:
- 記事:
Article/BlogPosting - 商品:
Product - FAQ:
FAQPage - パンくず:
BreadcrumbList
JSON-LD形式での実装が推奨されています。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Article",
"headline": "テクニカルSEOとは?サイトの土台を整えるための考え方",
"datePublished": "2025-01-01"
}
</script>
ポイント
- 実際のページ内容と矛盾するマークアップはしない
- 公式ドキュメントやテストツールでエラーを確認しながら少しずつ追加していく
リッチリザルト・検索面での見え方最適化
構造化データが適切に実装されると、
- パンくず
- FAQの折りたたみ表示
- レビューの★表示
など、検索結果での見え方がリッチになる場合があります。
これは、
- CTRの向上
- サイトの専門性・信頼性の印象アップ
につながりやすく、E-E-A-Tの文脈でもプラス要素と考えられます。
意味構造を伝えるセマンティックHTMLの活用
構造化データほど大げさでなくても、<header>, <main>, <article>, <nav>, <footer> などのセマンティックなHTMLタグを使うことで、
- ページ内のどこが本文で、どこがナビなのか
- どこが記事単位のまとまりなのか
を機械が理解しやすくなります。
「divとspanだけで組まれたページ」と比べて、
意味が伝わりやすい“骨組み”になるイメージです。
インデックス状況のモニタリング
サーチコンソールでのインデックスカバレッジの確認
インデックス最適化は、設定して終わりではなく、
「どうインデックスされているか」を継続的に観察するステップが欠かせません。
Google Search Console の
- インデックス登録 → ページ
- ページエクスペリエンス
- モバイルユーザビリティ(項目がある場合)
などのレポートで、
- 有効なページ数の推移
- 除外されたURLの傾向
- エラーの急増・急減
を定期的に確認します(月1回程度でも十分役立ちます)。

登録・除外の理由から技術的課題を読み取る
サーチコンソールでは、除外されたページに対して、
- クロール済みだがインデックス未登録
- 重複:ユーザーにより正規ページとして選択されていない
- 送信された URL が noindex で除外
- ソフト404
などの「理由」が表示されます。
これらはそのまま、
- 内部リンク構造の問題
- canonical や noindex 設定ミス
- サーバー・テンプレートの設計不備
といった技術的課題のヒントになります。
数字を“結果”として眺めるだけでなく、「なぜこうなっているのか」を読み解き、施策にフィードバックしていくことが、インデックス最適化を成功させるうえで最も重要なプロセスです。
インデックス最適化は、「タグをちょっと直す」レベルの話ではなく、
サイト全体の情報設計と技術設計を、「検索エンジンから見た分かりやすさ」で整える作業です。
クローラー最適化(第6章)とあわせて取り組むことで、
ようやく「評価される土台」が整います。
その上に、コンテンツの品質や外部評価を積み上げていく──という順番を意識してみてください。
ページエクスペリエンス・UX/セキュリティの強化
テクニカルSEOの最後の柱が、ページエクスペリエンス(PX)とUX・セキュリティです。
ここを軽視すると、「インデックスはされているのに成果が出ない」状態になりやすくなります。
ポイントは、
- 速く表示されるか
- どのデバイスでもストレスなく読めるか
- 安全で安心して利用できるか
という、ごく当たり前の使いやすさを、技術面からきちんと整えることです。
ページ表示速度と体感パフォーマンスの向上
Core Web Vitalsを指標とした改善ポイント
最近のGoogleは、単純な「読み込み速度」ではなく、
ユーザーの“体感”に近い指標(Core Web Vitals)を重視しています。
主な指標は次の3つです。
- LCP(Largest Contentful Paint)
→ 画面のメイン要素が表示されるまでの時間 - INP(Interaction to Next Paint)
→ クリックやタップなどの操作に対する反応の速さ - CLS(Cumulative Layout Shift)
→ 読んでいる途中でレイアウトがガタガタ動かないか
改善の方向性としては、
- ファーストビューに超重い画像や動画を置きすぎない
- 上部の要素(タイトル・リード文・メイン画像)を優先的に読み込む
- 広告や埋め込みウィジェットのせいでレイアウトがズレないよう、事前にサイズを確保する
といった、「読もうとした瞬間にちゃんと表示されるか」に直結する部分を意識します。

画像・CSS・JavaScriptの最適化と圧縮
速度改善の“定番”ですが、依然として効果が大きいのがここです。
- 画像
- 必要以上に大きなサイズでアップしない
- 圧縮ツールやWebPなどの軽量フォーマットを活用
- サムネイル・アイキャッチ・記事内画像で適切な解像度を使い分ける
- CSS
- 使っていないスタイルを削除(テーマやプラグイン由来の“ゴミCSS”をこまめに掃除)
- クリティカルCSS(表示に必須な最低限のCSS)は先に読み込む
- JavaScript
- 不要なライブラリやトラッキングタグを減らす
- 解析用スクリプトを入れすぎない(計測タグだらけのサイトは重くなる)
- 後回しにしてよいスクリプトは
deferや遅延読み込みで処理する
「とりあえずプラグインを足し算していく」運用は、時間とともに確実に重くなるので、定期的な棚卸しが欠かせません。

モバイルファースト時代のサイト設計

モバイル対応/レスポンシブデザインの必須チェック
現在の検索の多くはスマホからです。
Googleも「モバイル版を基準に評価する」という考え方(モバイルファーストインデックス)に移行しています。
最低限チェックしたいのは次のような点です。
- 文字サイズが小さすぎないか(ピンチイン前提のデザインになっていないか)
- 横スクロールが発生していないか
- ボタンやリンク同士が近すぎて、タップしにくくないか
- PC版だけで見られるコンテンツがないか(スマホ版だけ情報量が少ない、など)
レスポンシブテーマを使っていても、
カスタマイズやウィジェットの追加で崩れているケースは多いので、
必ず実機またはエミュレーターで確認するようにしましょう。
スマホでの読みやすさ・操作しやすさの改善
モバイルUXは「デザインの好み」以上に、読みやすさと操作感で差がつきます。
- 1行が長くなりすぎないよう、行幅・フォントサイズ・行間を調整
- 見出し・段落・箇条書きを使って、「スクロールしても迷わない」構成にする
- CTAボタン(お問い合わせ、資料請求など)は、画面下部で押しやすいサイズと位置に配置
- ハンバーガーメニュー内の階層が深くなりすぎていないかチェック
「片手で操作してもストレスがないか」を基準に、
実際に触りながら調整していくのが重要です。
HTTPSとサイトの安全性
常時SSL化によるセキュリティ・信頼性向上
HTTPS(SSL/TLS)の導入は、もはや“オプション”ではなく前提条件です。
- 通信内容が暗号化されることで、フォーム送信やログイン情報が盗み見されにくくなる
- ブラウザのアドレスバーに「保護されていない通信」と出ない
- 検索エンジン側でも、HTTPSはランキング要因のひとつとして明言されている
対応すべきは、
- 全ページを HTTPS 化する(トップだけでは不十分)
- HTTP版へのアクセスは、301リダイレクトでHTTPSへ統一
- サイト内の内部リンクも、HTTPS URLに書き換える
という「常時SSL化」の完了までです。

混在コンテンツや証明書設定の確認
HTTPS化の“落とし穴”が混在コンテンツ(Mixed Content)です。
- ページはHTTPSなのに、画像やスクリプトをHTTPで読み込んでいる
- 外部サービスの古いコードが HTTP のまま埋め込まれている
といった状態だと、
- ブラウザが「完全に安全ではない」と警告を出す場合がある
- コンテンツが正しく表示されないこともある
ため、注意が必要です。
あわせて、
- 証明書の有効期限切れがないか
- 中間証明書の設定ミスがないか
も定期的に確認しておきましょう。
広告・ポップアップとUX
侵入的なインタースティシャルの注意点
テクニカルSEOの観点で、広告やポップアップの扱いは非常に重要です。
特にNGになりやすいのが、
- スマホでページを開いた瞬間、画面全体を覆うポップアップ
- 閉じるボタンが小さく、なかなかコンテンツにたどり着けない表示
- スクロールするたびに全画面広告が出る構成
こうした“侵入的なインタースティシャル”は、
ユーザー体験を大きく損ねるため、検索評価にもマイナスになり得ます。
どうしてもポップアップを使う場合は、
- コンテンツを読む邪魔にならないタイミング(スクロール後・滞在時間一定後)に表示
- 画面全体ではなく、モーダルのサイズを控えめに
- 閉じる操作を明確に分かりやすくする
といった工夫が必要です。
レイアウトシフトを起こさない広告配置
広告やウィジェットのせいで、
読み始めた段落が突然下に押し出される経験をしたことがある人も多いはずです。
これは Core Web Vitals の CLS にも直結します。
- 広告枠の高さを事前に確保しておき、読み込み後にガタつかないようにする
- ファーストビュー直下の広告は、テキストが大きく動かない配置にする
- 自動広告の位置を見直し、明らかにUXを損ねる場所は除外する
「スクロールしている最中にレイアウトが変わらないか」を、スマホで実機チェックしましょう。
ナビゲーションと情報設計
目次・パンくずリスト・グローバルナビの設計
ナビゲーションの役割は、
「今どこにいるのか」「次にどこへ行けばいいのか」を、迷わせずに伝えること
です。
- 目次
- 長文記事では、冒頭に目次を設置し、
どんな内容がどの順番で書かれているかを示す - スクロールが長くなる記事ほど効果が大きい
- 長文記事では、冒頭に目次を設置し、
- パンくずリスト
- 「トップ > カテゴリ > 記事タイトル」のように、階層を明示
- カテゴリページへの内部リンクとしても機能する
- グローバルナビ
- 「サービス」「料金」「事例」「ブログ」「お問い合わせ」など、
サイトの主な目的地へワンクリックで移動できるようにする - PC・スマホともに、どのページからでも確認できる位置に設置
- 「サービス」「料金」「事例」「ブログ」「お問い合わせ」など、
これらはすべて、クローラーにとっても「サイト構造のヒント」になります。



カテゴリー構造とサイト内検索の導入
情報量が多くなると、
「カテゴリ」と「サイト内検索」をセットで整備することが重要です。
- カテゴリはテーマごとに整理し、重複・細分化しすぎない
- カテゴリ一覧ページには、そのテーマを代表するハブコンテンツを置く
- サイト内検索は、ヘッダーや目立つ位置に設置しておく
ユーザーが、
- カテゴリから「関連情報を広く探す」
- サイト内検索で「ピンポイントに探す」
という2つの方法を選べれば、離脱を防ぎやすくなります。
アクセシビリティとユーザー配慮
色・フォント・コントラスト・代替テキストなどの改善
アクセシビリティは、「特別な誰かのため」だけではなく、
すべてのユーザーの読みやすさを底上げする工夫です。
- テキストと背景のコントラスト比を十分にとる
- 薄いグレー文字 × 白背景は読みにくくなりがち
- フォントサイズは、スマホで無理なく読める大きさ(14〜16px以上を目安)
- 強調したい箇所に色だけで頼らず、太字・下線・アイコンなども併用する
- 画像には alt 属性を設定し、
- 視覚的に伝えている情報を、テキストでも補う
これらは、視力が弱いユーザーや、
読み上げソフトを使っているユーザーにとっても重要です。
エラーページやフォームの分かりやすさ
最後に、「うまくいかなかったときの体験」もUXの一部として設計します。
- 404ページ
- 単なる「ページが見つかりません」だけでなく、
- トップへのリンク
- 検索フォーム
- 人気記事やカテゴリ一覧
を用意して、行き場を作る
- 単なる「ページが見つかりません」だけでなく、
- フォーム
- 必須項目に明確な印をつける
- エラー時に「どの項目が、なぜエラーなのか」を具体的に表示
- 入力途中でリセットされないよう、バリデーションの順番や方法を工夫する
問い合わせや資料請求フォームは、ビジネスに直結する“最後の一歩”です。
ここでストレスを与えると、せっかくの検索流入が無駄になってしまいます。
ページエクスペリエンスとUX・セキュリティの改善は、
- 検索評価
- コンバージョン率
- ブランドの信頼感
を同時に底上げしてくれる、非常にコスパの良いテクニカルSEO領域です。
派手な施策ではありませんが、
ここを丁寧に積み上げることで、「ちゃんと見られ、ちゃんと選ばれるサイト」に近づいていきます。
テクニカルSEOの進め方とワークフロー
テクニカルSEOは「一気に全部やる」ものではなく、
現状を把握 → 優先順位を決める → 実装 → 効果を測る → また見直す
というサイクルを回す仕事です。
ここでは、実務でそのまま流用できる形でワークフローを整理します。
現状把握と課題の洗い出し
サイト構成・URL一覧の整理
最初にやるべきは、「今のサイトを正しく把握すること」です。
- サイトマップ・ナビゲーション・カテゴリ構成を図に起こす
- 可能であれば、クローラーツール(Screaming Frog など)で全URLのリストを取得
- 取得したURLに対して、ざっくりと以下の情報を紐付ける
- タイトル・H1
- ステータスコード(200/301/404 など)
- カテゴリ・テンプレート種別(記事・LP・商品ページ など)
- 重要度(ビジネス的に重要かどうか)
この段階では、完璧さよりも 「全体像の把握」 を優先します。
どこに何があるのか見えないまま、個別のテクニカル施策を打っても、効果は限定的です。
クロール状況・インデックス状況・エラーの把握
次に、検索エンジン側からどう見えているかを確認します。
- Google Search Console(以下GSC)の
- 「インデックス登録 → ページ」
- 「クロールの統計情報」
- 「ページエクスペリエンス」
などのレポートを確認
- 主に見るポイント
- 有効なページ数の推移(増減の傾向)
- 除外されているURLの種類と理由
- 404/ソフト404/リダイレクトエラーの有無
- クロール済みだがインデックスされていないページの傾向
ここで 「問題の種類」 が見えてきます。
- クロールされていないのか
- クロールはされているが、インデックスされていないのか
- インデックスはされているが、UXや構造が弱く評価されていないのか
以降の施策は、この把握結果を前提に組み立てます。
施策の優先順位付けと計画立案
影響度と工数で優先度を決める方法
テクニカルSEOの施策は数が多いため、「何からやるか」を決めないと前に進みません。
おすすめは、次の2軸で評価するシンプルな方法です。
| 評価軸 | 視点の例 |
|---|---|
| 影響度(インパクト) | トラフィック・売上・重要なページへの影響の大きさ |
| 工数・難易度 | 実装の複雑さ・関係者の数・テストの必要性 |
ざっくりと 4象限に分けて考えると、優先順位が決めやすくなります。
- 影響大 × 工数小 → 最優先でやるべき施策
- 影響大 × 工数大 → 計画を立ててプロジェクト化
- 影響小 × 工数小 → 隙間時間に対応
- 影響小 × 工数大 → 基本的には後回し、もしくは見送る
例えば、
- クロールエラー・404の大量発生 → 影響大・工数中
- 重要ページのタイトルとH1の不整合 → 影響中〜大・工数小
- マイナーなテンプレートの微調整 → 影響小・工数小〜中
といった形で、「短期で効くもの」と「時間をかけて取り組むもの」を切り分けます。
サーバー・CMS・組織体制による制約の確認
理想論だけで優先順位を決めると、「やりたくてもできない」施策が混ざりがちです。
- サーバー設定を変更できる権限がない
- CMSの仕様上、URL形式を柔軟に変えられない
- JavaScriptレンダリング周りの対応には、開発チームのリソース確保が必要
- 外注先の制作会社・システム会社との調整が必要
など、現実的な制約を必ず洗い出します。
そのうえで、
- 内製で即対応できること
- 社内エンジニアと相談が必要なこと
- ベンダー・開発会社に依頼すべきこと
を分け、スケジュールと一緒に整理していくと、ワークフローが現実的になります。
実装フェーズ:何から手をつけるか
クローラー向け施策から着手する理由
多くのケースで、最初に取り組むべきはクローラー最適化です。
理由はシンプルで、
「そもそもクロールされなければ、どんなに他を整えても評価されない」
からです。
- 大量のクロールエラー・不要URLがある
- 重要なページがサイトマップに含まれていない
- robots.txt や noindex の設定ミスがある
といった問題があれば、最優先で解消します。
具体的には、
- 重大なエラー(サーバーエラー・大量の404など)の解消
- サイトマップと実際のURLの不整合を修正
- 不要なクロールを生むURLパターン(検索結果・絞り込みURLなど)の整理
- 重要ページへの内部リンクを強化
といった流れで進めると、クロールとインデックスの土台が整います。
インデックス最適化・UX改善へと広げていく流れ
クローラー向けの“目詰まり”を解消したら、
次は インデックス最適化 → ページエクスペリエンス・UX の順で広げていきます。
- インデックス最適化
- タイトル・見出し・メタディスクリプションの整合性チェック
- 重複・類似コンテンツの整理(統合・canonical・noindex)
- 内部リンクとアンカーテキストの最適化
- ページエクスペリエンス・UX
- 表示速度のボトルネックになっているページの改善
- モバイルでの読みやすさ(フォント・余白・行間)の調整
- フォームやCV導線の使い勝手の改善
- 広告・ポップアップの見直し
「検索エンジンにとって分かりやすいか」 → 「ユーザーにとって使いやすいか」
という順番でチェックしていくと、無駄なく進めやすくなります。
チェックリストを使った漏れのない実装
テクニカルSEOは、どうしても抜け漏れが起こりやすい分野です。
そこで役立つのが、サイト固有のチェックリスト化です。
- 「クローラー最適化」用チェック項目
- XMLサイトマップの作成・送信・更新
- robots.txt の確認
- クロールエラーの有無
- URL正規化の確認(www/非www、http/https など)
- 「インデックス最適化」用チェック項目
- タイトル・H1・ディスクリプションの整合性
- 重複コンテンツ・カニバリの有無
- 構造化データの実装状況
- 「ページエクスペリエンス」用チェック項目
- Core Web Vitals のスコア
- モバイル表示確認
- 404ページ・フォームの UX
スプレッドシートなどでプロジェクト管理し、
「どのURLで、何が完了していて、どこが未対応か」を可視化すると、チームで共有しやすくなります。
効果検証と継続的な運用
サーチコンソールや解析ツールでの効果測定
実装後は、必ず数字で振り返ることが重要です。
- GSC で確認する指標
- 合計クリック数・表示回数・平均掲載順位
- インデックスされているページ数の推移
- Core Web Vitals の改善状況
- アクセス解析ツール(GA4 など)で確認する指標
- 自然検索からのセッション数
- 直帰率・滞在時間・コンバージョン
- 施策対象URLのパフォーマンス変化
テクニカルSEOは、「実装してからデータが動くまでにタイムラグがある」のが普通です。
1〜3か月単位で傾向を見るイメージで、短期の上下に振り回されないことも大切です。

定期的な技術監査のプロセス
一度整えたとしても、
- 新規コンテンツの追加
- テーマやプラグインの更新
- サーバー移転・CDN導入
- キャンペーンLPの量産
などにより、テクニカル面の状態は少しずつ変化します。
そこで、半年〜1年に一度は、ミニ監査〜フル監査のような形で状態をチェックします。
- クローラーツールで再度全URLをクロール
- GSC のインデックスレポート・エラーレポートを再点検
- Core Web Vitals やモバイルフレンドリーのレポートを確認
- 新たに発生した重複コンテンツ・エラー・速度問題を洗い出す
この定期監査プロセスを決めておくと、
「気づいたら技術的負債が山積み」という事態を避けやすくなります。
Googleアルゴリズムアップデートへの対応方針
最後に、避けて通れないのがアルゴリズムアップデートです。
テクニカルSEOの観点では、
- 新たに重視される指標(ページエクスペリエンスやスパム対策など)が出てくる
- レポートの見え方や項目名が変わる
といった影響がありますが、慌てて小手先の対応を繰り返すのは逆効果です。
基本方針は、
- 公式ドキュメントやアナウンスで「何が重視されているか」を確認
- 既存のテクニカル施策が、その方針とズレていないかを点検
- 必要があれば、
- チェックリストの項目を追加
- 監査頻度や観察指標を見直す
といった、ワークフロー側のアップデートを行うことです。
テクニカルSEOのワークフローは、
「一度きりの改修」ではなく、
サイト運営の中に組み込む“習慣”
として設計することで、はじめて長期的な成果につながります。
- 全体像の可視化
- 優先順位づけ
- 小さく始めて、継続的に回す仕組みづくり
この3点を意識して、自社の体制やリソースにあった“現実的なプロセス”に落とし込んでいくことが、
テクニカルSEOを成功させるいちばんの近道です。
組織・運用面でのポイント
テクニカルSEOは「詳しい担当者が一人いればOK」というものではなく、
マーケ・開発・制作・経営陣をまたいだ、地味だけれど継続的なチーム作業です。
ここでは、「組織としてどう回すか」という視点に絞って整理します。
自社で対応できる範囲と専門家に任せる範囲を切り分ける
最初に決めておきたいのが、社内でやること/外部に頼ることの線引きです。
全部を内製しようとすると回らず、全部を外注しようとするとコストもノウハウも残りません。
目安として、次のような切り分けが現実的です。
社内で対応しやすい領域(慣れればマーケ担当でも可能)
- Google サーチコンソール・GA4 などのレポート確認
- 404・リダイレクトの簡易チェック
- タイトル・見出し・ディスクリプションの整理・改善
- 重複コンテンツの棚卸しと統合方針の決定
- テクニカルSEOの「やる/やらない」の優先順位づけ
専門家/開発者に任せた方がよい領域
- サーバー設定(HTTPS、キャッシュ設定、レスポンス改善など)
- CMSのテンプレート修正やプラグイン開発
- JavaScriptレンダリング対策(SSR、プリレンダなど)
- 大規模サイトのURL再設計・リダイレクト設計
- 構造化データの高度な実装(多言語・多サイト構成など)
まずは「自社のリソースで、どこまで責任を持てるか」を明文化し、
残りを専門家に相談する前提でロードマップを組むと、ムダな検証やトラブルを減らせます。
チームで施策状況を「見える化」するしくみづくり
テクニカルSEOは、やったことが画面上で見えにくく、
時間が経つと「何をどこまでやったか」が分からなくなりがちです。
そこで重要になるのが、施策状況の「見える化」です。
おすすめの方法はシンプルです。
- スプレッドシートやタスク管理ツールで、「URL × 施策項目」を一覧化
- 項目ごとに
- 未着手
- 対応中
- 完了
- 保留(理由付き)
のステータスを持たせる
- 担当者(マーケ/開発/外部パートナー)を明記する
- 施策の目的と期待する指標(例:インデックス数改善、LCP改善など)もメモしておく
さらに、
月1回程度の「テクニカルSEOミーティング」を設定し、
- 先月からの変更点・検出されたエラー
- 優先度の高い新規タスク
- 施策の成果(指標の変化)
をチームで共有すると、「誰が何をやっているのか」が明確になり、
担当者の属人化も抑えられます。
定期チェックのタイミング・ルールを決めて運用する
テクニカルSEOで成果が持続するかどうかは、
「どれだけ定期点検の仕組みを作れるか」にかかっています。
例として、次のようなリズムが現実的です。
- 毎週〜隔週
- GSCで重大なエラーや急な変化がないか確認
- 新規公開ページのインデックス状況をチェック
- 毎月
- 自然検索トラフィック・インデックス数・Core Web Vitals の推移を確認
- 新しく発生した404・リダイレクト問題の洗い出し
- 優先タスクの見直し(新規コンテンツ追加やキャンペーンの影響を踏まえる)
- 半年〜年1回
- 全URLを対象にしたフルクローリング&技術監査
- URL構造・サイト構造・テンプレート構成の見直し
- CMS・プラグイン・サーバー構成のアップデートに伴う影響チェック
大事なのは、「時間が空いたらやる」のではなく、
あらかじめ点検のタイミングをカレンダーに固定しておくことです。
これだけで、「気づいたら技術的負債が山積み」というリスクをかなり減らせます。
大規模サイトと小規模サイトで重点を変える考え方
テクニカルSEOの「正解」は、サイトの規模とビジネスモデルによって変わります。
同じチェックリストをそのまま当てはめると、どちらにとっても非効率になりがちです。
大規模サイト(数千〜数十万ページ)の場合
- 最優先は クロール効率とインデックス品質
- やるべきこと
- 大量のパラメータURL・フィルタページの整理
- サイトマップの分割・優先度設計
- 重複・類似コンテンツの統合ルールの策定
- サーバー性能・キャッシュ・CDNなどインフラレベルでの最適化
- 運用のポイント
- 1ページ単位の細かな調整は、すべてを完璧にしようとしない
- 「テンプレート単位」「カテゴリ単位」での改善を優先する
- 技術チームとマーケチームが定例ミーティングを持ち、
開発ロードマップにテクニカルSEOを組み込む
小規模サイト(数十〜数百ページ)の場合
- 最優先は 致命的な技術的ミスをなくすこと と、
コンテンツ制作に最大限リソースを回すこと - やるべきこと
- 基本的なクロール・インデックス・速度・モバイル対応を一通りチェック
- 重要ページ(サービス・料金・CVページ・主要な記事)を重点的に最適化
- 不要なプラグインやスクリプトを減らし、シンプルな構成にする
- 運用のポイント
- テクニカル面で「80点」を目指し、残りの労力をコンテンツとマーケに振り向ける
- 外部の専門家にスポットでレビューしてもらい、
「最低限直すべき技術的な穴」を教えてもらうのも有効
テクニカルSEOは、技術の話でありながら、「組織の動かし方」が成果を大きく左右する分野です。
- どこまで自社で責任を持つか
- 施策をどう可視化し、誰が継続的に見るのか
- サイト規模に応じて、どこに力を入れるか
この3点を意識して設計すれば、「一部の担当者だけが疲弊するSEO」から脱却し、
組織として長く続けられるテクニカルSEOの運用体制に近づけます。
テクニカルSEOでありがちな失敗とリスク
テクニカルSEOは「正しくやればリターンが大きい」反面、
やり方を誤ると短期的に数字は動いても、中長期ではマイナスになることがあります。
ここでは、よく起こりがちな失敗と、その背景・防ぎ方を整理しておきます。
技術面だけに偏り、コンテンツの質が置き去りになる
テクニカルSEOは数字で追いやすく、「やった感」が得られやすい分野です。
そのため、次のような落とし穴にハマりがちです。
- Core Web Vitals だけを追いかけて、記事の中身の見直しが止まる
- タイトルや構造ばかりチューニングして、コンテンツ自体は古いまま
- サイト全体の速度は速いが、ユーザーが本当に知りたいことには触れていない
検索エンジンの評価は、ざっくり言えば
「土台(テクニカル) × 中身(コンテンツ) × 信頼(外部評価)」
の掛け算です。
どれか一つがゼロに近ければ、他をどれだけ頑張っても頭打ちになります。
防ぐためのポイント
- テクニカル対応のロードマップと並行して、コンテンツ改善の計画も必ず用意する
- 「技術タスクだけ」の会議ではなく、
マーケ・編集側とセットで状況を共有する場を作る - 重要ページの更新日・内容を定期的にチェックし、
「技術は最新なのに中身が古いページ」を残さない
無自覚のうちにガイドライン違反・ブラックハット寄りになる
テクニカルSEOはコードや設定をいじる分、「やり過ぎる」と意図せずガイドライン違反に近づくことがあります。
例えば、こんなパターンです。
- 構造化データで「実際には存在しないレビューや星評価」をマークアップする
- 実質同じ内容のページを量産し、URLだけ変えてインデックスさせる(ドアウェイページ化)
- 検索エンジンとユーザーに、まったく違う内容を出す(クローキング)
- 目に見えない位置・サイズで内部リンクやキーワードを仕込む
一見「ちょっとした工夫」に見えても、
「検索エンジンをだまして評価を引き上げようとしている」と判断されれば、
アルゴリズム更新のタイミングなどで一気に順位を落とすリスクがあります。
防ぐためのポイント
- 「ユーザーに見えていない情報で、評価だけを上げようとしていないか?」を自問する
- 構造化データは、実際のページ内容と矛盾しない範囲で使う
- 評価を早く上げる近道ではなく、
「内容を正しく理解してもらうための補助」として捉える - 迷ったときは、公式ドキュメントや専門家の意見を確認する
noindexやリダイレクト設定ミスなどの「うっかり事故」
テクニカルSEOの現場で一番ヒヤッとするのが、設定ミスによるトラフィック消失です。
代表的なのは次のようなケースです。
- ステージング環境に付けていた noindex を、本番でも外し忘れる
- リニューアル時に robots.txt で
/を丸ごとブロックしてしまう - 301リダイレクトの設定ミスで、無限ループや関係ないページへ飛ばしてしまう
- 重要ディレクトリ全体を、意図せず noindex 対象に含めてしまう
これらは、悪意のある施策ではなく、単純なチェック漏れ・コミュニケーション不足から起こります。
防ぐためのポイント
- 本番反映前に確認する「テクニカルチェック項目」を固定化する
- noindex / nofollow
- robots.txt
- 主要URLのステータスコード(200 / 301 / 404 など)
- 大きなリダイレクトやURL変更を行うときは、
- テスト環境で動作確認
- 限られたURLで部分的に試す
といったステップを挟む
- 変更履歴(いつ・誰が・何を変えたか)を残しておき、
トラブル発生時にすぐ辿れるようにしておく - 重大な変更の直後は、GSCとログを集中的にモニタリングする
メンテナンスを前提としない一度きりの施策で終わってしまう
テクニカルSEOを「リニューアル時に一度やったから終わり」と考えてしまうのも、よくある失敗です。
- 新しいテンプレートや機能を追加するたびに、
・速度が落ちる
・リンク構造が変わる
・予期せぬエラーが増える - CMSやプラグイン更新のたびに、
以前のチューニング内容が上書きされ、元に戻る - 新規コンテンツの追加が続くうちに、
気づけば URL 構造やカテゴリ構造が崩れていく
テクニカルSEOの多くは、「状態を維持するためのメンテナンス」が前提です。
ここを設計しておかないと、数年後にはリニューアル前より技術的負債が増えたサイトになりがちです。
防ぐためのポイント
- リニューアルや大規模改修の計画段階で、
「リリース後のテクニカルSEOメンテナンス」をセットで設計する - 半年〜1年に一度の技術監査を「定期イベント」としてスケジュール化する
- 新しい機能・テンプレートを追加するときには、
- 速度
- モバイル表示
- インデックス状況
を必ずチェックするルールを作る
- 「改修 → チェック → 課題の記録」というサイクルを、
チームの標準プロセスとしてドキュメント化しておく
テクニカルSEOの失敗は、派手さこそありませんが、
気づいたときにはダメージが大きくなっているタイプのものがほとんどです。
- 技術だけに走らず、コンテンツとユーザーの価値を常に中心に置く
- ガイドラインとの距離感を意識し、「グレーゾーン」に頼らない
- 設定ミスを防ぐためのチェックプロセスを用意する
- 一度きりではなく、メンテナンス前提で設計する
この4つを意識しておけば、
テクニカルSEOは「検索エンジンにもユーザーにも信頼される、堅実な土台づくり」として機能してくれます。
テクニカルSEOに役立つ代表的なツールと使い分け
テクニカルSEOは「勘」ではなく、ツールで現状を可視化してから判断するのが基本です。
ここでは、実務でよく使われる代表的なツールと、その役割・使いどころを整理します。
検索エンジン公式ツール
Google Search Console
テクニカルSEOで最優先で導入すべきツールです。
「Googleがあなたのサイトをどう見ているか」を教えてくれます。
主にできることは次の通りです。
- 検索クエリごとのクリック数・表示回数・平均掲載順位の把握
- インデックス状況(有効/除外/エラー)の確認
- クロールエラー(404・サーバーエラーなど)の検出
- サイトマップの送信・インデックス状況の確認
- Core Web Vitals やモバイルユーザビリティのレポート確認
- URL検査で「このページがインデックスされているか」をピンポイントで調査
テクニカルSEOでの使いどころ
- 「クロールされていない/インデックスされていないページ」を洗い出す
- 大量のエラー・除外がないかを定期チェックし、施策の優先順位を決める
- 施策前後で、クリック数・インデックス数・エラー数の変化を追う

PageSpeed Insights/Lighthouse
どちらもページ速度とUXを診断するツールです。
- PageSpeed Insights
- URLを入力するだけで、モバイル・PC別にスコアと改善提案が表示される
- Core Web Vitals(LCP・INP・CLS)も確認できる
- Lighthouse
- Chromeの開発者ツールから実行できる計測ツール
- パフォーマンスだけでなく、アクセシビリティ・ベストプラクティス・SEOなども診断
テクニカルSEOでの使いどころ
- ページ表示速度のボトルネック(画像・JS・CSSなど)を見つける
- モバイルでのUXに問題がないか(レイアウトシフト・応答速度など)を確認
- リニューアルやABテスト時に、パフォーマンスが悪化していないかのチェックとして使う


クローラー・サイト監査系ツール
Screaming Frog SEO Spider
デスクトップ型のクローラーツールで、「検索エンジンになりきってサイトを巡回する」イメージのツールです。
主にできることは:
- サイト内のURLを一括クロール
- 各URLのステータスコード(200 / 301 / 404など)の確認
- タイトル・メタディスクリプション・見出しタグの抽出と重複チェック
- canonical・meta robots・インデックス制御などの確認
- XMLサイトマップの生成 など
テクニカルSEOでの使いどころ
- サイト全体の構造やURL一覧を素早く把握したいとき
- 404・リダイレクト・重複タイトルなどの「一括健康診断」がしたいとき
- リニューアル時に、旧URL→新URLのリダイレクト設計を確認したいとき
Lumar(旧 DeepCrawl)
Lumar はクラウド型のクローラーで、大規模サイトのサイト監査に向いたツールです。
特徴としては:
- 数万〜数十万URL規模のサイトもまとめてクロール可能
- クローリングを定期実行し、変化や新たな問題を自動で検知
- テクニカルエラー(ステータスコード・インデックス問題・速度・内部リンクなど)をダッシュボードで可視化
テクニカルSEOでの使いどころ
- ポータルサイトやメディアなど、大規模サイトの定期的な技術監査
- 開発・運用チームと共通のダッシュボードを持ち、
どの部分で問題が増えているかを共有したいとき - 多拠点・多ドメインをまたいだグループサイトの管理
dead-link-checker
名前の通り、リンク切れチェックに特化したシンプルなツールです。
- ページやサイト全体を指定して、リンク切れ(404など)を検出
- 対象URLとリンク元のURLを一覧表示してくれる
テクニカルSEOでの使いどころ
- 定期的にリンク切れを一掃したいとき
- リニューアル後に、旧URLへのリンクが残っていないかチェックしたいとき
- 規模の小さいサイトで、Screaming Frog ほど本格的なツールは不要なケース
総合SEO分析・キーワード調査ツール
Ahrefs
Ahrefs は、被リンク分析・キーワード調査・サイト監査などをまとめて行える総合SEOツールです。
テクニカルSEOの文脈で役立つのは:
- Site Audit 機能によるテクニカルエラーの検出
- 内部リンク構造・ステータスコード・重複コンテンツなどのチェック
- オーガニックトラフィック推移とテクニカル施策の効果を紐付けて見ること
加えて、キーワード調査・競合分析も強力なので、
「テクニカル面+コンテンツ戦略」を一つのツールで見たい企業
に向いています。

Semrush
Semrush もAhrefsと同様、総合型のSEO・マーケティングツールです。
テクニカルSEOでは、
- Site Audit による技術的問題の検出
- Core Web Vitals に関連する項目や内部リンクの問題の確認
- ログ解析・競合比較など
を通じて、「技術面の課題」と「検索結果での成果」を同時に把握したいときに役立ちます。

KEYWORD FINDER
日本語圏で使われることの多い、キーワードリサーチと順位計測に強いツールです。
テクニカルSEO単体というよりは、
- テクニカル施策を行った後の順位推移のモニタリング
- コンテンツ側のキーワード設計との連携
に向いています。
- 想定キーワードごとに、
- 順位
- 検索ボリューム
- 競合状況
を継続して追えるため、「テクニカル施策後に狙ったキーワードで上がっているか」を確認しやすくなります。
ANATOMY
ANATOMY は、ユーザー行動の可視化とSEO指標を掛け合わせて分析できるツールです。
テクニカルSEO寄りの使い方としては:
- 検索流入ユーザーがページのどこまで読んでいるか
- ページ速度やレイアウトが、ユーザー行動にどう影響しているか
- テクニカルSEOで改善したページが、実際にUXとしても改善しているか
を確認するのに適しています。
TACT SEO
TACT SEO は、日本語サイト向けのコンテンツ・テクニカル両面の分析ツールとして利用されることが多いです。
- インデックス状況や内部リンクなどのテクニカル要素
- タイトル・見出し構成、キーワード分布などコンテンツ要素
をまとめて分析できるため、
「コンテンツSEOとテクニカルSEOを、別々のツールで見るのが大変」
というケースで導入されることが多い印象です。

導入・活用時のポイントと基本的な見方
最後に、「どのツールもそれなりに高機能で、結局どう使い分ければいいの?」という疑問に答えるために、ざっくり整理しておきます。
1. まずは公式ツールを使い倒す
- Google Search Console
- PageSpeed Insights/Lighthouse
は、必須レベルです。
これらだけでも、
- インデックス状況
- 技術的エラー
- ページ速度・UX指標
のかなりの部分が分かります。
2. サイト規模と目的に応じて「足りない部分」を外部ツールで補う
- URL数が多く、サイト全体をクローリングしたい
→ Screaming Frog / Lumar - リンク切れや簡易なチェックだけしたい
→ dead-link-checker - テクニカル+コンテンツ+外部要因をまとめて見たい
→ Ahrefs / Semrush / TACT SEO など - 日本語キーワードの順位・ボリュームを継続的に追いたい
→ KEYWORD FINDER - UX・行動データと併せて改善の打ち手を考えたい
→ ANATOMY などの行動分析ツール
という形で、「自分たちのサイトに足りない視点」を基準に選びます。
3. ツールは「答え」ではなく「判断材料」
どのツールも、出してくれるのはあくまで「シグナル(兆候)」です。
- 「エラー 〇〇件」と出たからといって、それがすべて致命傷とは限らない
- スコアが低くても、ビジネス的な影響が小さい部分なら後回しでよい場合もある
- 逆に、スコアは悪くなくても、ユーザーの離脱が多く改善余地が大きいページもある
大事なのは、
ツールの数値 → サイトの目的・ビジネス上の重要度 → 具体的な改善アクション
という順番で考えることです。
ツールをうまく使い分けられるようになると、
- 「どこから手をつければいいか分からない」
- 「感覚でしか改善できていない」
といった状態から抜け出し、
根拠のあるテクニカルSEOの意思決定ができるようになります。
まずは公式ツールを起点に、
自社の規模・予算・体制に合わせて、少しずつ外部ツールを組み合わせていくのがおすすめです。
成功事例・FAQ
ここでは、テクニカルSEOが実際にどのような成果につながりやすいかをイメージできるように、代表的なパターンをまとめつつ、よくある疑問に答えていきます。
テクニカル改善で検索流入が大きく伸びた事例の概要
実案件でも、次のような「よくある伸び方」のパターンが見られます。
※特定企業ではなく、実務で非常に典型的なケースを抽象化しています。
例①:大規模メディアサイトのクロール最適化
- 状況
- 記事数:3,000ページ超
- 絞り込み検索・タグページが乱立し、クロール対象URLが肥大化
- 重要記事がインデックスされていない/クロール頻度が低い
- 実施した主なテクニカル施策
- 絞り込み検索や不要なパラメータ付きURLを robots.txt でブロック
- XMLサイトマップに「優先的にクロールさせたい記事」を整理して登録
- カテゴリ・タグ構造を整理し、重要ページへの内部リンクを強化
- 結果イメージ
- 3〜6か月で
- インデックスされている記事数が安定
- 重要記事群の平均掲載順位がじわじわ上昇
- 自然検索流入が約1.5〜2倍程度に拡大
- 3〜6か月で
ポイントは、コンテンツ量は大きく変えず、「検索エンジンに正しく見せる」ことに集中しただけでも伸びた、という点です。
例②:BtoBサイトの表示速度・UX改善
- 状況
- サービスページは少数だが、LPや事例ページに画像・スクリプトが多く、モバイルの表示速度が極端に遅い
- 広告・外部スクリプトも多く、Core Web Vitals の指標が悪化
- 実施した主なテクニカル施策
- 画像のフォーマット最適化(WebP)・サイズ圧縮
- 不要な外部スクリプトの削除、読み込み順の見直し
- ファーストビューに必要な要素を優先読み込み
- フォーム周りのエラー表示・入力補助を改善
- 結果イメージ
- PageSpeed Insights のモバイルスコアが 30台 → 70台に改善
- BtoBリード獲得フォームの完了率が20〜30%ほど向上
- 自然検索流入も増加し、営業側の「問い合わせの質」も改善
ここでは、「セッション数の増加」だけでなく、コンバージョン率の改善にもテクニカルSEOが効いたパターンです。
例③:中小規模ブログのインデックス整理
- 状況
- 記事数は200本程度だが、似たテーマの記事を乱立させた結果、
カニバリ(共食い)コンテンツが多数発生 - GSCで「クロール済みだがインデックス未登録」の記事が増えていた
- 記事数は200本程度だが、似たテーマの記事を乱立させた結果、
- 実施した主なテクニカル施策
- 類似テーマの記事を統合し、代表記事を1本に集約
- 統合元のページは301リダイレクト or noindex
- 見出し構造・内部リンク・アンカーテキストを整理し、「そのテーマのハブ記事」を明確化
- 結果イメージ
- インデックスされている記事数はむしろ減ったが、
主要キーワードの順位が上昇 - 自然検索からのクリック数が1.3〜1.5倍に増加
- インデックスされている記事数はむしろ減ったが、
このケースは、「ページ数を増やすこと」が目的ではなく、「1ページあたりの評価密度を高めた」ことが効いた例です。
よくある質問
テクニカルSEOとコンテンツSEOの役割の違い
簡単に言うと、
- テクニカルSEO
→ 検索エンジンに「サイトやページの構造」を正しく伝え、
クロール・インデックス・評価の土台を整える役割 - コンテンツSEO
→ ユーザーのニーズを満たすコンテンツを作り、
検索結果で選ばれる“中身”を充実させる役割
という分担です。
イメージとしては、
テクニカルSEO:道路整備・標識・地図づくり
コンテンツSEO:その道路を走る「目的地としての店舗」の魅力づくり
どちらか片方だけでは不十分で、
「到達しやすい場所」に「行く価値のあるコンテンツ」が揃っている状態を目指します。
自社内で対応する際に必要なスキル・体制
すべてを専門家に任せなくても、基本的な部分は社内で十分対応可能です。
ただし、役割ごとに必要な視点が少しずつ異なります。
- マーケティング/Web担当
- GSC・GA4などのレポートを読める
- URL構造・サイト構造の考え方を理解している
- どのページがビジネス上重要かを判断できる
- エンジニア/制作
- CMSテンプレートやサーバー設定を変更できる
- HTML・CSS・JavaScriptの基礎知識
- リダイレクトやステータスコードの扱い方
- コンテンツ担当
- タイトル・見出し・構成をSEOとユーザー両方の視点で作れる
- 重複・類似コンテンツの整理方針を決められる
理想は、
- マーケ(またはWeb担当)が「課題の洗い出し・優先度決め」
- エンジニアが「実装・技術検証」
- コンテンツ担当が「中身の調整」
という3者が定期的にコミュニケーションを取る体制です。
人手が少ない場合は、
1人が複数役割を兼ねつつ、難易度の高い部分だけ外部パートナーに相談する形でも構いません。
中小企業や小規模サイトでもどこまでやるべきか
結論から言うと、
「全部やろう」とする必要はなく、 小規模サイト向けの“ミニマム版テクニカルSEO”で十分戦える
場合がほとんどです。
最低限、次のラインをクリアしていれば OK です。
- サイト全体が HTTPS 化されている
- モバイルで問題なく閲覧・操作できる(文字が小さすぎない、横スクロールが出ないなど)
- 404・リダイレクトの重大なミスがない
- XMLサイトマップ・robots.txt が基本的に正しく設定されている
- 重要ページの
- タイトル
- H1
- メタディスクリプション
が意図した内容で設定されている
- 表示速度が極端に遅いページがない(とくにCVページ)
それ以上の細かなチューニング(高度な構造化データ、大規模なURL再設計など)は、
- ページ数が増えてきた
- 自然検索からのリードが主要な流入源になってきた
- 競合もテクニカル面をしっかり整えている
といったタイミングで、段階的に検討すれば十分です。
テクニカルSEOは、派手さこそありませんが、
一度「筋の通った考え方」と「自社なりの優先順位付けの基準」を持てると、
長期的に大きな差につながる分野です。
- まずはミニマムなラインを整える
- 成果やサイト規模に応じて、一段ずつレベルアップしていく
というスタンスで進めれば、
中小企業や個人サイトでも、無理なく“効くテクニカルSEO”を実装していくことができます。
まとめ:テクニカルSEOで「土台」を整え、コンテンツの力を最大化する
テクニカルSEOは、一言でいえば 「サイトの土台を整えて、コンテンツが本来の力を発揮できるようにするための仕事」 です。
それ自体が売上や問い合わせを直接生み出すのではなく、成果につながるコンテンツを“正しく・安定して”評価してもらうための前提条件を整えます。
テクニカルSEOで押さえておきたい4つの軸
これまで解説してきた内容を、あらためてコンパクトにまとめると、テクニカルSEOは次の4軸です。
- クロール最適化
- サイト構造・内部リンク・URL設計・サイトマップ・robots.txt などで、
検索エンジンが迷わず巡回できるようにする。
- サイト構造・内部リンク・URL設計・サイトマップ・robots.txt などで、
- インデックス最適化
- タイトル/見出し/内部リンク/メタ情報/構造化データ/重複コンテンツ対策を通じて、
ページの内容と重要度を正しく伝える。
- タイトル/見出し/内部リンク/メタ情報/構造化データ/重複コンテンツ対策を通じて、
- ページエクスペリエンス・UX/セキュリティ
- 表示速度、モバイル対応、HTTPS、広告やポップアップ、アクセシビリティなどを整え、
「ユーザーにとって快適で安全なサイト」にする。
- 表示速度、モバイル対応、HTTPS、広告やポップアップ、アクセシビリティなどを整え、
- 運用・体制の設計
- 一度きりの施策で終わらせず、
ツール・チェックリスト・役割分担・定期監査を仕組み化して、状態を保つ。
- 一度きりの施策で終わらせず、
この4つがそろって初めて、コンテンツSEO・外部SEOが本来のパフォーマンスを発揮します。
コンテンツSEOとの関係:どちらが先か、どちらが大事か
よくある疑問が、「テクニカルSEOとコンテンツSEO、どちらを優先すべきか?」というものです。
答えは、
「どちらか一方ではなく、役割が違う」
です。
- テクニカルSEO
→ 検索エンジンとユーザーの双方にとって、“たどり着きやすく・理解しやすい状態”を作る。 - コンテンツSEO
→ その土台の上に、「読む価値がある・信頼できる情報」を積み重ねる。
もし現状で技術的な問題が多いなら、
「致命的なテクニカルエラーを先に潰し、その後コンテンツの改善に比重を移す」 のが現実的な進め方です。
小さく始めて、段階的にレベルを上げる
テクニカルSEOは、すべてを完璧にしようとすると、ほぼ確実に疲れます。
重要なのは、次のようなステップで段階的に進めることです。
- 現状把握
- GSC・PageSpeed Insights などの公式ツールで、「どこに問題が集中しているか」を確認。
- 致命的な問題の解消
- noindex/robots.txt ミス、404/リダイレクト問題、明らかな速度劣化などを優先的に修正。
- 重要ページからの改善
- サービスページ・収益ページ・主要コンテンツなど、ビジネスインパクトの大きいページから、
タイトル・見出し・内部リンク・速度・UXを順番に整える。
- サービスページ・収益ページ・主要コンテンツなど、ビジネスインパクトの大きいページから、
- チェックリストと定期監査の仕組み化
- 一度整えた状態を保てるように、
「更新前後のチェック項目」と「半年〜1年ごとの技術監査」をルール化する。
- 一度整えた状態を保てるように、
この流れを回していけば、限られた時間や人員の中でも着実にサイトの“土台”を強くすることができます。
「土台」が整ったサイトは、コンテンツの伸び方が変わる
テクニカルSEOをきちんと行ったサイトでは、次のような変化が起こりやすくなります。
- 新しく公開した記事が、インデックスされるまでの時間が短くなる
- テーマのハブ記事や重要ページが、徐々に上位に定着しやすくなる
- ページ表示速度やUXが改善され、同じアクセス数でもコンバージョン率が上がる
- エラーや設定ミスによる「無駄な機会損失」が減る
つまり、テクニカルSEOは、
コンテンツの「質そのもの」を上げるのではなく、
「せっかく作った良いコンテンツが、きちんと評価される確率」を上げる
ための投資です。
最後に:テクニカルSEOを「専門用語の沼」にしないために
テクニカルSEOの情報は、どうしても専門用語やツール名が先行しがちですが、
根本にある問いはとてもシンプルです。
- 検索エンジンは、このサイトを迷わず巡回できているか?
- ページの内容と役割は、機械にも人にも分かりやすく伝わっているか?
- ユーザーがストレスなく情報にたどりつける構造になっているか?
- この状態を、半年後・1年後も維持・改善できる体制になっているか?
この問いに、自分の言葉で「はい」と答えられるようになれば、 テクニカルSEOはすでにかなりのレベルまでできていると考えてよいでしょう。
コンテンツづくりに力を入れているからこそ、
その価値を最大限に引き出す「技術的な土台づくり」として、
テクニカルSEOを少しずつ取り入れていってみてください。
